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稲嶺一郎君 時間がございませんので、ごく総括的な
質問をいたします。
私は、
海洋博の最初のときから
関係いたしましたので、これの成り行きにつきましては非常に深い関心を持って今日までまいっておりました。
今回の「海——その望ましい未来」をテーマにいたしました
国際海洋博も、オイルショックやら、あるいはインフレ、不況等、非常に厳しい環境の中で一時は私
どもどういうふうなことになるかということを心配しておりましたが、入場者の数が百万も下回ったということもございますが、しかし、この間において
政府がずいぶん
努力をされた、また、世界の三十六ヵ国の国々が参加をされて、非常に熱心にこの問題に
協力をした。この意味におきまして、私は無事に半年間の会期を終えたということに対して心から喜んでいるものでございます。
この
海洋博は、
国民及び世界の海に対する
理解を深め、海の可能性を広げる契機にするとともに、
沖繩経済
振興の基盤をつくることをねらいとしたものでございますが、その視点から見た場合、私はこれらの目標を十分に満たしたのではないかというふうに考えております。
第一は、上水道、道路、空港、港湾等、
本土に比べて立ちおくれておりました
社会資本が短期間で
整備拡充されたこと、この点につきまして私
ども非常な懸念をいたしておりました。
本土におきましては、こういった大きなプロジェクトは七年もかかるということがいわれておりますが、わずかな期間でやったということ。
また第二は、
海洋博関連の投資総額は三千二百億円、これは一般の方も含めましてでございますが、それに伴う観光収入が約九百億円に上った。これら膨大な収入によりまして
沖繩の所得水準がずいぶん上がっておりまして、非常な不景気の中において
沖繩県が不況の波をもろにはかぶらなかった。この点についても私は評価をいたしております。
それから第三に、世界の人々に
沖繩を紹介し、お互いに
理解を深めることができた、これらプラスの面は私は高く評価をされていいのじゃないかと思っております。同時に、相対的にいいまして、
沖繩海洋博は
沖繩だけでなく、日本全体及び世界にも私はそれなりの貢献をしたものだというふうに考えております。
そこで、
海洋博の主管省庁であった
通産省におきましては、これらの悪
条件を克服してこの
海洋博を終わらせたのでございますが、私はこれに対して高く評価するものでございますが、往々にして、後は
自分は知らぬということもありがちなものでございますが、これにつきましては、
通産省において十分今後のフォローアップをしていただきたい。そして、この
海洋博が
沖繩の
振興計画、それから海の将来の世界との関連において十分な
役割りを今後とも果たし得るよう御尽力を願いたいというふうに存ずる次第でございます。
次に、多額の公共投資等によりまして、
沖繩の経済
振興の基盤
整備はある
程度進んだのでございますが、今後はこの
跡利用をどうするかが最大の課題でございます。私は、去る十二月十七日の本
委員会におきましても、
長官に、この
跡利用問題につきましてお尋ねしましたが、次の点について重ねて
長官にお尋ねいたしたいと存じます。
第一に、先ほど申しましたように、膨大な公共投資による
社会資本の
充実と、今後の
振興開発計画とをどのように結びつけていこうとされておられるか。
第二に、
海洋博に対する
民間のホテル、船舶等の過剰投資に対する具体的
対策をどういうふうに考えておるのか。
第三は、今回の
海洋博に外国の代表者の方たちが参加することによって、
沖繩の海を知り、東シナ海と太平洋の間に横たわる
沖繩の
地理的条件というものを十分
理解されたように思われるのでございます。
そこで、せっかく海についての
国際的祭典を開いたのでございますから、単に
記念公園に終わらすことなく、この中に海洋に関する
国際的機関、すなわち、
国際海洋研究所なるものをつくるべきではないかというふうに私は考え、また、これが今回の
博覧会開催の意義とも十分なる関連があるものと存ずる次第でございます。このことにつきまして、先般、私はフランスのクネクソ研究所のリフォー
理事長とも十分
意見の交換を
沖繩のホテルにおいてやったのでございますが、彼は、こういう
国際研究所が
沖繩に設置されるということは非常に世界的に見て意義がある。フランスにおいても、もしそういう機関ができれば十分全面的にこれに
協力したいという申し出を私にやっているのでございます。この
国際海洋研究所の設立についてどういうふうにお考えになっておられるか、あわせてこの三点について
長官にお尋ねいたしたいと存じます。
次に、
記念公園の建設
計画につきましては
建設省が担当しておられ、二十九日には、仄聞するところによりますと具体的
構想が出るかもしらないということを聞いております。本
委員会を本日早急に開いたのもそこにございますので、
建設省に、この基本
計画がどういうふうに進行しておるか、最終的にはどういうふうになる予想か、これを承りたいと存じます。
以上、
長官、
建設省にお尋ねするのでございますが、まあ時間の都合もございますので、よく要点をはっきりと御
報告をお願いいたしたいと存じます。後、また具体的な問題につきましては、自民党の佐藤先生からあることでございますので、よろしくお願いいたす次第でございます。