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政府委員(三井脩君) 御存じのように、右翼の各団体におきましては、この核防条約には反対ということでかねて反対宣伝活動をやっておりましたが、昨年の二月、いよいよこの問題の批准も近づいてきたという判断に立ちまして、先ほど申しましたこれに反対をする共闘
会議というものを一応つくったわけでございますdこういう組織でございますので、共闘
会議といいましても格別規約、組織と、こういったかっちりしたものがあるわけではありませんで、それぞれ街頭宣伝活動に参加する者、それがみんながこの共闘
会議に賛同する者であるという形をとっておりますので、ただいまのところそういう
意味で行動しておりますものは約二十団体ということでございますが、その日によって増減があるということでございます。そのような
状況におきまして、警察といたしましては、これに対する警戒、取り締まりの態勢を強化をしてまいっておるわけでございますが、御存じのように、この右翼の諸団体に属する連中は、いわゆる街頭宣伝用の車両に乗りまして行動すると、徒歩で行動する場合もありますけれども、主として車両によって行動いたします。これにつきましては、それぞれの車両が所轄警察署長の道路交通法による街頭宣伝の許可を得ておるわけで、これは道交法の七十七条による道路使用の許可ということになるわけでございます。したがいまして、この道路許可を受けて街頭宣伝をするわけでございますが、この核防条約の反対という事柄の性質上、彼らが街頭宣伝をどこに向けて行うかということになりますと、まず第一に外務省、
総理官邸、そして審議されておる
国会と、こういうことになるわけでございまして、警察におきましては彼らの行動を十分監視をする。同時にまた、外務省、
国会周辺におきましては、先ほどお挙げになりました先月の事例もあるように、
国会周辺に街頭宣伝の名のもとに近づく、車で近づいてこれを飛びおりてばらばらと駆け込むということに対する警戒という観点も含めまして、御存じのように
国会周辺の要所要所に機動隊員を配置し、また一般の方にも御迷惑をかけておるわけでございますけれども、機動隊の大型車両を道路に配置して、彼らが近づいたときには直ちに車両で阻止をし、説得をして
国会周辺から退去させるという方法をとっておるわけでございます。
本日の事案につきましては、いつもはいわゆる右翼団体のそれぞれの団体のユニホームを着て行動するわけですが、本日はこの条約の最大の山場であるということから、本日は六十名行動しておるわけでございますけれども、そのうちの約十五名は普通の背広、まあ私服といっていいでしょうか、ユニホームでない服装で行動するという
状況を見ましたので、彼らがいわばゲリラ的に警戒のすきをついて
国会に近づくという点を警戒をし、早朝来警戒しておったところ、ただいま申したような状態で
議員面会所へ行き、
議員面会所では中に通行を認めないという
状況を見てとって、そこから退去する形をとり、西通用門の付近に来たときに急に中に駆け込むということで、本館の建物の中には入りませんでしたけれども、このそばまで行ってガラスを破る、また、核防条約反対のシュプレヒコールをすると、こういう状態でありましたので、そのほぼ全員を検挙したのでございます。あと一、二名おったかというような感じもございますので、その辺につきましては十分
捜査をしておると、こういう
状況でございます。