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上條勝久君 ありがとうございました。まあその点はひとつよろしく。
なお、大事なことでありますから、きょうは国土庁の政務次官わざわざお聞きをいただいておりますので大変心強いわけでありますけれども、各省の大臣にもぜひこのことは
報告をしておいていただきたいと思います。
それから次に、
災害防除
対策上——これはやはり
河川局の関係でありますが、
河川改修工事を全川的に行うことは、なかなかこれはもう経費的にも技術的にも容易ではございませんが、しかしやっぱり根本的には治水工事を推進するということが
河川関連
災害を防除する基本であると、こう考えます。ところが、なかなかそう言っても早急に望むべくもありませんので、この
河川で、ある
程度整備されておる、しかし将来はさらに
改修しなきゃならぬというような
河川でありましても、
河川そのものの
災害はないが、その
河川の河床が非常に未整理のためにその
上流の
田畑等に、あるいは宅地等に
浸水をするというようなことで、思わざる
被害を起こすという例がございます、これも見てまいりましたが。ところが実際は、
河川の維持管理費でありますか、若干予算があると思いますけれども、この額が非常に少ないために、それをやりたいけれども、これまた地方公共団体の負担でやらさるを得ない。これをやりますと——河床整理と技術的には言っておられると思うんでありますが、やりますと、非常に流水が円滑になってかなり私はそういう
災害を防除することが可能である、かように判断いたしますので、この点はお答え要りませんが、どうかひとつこのことは本当は目でも立ててと言いたいけれども、そう言ったところでそう簡単にできるものじゃありませんから、ぜひひとつ予算の枠をふやしていただくなり、あるいは治水事業全般の中の
配慮としてこういう
河川が全国的にかなりあると私は想像いたしまするので、しかも、
災害の場合原形
復旧と違って手戻りになるおそれはないと思います。したがって、そういうことでぜひ前向きに取り組んでいただくようにお願いをしておきたい。
時間の関係で先を急がしていただきますが、次に、
道路公団からきょうわざわざお忙しいところ
参考人に
理事さんおいでをいただいておると思いますけれども、大都市もこれは必要でしょうけれども、私は今日の状況から考えると
道路網の整備というものは大都市よりもむしろ地方に重点を置いて進めていただくということがすべての点から考えて妥当ではないだろうか、まあ私が田舎の選出議員であるから申し上げるんじゃありません。先ほど来宮崎に例をとりましたが、これは例示として申し上げておるわけでありまして、決してそういう意味ではないんでありますが、そう思うわけであります。したがって、地方における
道路網の整備につきましては、これは産業経済なりあるいは国民生活の環境整備という観点から強く要望し、その推進には一生懸命やらにゃいかぬと、こう思っておる一人でありますが、特に、この前も一部を
開通していただきました南九州における自動車高速
道路、この促進についてはこの上とも関係機関のひとつ御
協力、御
配慮を切に心からお願いを申し上げたいわけでございます。
私がいま申し上げたいのは、その大事な
道路の設計上の
配慮についてお願いを申し上げたいということであります。というのは、建設省なり
道路公団で
農地や宅地が降雨の
災害で
被害を発生するおそれがあるというような
地域については設計上相当な
配慮のもとに設計をしていただいていることを十分私は承知いたしております。六月の降雨
災害における宮崎県の例でありますが、えびの・高原地方は御承知のとおり霧島山麓に当たりまして、大体この土地がわりあい極端に高いわけじゃありません、なだらかな勾配を持って形成をされておるという
土地条件に置かれておるわけでございますが、その耕地の中に高速
道路という構造物ができると——これにつきましてはいま申し上げましたとおり排水口その他について十分な
配慮をしていただいております。しかし、いままで何もなかったところにそういう構造物ができますので、ともするとその水の流れの力なり量が一定の
個所に集中することによって下流の
農地なりあるいは宅地等に主に生ずる
災害を増加するというような傾向が私は心配をされるわけでありまして、この点は、これはまあ極端に言えば太平洋までそれじゃ排水
施設をつくるかというようなことも考えられましょうし、いろいろ技術的に持ち場持ち場の限界もありますから、むずかしい問題があろうかと思いますが、どうかひとつそういう土地の条件というものを十分
