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上條勝久君 私はまず最初に、昨日の
委員会で
報告をいたしました本
委員会の
桜島噴火災害、大分地震
災害及び特殊土壌地帯
災害防除に関する
調査の結果について、その大筋の二、三点を各省庁に
要望を申し上げておきたいと思います。せっかく国会のこの特別
委員会が
調査をした結果でありまするので、いずれ
会議録で十分ごらんをいただいていろいろ御配慮をお願いいたしたいと思いますが、また他の
委員の
先生方からも二、三その問題については御発言がありましたけれ
ども、私はその大筋について二、三点これからお願いをしておきたいと思います。
その第一点は、
桜島噴火災害についてでありますが、これも先ほどの宮之原
委員の御発言に
関連いたしますが、また、それによってお答えをいただいておると思うんでありますけれ
ども、
活動火山周辺地域における
避難施設等の
整備等に関する法律に基づいて進められておりまする
避難施設整備緊急
事業は、御
承知のとおりその第一次
計画が本年で終わるということになっておりまするけれ
ども、先ほ
どもお話しのとおり、
桜島は将来山腹
噴火があるかもしれぬというような学会の警告も受けておるようなときでありまするから、ぜひひとつこれは二次
計画を設定をしていただいて、続いてこの
整備事業を進めていただくように特に御配慮をお願いしたいというのが第一点でございます。
それから第二点は、大分の地震の
災害対策についてでありますが、おかげでこの前見てまいりましたが、おおむね
事業は円滑に推進をいたしておりまして、大体ことしで八〇%ないし九〇%の
事業が完了するであろうということであります。ただ、治山
事業が大変おくれておりまして、残
事業が多くなっておりますが、私たちも震源地付近をジープに乗って
先生方と一緒に現場を見ましたけれ
ども、いまだに山腹に
災害当時そのままの土はだが露呈をしておるというようなことでありますので、これから台風の時期にも入りますし、ぜひひとつこれはなるたけ早く完成するような
方向で農林省においてはお取り組みをお願いを申し上げたいと、そう思います。それから、これは一般
災害でも
適用されることでありますし、きょうは郵政省からおいでになっておりませんけれ
ども、国土庁がこの
災害の元締めでありますからお聞き取りをいただいておきたいと思います。農山村の孤立部落等が
発生をする可能性が非常に多いわけでありますが、これに対処して救援救出の万全を期するということは、これは人命救護の上からいたしましてもきわめて大事なことである。したがって、今日の農集電話等では間に合いませんから、これを自動電話等に切りかえる等の情報網の整備に御配慮をお願いいたしたいということであります。
それから第三番目は、これは先ほど古賀
委員から御発言がございました特殊土じよう地帯
災害防除及び振興臨時
措置法に基づく各種の防災
事業が活発に行われておりますけれ
ども、
事業費の
関係や制度上にも、具体的な制度上の問題で若干問題があるようでありまして、現在のところ危険地の
計画的な解消が動いてないというのが現状ではなかろうかということを、私は今度の視察をした上で、また
全国的な傾向から勘案をいたしましてそういうふうに
判断をするわけでありますが、これは時限立法でありますけれ
ども、先ほどの話のとおり、ぜひひとつ臨時
措置法の期限を延長することに
政府として御配慮を願うとともに、予防治山
事業に対する一般公共
事業債の
適用についても、その制度化等についてひとつ前向きに取り組んでいただいて、この大事な
事業の進捗を図るようにお願いを申し上げたいということでございます。
なお、
桜島噴火による大量の
降灰で
被害を受けました養蚕、葉たばこの特
産地である
串間市でありますが、私は
宮崎県の選出の議員でありますけれ
ども、決して
宮崎県のことを申し上げておるわけではありません。これは
一つの事例として、ひとつテストケースとして、これをもとに踏まえてお互いに勉強して御検討願いたい、こういう
意味でありますから、誤解のないようにお願いをいたしたいのでありますが、
降灰除去施設等の整備が非常に緊要であるということでありますので、隣県ではありますけれ
ども、
活動火山周辺地域における
避難施設等の
整備等に関する法律に基づく防災の施設整備の
対象地域にぜひとも御
指定をお願いいたしたいのであります。この点は国土庁からお答えをいただきたいのでありますが、先ほど参
事官から宮之原
委員に対して、そういう前向きで検討したいと思うが、何分にもまだ
手続がされておらぬので、その
手続が来た上でということでありまするので、御
答弁は要りません。いずれ農地局でありますか、を通じて
書類が上がってくると思いますから、参りました節はひとつそういうことでぜひ
指定について御配慮をお願い申し上げたい、こう思います。
