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政府委員(石原一彦君) 私、昨年十二月矯正局長に就任したのでございますが、前局長からも、十分監獄法
改正の構想、その他を承りまして、本年三月二十七日、法制
審議会に対しまして、「監獄法を
改正する必要があると考えるのでその
改正の骨子となる要綱を示されたい」という旨の諮問をいたしました。
監獄法は、御承知のように、明治四十一年にできた
法律でございまして、
内容、形式ともにきわめて古いのでございます。成立間もなくのころから監獄法の
改正というのは部内での議に上っておりましたし、近くは当国会におきましてもたびたび御指摘を受けたところでございます。ところが、ここ十年近くいろいろ検討いたしましても確定した案がなかなかつくりにくかったという点からおわかりのように、いろいろな意見が出る
法律でございます。そこで、ただいま読み上げましたような、「
改正の骨子となる要綱を示されたい」ということを諮問いたしますと同時に、法務省として考えております監獄法
改正の構想を四十七項にわたりまして世に問うたのでございます。その結果法制
審議会におきましては、この三月二十七日に、技術的な点その他もあるので慎重に検討するため部会を設置するようにということに相なりまして、第一回の部会が四月二十八日に開かれました。現在のところおおむね月一回の予定で部会が開かれ、順次検討が行われていく予定でございます。
その
改正の
内容は多岐にわたりますので、また御質問がございましたらば御
説明さしていただきますが、大綱を申し上げますと三つでございまして、一つは近代化ということでございます。先ほども申し上げましたように、とにかく明治四十一年成立の
法律でございまして、形式、
内容ともにかたかな
法律、あるいは現在の
法律的な刑事政策思想に合わないという点もございますので、まずこうした点で形式も
内容もともに近代化していきたいという点が第一点でございます。
第二番目は国際化という点でございまして、御案内かと思いますが、国際連合におきまして被拘禁者処遇最低基準規則というのができております。その基準に合致いたしますことが現在の国際社会における監獄法のあり方でございますので、この基準規則の
内容を大幅に取り入れまして国際化を図りたいという点が第二番目の点でございます。
第三は
法律化でございまして、被収容者、これは受刑者と未決勾留者との双方を含みますが、収容されております者の権利義務に関する
事項、そのほか処遇の
基本となる重要な
事項につきましてはできるだけ
法律で明確にしたいという点でございます。昨年来たびたびお尋ねを受けました代用監獄につきましても、この
法律関係を明確にするという一環におきまして、今後法制
審議会の監獄法
改正部会において十分
審議を尽くしていただきたい、かように存じているところでございます。