○
庄司委員 総理にお伺いしたいわけですが、実はこの十五日にロッキード問題の中間報告がなされたわけです。ロッキード問題は、本来ロッキード特別
委員会なり
予算委員会で
審議されてきたものですから、私は、ここで余り立ち入っては論じたくないのですが、やはりこの
決算審査に当たって欠かせない問題もありますから、その点でひとつ質問したいと思うのです。
最初、私はひとつ
総理の姿勢の問題でお伺いしたいのですが、九月二十八日の衆議院本
会議で、わが党の金子議員に対するあなたの答弁があったわけです。その際、金子議員は、
三木総理が
ロッキード事件の本質と性格をどのように認識しているか。金子議員は、わが党の
立場からこの性格というものを、金権
政治である、それから戦犯
政治の性格がある、それから最後に売国的な性格がある、こういう分析をしたわけですが、これに対して
三木総理は、お忘れにならないだろうと思いますけれ
ども、金子君の分析は、共産党の
立場からなんだということで、あなたの分析はこう述べておられるわけです。
ロッキード事件の起こった背景は二つある。一つは、目的のために手段を選ばずという道義心の低下だ。それから二番目は、金がかかり過ぎる
政治の問題だ、こういうふうにあなたは御答弁になったのです。これはあなたの御認識が、
ロッキード事件の性格というものは、こういう性格なんだという御認識だろうと思うのです。
それでお伺いしますが、
政治に金がかかり過ぎる。そうすると、逮捕された田中は、この五億円を一体どういう
政治に使ったのか。この分析が実はこの中間報告には全然ないのです。しかも、この中間報告を拝見いたしますと、「田中の収受したと認められる五億円の使途についても鋭意捜査したが、その個別的な使途を明らかにすることはできなかった。」と完了形で言い切っております。さらに別なページ、最後の方になりますと、全日空ルート並びに丸紅ルートについては「九月三〇日をもつておおむねその捜査処理を終了した。」これも「おおむね」という
言葉はありますけれ
ども、完了形で述べられております。この点で、田中の五億円の使途が、どういうふうに
政治に使われたのか。金がかかり過ぎる
政治だとあなたはおっしゃっておりますから、これが未解明のままでは、なぜ一国の
総理ともあろう者が
政治のため賄賂の金を必要としたのか、この原因となった
政治構造、これを不問に付することになるのだと思うのです。
これは毎日
新聞の十月十七日号の朝刊の「余録」欄に実はこの点も含めて「口事件の中間報告で、徹底追及派の
三木首相もすっかり正体を現した。正義の味方のはずの月光仮面に、大きなキツネのしっぽがついていることを確認し、
国民はあっけにとられている」、これは大分手厳しい批判です。あなたは批判は批判として、
国民の批判の自由がある、こうおっしゃいますから、これも素直に受け取るべきだろうと思いますけれ
ども、その問題はいいですから、何のため五億円の金を賄賂でもらって
政治に使ったのか、どういう
政治が行われていったのか、この解明がこれには全然ないのです。その点で、毎日
新聞とはまた別な角度で私は非常に中間報告に不満なんです。
国民も恐らく不満だろうと思います。この五億円の使途の問題は、後でも申し上げますが、ちょうど四十八年の
決算ですから、国税の収納の問題ですから、
決算審議にとって非常に重要なかかわり合いを持っているのです。その点で、何のために
政治に五億円の賄賂を使って、どういう
政治をやろうとしたのか。これをひとつ
総理から御答弁願いたいと思うのです。この中間報告ではちっともわかりません。