以上が
桜島等を見てまいりまして、そしてその結果を御
報告申し上げましたことについての一部であります。
次に、先ほど来諸
先生から御発言があっておりまする先月の異常な
梅雨前線降雨による
災害対策について、
関係各省庁に御
要望、また二、三の点についてはお答えをいただきたいと思うわけであります。ただ、現在恐らく資料も十分ではなかろうと思いまするし、
調査もできていない現在の段階でありますから、この際は主として
要望にとどめておいて、このことはお答えは当然いただけるという点についてだけお答えをお願いいたしたいと思います。
先ほどの古賀
委員の発言に
関連いたしますが、私は、四百ミリからないし六百ミリ以上の雨量が観測されて、七月二日現在で、いま
皆さんにも写真も見ていただきますが、百六十五億円の甚大な
被害を出した
宮崎県の
災害を
中心に発言をさしていただきます。その最初に、まず今度の
災害についての特徴であると私は思いますので、その点を先に申し上げておきたいのでありますが、物的な公共土木施設であるとかあるいは農地農業施設、林道等には先刻申し上げましたような百六十五億という大きな
被害が出ておるにかかわらず、人的
被害はおかげをもちまして軽傷者が二名にとどまるという程度であったのでございます。このことは先ほ
ども委員の
先生から御発言がありましたが、
宮崎県におきましてあらかじめ危険個所を十分に
調査、
指定をいたしまして、これは危ないというところについては
市町村警察による事前の避難、これを非常に強く
指導、強行をいたしたため、その
措置が徹底した防災対策でこれに対応したと。その結果、そういうことのおかげで大変人命に対する
被害が出ないで済んだわけでありまして、このことは各省庁の
皆さんには十分ひとつ御
承知おきをいただかなきゃいかぬと思うんです。何といっても
災害で人命を失うということは一番遺憾なことでありまして、あらゆる行政
努力あらゆる政治的
努力、配慮のもとにたった一人のけが人も出さずに済むというような体制づくりを平素から心がけていくことが私は一番基本的に大事なことである、かような認識に立っておりまするので、それが
一つ。
それからもう
一つは、後でお願い申し上げまする激甚地の
指定基準というような問題についての
政府筋の
判断のひとつ材料にもしていただきたい、こういう
意味合いから、これも単に
宮崎だけの問題でありませんが、そのことを御
承知おきをいただきたい、こう思います。御
承知のとおり、梅雨に続いて台風の時期に入っておりまするし、この前、米の問題でもいろいろ議論されましたように、ことしはこれは非常に異常気象現象の年でありまするので、そんなことがないように、心から天に祈るわけでありますけれ
ども、しかしこれは覚悟はしておかなければいけない。そういう
意味で、どうしても
災害については万全の
措置を講じていただかなきやならぬ。
そこで、第一に国土庁にお願いをいたしますが、御
承知のとおり、地方財政が非常に逼迫をして苦しい今日の情勢下において、今度のような
災害が
鹿児島県、
宮崎県等
中心として襲ってきたということでありまするから、どうしてもやはり一番先に問題になるのは私は財政上の
措置、これがやっぱり問題になってくると思うんです。それには先刻来御発言のとおり、補助率の問題もあるいは制度の改正の問題もいろいろあろうかと思いますが、いずれにいたしましても激甚地の
指定ですね、これは公共
災害、農林
災害あるわけでありますが、十分ひとつ、そういう次元の点も御配慮の上、
指定について特別な配慮と、そしてこれに伴うところの特別な財政
措置を急いで配慮していただく必要があると、こう
考えますので、どうかひとつ、そういうことでお願いをいたします。
先ほどこれも御
答弁いただきましたが、ここでまた重ねて出てまいりましたけれ
ども要望いたしましたが、
災害防除等農地改良対策の見地から、特殊土壌地帯の保全と生産性の向上を図って、なお
発生する
災害と農業生産性の低位性を除去していくために、どうしても特殊土じよう地帯
災害防除及び振興臨時
措置法の有効期限を相当期間延長していただきたいということでありますが、これもまた前向きな
政務次官の御回答等もございましたので、私からも重ねてお願いをいたします。これもお答えをいただくつもりでおりましたけれ
ども、先ほど前向きなお答えをいただいておりますから、重複を避けて御
答弁は要りません。
次に、農林省
関係でありますが、
宮崎県では御
承知のとおり農地の
被害が四十三億五千万円に上っております。さらに、いま申し上げましたとおり、台風の来襲等も予想される今日でありまするから、当然のことながら、先ほど申し上げましたとおり早急な査定の実施と、そして早急な復旧体制の確立について格段の御留意をお願い申し上げたいということであります。林地の
被害は、
鹿児島、
宮崎の中南部シラス地帯を
中心にずっと開けておって、これはもう私
