○井上(普)委員 次官、あなたの御答弁はどうもちぐはぐだらけです。いまの最後の
お話なんというのは、予備費は三千億あるのです。なぜ今度の場合二つの予備費をつくったか、そこのところを素直に
考えていただきたいのです。これは
景気回復の必要が起こったならば必ずやるのですということでつくった予備費なんであります。この問題については、御承知のように財政法上問題がある。問題があって煮詰めが行われないままに変則な
予算案の採決が行われましたので、徹底的な論議ができておりません。しかしながら、当
委員会におきましても公共予備費の性格については御説明のあったところなのであります。あなたのおっしゃるようなのであれば、一般予備費と何ら性格が異ならぬじゃありませんか、最後におっしゃったようなことであれば。私
どもには納得いたしかねます。これは時間がございませんのでこの
程度にしておきますが、私
どもには納得できない。このことを強く申し上げておきます。
もう時間が参りましたので、ひとつ簡単にお
伺いいたします。
災害が起こった場合の復旧でございますけれ
ども、これは災害復旧ということで原形復旧というのがどうも占領軍当時からずっと続いた悪因習であったと思います。この問題について、近ごろは改良をかなり加えておりますけれ
ども、
もともと改良を中心にした復旧でなければならなかったのであります。しかしながら、この三十年間にわたる
大蔵省当局あるいは官僚機構の壁というものは非常に強くて、これがなされておらないのははなはだ残念であります。この際、改良を中心にした災害復旧をやっていただきたい、と申しますよりも、改良を原則とした災害復旧をやっていただきたいと思うのですが、その点いかがでございますか。もう時間がございませんのでお
伺いいたしておきます。
それから、治水五カ年
計画が来年度第五次でございますか、発足するのでございますけれ
ども、三木総理は、この間も災害が起こると、治水問題で一生懸命やるんだ、初めて治水問題の五カ年
計画をつくるんだのごとき印象を国民に与えるがごとき言動をされておりました。私もこの点、三木さんという人はいままで治水五カ年
計画が何回も重なったのを知らぬのかなという感じを持ちながら実は聞いておったのであります。しかしながら、この治水問題で特にいま重要なことは、都市の水害の問題あるいはまた大
河川の決壊の問題等等たくさんの問題はあります。しかし、先日、私のくにで起こった災害の一例を申し上げまして御参考に供したいと思うのであります。
私の方には、町村合併までは古宮村という村がございました。そこは、村が開けてから大体千二百年から千三百年たっておるのであります。御存じのように山村でございますので過疎でございまして、もう人口は半分に減りました。現在四百五十戸あるのでありますが、この間の災害によりまして川辺にある家というものは全部流れてしまった。山の上あるいは山の中腹にあるものは地すべりで、全壊家屋は少のうございましたけれ
ども実際問題として地すべりの上におる、不安でたまらない、でございますので、四百五十戸のうちの三百戸が実は移転しなければならないということを言っておるのであります。ところが、これに対する
対策といたしまして、集団移転は
考える。この間、江藤政務次官からは、私、災害
対策特別
委員会でお
伺いしましたところが、過疎
対策の問題と災害
対策の両方でひとつその問題は処置しよう、こういう御答弁がありましたので一応は安心したのでありますけれ
ども、実際問題として四百五十戸のうちの三百戸が移転しなければならぬというと、もう敷地がありません。それは合併いたしまして穴吹町古宮地区と申しておるのですが、昔の
生活共同体としての古宮村というものはもう完全に消滅せざるを得ぬものではないだろうかと私
どもは思うのであります。ここらに対して、三百戸を移転させるにいたしましても、五里も六里も離れたところに持っていかなければ平地がございません。ところが地価が高い。もう町村長さんは非常な御苦労をなさっておるようであります。こういうような問題について、少なくとも国としては例外処置を講じなければならないのじゃないか、このように思うのでございます。これについての大臣のお
考えを承りたいと思います。
それから続いて、盛んにいま東海地震が論じられております。この間、参議院の
予算委員会におきまして、地震問題を取り上げて参考人を招致していろいろ御勉強になったようでありますが、その後、週刊誌あるいは新聞にもたくさん書かれおりまして、国民は、特に東海あるいは東海道ベルト地帯に住む人間としては不安は隠せないものがあります。いままでの地震予知については科学技術庁の
対策になっておりますけれ
ども、しかし災害が起こったら、これはもう
国土庁の方に責任は移る。したがって、ここらの災害において、特に
建設省においては、もう私が申し上げるまでもなく、高速自動車
道路あるいはまた一般災害というものは非常なものになって、あるいは新幹線も脱線転覆するでしょう。これらに対する
対策をいまのうちから私はあらかじめ
考えなければならない問題でないかと思いますと同時に、これは所管外ではありますけれ
ども、地震予知には二百億くらいの金さえあればできるんだと学者
先生は申しておりますので、国民の諸君の不安を解消するためにも、ひとつせっかくの御
努力を
国土庁におきまして
もとられることをお願いいたすのであります。
それからもう
一つは、これは
河川課になると思いますが、私のくにの災害を視察してまいりました。いかにもひどい災害でございました。五日間に二千七百ミリ降ったところに、実は四、五日前に私参ったのであります。ともかくすごい山崩れで、ここは人間の犠牲者が出ておりました。ひどいものだなと思ったのでありますが、その下流のところを見てまいりますと、川底がともかく上がっている。何で上がっているんだと言いますと、ダムのバックウォーターの地点、ここから土砂は非常に堆積いたしまして三メートル、四メートル大体たまっておるのであります。ひどいところでございますと、十七メートル土砂が堆積いたしておるのであります。そしてその村の人たちの言うのには、あんな砂防ダムがなかったならば、あるいはまた発電ダムがなかったならば、私のところは水がつかりませんが、今後は雨が出ますと私の方はつかってしまいます、どこがこれらの
対策を講じていただけるのでしょうかということを申しておるのであります。これもダム災害の
一つじゃなかろうかと思います。国の御方針を承りたいと思うのであります。
以上、飛び飛びの問題でございますが、ひとつ御答弁をお願いいたします。