運営者 Bitlet 姉妹サービス
使い方 FAQ このサイトについて | login

1976-08-25 第77回国会 参議院 ロッキード問題に関する調査特別委員会 閉会後第25号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和五十一年八月二十五日(水曜日)    午後一時三十三分開会     —————————————    委員異動  八月二十三日     辞任         補欠選任      寺田 熊雄君     矢田部 理君      矢追 秀彦君     峯山 昭範君      内藤  功君     橋本  敦君      近藤 忠孝君     神谷信之助君  八月二十四日     辞任         補欠選任      田渕 哲也君     木島 則夫君     —————————————   出席者は左のとおり。     委員長         剱木 亨弘君     理 事                 岡本  悟君                 林田悠紀夫君                 瀬谷 英行君                 黒柳  明君                 橋本  敦君                 木島 則夫君     委 員                 石破 二朗君                 大島 友治君                 岡田  広君                久次米健太郎君                 秦野  章君                 最上  進君                 青木 薪次君                 上田  哲君                 久保  亘君                 野田  哲君                 矢田部 理君                 峯山 昭範君                 神谷信之助君                 市川 房枝君    国務大臣        法 務 大 臣  稻葉  修君        通商産業大臣   河本 敏夫君        国 務 大 臣        (防衛庁長官)  坂田 道太君    事務局側        常任委員会専門        員        池部 幸雄君    説明員        内閣法制局長官  真田 秀夫君        法務省刑事局長  安原 美穂君        大蔵省銀行局長  後藤 達太君        国税庁次長    山橋敬一郎君     —————————————   本日の会議に付した案件 ○理事補欠選任の件 ○ロッキード問題に関する調査  (ロッキード問題に関する件)     —————————————
  2. 剱木亨弘

    委員長剱木亨弘君) ただいまからロッキード問題に関する調査特別委員会を開会いたします。  この際、委員異動に伴う欠員中の理事二名の補欠選任を行います。  理事選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 剱木亨弘

    委員長剱木亨弘君) 御異議ないと認めます。  それでは、理事橋本敦君及び木島則夫君を指名いたします。     —————————————
  4. 剱木亨弘

    委員長剱木亨弘君) ロッキード問題に関する調査を議題とし、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。
  5. 瀬谷英行

    瀬谷英行君 法務大臣にお伺いいたします。  田中総理あるいは橋本運輸大臣等が逮捕されましたけれども、一体これでロッキード問題の山を越したのかどうかという問題が一つあります。私どもは、これは全くごく一部にすぎないという気がするわけなんです。ところが、法務大臣自身は、一山、二山、三山越えといったようなお話がございましたけれども、まだ先に山があると、こういうふうにお考えになっているのか、これで大方の山を越したというふうにお考えになっておるのか、その点はどうなんでしょう。
  6. 稻葉修

    国務大臣稻葉修君) 検察当局でどういうふうに考えているかわかりませんが、私自身といたしましては、まだ山を全部越したとは思っていないわけです。ことに、まあ二山はようやく越したようなめどがつきましたが、三つ目はなかなか険しい山脈であると、残っておると、こういうふうに思っております。
  7. 瀬谷英行

    瀬谷英行君 昨日、自民党両院議員総会などがございまして、おかげでこの委員会はつぶれてしまいました。やむを得ざるものとしてわれわれ委員会延期に同意をしたわけなんでありますけれども、昨日のいろいろの情報によりますと、船田発言によって、政治的配慮という言葉が出ているわけです。政治的配慮によってロッキード問題がうやむやにされるというようなことがあっては、国民の政治不信をますます高めるだけだと思うのでありますが、そのようなことがあってはならぬと思うのでありますが、法務大臣としてはどのようにお考えですか。
  8. 稻葉修

    国務大臣稻葉修君) 船田発言と言われますけれども、私現場におりませんから、どういうことかはわかりませんがね。まあ、ロッキード問題については、不遍不党、厳正公平、徹底究明をやるべきものと、したがって、党派的介入はもちろん、三権分立の憲法原則を崩すような疑いを持たれるような政治介入は一切やるべきものじゃないというのが一貫した私の態度でずっと貫いてきております。したがって、そういう一切の政治的介入をしないということが政治家としてとるべき配慮だと私は思っております。
  9. 青木薪次

    青木薪次君 静岡県に田方郡修善寺町というところがあるわけでありますが、ここに修善寺ニュータウンという、セカンドハウス中心といたしまして住宅開発昭和三十九年から行われたわけでありますが、大蔵省はこのことについて御存じかどうか、お伺いいたしたいと思います——法務省でもいいですよ、法務省おりませんか。
  10. 剱木亨弘

    委員長剱木亨弘君) ちょっと速記をとめてください。   〔速記中止
  11. 剱木亨弘

    委員長剱木亨弘君) 速記を始めてください。
  12. 安原美穂

    説明員安原美穂君) 私の所管事項としてでございますれば、ニュータウンに関する刑事事件ということは聞いたことはございません。
  13. 青木薪次

    青木薪次君 このことを刑事事件という立場で私はいま質問しているんじゃないわけでしてね。法務省おりませんかな、法務省の、何ですか、民事局はおりませんかな。——民事局ちょっと来てもらってくださいな。  それじゃ、質問を続けます。  この土地は三十万坪でありまして、修善寺町の町有地と、それからそこに、狩野川台風で甚大な損害を受けましたそのふもとに熊坂部落というのがありまして、この町有地といわゆる部落共有地とでですね、昭和三十九年の五月二十七日に、いま私の申し上げた修善寺ニュータウン開発株式会社との間において売買契約がなされたものでありました。この土地は原野でありまして、そんな関係相当開発には苦労したということも聞いているわけでありますが、この開発会社に対して親会社東京技研興業株式会社という会社なのであります。この会社自民党中曽根幹事長のいわゆるパトロンであるということは余りにもこれは有名な話であります。で、この会社は十字形の水制ブロックを開発いたしましてパテントを取って、中曽根氏の紹介で地方の県や市に売り込んで、もうかって、一時は二部に上場するというような勢いで実はあったのでありますが、この会社の存在することについて政府は御存じありませんか。——何しろきょうはもう頼んだ人みんな休んじゃうもんだから、自民党党内事情があるかどうか知らぬけれども、まことにこれはけしからぬ話です。
  14. 剱木亨弘