どもが現役でおりますころから、いろいろな法律、制度をつくって対応してきたわけでありますけれ
ども、六億円の
被害を出しております。裏山
災害に対する早急な治山対策が必要でありますが、これに対応するためには山地治山
事業はもとより、林地崩壊防止
事業、それから小規模山地
災害対策
事業を拡充することが
要請されますので、どうかひとつ御善処をお願い申し上げたい、かように存じます。
次に、建設省
関係でありますが、道路の決壊、
河川の破堤、決壊等の土木の
被害は百三億円に上がっております。さらに今後の台風の来襲も先刻来申し上げますとおり十分予想されまするので、これもただいま申し上げたと同様に、早急な査定の実施と復旧の万全を図っていただきたい。もう
一つは、再度
災害を防止するということはこれはきわめて大事なことでありますが、改良復旧
事業の促進を図ることと、それから
災害関連事業の採択基準である
災害費と
関連改良費との比率が、現在一対一になっておりますが、積極的な改良復旧
事業を促進するということはこれは防災的見地からきわめて大事であると思うのでありまして、
関連改良費の比率の緩和について、この際、ひとつぜひとも前向きに御検討をいただきたいと、こう思いますが、この点につきましても、私は強く心から
要望をいたして、ここでお返しをいただくことはよろしかろうと思います。先ほ
ども申し上げましたが、いずれまあ、今後いろいろな資料も出てくる、
調査も完了する、その過程の中で皆様方のまた御配慮をいただけるという前提で、その様子を見た上で改めてまたお願いもし、質問もしていきたいと、こう思います。
次に、自治省とそれから建設省初め
関係各省に及ぶかと思うんでありますが、二、三点お願いをいたします。県
市町村の
災害復旧に相当なこれは経費が要ることは御
承知のとおりでありますが、先刻も申し上げましたように、財政の運営が非常に逼迫をした現状のもとでありますので、目に見えないいろいろな困難が伴ってくるということが想像されます。したがって、普通交付税であるとかあるいは特別交付税に対する全般的な
災害の諸経費に対する特別な御配慮と御
措置を、これはもう本当に真剣に
考えていただきたいと思うんでありますが、そのことをひとつ包括的に自治省に篤とお願いをいたしておきます。
一例をちょっとここで申し上げてみますと、
一つのわずか一万かそこらの町で三百カ所以上のいわゆる公共
災害が
発生をいたしておりますが、その
調査設計というものは、いわゆる
市町村、都道府県でやるというたてまえになっておるはずでありますが、ところが一遍に三百カ所の
災害個所が生じた、それに今度は公共
災害に乗っからない、十万円に満たない小
災害と称するものが今度の
災害の特徴であると思うんでありますが、非常に
たくさん
発生をいたしております。これらを抱えて、
調査をしようにも人員的にも技術的にも手のつけようがないというのが
実情でございます。それじゃ外注すればいいじゃないかということでありまするが、先刻申し上げましたとおり、外注するにはなかなか町村財政が苦しいということで、もう全く手も足も出ないという気の毒な私は町村の現状であると言わなきゃならぬと思うんでありますが、それでひとつこれは、建設省、各省、農林省等にも
関係があるので、自治省には、こういうこともありますので、ひとつまあ地方財政を担当されておる自治省においてはいろいろな面から
考えて、配慮ある、何というか、温かい御配慮をお願いしなきゃなりませんよ、ということを御
承知願うためにこの場で申し上げておるわけでありますが、たとえばそれらの
調査設計に要する経費は、
河川について言えば維持費等の中に繰り入れるか、しかしこれは、補助率がたしか非常に低いと思いますので、こういう仕事に適合するかどうかわかりませんが。それから、いわゆる一般
災害費の中に打ち込んでめんどう見てもらえぬものかどうかということが
一つ。それから、先ほど申し上げました公共
災害と——これはまあ公共
災害のことをいま申し上げておるんでありますが、に満たない、十万円に満たない小
災害についても同様でありますが、自治省で地方債なりあるいは地方交付税、特別地方交付税の算定の基礎にぜひひとつ、これは入れていただくことになっておるかもしれませんけれ
ども、そういうことにしていただいて、そしてこれもなるたけ早く県にひとつ御連絡をいただいて
市町村を御
指導いただかぬと、それだけでも一カ月や二カ月はおくれるわけでありまするから、どうかそういう
意味で、こういう際でもありますので、温かい御
指導をいただきたいと、こう
考えます。いろいろ財政上の問題はあるわけでありますけれ
ども、何もこれが
全国的に起こった
災害でもありませんし、年がら年じゅう起こるものでもありません。でありまするから、こういう
災害発生に対しましてはあとう限りいろいろな面においてめんどう見ていただく。私たちがたばこ
