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神谷信之助君 国会が捜査当局にかわって犯人を捜すわけじゃない。国会でやるのは政治的道義的責任の追及です。そのために証人喚問を要求している。それに対してちょっと待ってくれとかどうとかということを言うのは、これは積極的協力じゃないと思う。だから、しかもしばらく待ってくれ、時期をというのが三木
総理の当時の
答弁です。もうすでに今日の
段階で、しかも総
選挙の時期というのは、衆議院の任期が決まっているんですから、早く解明をして、そして国民の前に信を問うというのが
総理の
考えでしょう。だとするならば、もう証人喚問どんどんやらなければだめだということになると思う。この点をひとつ強調しておきたいと思います。
それから次に、もう一つ問題は灰色高官の公表の問題、これは朝日新聞の世論
調査によりますと、東京と大阪の有権者を対象に実施をされたんですが、東京では灰色高官名はもうみんなが公表せいというのが八五%あるんです。さらに国民はこのロッキード事件に関与したそういう灰色高官というのもすべてひとつ公開を望んでいる。これはほとんど多くの国民がそういう期待を持っているというように思うんですが、ところが、
自民党の永野法務部
会長が被疑調書をとられた者という範囲、これは試案だそうですが、そういうことを言われています。ロッキード疑獄に関してこの追及がだんだん進むにつれて、
自民党内でこの灰色高官の解釈なるものをどんどん狭めていこうと、こういう動きが出てきている。できるだけ隠蔽しようという、そういう動きがあるわけですが、わが党は灰色高官は次のような基準で
考えるべきだと、これが国民の皆公開せよという期待にこたえる
内容ではないかというように思うんです。
それは、一つは、現行法によって起訴されるいわゆる黒色高官以外で、ロッキード社
関係の金品を
本人またはその後援会や、
本人が主宰する
政治団体などが受け取ったすべての政府高官
——閣僚、国会
議員、次官、局長などですね。その
職務権限や請託の有無、金品の名目、あるいは政治献金であるかどうかということです。このいかんを問わない。また政治
資金規正法違反などの犯罪成立の有無も問わない。成立すればこれは起訴される、あるいは逮捕の容疑者になるわけですから、そういうものを問わない。一切の者をひとつ公表する。
第二は、ロッキード社
関係の金の授受についての証拠は不十分ではあるが嫌疑がある、不十分だが嫌疑はあると。第一次FX選定問題以来、ロッキード社のために運輸省、
大蔵省、通産省、防衛庁あるいは全日空、日本航空その他に圧力をかけ、またはロッキード社の航空機の売り込みを容易にするための
行為を行った政府高官、これが第二の範疇ですね。
それで第三は、
検察当局が事案軽微など諸般の
事情で起訴猶予処分とし、または時効、証拠不十分、罪とならずとして不起訴処分にした者を含め、ロッキード事件捜査の過程で前項に該当することが明らかになった者は、その道義的政治的責任を公にするため、氏名及び
行為の概要を国民の前に明らかにすべきである。これがわが党の灰色高官の範囲についての見解であります。これはこのロッキード事件のあらゆる面でかかわりを持つ一切の氏名を、政府高官名を公表せよという、この朝日の世論
調査によれば八五%の国民の要求にこたえるものだと思うわけです。この点についての
法務大臣のひとつ見解を聞きたいと思います。