    委員長剱木亨弘君) ちょっと速記をやめてください。   〔速記中止
  15. 剱木亨弘

    委員長剱木亨弘君) 速記を始めてください。
  16. 青木薪次

    青木薪次君 私は、三木内閣総理大臣から、それから副総理から、大蔵大臣から、それらの関係について、もし出られないというなら、そのかわりを出すのはこれは当然な話ですからね。そういうことでこれは一方的なことになって大変遺憾なことでありますけれども、この東京技研興業というのがありまして、これはたしか昭和四十五年だと思いまするけれども、倒産をいたしております。一方、この修善寺ニュータウン造成工事を請け負いましたのは、やはりこの技研興業と、それから修善寺ニュータウン、それからもう一つは青木建設というのが実はあるわけであります。この青木建設というのは、これは日本ブルドーザー工事という会社でありまして、この会社は主に造成工事を担当いたしておったわけであります。で、戦前戦後を通じまして軍の戦車を改造してブルドーザーをつくったりして、そうして大型工事、すなわち特に造成工事面を担当しておったという会社であるわけであります。で、この会長が現在の青木益次という人でありました。この人は元海軍経理学校の教官をいたしておりました。そしてそのときに中曽根さんは一生徒であったのであります。しかも、青木益次さんという会長は非常に有能な方であるようでありますが、その時分から児玉譽士夫とのつながりというものは非常にあったのであります。  で、この青木建設のもとに、その下に、やはりこれまた中曽根さんを信奉するある会社が、某会社が下請としてこの造成工事を請け負っているわけでありますが、このこと自体については私は別に通常関係で……。非常に役者がそろっているという感じを実は受けるわけでありますが、いま逮捕されております橋本官房長官時代大蔵省関係からの差し回しとしてこの青木益次さんの息子さんの青木宏悦、この人が現在の社長でありますが、この人が橋本氏の秘書官を大蔵関係から差し回しとして務めておったということなのでありまして、そういう会社がこの修善寺ニュータウン造成工事を実は請け負ったということでありますが、この会社には特にセカンドハウス中心としたすばらしい——私も調べに行ってきたわけでありますが、その中で最も展望のいいところにニューキャッスルという豪華なホテルがあります。で、職員の話によりますると、中曽根氏はプライベートの旅行でしょっちゅうこのホテル通いを続けたそうでありますが、私が非常に不可解に思いますのは、当時警察庁次長でありました後藤田正晴氏が昭和四十一年の七月の七日に、この造成された土地千七平米を全く安い値段で取得したということなんでありますけれども、国税庁、このことについて御存じありませんか。
  17. 山橋敬一郎

    説明員山橋敬一郎君) お答えいたします。  私はまだ報告を受けておりません。
  18. 青木薪次

    青木薪次君 昭和四十二年にここに住宅を建てまして、住宅の方は奥さんの名義になっております。この点について、その後土地ブーム絶頂期にありました昭和四十八年の三月三十一日に二千六百万円でこれを売却いたしておりますけれども、この点は国税庁御存じありませんか。
  19. 山橋敬一郎

    説明員山橋敬一郎君) お答え申し上げます。  売却をされたという事実は聞いております。
  20. 青木薪次

    青木薪次君 それは幾らですか。公示された額になっておりますか。
  21. 山橋敬一郎

    説明員山橋敬一郎君) お答えいたします。  後藤田正晴氏の関連でございますけれども、最近の公示されたいわゆる所得金額といたしましては、昭和四十八年分の公示された所得金額がございまして、これは二千六百七十二万七千円ということでございます。ただ、公示されました金額所得種類別内訳につきましては、申告内容にわたることでございますので、御答弁は差し控えさしていただきます。
  22. 青木薪次

    青木薪次君 その内容は、財産を売却したとか、あるいはまた俸給給料とか、こういった面についてどういう内容になっていますか。
  23. 山橋敬一郎

    説明員山橋敬一郎君) お答えいたします。  先ほどお話し申し上げましたように、四十八年分の公示されました所得金額は二千六百七十二万七千円と申し上げましたが、この所得種類別内訳につきましては、実は先生承知のとおり申告内容という問題にわたりますので、御了承をひとつお願いをいたしたいと思います。
  24. 青木薪次

    青木薪次君 当時は、後藤田正晴氏は、たしか官房長官だと記憶いたしておりますが、そう理解してよろしゅうございますか。
  25. 山橋敬一郎

    説明員山橋敬一郎君) お答えいたします。  そのように理解をしております。
  26. 青木薪次

    青木薪次君 警察庁長官をやめられて、それから官房長官になったということについては、大体同等職に移行した、したがって、給料の方も同じであるというように理解してよろしゅうございますか。
  27. 山橋敬一郎

    説明員山橋敬一郎君) お答えいたします。  給与関係につきましては、いま私の手元に実はつまびらかにする資料がございません。ただ、官房長官を退職されました段階におきまして退職所得というものが発生するということはあり得るわけでございますけれども、退職所得につきましては通常源泉徴収だけで課税関係が終了いたしますので、これにつきましては確定申告をする必要がない、こういうたてまえになっておるわけでございます。
  28. 青木薪次

    青木薪次君 退職所得は、いまのお話ですと、源泉徴収されるのでこれは所得として確定申告する必要はないということについてはわかりました。そういたしますと、俸給給料というんですか、給料譲渡所得等については、これは合算して申告する必要があるわけですね。
  29. 山橋敬一郎

