○
小林(進)
委員 そうですか。
理事会に諮って協議するとおっしゃれば、やむを得ません。あなたも余り権威のある
委員長でもないのですから、それはやむを得ません。
それじゃ次に
質問いたしますけれ
ども、
外務大臣、私は先ほ
ども申しましたように、あなたと初めて
——外務大臣小坂何と言いましたかね、兄弟がいらっしゃいますから、弟の方ではないだろうが、兄貴の方は何
一郎と言いましたか知りませんけれ
ども、
一郎ではなくて太郎でしたね、その
外務大臣と私は初見参しますので、私はあなたの
外務大臣としての姿勢を知りたいわけなんですよ。
この
大陸だなの問題に対してわれわれが基本的に反対をいたしますには、大まかに言って二つの理由がある。
一つの理由は、いま申し上げましたように、この
協定の中にはもろもろの矛盾がある。だからその内容にわたって賛成できないということは
一つの大きな理由でありますけれ
ども、いま
一つのもっと大きな理由は、日韓の癒着の問題なんだ。いわゆる朴政権と残念ながらわが
自民党歴代の
政府当局者の中に含まれる高官、その間に黒い霧の癒着がある。その癒着の中からこういう
協定ができ上がったということに対して、国民は非常に不信感を持っておるのですよ。それだからこういう
協定はやめてくれ。その不信感は、何も私が言うだけじゃない。現に
自民党の中におけるそうそうたる幹部であり、三木総理
大臣とはまさにいわゆる盟友であるとも言われた宇都宮徳馬氏みずからが公言している、日韓
大陸棚協定は反対だと。その反対の理由は、いまも言うように内容に多くの矛盾があると同時に、黒い霧がついて回っている、日韓の黒い癒着があるから私は反対である。あなたの足元からそういう声が出ている。それは宇都宮徳馬氏だけの声じゃない、国民全般の声です。
そこで私はあなたにお伺いしたいのだが、その黒い霧の問題は、単に
大陸だなだけの問題じゃないのです。
金大中の問題あり、文世光の問題あり、あるいはきのうあたりから
新聞をにぎわしております
朴東宣の問題があり、あるいはハーバード大学のコーエン教授の問題あり、国民の耳の中には、日韓の問題には不明な問題、不愉快な問題、
疑惑な問題が幾つもあるのであります。
で、私は、これらの問題について、
予算委員会や
外務委員会や決算
委員会を通じて歴代の
外務大臣に、この国民の
疑惑の解明を得べく執拗に
質問を続けてまいりました。その歴代
外務大臣の中で、われわれの聞かんとする国民の意思に沿うてやや良心的な
答弁と行動を示してくださったのは、これは
名前を言いましょう、あなたの前々回の
外務大臣の木村さんでありました。木村さんは、われわれは野党におりながらも、この人に期待すればやや国民の要望するような線に日韓問題の方向がいくのではないか、実にかすかながらも朗らかな光を感じたのでありますけれ
ども、これがやめさせられて、かわってあらわれたのが宮澤何がしであります。この宮津何がしも、われわれは初めは期待したのでありまするけれ
ども、期待するだけ裏切られたことが多かった。これくらい反動的にしてこれくらい悪い
外務大臣はおりませんでした。そして最後には、中国を怒らせ、行かぬでもいい北方の視察にまで行ってソ連を怒らせ、むちもて追われるがごとく去っていったのであります。われわれはこういう者に期待するところは
一つもなかった。その後にあらわれてきたのが小坂さん、あなたなんであります。
そこで、あなたに私が言わんとすることは、ただ
一つあなたにいいところ、いいところと言うわけじゃありませんけれ
ども、
一つ期待するところがある。それは、対台湾問題でも対
韓国問題でも対インドネシア問題でも、われわれの
調査能力をずっと出してみても、いいも悪いも黒い霧の中に
小坂善太郎というあなたの
名前がないということなんだ。これは野党のわれわれから見れば
一つの救いです。あるいはまた、これは間違いで出てこないのかもしれません。だんだん押していったらあるいは出てくるかもしれませんが、いまのところはない。あなたはお笑いになるけれ
ども、真剣に国政を考え、国家の
外交を考え、国家の将来を考えるわれわれからすれば、それは腹の中で本当に飛び上がるほどの喜びなんですよ。願わくはこのままの姿で、永久にこういう黒い霧の中に
小坂善太郎の
名前が出ないことをわれわれは祈っている。実際祈りたい気持ちなんであります。
そこで、そういう形の中でひとつあなたにこれをお伺いするのでありますけれ
ども、あなたは
金大中事件、文世光
事件、それからきのうから追われている
朴東宣事件、コーエン
事件等について、一体どの程度に了承をしておられるのか、どの程度に
事件の内容を知っておいでになるのか、それだけひとつ承っておきたいと思います。