一つ吸うところを吸わぬで協力するということだってこれは
考えにゃいかぬと思うのですよ。
桜島もそのとおり。でありまするから、そういう
意味でひとつ前向きに御検討をいただきたいと思いますが、この点は先ほどからあるいは御発言の中にあったかもしれませんけれ
ども、大事なことでありまするから、自治省からひとつ前向きなお答えをいただければと思います。
もうついででありますから、時間を四十分いただいておるのでありますけれ
ども、先ほど少し時間が延びたのもありますから、それをひとつ取り戻すということで一遍にひとつ一気かせいにやってしまいます。これも古賀
先生から先ほどちょっと御発言がありましたが、それに
関連しますけれ
ども、
宮崎県の都城市に一級
河川で丸谷川というのがありますですね。私たまたまくにへ帰っておりまして、新聞を朝見ましたら、これは人災であるということが書いてあるわけです。なぜかというと、前に
災害を受けた個所を
災害復旧工事を行った、石積みの上に土羽が積んであるわけでありまするが、それから浸水をして大事な美田をつぶしたのであるから人災であるというようなことが書いてある。都城
市長は、恐らく防
災課長さん
あたりのところへ飛んできたと思うのでありますが、東京へ飛んでいったと。私は留守中に県の土木出張所長、市の建設部長さんの御案内で現場をこれは見ておかなければいかぬということで見てまいりました。見てみますると、先ほどの
お話のとおり、あの川というのは全くの自然
河川でありまして、ぐにゃぐにゃぐにゃぐにゃ曲がっておるわけであります。その曲がったところが正面からの流水で、そこに前の
災害復旧の個所があるわけでありまして、それを越しまして、そうして浸水をしておる。そこだけかというと、それから十メートルぐらい下流の方に、ちょっとやはりこれは自然の築堤で竹や笹が繁茂しておる地点でありますが、そこがちょっと恐らく低かったのでしょう、私たちが外から見ても、どこがどうなっているやらさっぱりわかりません、これは舟にでも乗って中からずっと時間をかけて見ぬ限り、外からは見えぬような、そういうところであります。そこからまたたんぼの中へ同じような水が入っておる。それから二十メートル下流にまた同じようなところ、またそれから十メートルぐらい下がって同じようなところがあるわけであります。その下に橋があるわけでありますが、その橋のたもとはこれは非常に下からわいてくるような形で、噴き上げるような形でこれまた浸水をいたしておるわけでありますから、これは人災ではない。私は素人で技術者じゃありませんけれ
ども、人災ではないと。しかし、したがって、その
災害復旧についてはもとよりこの決壊をした、あるいは浸水をした個所については、万全な復旧体制をとっていただくことは当然でありますけれ
ども、どうもそれだけじゃなかなか
災害の防除ということにはほど遠いんじゃないかと、こう思うわけでございます。したがって、こういう
河川については、現行制度におきましても、防災的な見地から改修工事が行われる、こういうことになっておりますが、十分ひとつ建設省の方でも検討をして、建設省の方へ上げてくると思いまするので、とりあえず
災害の個所、あるいは非常に危険な個所等については、幅広い手当てをいただくといたしまして、あわせてこれが防災的改修について十分御検討をお願いをいたしたいと思うわけであります。
それからもう
一つは、これは今度の
災害では直接ありませんが、やっぱり若干の影響はあったのは、延岡市の一級
河川に北川というのがありますが、そこはいま堤防築堤工事を進めていただいておるわけでございます。地元ではその堤防の高さが少し低過ぎるんじゃないかと。一たん出水時においては、満潮時の出水ということになると、この高さでは危ないということを言われておるんですが、今度もその寸前であったように聞いております。ところが、この川のど真ん中に旭化成の高圧線の基柱が立っておるわけであります。この州を取り払いますと、私素人でありますが、住民が心配しておる堤防の高さも比較的有利になってくるんじゃないか、まさに水流は非常に円滑になるであろうということで、これは今度の
災害とは直接は
関係ありませんけれ
ども関連をいたします。建設省の方に地元から
要望がされておると思いまするので、多少移転費を要すると思いますけれ
ども、どうかひとつ速やかに御検討の上、あわせでこの対策を
考えてほしい、こう思いますので、その点については
河川局からだれかきょうはおいでいただいておりますかな、治
水課長さんからでもちょっとひとついまの丸谷の問題と、それから北川の問題についてはお答えをいただければありがたい、こう
考えます。自治省と建設省にお答えをいただくことといたしまして、ほかにも申し上げたいことは
たくさんありますが、まだ
調査が十分できておらない、私自身も今日の時点ではまだ自信がありません。以上にとどめて、また改めて他日お尋ねすることにさしていただきます。ありがとうございました。お願いします。