○
政府委員(
吉田泰夫君) 御
質問のうち、
建設省関係の分について順次お答えいたします。
まず、
補助率の問題でございますが、四十九
年度から大幅に
引き上げられました結果、私どもは現在の
下水道の
補助率は、
道路、
河川等の
補助率と何ら遜色はない。
部分的には
道路、
河川等より劣るものもありますが、逆にまさるものもあるというようなことで、総体的に見ればこの
補助率は基幹的な公共施設としてふさわしい
補助率に達しているものと考えます。なお、
公共下水道の三次
処理、
特定環境保全公共下水道等につきましては、いろいろな
理由から特に普通の
補助率よりも
アップすべきではないかという御
指摘でございます。その点私どももいろいろと考えてきたところでございますが、少なくとも当面におきましては、三次
処理といいましてもまだ二次
処理の普及に
最大限の
努力を払うべき時期であって、ごく限られた場所でどうしても必要に迫られたところを若干三次
処理にかかるという
計画でありますから、そういう意味でこの際三次
処理だからといって
補助率を上げるということは必要はないんではないか。
また、
特定環境保全公共下水道は、多くの場合弱小な市町村において行われることが弱いわけでありまして、そういう意味では手厚くすることの
理由も立たないでもないと思いますが、これも当面はやはり一番
人口の多い
都市部に圧倒的に
事業が集中するわけでございまして、
特定環境保全公共下水道については徐々に
計画を進めていく。また、一カ所
当たりもさほどの
規模を要しませんので、金額も絶対額としてはそう多くないわけであります。それで
完了するわけでございますので、その点を考えればこれもまだ
補助率に特に差を設けるほどのことはない、こう考えました。
次に、
補助対象範囲の
拡大の問題でございますが、おっしゃるとおりに今五カ年
計画においてある
程度の是正をいたしました。特に
終末処理場の
環境対策費を
補助対象に加えた等の
措置をしております。まだ指定
都市の
補助対象率の格差が余り縮まらないわけでありますが、これも指定
都市の
一般都市に対する
普及率の差、
財政力の差、種々の
要因が絡まって現在まで来ておりますものですから、若干格差を縮めたにとどまった点はやむを得なかったんではないか、なお今後の機会にまた考えていくということになると思います。
それから特別の
地方債制度は、先ほども申し上げましたように
財投を直接
投入することが困難なことから、
地方債の形をかりて間接に
投入したわけでありまして、そういう意味では有力な
財源措置になっておりますが、いかかんせん
償還期限が五年、当該
年度を含めて五年ということでありますために、すぐに償還期が来てしまう。それが将来の
国費の増につながって圧迫するのではないかということでございます。確かに今後もこの特別の
地方債が便利だからというようなことで大きな枠を取り過ぎたり、乱用にわたりますとおっしゃるとおりの結果を招きます。したがいまして、そのようなことのないように絶えず
国費とのバランスを考えて、見合った形で今後とも当分はこの特別
地方債制度を続けるということで対処したいと思います。この制度にかわるべき方策といいましてもなかなかむずかしい問題が山積しておりまして、要は実際にこの五カ年
計画が
達成されなきゃならぬということでございますから、その
達成ぐあいを見ながら考えていきたいということでございます。
次に、
受益者負担金の問題は、だんだん
実質の総
事業費に対する
受益者負担金のウエートは低まっておりまして そういう意味では漸次その
負担は軽減されていると申せますが、しかし、非常に特定の者が明らかに利益を受けること、特に
公共下水道の整備水準がまだ一部に偏っておって、そのような早くから整備された地域の住民と、いつまで待ってもなかなか
事業にかかってくれそうもないというところの住民との差などを考えれば、いま取っている
程度の最小限度の
受益者負担金というものは
事業促進のためにもなるし、また
負担の公平という意味からも是認されるんではないかと思います。私どもも
受益者負担金を今後さらに強化していく、割合を高めていくということは考えておりません。おりませんが、
負担金そのものはなお残したいと思います。ちなみに通達によって
受益者負担金採用
都市についてのことに触れておりますのは、それだけ熱意も高いし、住民に対しても
負担金を取ってまでやる、整備するという公約をしたことになりますから、それにこたえる意味で言っていることでありまして、実際の
予算配分その他を見ましても、
受益者負担金を全く取っていない
都市についても所要の補助金は配分しているわけですから、通達をこの際文言を変えるという必要も必ずしもないのではないかと思います。