○春日正一君 グラントハイツの例で言うと、百八十三万平米、このうち国が約三〇%ですね、これは
住宅公団が使いました。それから
地元が七〇%で、
公園、学校というようなことで、これは処分済みになっておるわけですね。
それから王子の野戦病院の跡、これは五月の六日に開園式があって、
公園としては
面積六万四千平米、これは北区立の中央
公園ということで、全
面積十二万三千のうち、
公園がそれだけで無償貸与、それから福祉
関係が五万平米、
道路が九千平米というような形で、まとめて公共の用に供されている。それがどんなにこの区民が喜んでおるかということは、新聞に出ていますけれども、王子本町三丁目の町会長という人は、「明治時代、農民がただ同然で国に譲った広大な
土地が、区民の手にやっと返ってきた。われわれ区民の庭として、植木一本も大事にしたい。隣接の区の住民にも、災害時の避難場所として
利用してもらえたら。八年前の騒ぎもあったが、こういう形になり、本当にありがたい」と言って喜んでいる。こういうふうな形の
利用が本来
跡地の
利用としてはあるべき姿だと思うんです。
そこで、三分割についてですね、いま
大蔵省の方の説明を聞きますと、なかなか
需要が殺到して、役所も使いたい、それから
自治体も使いたい、それから民間でもほしいというようなことが来てなかなかまとまらぬから、とりあえず三分割して、三分の一は
自治体だと、三分の一は国が使うと、あとの三分の一は保留しておいて、おいおい話がついたら使うというようなふうに言うけれども、こういう機械的な三分割というようなことが、これは
大臣にひとつお聞きしたいんですけれども、どこでもここでも機械的に日本国じゅう当てはめるというようなことが、果たして国土
計画なり、特に都市
計画という面から見て妥当なものかどうか。基地というものがいま残っておるということは不幸な事態だったけれども、とにかく無
計画な都市開発がずっとやられてきてですね、再開発もやらなければならないいろいろな問題が出ているときに、とにかくまとまって残された
一つの空地ですね、そういう非常に貴重な
土地だと思うんですよ。そういうものをですよ、
一つの都市
計画に基づいて、ここは何に使う、ここはどう使うというようにして位置づけて全体として生かしていくということかですね、都市政策しどうしても必要なことなんで、それを国、
自治体、それからあととっておくというような形で機械的に三分割されて そうしてその場限りのようなことで
利用されてしまったら、せっかくの空地がまた殺されてしまうことになるんじゃないですか。
私は以前淵野辺の基地の問題をこの
委員会で問題にしたことがありますけれども、町の重要
部分が基地でどんと占拠されているというようなときにですね、これが開放されたとしたら、やはり淵野辺の町をこれからどうするかという大きな見地から
計画も立て、
公園もつくる、商店街もつくる、何もつくるというような
計画を立てて、それに基づいてそこを開発していくと。都市の重要な一部を、しかも都市改造の
一つの重要な新しい要素として生かしていかなきゃならぬ。とすれば、それをまとまったところで、まとまったままで都市
計画の見地から
利用計画を立てるということか必要だし、そういう場合に国や
自治体やあるいは私企業のいろいろか、これをこう使いたいという
意見があるなら、それは国や
自治体や住民というものが時間をかけてもよく話し合って調整して、都市全体の中でこの空地を有効に生かしていくというような方向に
努力をすべきであって、いま
大蔵省の言っているように、もっぱら
国有地の処分という便宜の見地からだけで三分割して、そして、とりあえずというような
利用の仕方というものは、これは都市政策というものを
考える上から見れば、後に非常に悔いを残すまずい行き方じゃないか。少なくとも
建設関係を担当する
大臣として、そういうものが機械的に適用されていくというようなことで、この貴重な空間が細切れにされるというようなことを容認できるのかどうか、その辺の
考え方をお聞きしたいんですが。