配慮をしていただいた上でこれらの設計に取り組んでいただくようにこの機会に特にお願いを申し上げておきたいと思うわけであります。いまどういうことでそういう問題に取り組んでいらっしゃるか、せっかくおいでをいただいたのはその点をちょっと参考に聞かしていただきたかったわけでありますけれども、時間がありませんから、私はこの点については十分
配慮はいただいておるわけでありますので、強くそのことをお願いをして、お答えはいただかないことにいたしたいと思います。どうかひとつよろしくお願いをいたしたいと思います。
この点については一般
道路の設計等についてもそうであります。
道路の上を流れる多量の水によって——その側面等にがけ地があるとかなんとかいうことになりますと、特にまた
道路が勾配があってずっと曲がり角なんかになっておるとそこへ流水が集中して、そしてがけが崩れて下にある住宅等を
決壊した事例等もありまするので、これは私がいま申し上げるのは私道の例でありますけれども、十分ひとつお考えをいただいて御
指導を願いたい、こう思うわけでございます。せっかく公団の
理事さんにおいでをいただきましたが、ありがとうございました。
それからその次でありますが、次には、先ほども先生から御
報告がありました
下田地方における特別防災
対策事業をひとつ強力に実施してほしいということについて申し上げてみたいと思います。
伊豆地方はお話のとおり近年
災害の常襲地帯になっております。これもお答えをいただくはずでありましたが、
調査をいたしておりますので私から申し上げますと、過去十年間に、年には一回、二回、場合によっては三回、そして四十九年、五十年、五十一年、二十億から今度は公共土木
災害で六十七億ですかの
災害を起こしておる、そして
静岡県全体の
災害の比率からいたしますると公共土木で七〇%を占めておる、こういうことが
実情でございます。こういうようなこの過去の、
下田地方というきわめて限られた、限定された
地域においてそういう
災害が毎年毎年起きておると、こういうことでありますから、従来から言われるいわゆる
台風常襲地帯などとは趣が違うと私は思うんです。ですから、こういう
地域については現行の制度を一〇〇%活用することはもちろんでありますが、ひとつこの際
災害防除のための、これはどこか国土庁あたりで音頭をとっていただきまして、総合的なひとつ
災害防除のための総合診断をやってもらいたい。どこが、だれが出てどうするということは、これはひとつ国土庁で御調整をいただいて、そしてあらゆる
政府機関から参加してもらって、この
下田地域における
災害防除に関する総合診断をやってもらいたいということでございます。
それから建設省では激甚
災害対策特別緊急事業というものがあるわけでございまして、これは多分本年から、五十一年から実施される
行政措置、予算
措置であると思いますが、その内容なり
採択基準といいますかね、それをずっといろいろ見てみますと、どうも少し、何もかにも、この国の財政の苦しいときにあれもやれこれもやれというわけじゃありませんけれども、ありませんが、ずっと見てみますと、やはりこれはもっと大幅に拡大する必要がある。まあたとえば補助率にいたしましても現在三分の二でありますが、これは四分の三ぐらいに上げちゃどうかと、あるいはまた予算の柱も立ててはどうかというふうに思うわけでありまして、こういう点について特にこの制度は
鹿児島にも
適用されなきゃならぬかもしれませんが、どこもここもというわけにはいきますまい、それは。やっぱり重点をぴしっと決めて、決めた以上は完璧なものにするという私は姿勢が大事であると、こう思いますので、そういうことでぜひひとつ前向きにこの制度を活用してもらいたい。そして
下田地方における
災害が二度と起こらぬように、これはむずかしい問題でありますけれども、ひとつ各省庁も真剣に総合診断をした上で、これに対処していただくようにお願いをいたしたいと思うわけであります。特にこの制度は公共
災害がなくても、伴わなくてもできる非常にりっぱな時宜を得た私は
行政措置であると思いますので、ぜひひとつそういうことに国土庁、建設省、さらにはひとつ財政当局大蔵省、自治省においても援護射撃をお願いしたい、こう思います。
最後に、地震予知の
行政体制の確立あるいは予算化等について申し上げます。ちょっと時間が過ぎましたが、お許しをいただきます。
中国の河北地方を襲った今回の大地震で大
被害が発生して、そしてブルガリア通信の報道によれば、百万人の死傷者を生じたんじゃないかというおそれがあるということを朝日の記事は
