○福間知之君 特に私、いまの御
答弁で、法人税の実効税負担水準がほぼ先進国並みといいますか、これ、私、まだ自身で調べておりませんけれども、一遍調べてみたいと思うんです。しかし、調べるまでもなく、特に私は法人税の場合には、すでに御案内のとおり、私どもがかねがね主張している社会的公正というふうな
立場から、あるいはまた国民的な感情というふうな
立場からも留意をしていかなきゃならぬ面が多々あるんじゃないか。これは、時間がありますれば後ほど、
租税特別措置について若干の
質疑を申したいと思っていますが、高度成長のやはり遺物ともいうような部分が私は
租税特別措置の中にはあるような気がするわけです。特に、減価償却などが私はアメリカの大体一・五倍、イギリスの二倍ぐらいになっているというふうに聞いておるんですけれども、国際的な競争力の培養というふうな点から、かなりこれは私は成果をもうすでに上げてきたんじゃないかと、こういうふうな
感じがしますし、あるいはまた、中小企業のそれに比べれば大企業の方に特別に有利に働いているんじゃないのか。特に、資本金百億円以上の企業あるいは一億円以下の企業を比べてみますと、税の負担率は百億円以上の企業の方が逆に低くなっているんじゃないのか。これは逆累進税ではないか、こういうふうな
感じがいたしまするし、また、高所得層と低所得層との税負担率の
関係におきましても、一億円以上の高所得者は二一%程度の税負担であり、四百万円程度の所得者よりもむしろ税負担率が低くなっているんじゃないのか、こういうふうな
感じがいたすんですが、仮にそうだとしますと、そのようないわば社会的に見てどうも納得いたしかねるという税率ということは、やはり改めていかなければならないんじゃないかと、
財政のこれからの見通しからして、文句も言わない圧倒的多数の中、倍所得層に割り高な税負担をさしていくということは、これは資本主義の
立場から言えば一番それが便利かもしれませんけれども、そんなものじゃないだろう。そういうところからは、仮に将来、先ほど触れられた、所得税負担率が海外諸国に比べて日本は低いんだと、それはある程度是正的に上げていかなきゃならぬのだと、仮にそうだとしても、社会的な公正感というものが伴わなければ、これは私は国民は納得しないし、政策に対する協力度というものは疑問か出てくると思います。そういうところから、むしろ政治的な、あるいはまた精神的な
一つのフラストレーションというものが起こってくると思います。その点、ひとつ御留意を願いたい。
時間がありませんので、私、一括してちょっと、後で御所見いただければいいと思うんです。
大蔵大臣に、所得税に関しましては最後に私、一言
意見を申し上げたいんですけれども、一〇%程度、今年度賃金が上がりました。今年度減税がないというふうなことですでに試算が出ておりますけれども、仮にいま二百万円の年収を得ていた者がこの五十一年春に一〇%上がったとしますと、去年の所得税及び住民税は合計で二万一千四百七十円という記録が出ております。それに対して、ことしからは三万八千八百円になります。約八一%の税増率になっております。三百万円の人で例をとりますと、一〇%上がると三百三十万円の年収になります。去年が十三万五十円の所得税、住民税の合計額で、それが今年度は十六万五千六百五十円、一躍三万五千六百円からふえるわけであります。これは特に
大蔵大臣に御認識を願いたいわけでありますけれども、こういうふうなところから、先ほど申したような一般庶民の感情としては、やはり名目的にでも所得減税というものを強く望んでいる
一つの理由、背景が存在をするんだと、こういうふうに言えると思います。
ちなみに、私は先ほど来所得税について減税の
立場から
要望なり御質問を申しましたけれども、本来これからの勤労者の実質生活の改善、向上というものについては、もちろん名目的な減税だけに依拠するんじゃなくて、やはり実質的な生活の中身を改善するという上においては、もっと総合的な政策というふうなものを組み合わせた中で、
一つの私たちの
要望なり、あるいはまた政策なりというふうなものの実現を迫っていかなければならぬ、所得の広い
意味での再分配ということを
考えなければならぬと思います。したがって、まあ税負担率の問題に関連いたしましても、まあその物価情勢が果たして外国に比べてどうなのか、あるいはまた社会保障の水準がどうなのかというふうなことを総合して勘案しなければならないんじゃないか、そういうふうに思っていまするから、当然
政府の側といたしましても税率、税負担の比率の改善、改革ということは、他の社会的諸政策との関連で初めて
考えられることではないか、そういうふうに思います。まあ所見を申し述べまして、所得税
関係については
質疑を終わりたいと思いますが、国税庁の方で先ほどの点で何かありましたらお答え願いたいと思います。