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政府委員(藤井貞夫君) いろいろの御議論があることは私たちも承知をしておりまして、それなりに慎重な検討を加えて結論を出したつもりでございます。
この主任に対して何らかの給与的な
改善措置を講じてくれということは、先生もお詳しいように昨今急に出てきた問題ではございません。かなり前から何らかの
処遇というような話は出ておったように私も聞いております。また、去年の三月に、人確法に基づく第二次、第三次の
改善をいたしますることについて、文部大臣から私あてに、次にはこういう点をひとつ考えてくれないかと、所管大臣としての要望が出てきております。その中で、主任についても
所要のひとつ
改善措置を講じてもらいたいが、それはわれわれも言っておりましたように、当時の状況では、主任といっても
制度がはっきりしておらない、地方によっても違うし学校によってもまちまちであるというようなこともございましたので、やはり
制度的に確立をしてもらうために規定の
整備を必要とするのではないかということも内々の相談では申し上げておりました。これに即応いたしまして、文部省といたしましては昨年の暮れに規則の制定をやられ、また本年に入りまして国立学校の規則の
改正をいたしまして主任というものの規定を
整備して、その職務
内容を明確に打ち出すということにされたわけでございます。そういうことを踏まえまして、私たちといたしましても慎重にいろいろ検討をいたしました結果、これについて今度の第三次
勧告の
内容の一つとして
措置を講ずることが適当であろうという結論を出したわけでございます。
そこで、この
処遇をやりまするための
方策といたしましては、局長からも累次申し上げておりますようにいろいろな方法がございます。一つは、いま
野田委員も言われましたように、あるいは管理職手当というようなことのやり方というものもあり得るのでありましょう。しかしこの点は、そもそも主任というものの職務あるいはその地位というものが管理職じゃないんだと、そうじゃなくって、要するに連絡
調整、指導助言なんだということに位置づけられたという事実がございます。したがってこれは特別
調整額で
措置をするわけにはまいらない。そういたしますと、その次に俸給に匹敵をいたしまする俸給の
調整額でやっていくというのも一つの技術的な方法としては考えられます。しかし、この俸給の
調整額というのは、これは本俸自体と同じような
措置、取り扱いをせられるものでございますが、しかしこの主任というのは、本来教員として教壇に立って生徒児童を教えていくという本来的な職務を持ちながら、要するにそれに並行して校務分掌の形として付加された職務の
特殊性ということでございます。また、文部省の指導
方針といたしましても、この主任というのはなるべくは固定的になるのじゃなくって、その能力を持った適任者があるならば広くこれを及ぼしていくということが適当ではないかというようなことを言っておられます。そういたしますと、俸給の
調整額で
措置することはむろんこれは適当でない。その次には、先生もいまおっしゃいましたように、これについては、これは特別のそういう給与体系の一つとして法律でもってやるように
勧告をすべきであったのではないかというような御議論も、御議論としてはあり得ると思うんであります。しかし、私たちといたしましては、この問題は給与
制度全体として見ました場合には、私もそうでありますが、なるべく給与の体系その他というものは、緻密で時勢の変化に適応して、即応していかなきゃならぬ面もあるけれ
ども、一面あんまり複雑になることもどうかと思うんでありまして、また別の意味では、簡明であり単純明快であるという要素もこれは無視ができない点でございます。そういたしますと、この主任については、何といっても一般職の職員の給与の体系の中で位置づけられる地位というのが教育公務員という特殊のものであり、しかもこれは高等学校以下ということで限られてまいりますし、またその対象自体も、全部が全部これの範囲に当たるものでもないというようなこともございますので、ここに新しいそういう体系をつくることもいかがかというふうに感じたわけでございます。といたしますれば、後に、
処遇を何らかの形でやるとすれば、現行の体系のもとでは特殊勤務手当しかない。しかもその特殊勤務手当には、いまも御指摘もございましたが、要するに困難グループというグループがございますので、その職務の
内容として困難であるということになればここに入れていくことが最も適切であり、またなじむものではないかということからこういう
措置を講じたことでございますので、その点ひとつ御了解を賜りたいと思います。