    説明員山橋敬一郎君) お答えいたします。  そのとおりでございます。
  30. 青木薪次

    青木薪次君 そういたしますと、後藤田氏の給料についてはここで明細にする必要があると思うんですけれども、明細にできますか。
  31. 山橋敬一郎

    説明員山橋敬一郎君) お答え申し上げます。  再三申し上げておりますように、この申告内容ということ、いわゆる申告の、所得種類別にということでございますので……
  32. 青木薪次

    青木薪次君 いやいや給料後藤田氏の給料内容だ、幾らもらっているという……
  33. 山橋敬一郎

    説明員山橋敬一郎君) これも申告内容にかかわる問題でございますので、ひとつ御答弁を容赦お願いしたいと思います。
  34. 青木薪次

    青木薪次君 私の調べでは八百五十万円前後、期末手当を含めて、というように理解いたしておりますけれども、大体その程度と理解してよろしゅうございますか。
  35. 山橋敬一郎

    説明員山橋敬一郎君) お答え申し上げます。  いま手元資料がございませんので正確な数字はわかりませんわけでございますけれども、おおむねその辺の見当であろうかというふうに考えております。
  36. 青木薪次

    青木薪次君 そういたしますと、二千六百七十二万から八百五十万を引いた額が、これがいわゆる譲渡所得内容であるというように思うわけであります。いま現地の千七平米というものは坪数に換算いたしますと三百五坪であります。当時の値段も今日の値段土地が横ばいになっておりますので、値段としては同じなんでありまするけれども、坪十三万円であります。私は、ここの担当者にも聞いてまいりましたし、付近の人の話もそのとおりでありますが、そういたしますと、後藤田氏は現職官房長官にあるときにこの土地を全く安い値段で買って、そうしてこれを昭和四十八年に売却をしている。そういたしますとですね、これは土地転がしだと言わなきゃならぬと思うのでありますが、その点どういうように考えておりますか。
  37. 山橋敬一郎

    説明員山橋敬一郎君) お答え申し上げます。  先生承知のとおり、土地あるいは住宅等、いわゆる不動産の譲渡譲渡所得の原因となる譲渡というものがございました場合には、税務署の方でいろいろな資料というものを集めまして、あるいは御本人にも御照会等を出しまして、いろいろと申告書内容検討するわけでございます。本件につきましても、そのような所定の手続に従いまして、税務署におきましては所要処理を行って適正な処理を行っておるというふうに私たち考えておるわけでございます。
  38. 青木薪次

    青木薪次君 三百七坪へ十三万を掛けますと、大体四千万円ということになります。そうすると、所得申告金額としては約四千八百万以上とならきゃならぬと思うのでありますが、ここに二千六百七十二万円という申告を出しているということについて、これは過少に過ぎないかという点を私は疑問として感じているわけでありますが、その点国税庁いかがでございますか。
  39. 山橋敬一郎

    説明員山橋敬一郎君) お答え申し上げます。  先ほどお話し申し上げましたように、譲渡所得につきましては、本人にいろいろお知らせ等を発送いたしまして、その資金の出所あるいは譲渡価格等につきましていろいろと税務上の問題につきまして調査をし、照会をした上でその申告処理をするわけでございます。本件につきましても、通常の例に従いまして、そのような照会並びに調査に基づいて処理を行っておるというふうに考えますが、その処理は適正に行われているものというふうに私たち考えるわけでございます。
  40. 青木薪次

    青木薪次君 私がいま言ったのは、過少と思わないかということを言っているんですよ。現地担当者から聞いてきて、値段まではっきり聞いてきた。しかも、この給与所得が八百五十万ということについておたくも大体認められた。そうすると、その点について、四千八百五十万円について実際の申告が二千六百七十二万ということについては申告が過少と思わないかということを聞いているんですよ。
  41. 山橋敬一郎

    説明員山橋敬一郎君) お答え申し上げます。  まあ、譲渡所得の計算につきましては、収入から取得費を引いて特別控除を引きまして、それを譲渡所得所得金額とするということでございますが、本件につきまして先ほども申し上げましたように、その譲渡単価等につきましては十分税務調査段階調べておりまして、その金額の中身につきましても所要検討を行った上で処理をしておるというふうにわれわれは考えておるわけであります。
  42. 青木薪次

    青木薪次君 私は現地へ行って、区割りから何から、全部調べてきたわけであります。それから当面の責任者にもいろいろ聞いてきたわけでありますがね。その点については全く不可解であるということを言っておりますので、私は特に、特別職ではあっても国家公務員という立場にある、この状態から推してみまして、こういうような過少に過ぎる申告をするというようなことについては、これは全く問題があるんじゃないかというように考えているわけであります。現地の皆さんの話を聞けば、土地転がしで大もうけをしているらしいというようなことを言われているわけでありまして、そういう点について国税庁はもう一回この問題について調べる必要があると思うのでありますけれども、いかがですか。
  43. 山橋敬一郎

    説明員山橋敬一郎君) お答え申し上げます。  先ほどもお答え申し上げましたように、譲渡所得が発生した場合には、管轄税務署におきましては、その譲渡実態等について、十分な検討を行った上で申告処理を行っておるわけでございまして、単価その他の問題につきましても、その譲渡の時期等に適正な単価であるかというふうな点も十分調べた上の処理を行っておるわけでございます。そういう意味で、われわれといたしましては適正な処理が行われておるというふうに考えておるわけでございます。
  44. 青木薪次