報告をいたしております。世界一の地震国である日本にとって、地震予知の実用化を国民に図るということは、私は国民全体の悲願である、悲願であらねばならぬと思うわけでございます。今日の日本の都市構造等から考えた場合に、治にいて乱を忘れておりますと、これはもう大地震に見舞われたら一体どうなるんだということは、これはもう重大な国民全体の関心事であるにもかかわらず、どうもこれの取り組み方が消極的な形で、何かこう
災害、地震が起こって
被害が出たらどうするかというような、後ろ向きの消極的な
対策が模索されている現状ではなかろうかということを私は心配するわけでございます。
中国では地震
対策、特に予知の実用化を重視して、
政府に地震局を設けまして、これ専門の地震局を設けて、そして専門業務を担当し、各界各層を動員して、そして強力な科学的
調査、観測を実施するとともに、国民大衆の簡易な器材なり肉体等による観察で、井戸水であるとかあるいは地光、地鳴り、動物の異常現象等を把握することによってその効果を上げる最大限の努力が払われておることは皆様御承知のとおりであります。
米国も地震予知に最善を尽くしておる国でありますが、五月の上院の本会議では、地震の早期警報システムの開発ということで、緊急予算として向こう三年間に一億五千万ドル、四百五十億円を支出する法案を可決いたしております。そして地震の事前
対策と申しますか、地震の
対策に万全を期するということに大いに努力をいたしておるのでございます。
日本でも地殻変動
調査を軸として活断層、地下水の
調査、地震活動の監視、地震波速度変化の追跡、地磁気重力の観測等によって予知の事業が高度な技術によって推進されていることは私も十分承知をいたしておりますけれども、どうも一体こういう問題について、国民がどこの役所へ聞いたらこういう問題についてすぐわかるんだろうかということになりますと、なかなかこの関係機関が大分多くて、国土庁、科学技術庁、文部省、建設省、運輸省その他これはまあたくさんあるわけでありますが、そういうことでなかなか判然としない現状であります。地殻変動の
調査に要する予算もきわめて窮屈で、予期の成果をおさめることは現状におきましては科学的
調査はこの
程度の予算ではとてもできないと私は思うわけであります。地震予知の
行政機構が一体今日どうなっておるか、あるいは
政府は幾たびか予知
対策について関係審議会等の建議を受けまた閣議了解もしておりながら、地震予知の実用化というものを今日どの
程度推進をされておるのか、これらの点について伺いたいわけでありますが、これは時間がありませんから、またどうせこのことは他の
災害問題と関連しまして、
参考人からも意見聞かなきゃならぬし、もう
委員会の都度、各省庁にお尋ねをしてまいるつもりでありますから、きょうはもう時間の関係上、お答えはいただきません。
それから中国方式と言われる井戸水等による、あるいは動物の異常現象等によるこの把握についてどのようにお考えになっておるか。ともすると日本の学者はこういう、何といいますか、ことを、非科学的と見て、そしてないがしろにする傾向があるということを指摘しておかなきゃいかぬと思うのです。これは私はばかにすべきものじゃない、どこの国でもそれがいいという成果を上げておるならば、これはやっぱり
政府として真剣にこれに取り組んで、そしてこの面を軽視するようなことがあっちゃならぬ、こう思うわけでありますが、その点もお答え要りません。
どうかひとつ
政府は、この際、地震予知を含む地震
対策に関する総合調整のための
行政機構を明確にしてもらいたい。同時に、地震予知に関するアメリカではありませんが緊急大幅の予算の計上を決断をしてもらいたい。これが私は、そんなことがあっちゃなりませんけれども、一番
最初に申し上げました、
災害にいたしましても地震にいたしましても、私を含めて、こういうことが起こっちゃならぬ、ならぬからこういうふうにみずからも戒め、やっていかなけりゃならぬということが、
災害なんかを起こしちゃいかぬ、そのためにどうしたらいいかという地震
対策に乏しい国民性があるということを冒頭に指摘しておきましたのもこのためでございます。どうかひとつ十分上司にもお伝えをいただきまして、きょうはもう時間がありませんから、せっかくおいでをいただきましたけれども、お答えが聞けないで残念でありますが、大体
政府の答弁は私は予想いたしております。でありますから、申し上げたことを参考にされまして前向きにひとつ取り組んでいただくようにお願いをいたしたい。
また、内閣の最も
中心の実力ある金丸
国土庁長官、わざわざおいでをいただき、これは私のためにおいでをいただいたのではないはずであります。私はまあお忙しい際だからもう結構ですよ、こう言っておいたんでありますけれども、おいでをいただきましたので、時間が過ぎましたが、一言だけをいま……。