○佐藤隆君 きょうはこの問題だけで議論していると、これだけで二時間ぐらいかかりますから、余り議論いたしませんけれども、このままじゃいけないですよ。だから、こういうことでむずかしさがあったということをやはり公表して、あからさまにして、そしてもうだめならだめと言ってもらった方がかえっていいと思うのです、という気持ちにもなるということなんです。だめだと言ってもらっちゃ困るんですよ。とも言いたくなると、こういうことなんです。それはたとえば北海道
農業にしたって、五十一年度
予算案で北海道
農業の問題がやっぱり相当取り上げられているんですよ。まだ足りないならもっと取り上げりゃいいじゃないですか。この
地域分担というりっぱな
考え方が通らない一つのあれは
地域エゴがあるからなんです。現実の問題として
地域エゴがあるということはわれわれもお互い承知しておるのです。その
地域エゴというものをやっぱりしかし取っ払ってやらなければいかぬでしょう。そこに一つ一つの米以外の作目について、
価格政策がどうだ、いろいろな問題が出てくるでしょう、そういうことが。そういうことを詰めていく努力がないじゃないですか。だからいつまでもこの議論が続いているのです。これは私は言葉が悪いけれども、一たび重要政策として、農民にガイドラインということで誘導指標として示したことがこういううやむやな形になおざりにされておる。そしていろいろ議論していく中でやはりこの問題が解決しておればなあという一つの
考え方もまたそこに出てくるとするならば、それはやはりここ数年間にわた
る農林省の一つのサボタージュじゃないかと言われてもしょうがないんですよ、これは。私はそう思うのです。決していやみを言うつもりはないけれども、私自身が期待をしておったし、農民自身も期待をしておった。私がこう言うと、おまえは新潟だから新潟は米をつくればいいと思って
地域分担
地域分担言うけれども、そうじゃない、そんな次元の低いことを言っているのじゃない。日本全国を眺めて言っているのです。そういうことで、大臣ひとつ、これはあのとき考えた当初の記憶をひとつ
農林大臣も——当時は大臣じゃなかったですけれども、お役人の方々皆おられた方々ですから、当時の記憶をひとつよみがえらせてはっきりさせてください。それだけお願いをしておきます。またあとで、この
地域分担についてはそういうことだからという意味のことを申し上げます。
次に、「
農産物の
需要と
生産の
長期見通し」。こういう一つの問題点を先ほどの
所信表明でも言われたわけでありますけれども、そういうことに関連して
生産体制をどう
強化していくかという問題も重要な問題であることは当然であります。でありますが、民間備蓄という問題について私このごろ考えているのです。これもこのことだけで議論すると一時間も二時間もかかりますから、きょうは余り深い詰めた議論はいたしませんけれども、少なくとも自給
状況というものを考え、そしてここ数年の今日までの
食糧の自給
体制とそれから
国民食糧の
安定供給体制というか、そういうようなことを——いろいろな言葉は出てまいりましたが、ちょうどおととしですか、買い占め売り惜しみ防止、こういうことで、当時私も党を代表して緊急質問に立ったこともあるのですが、その当時やはり備蓄が必要なんだ。たとえばモチ米の買い占め売り惜しみ等についても、そのほかの問題についても、これが一体ウルチだったらどうするのだ、モチ米だからまだいいけれども、ウルチだったらどうするのだというようなことまで深刻に考えた時期があったのです。そういう時期を、あの狂乱物価の時代をずっと経験してきておって、あの当時の議論は備蓄については通産省と農林省とちゃんと検討すると言ったのですよ。それはえさについてもやらねばならぬ、こう言ってきたのですよ。議事録にちゃんと残っていますよ。当時の
農林大臣櫻内さん、通産大臣中曽根さん、ちゃんと言ってきたんですよ。ところが、あの買い占め、売り惜しみ防止法なんというものが一応できて時間がたってしまうとみんな関心を持たないものでありますから、議論が表に出てこないものでありますから、潜在的な議論はあっても表に出てこないものだから、もう唯々諾々として今日に至っておる。
私は、主要
食糧について、たとえば主要
食糧の中でも米についてランニングストックが二百万トン。はからずも去年の豊作によって五十四年を待たずして、これはけっこうなことですよ。けだし私どもはこのことについては三百万トンぐらい必要だ、こう言ってきた、配給量の半年分ぐらい持ちなさい、こう言ってきたのだけれども、食管財政で赤字が出る。末端逆ざや解消、末端逆ざやの不
拡大、こういうことも去年から打ち出してそういう認識をみんなに求めてきたわけでありますから、そういう窮迫した食管財政の中で必要以上の負担をかけてさらに備蓄コストのかかるそういうものをという要請ははっきりここで言おうとは思いません。だけれどもやっぱり農協自身が、当時農協食管論なんというのがちょっと線香花火みたいに出たこともありますけれども、そういうものでなくて、何かやっぱりこれを補完するような
考え方というものが必要なんじゃないか、米にかかわらずそういう
考え方が主要
食糧について必要ではないか。そういう
考え方をわれわれいままで主張してきたんですが、こういう
考え方はやっぱり農林省でもはっきりしなきゃいかぬじゃないですか。ただ、先ほどの
所信表明の中にも、たとえば
公益法人による備蓄という問題も出ておりますから、何かそういう私どもがいままで考えてきた線に添ってという感じは受けますが、主要
食糧、それから
木材、これについて一体具体的に、さっき
所信表明は聞きましたが、具体的にどういう備蓄をやるんですか。あの狂乱物価、買い占め、売り惜しみ防止のあの緊急事態に農林省自体が、通産省自体が答弁したことも思い出されると思うのですが、そういうことを含めてひとつ
説明をしていただきたいと思います。