    青木薪次君 当時は、後藤田氏は警察庁長官をやめて、官房長官となって、田中角榮総理のもとで参議院選徳島地方区へ立候補する準備を進めていた時期でありますので、私ども不可解に思いますのは、徳島県の人が何も伊豆の修繕寺土地を買って、不明朗な土地転がしのような印象を受けるのは、これは余りいいことではないじゃないかというように考えているわけでありますが、しかも中曽根氏の関係する技研興業等から土地を買って、しかも小佐野氏の経営する日本電建に売っているんでありますから、私は、この区割りの中で一体どことどこを持っているんだということを聞いたところが、この区割りだけしか日本電建は持っていないんであります。そういたしますと、あれだけの大会社がここだけ日本電建として特別に持っているということは何か。これは、徳島地方区へ立候補するというためのいろんな資金対策その他の点についてはわからぬじゃありませんけれども、しかし片方で、後藤田氏は日本電建から四百万円の資金援助を受けているんであります。それから小佐野氏の系列下にあるところの十和田電鉄からは三百万、東洋電気通信工業から五十万等一千万円を後藤田氏は寄付として受けております。これは昭和四十八年です。それから昭和四十八年度の報告を見ますと、五千五十万円と聞いておりますけれども、この点については大体そういう方向で確認をしておりますか。関係者おりませんか。——おりませんね。おらないようだからやむを得ないと思いますけれども、そういうことなのでありますが、国家公務員が、特別職であろうと何であろうと、政治団体を組織してそれを主宰することができるのかどうかという点について、法務大臣、ちょっと答弁してください。
  45. 稻葉修

    国務大臣稻葉修君) 法律上は差し支えないように思いますけれども、よくわかりません。刑事局長わかったら答弁してください。
  46. 安原美穂

    説明員安原美穂君) 直接の所管ではございませんけれども、国家国務員法で、一般職公務員政治的行為をしてはならないとなっておりまするが、特別職については、そういう規制がないというふうに考えております。
  47. 青木薪次

    青木薪次君 そういたしますと、職務に忠実に専念する義務というやつがあると思うんでありますが、この点はどういうように理解をしておりますか。
  48. 安原美穂

    説明員安原美穂君) その点も、一般職については専念義務がございますが、特別職についてはよく承知しませんが、官吏服務紀律とか、ああいう古い法律関係専念義務があったかどうか、ちょっと私、所管でもごいざませんので、ひとつ御猶予願います。
  49. 青木薪次

    青木薪次君 当時、東山政治研究会というのを後藤田さんは主宰しておられたわけでありますが、特に議員という立場ではないんでありまして、しかも一国家公務員特別職であろうとも給料を得ているんだから、これは職務に専念せねばならないというように考えているわけでありますが、この点についても一般職でなければ、これは自由にできるのか。いまの刑事局長の話を聞けば、特別職の場合においては自由にできるというように理解せざるを得ないわけでありますが、その点いかがですか。
  50. 安原美穂

    説明員安原美穂君) うっかりせせり出まして、要らぬことを申し上げて恐縮でございますが、それ以上のことは所管の省庁からお尋ねいただきたいと思います。不正確であると困りますので。
  51. 青木薪次

    青木薪次君 選挙法上には、地位を利用して政治活動してはならないということでありますけれども、私は徳島県の人に聞いたわけでありますが、後藤田さんは官房長官在任中に、職を利用して参議院地方区の立候補のあいさつ回りとか後援会づくり積極果敢にやっておったという話を聞いておるわけでありますが、法務大臣、この点については、あなたはできるじゃないかと思うということを言われたのでありますけれども、これができるとなったら、私は相当これまた反論があるわけですけれども、いかがですか。
  52. 安原美穂

    説明員安原美穂君) 選挙法罰則にあることの関係から承知しておるところを申し上げると、公務員地位を利用して選挙運動をしてはならないとなっておりまするから、一般論としては、地位を利用して選挙運動をしてはならないわけでございます。
  53. 青木薪次

    青木薪次君 そういたしますと、その地位を利用して選挙運動をしてはならないという点について、私はここに、先ほど小佐野賢治氏の系統から一千万円の資金援助を受けていると申しましたが、もちろんこれは届けられておりますけれども、そのことは、地位を利用して選挙事前準備活動としての行為に当てはまるのじゃないか、しかも東山政治研究会というものを主宰しておられるという点については、地位を利用して選挙連動をやられたというように理解いたしておるわけでありますが、その点いかがですか。
  54. 安原美穂

    説明員安原美穂君) 具体的な問題、罰則にも触れるかどうかの問題ということになりますと、具体的な事柄でございますので、事情をつまびらかにせぬ私が軽々に答えるべき問題ではないように思います。
  55. 青木薪次

    青木薪次君 私が言わんとするところは、まさにこの現地修善寺ニュータウンという会社は三十万坪を取得した。しかも、中曽根氏の大体影響下にある会社がその中心的な経営をなさっているということと、それから現職の、当時警察庁次長をやられた後藤田氏がこれを買って、しかもそれをそのまま残しておいて、修善寺ニュータウンのこの土地は平和相互銀行によって一時担保に供せられたわけです。しかし、昭和四十一年に後藤田氏が買うわずか三、四カ月前にこれが全部抵当が解除になって、その解除も抵当権の放棄となっているわけですよ。放棄というのは、私どもは非常に理解に苦しむわけでありますが、普通は、これは弁済とか解約とかになっているはずであるというように解釈いたしておるわけでありますが、この点銀行局長はどういうように理解されますか。
  56. 後藤達太

    説明員(後藤達太君) 当時の登記簿謄本などによって見ましたところでは、ただいま御指摘のように、四十一年の二月の十八日に抵当権が抹消されておるようでございます。そこで、金融機関が融資をしておりますときに担保を取りまして、その担保を抹消する仕方でございますが、これは根抵当に関しまして数年前に制度の改正がございましたので、当時、十年ほど前のところはいまとは少し違っておったようでございます。私どもが承知しておりますところでは、当時、共同担保ということで抵当権を設定しておりました場合には、何筆かの土地が共同で担保に入っておるわけでございますが、その後そのそれぞれにつきまして、総額が限度として、つまり借入金の総額が限度として設定をされておりました。したがいまして、その一部が売れるとか、あるいは貸し金の返済があるとか、こういうことで一部を抹消いたします場合に、放棄ということをいたしまして、そしてそれが抵当権の抹消原因になる、こういうことで抵当権を抹消しておったようでございまして、これが一般的であったように聞いております。なお、全額償還のような場合には、これは解約する、つまり全部の抵当権を、各筆ごとにございますので、全部抹消しますときに解約、こういう扱いが一般的であったように聞いておりまして、この御指摘のケースにつきましては、その一部を抹消するので放棄ということで抵当権は抹消されたのではないか、こういうふうに存じております。
  57. 青木薪次

