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参考人(
山本博君) 一三%に全体の支出を抑えました大前提といたしましては、いまお触れになりましたように、
NHKの三年間の今後の財政見通しのいわば大前提といたしまして
考えましたのが人件費、給与につきましては一一%。それから消費者物価につきましては八%、大体三年間これで見てまいろう。それから人員につきましては現状のまま三年間推移を
しよう。また減価償却その他につきましては従来
どおりの方法によりまして償却をしてまいろう。それから財務費につきましては、五十年度は相当当初高い見込みをいたしましたけれ
ども、結果において相当公定歩合の低下、そういうことがございましたので、五十一年度以降におきましては、大体、長期借入金で七%、放送債券で表面利率八・八というような基準を一応つくりまして、三年間を算定
しようということにいたしました。
その三年間の算定の
内容といたしまして、具体的に先ほどお触れになりました
調査会の提言ということがございまして、私たちは、
調査会で大体私たちが提起をいたしました長期のものの
考え方、こういうものは基本的に御
賛成を得ましたと
理解しております。
また、その中で具体的な提案という形が出されておりますので、それを三年間にあんばいをしていかなければならない、こういうふうに
考えまして、
予算の支出の
考え方の基本といたしましてこの提言も取り入れまして、第一には、
国民の御
理解を得なければならない
努力ということを第一義に
考えなければならないということで、この面の
予算に相当重い比重をかけることにいたしました。
それから第二には、いままでの
NHKの放送がややともすると中央に偏りがちである、中央集権的であるという
批判もございましたし、それがまたもっともであるというふうに私たちも
考え、
調査会においてもそういう御
議論がございましたので、放送
内容の充実という面では第一義的にローカルの充実ということを取り上げまして、この面に相当な比重をやっぱりかけていくべきであるというふうに
考えます。
それから営業の問題でございますが、
受信料の
値上げということをいたします反面、当然、
国民の
受信料に対する御
理解と御協力を得なければなりませんので、この面についてもある程度の重点というものを置かなければならないと思いました。
それから最後には、やっぱり事業全体の効率的運営ということを、この
受信料の
値上げの反面、これは当然のことでございますが、われわれの
努力目標というものを設定いたしまして、このための
努力をする。
大体、そういうような柱をつくりまして三カ年間の見通しを立てたわけでございます。結果といたしまして、三年間一三%台ということの数字になりました。これは御指摘がありましたように、確かに一一%の給与、それから八%の物価上昇、こういうものから見ますと一三%台というのは何か数字的に非常に食い違いがあるような感じがいたします。ただ一一%ないし物価の八%、こういうものはダイレクトに出てくるものではなくて、たとえば
NHK自身の持っております事業のたとえば契約の増あるいは難視聴施設の増、こういういわば当然増、よく一般の官庁で言っております当然増に当たる部分もございますので、いわば給与のパーセントなり物価のパーセントと直接的に結びつかない当然増というものもございます。たとえば国でもあるいは公社あたりでも人件費五%しかアップを見ておりませんけれ
ども、事業費全体としては当然増がございますのでやっぱり一二、三%になるというのと同じような現象が
NHKにもございまして、一一%の給与と八%の物価増というものを全体の計画の中にはそれを基準にして計算をいたしておりますけれ
ども、必ずしも一一%以下になるとかというわけにまいりませんで、いま申し上げました当然増を含めますと、大体において、いま申し上げた
予算の重点というものを置いて計算をいたしますと、ほぼ一三%台、どうしても平均一三%台でございますが、五十一年度が少し高めになっております。それから五十一年から五十二年、五十三年と逐次パーセントが減ってまいります。
これはいま
会長が言及いたしましたように、ここ両三年非常に財政が苦しい時期がございまして、赤字を抱えたまま経営してまいりましたので、いろいろな点を抑えてまいりました。当然平常の財政状態であれば
措置をしたであろうようなものを、建設費におきましても一般の事業費におきましても相当抑えてまいりました。たとえばカメラも相当古くなってくる、あるいは鉄塔の塗りかえなんかも待てということで抑えてまいりました。その他細かいこと言いますといろいろございますが、そういうものを両三年赤字財政の間に耐用年数を相当がまんさして使ってきたようなものも相当ございますので、それを五十一年度にやや厚くしておる点がございます。そのために、そういうものを引きますと大体において三カ年間平均一三%台になりますが、そういうものを含めて計算をいたしますと一三%台ということに相なったわけでございます。