    青木薪次君 そういたしますと、根抵当の関係法律ができたということについてはわかりました。その後、昭和四十八年の五月ですか、一月に抵当権を放棄して、そして今度は五月にそれを日本電建に売っているわけですね。しかも、四十八年には、小佐野さんの系統からずいぶん東山政治研究会という後藤田氏の主宰するこの後援会に金が入っているんですね。片方では土地を買ってやった。これは十三万。三百五坪。しかも片方では、その政治研究会に一千万円という金額小佐野氏系統から入っているというようなことになりますと、私は、冒頭申し上げました関係をずうっと伝わってまいりますと、これはもう平和相互銀行の関係等についても若干私は知っておりますけれども、余りにも役者がそろい過ぎているんじゃないかというように考えているわけでありますが、この点どうでしょう、稻葉法務大臣、余りにも役者がそろい過ぎていると思いませんか。
  58. 稻葉修

    国務大臣稻葉修君) さあ、役者がそろい過ぎているということの意味、内容でございますが、中曽根氏が関係しておったということが役者がそろい過ぎているということなんでしょうか。このロッキード事件に関して疑惑の的になっている人間がたくさん関与しているということでしょうか。
  59. 青木薪次

    青木薪次君 そうです。そうです。
  60. 稻葉修

    国務大臣稻葉修君) それはちょっと、刑事局長答弁してもらいます。
  61. 青木薪次

    青木薪次君 じゃ、刑事局長
  62. 安原美穂

    説明員安原美穂君) ロッキード事件の捜査の過程で、捜査の関係からいって、いま御指摘の三者の方を称して役者がそろっているかどうかというお尋ねのようでございますが、ロッキード事件にそれらの三人の方がどういう関与の仕方をされておるかどうかというようなことは申し上げる立場にはございません。
  63. 青木薪次

    青木薪次君 こういう答弁は、刑事局長答弁させるというのはぼくはやっぱり無理だと思うんですよ。やっぱり私は法務大臣が広い立場から、小佐野賢治、問題になっている——あなたから言われれば、したたかな一人ですからね、それがいる。それから中曽根さんがいる。それから後藤田さんがいる。これはPXLの関係ですからね、大立て役者ですから。そういう関係者がおって、そうしてしかも政治的な渦中で私どもに証人喚問として要求されている人が実は修善寺ニュータウンの開発とその後の買収、売却をめぐる経緯の中で存在しておったというように考えているわけであります。したがって、そういう点について稻葉法務大臣はどういうようにお考えになっておられるかということを聞きたかったんです。
  64. 稻葉修

    国務大臣稻葉修君) 捜査の内容に、捜査の進みぐあいに触れる問題ですから、刑事局長の方がいいと思って刑事局長答弁さしたわけですが、今度は私にどうしても答弁せよと、こう言うんですが、捜査がどういうふうになっているか、そういう点について報告を受けておりませんからね。仮にそれがロッキード事件について三者とも捜査の対象になっているという報告でも受けていれば役者がそろってますなあという明確なる答弁ができるんですけれども、そうなっていないもんですから、役者がそろい過ぎているか、そろってないのか、お答えするわけにまいりませんね。
  65. 青木薪次

    青木薪次君 私は、この点についてはまたいずれかの機会に申し上げてまいりたいと、こう思っております。じゃ稻葉法務大臣の言われたように、役者がそろっているというように言う、いま立場にないし、またそういう情勢にないという点については、あなたも案外正直な方の人ですから、その点については了として、一応次回の質問に譲りたいと思っております。  刑事局長、八月二十一日と二日の朝日新聞の村上アメリカ特派員の報ずる記事についてはお読みになりましたか。
  66. 安原美穂

    説明員安原美穂君) 一読いたしました。
  67. 青木薪次

    青木薪次君 この記事について、具体的にいま私が申し上げた、いまこの修善寺ニュータウンに関する役者がそろい過ぎと言われる人たちが主要な役割を果たしているし、しかもそのロッキード工作資金の行方についてまことに現実的に私たちの非常に疑惑に思う点を解明しているというように考えておりますし、先ほど十二時のニュースによれば、アメリカの連邦地裁においては、コーチャンをもう一度、余り具体的過ぎるので、証言の内容等について、この三十一日ですか、呼んで尋問するということを言っておるわけでありますが、その点についてどういうように理解されておりますか。
  68. 安原美穂

    説明員安原美穂君) いま御指摘の朝日の記事の中に、先ほど来御指摘の小佐野という名前と中曽根という名前が出ておったことは知っておりますが、後藤田という名前は出ておったようには私読んでおりません。  それはそれとして、そういうことが書いてあったということは事実でございますが、その証言の内容の真否につきましては、いまここで申し上げるわけにはまいりません。と申しますのは、コーチャンの証言についてはすでに東京地検がそれを入手して、しさいに分析検討中でございますし、いま私報告を受けたところでございますが、来る三十日に改めてコーチャンを連邦地裁が再尋問するということでもございますので、今後の尋問の行く末関係もございますので、ちょっとそれ以上のコメントは差し控えたいと思います。
  69. 青木薪次

    青木薪次君 そういたしますと、三十日のコーチャンに対する再尋問が終わらなければ捜査当局としてはこの問題についての対応については考えないということの意味ですか。
  70. 安原美穂

    説明員安原美穂君) そうではございません。すでに分析検討を、すでに入手した尋問調書でしておりますし、新聞報道等は有力な情報源でございますので関心も持っておるわけでありますが、なおここでいろいろ内容に触れることは、捜査の内容でもあるし、これからの尋問にも影響があるので、なおさら差し控えたいと、こういう意味でございます。
  71. 青木薪次

    青木薪次君 刑事局長、捜査の内容に私は触れているんじゃないんですよ。いままでやっぱり日本の捜査当局が、非常に日米のいわゆる捜査秘密協定に基づいて壁があったわけでしょう、それを突き破るに非常に苦労したということがあり、しかも、コーチャン証言等において助けられた分というのはあるわけでしょう、現実的に。相当裏づけられた分というのはあるわけですよ。そのことから推してみて、この朝日新聞の記事、また連邦地裁が非常に重大な関心を持つこの記事については、非常に今後の捜査の面において役立つというようにお思いになるかどうか。こんなものは全然関係ないと思っているのか、役立つと思うのか、その点について聞いているわけですよ。
  72. 安原美穂

    説明員安原美穂君) 少なくとも有力な情報として役立ち得るものであるというふうに思いますが、いずれにいたしましても、コーチャン証言の評価をここで申し上げることはやはり捜査の内容に触れることになりますので、いわゆる客観的な評価については申し上げることを差し控えたいと思います。なお、コーチャン証言の中身が、現実の捜査として、その被疑事実として、あるいは公訴提起の公訴事実としてあらわれたという部分につきましては、コーチャンの証言はそれなりに検察当局としては評価したということに相なるわけでございます。
  73. 青木薪次

    青木薪次君 そこで、この小佐野賢治国際興業社主は、七二年に少なくとも四回、七三年、七四年に合わせて三、四回、少なくとも七、八回程度会っていると。しかも、この点については、いままで小佐野氏はこのコーチャンとの関係についてはまあちょっと会った程度ぐらいに済ましておったんですけれども、この点については、捜査当局として、重大な偽証の疑いがあると思うのでありますけれども、その点についてどうお考えですか。
  74. 安原美穂

    説明員安原美穂君) たびたびお尋ねを受けてお答えしておるところでございますが、コーチャン、小佐野両氏が何回会ったかというような点についての両者の証言の中に違いがあり、あるいは、コーチャン氏から見た小佐野氏のトライスターその他ロッキード社の製造機の売り込みに関する、売り込み活動についての小佐野氏の占めた役割りについても、小佐野氏の言ったこととコーチャン氏の言ったことに客観的に食い違いのあることは、これは客観的な文字から読み取れるところでございますので否定すべくもないと思いまするけれども、それ以上に、だから偽証かどうかというような問題につきましては、これは捜査に関連することでございますので、私の口から申し上げることは控えさしていただきたいと、かように考えておる次第でございます。
  75. 青木薪次

    青木薪次君 小佐野氏の証言について非常に重大な疑義がある、重大な偽証の疑いがあるというように私どもは考えておるし、また、それなるがゆえに再喚問ということを決めたわけでありますけれども、それらの点から言って、やはり議会もそういう点について積極的な働きというか、意思表示をして、やはりその一般的な捜査内容に触れるというよりも、矛盾点について解明していくという点については、一般的意味として捜査当局としてもそれをやはりこいねがっているというように解釈してよろしゅうございますか。
  76. 安原美穂

    説明員安原美穂君) 国会ないしは委員会のいわゆる御行動といいますか、これからとらるべき措置につきまして、私ら行政府からとやかくお願いしたり要請したりするということは差し出がましいこととは存じておりまするけれども、けさほども、また前回も当委員会で申し上げましたように、偽証、議院証言法の偽証罪というのは、青木委員御案内のとおり、委員会の告発が訴訟条件になっておりますので、やはり捜査権を発動する一つの原則的なあり方としては、告発をまって捜査を開始する、やむを得ないときだけ先般数回行いましたような告発なしに捜査を開始するということもやむを得ないわけでありますけれども、原則はやはり告発があって捜査権を発動するというのがティピカル、典型的なあり方ではないかということは、かねがね考えておるところでございますので、そういう意味におきまして、たびたび、捜査当局はなぜ偽証罪として捜査しないのかということはよくお尋ねになりますので、その点は捜査当局としても偽証ということになればそれなりの適切な措置をとらなければならないと思いますけれども、基本的には、告発の権限を持たれます国会、委員会についてもひとつその点は、捜査当局だけではなしに、告発権をお持ちの立法府におかれても御勘案をいただくのが至当ではございませんかということを、やや厚かましいような言い方でございますが、私どもの考え方を率直に申し上げておる次第でございます。
  77. 青木薪次

    青木薪次君 私は非常にいま問題だと思いますのは、小佐野氏周辺に余りにもガードがかた過ぎるんですよ。それは、たとえば元検事総長とか前検事総長とかというような、そういう経歴を持った弁護士がかたまり、しかも周りに、たとえば大蔵省関係にしても警察関係にしても、いるというような形の中で、私はやっぱり酸いも甘いもかみ分け、しかも非常に法網に対する、いわゆる法的な解釈、運用、解釈の拡大等についても非常にできる堪能の士がついているというところに、非常に私は国民の一人としても、また国民世論の立場からいっても、問題視されているわけですから、その点について、たとえば檜山にしてもあるいはまた若狭にしても一証言法違反でもって逮捕されたそのことと、なぜ小佐野氏に対してその証言法違反という発動ができないのかどうか、その点についてどうお考えになっていますか。
  78. 安原美穂

    説明員安原美穂君) 小佐野賢治氏についてすでに偽証罪が成立しておるということを前提にされての御議論でございますので、そういうことについてはするかしないかを申し上げるわけにはいかないという立場に立ちますと、本来その前提を異にする議論に相なるわけでございますから、これ以上お答えする限りではないとは思いまするけれども、私ども捜査当局としては、仮に小佐野氏に偽証罪が成立するということになれば、いわゆる檜山氏あるいは大久保氏その他の偽証と、小佐野氏の偽証との間で後者が軽いとはとうてい考えられないわけでございまして、ガードがかたければ検察は退くのでなくて、むしろかたいガードに対しては、それが不正が隠されるようなガードであれば突き破るのが検察の本来の伝統でございますので、その間何ら人によって区別はしていないということもひとつ御了承願いたいと思います。
  79. 青木薪次

    青木薪次君 そこで法務大臣、お聞きしたいと思いますが、ロッキード事件の徹底的解明のために政治生命をかけると豪語いたしました三木内閣総理大臣は、このごろ少し児玉ルートの解明に不熱心じゃないか、先ほど瀬谷委員からも言われましたように、もう逮捕者は出ないかのごとき発言を三木総理がされるという点に至っては、どうも私ども、非常に児玉ルートに対する解明について何かしら、後へ引き下がっていくことについてはどうもやむを得ないじゃないか、あるいはまた諦観視しているじゃないかという感さえ実は国民は持っているわけでありますが、その点の疑問についてどう思っておられますか。
  80. 稻葉修

    国務大臣稻葉修君) 総理大臣が、あと逮捕者が出ないなんて言ったことはないと思いますがね。
  81. 青木薪次

    青木薪次君 だって、出ているんですよ。
  82. 稻葉修

    国務大臣稻葉修君) それはないと思いますよ。私はこの間の、この前の前の先週の火曜日の閣議に報告したときには、私は、児玉ルートについては捜査が難航していることは事実だけれども、あらゆる手段、方法を講じて徹底解明に努力をすると、こういうふうに言うているわけです。全日空ルートについての捜査が全部終わったわけじゃありませんから、これについてもまだ残っておりますからね。ですから、それがきちっといったら……
  83. 青木薪次

    青木薪次君 強制捜査はあるわけですね、あり得るわけですね。
  84. 稻葉修

    国務大臣稻葉修君) あり得るとか、あとないとか、そう言うこと適当じゃないですよ。あり得るとか、あとはもう強制捜査はありませんとか、任意捜査だけですとか、そんなことをここで言うたらおかしいじゃないですか。まだ残っておるということで御了承願いたいと思いますね。全部きちっといったわけではない、そうして第三の山脈はきわめて険しいけれどもあらゆる努力を傾倒してこれを突破するという意気込みでやっております、これで御了承願いたいと思います。
  85. 青木薪次

    青木薪次君 私は最後に、稻葉法務大臣には、この問題について非常に国民がある意味では期待いたしていると思うんでありまするけれども、あなたが徹底的に追及するという、この稻葉節と言われるあなたの発言が、このごろラッパの音色が湿ってきたのじゃないかと実は言われているわけですよ。それはなぜかと言ったら、やっぱりあなたが中曽根康弘派に属している法務大臣だということと、それから何で稻葉さんともあろう人が一派閥の中にいるんだろう、こういう点について、稻葉さんのためにも、あなた、このロッキード事件に対して徹底的に究明するという決意を示すためにも、こういう一派閥から脱会するようにひとつ頼んでもらいたいという声が実はあるわけでありますが、あなた脱会する気持ちはありませんか。
  86. 稻葉修

    国務大臣稻葉修君) ラッパの音色がだんだん細ぼってきているなんて言いますけれども、この間非常にここでラッパ吹いたじゃないですか。中曽根康弘であろうと、法務大臣稻葉修であろうと、剱木亨弘であろうと、そんなことは構っちゃいないんだと。これほどのラッパはありましょうか。厳正公平です。不偏不党、派利派略は超越して、もう澄み切ったような気持ちでおるわけです。私心は全くありません。したがって、それを示す意味で中曽根派を脱会したらどうかと言うんなら、これはあれだね、自民党も脱党しなけりゃ党利党略にとらわれているというあれは残るわけですね、仮に中曽根派を脱会しても。そういうわけですからね、そういうことはやっぱり私が判断して決めますが、私としては、結果をもって国民にお示しすれば後でわかることだと、いまはいろいろなことを言われてもそういうことに耐えていかなきゃいかぬと、こういう気持ちでいるんです。  ちなみに、この派内の会合とか、他派との会合とか、そういうことにつきましては、昼の部、夜の部を問わず、一切出ておりません。これはもうこのロッキード事件の解明をほぼ終わったというときまでは一切出ないという態度をとっておりますことで御了承を願いたいと思っております、いまのところは。(「二十七日の夜は出たじゃないか」と呼ぶ者あり)あれ以来。
  87. 青木薪次

    青木薪次君 いまの話について、私どもはこのロッキード問題というのは、この派閥を脱会すりゃ自民党も脱会するような結果になってしまうということは、やはり政党内閣制ですからね、ぼくらもやっぱりその点については矛盾があると思うけれども、やはり政党内閣制ということで、派閥を抜けることと政党を抜けることは、これは違いますのでね、はずみで物を言われたと思うんでありまするけれども、ぜひ私どもはやっぱりそういうロッキード問題が起こっている期間は派閥の会合には出ないというそのことについてはよくわかりますので、ひとつ大いに決意を持ってやってもらいたいと同時に、私が前に確認いたしましたように、臨時国会の召集されている期間内にも、全日空、丸紅ルートはもちろんのこと、児玉ルートについても、これは並行して徹底的ないわゆる捜査が行われていくというように理解してよろしゅうございますね。
  88. 稻葉修

    国務大臣稻葉修君) そう御理解していただければ大変にありがたいと思いますよ。私はそのつもりです。
  89. 青木薪次

    青木薪次君 以上です。
  90. 黒柳明

    ○黒柳明君 法制局長官職務権限のことについて二、三お伺いしたいのですけれども、田中総理が起訴されたわけでありますが、言うまでもなく、運輸大臣を、各省大臣を統括指揮すると、こういう職務権限ですね、運輸大臣も機種の選定、トライスターの選定についてはやっぱり権限がないわけですけれども、運輸行政の許認可権を持っていると、こういうことなんです。先週もここで聞いたら、もう起訴したんだから絶対公判の維持はもうできると。これは当然そうだと思いますよ。しかしながら、若干、客観的に判断しますと、何かこの職務権限、総理大臣のですね、トライスターの機種選定、これに限って職務権限ということについて、今度の検察当局の起訴内容——一部では、二審あたりで無罪だろうと、こんな憶測ももう出ているんですけれども、検察当局は当局としまして全面的にその努力を多とする立場ですが、それはそれとしまして、内閣法制局長官としまして、機種の選定についての総理大臣の職務権限、これについてはどのような見解をお持ちですか。
  91. 真田秀夫

    説明員(真田秀夫君) 最初にお断りしておかなければならないと思いますが、具体的な事件に即してこの公訴事実なり被疑事実を頭に置いてここでお答えするという立場は、いま遠慮しなければならぬと思いますので、一般論として、法律の解釈としてお答えするにとどめたいと思います。  いまお尋ねは、航空法の適用の問題として、機種の選定について運輸大臣なり内閣総理大臣は一体法令上権限を持っているのかという御趣旨だろうと思って、その線に沿ってお答えいたしますが……
  92. 黒柳明

    ○黒柳明君 総理大臣ね。
  93. 真田秀夫

    説明員(真田秀夫君) 総理大臣も含めて……。
  94. 黒柳明

    ○黒柳明君 総理です。総理、まず総理
  95. 真田秀夫

    説明員(真田秀夫君) まず運輸大臣の方から話をした方が順序として御理解を得やすいのじゃないかと思いますので、まず運輸大臣の権限に関連して申しますと、航空法で航空運送事業はもちろん認可事業でございまして、当初の事業についての認可はもちろん必要でありますが、そのほかに、事業計画書の認可という制度もございます。  それで、どのような機種を選定するかということは、どうも私の理解では、多くの場合、ほとんど全部だろうと思いますが、事業計画書の変更に及ぶということになるのだそうでございます。私は専門的知識がございませんが、そういうことに大体なるのだそうでございます。ということになりますと、機種の選定それ自体は運送業者が行うものでございますけれども、それに伴って事業計画書の変更の認可というのが航空法上必要になってまいります。それに関連しまして、したがいまして運輸大臣の職務権限が生まれてくると、こういうふうに私は理解しております。  それから総理大臣でございますが、これは憲法の七十二条で、「内閣総理大臣は、内閣を代表して」云々し、「並びに行政各部を指揮監督する。」とございますので、またこれを受けて内閣法にも第六条という規定がございますので、内閣総理大臣としては一定範囲で行政各部を指揮監督するということになろうかと思います。
  96. 黒柳明

    ○黒柳明君 あれですか、そうすると、内閣総理大臣も、いまのこの運輸大臣の事業変更の認可の中にトライスターの機種選定も入るから、総理大臣も、運輸大臣を指揮統括するから、そのままそっくりやっぱり職務権限はそこに抵触するという判断ですか。そうすると、各省庁、運輸大臣というのは今度はみずからの運輸省、各省庁を統轄する権限ありますな。そうすると今度は一人一人の役人のそういうことまで全部大臣、大臣のやった  ことは全部総理大臣、こういう可能性がありますね。その点どうですか。
  97. 真田秀夫

    説明員(真田秀夫君) 先ほど申しました航空法の規定による許可、認可権限は、これは運輸大臣の権限でございまして、現在の内閣の法制の仕組みのもとにおきましては、行政事務は内閣に属しますけれども、内閣を構成する各大臣がそれぞれ法律の定めるところによって分担管理するというふうになっておりまして、その分担管理の仕方と言いますか、仕分けと言いますか、それは各省設置法の権限として各実定法をもとにして書いてございますので、じかにはもちろんそれは運輸大臣の権限でございまして、内閣総理大臣が運輸大臣にかわっておれが指揮監督権限があるからおれの名前で認可をするというようなことはできるものではもちろんございません。ございませんが、なお内閣総理大臣は、内閣の首長として内閣を代表して行政各部を指揮監督するとございまして、そして、内閣法ではそれを受けまして、「内閣総理大臣は、閣議にかけて決定した方針に基いて、行政各部を指揮監督する。」とございますので、内閣の意思と離れて内閣総理大臣がああしなさい、こうしなさいという指揮あるいは指示をすることは行き過ぎかと思いますけれども、法制上は行き過ぎかと思いますけれども、内閣の意思に合致する範囲内において指示をするということは私はできるんだろうと思います。
  98. 黒柳明

    ○黒柳明君 さっき、私はちょっとわからないんですけれどと言った、要するに事業の変更の認可の中に機種選定は入ると、そこのところなんです、例の問題はね。私はちょっとわからないんですけど、という、これが一番大切なところなんですが、そこのところをもう一回、私はわからないけれどもということは、内閣法制局長官立場としてはこれはやっぱり疑義があるということを踏まえておっしゃるんですか。ちょっとやっぱり長官が、私はわからないから——それじゃだれがわかるのかということになりましてね。ちょっといまの一点。そうならないとやっぱり総理大臣の職務権限がはっきりしませんものでね。いままで、日航の場合にはこれはもう当然ですけれども、全日空、いわゆる民間航空会社の場合は、トラックの、路線の設定とかなんとか、こういうものの許認可権は持っているけど、機種の選定についてはないんだと、こういうことが言われてきたんです。こういう立場を国会でも表明してきて、そして運輸省は、悪い言葉ですけれども、逃げてきたわけですよ。私たちは機種選定についての認可権はないんだと、だから関係ないんだと、行政指導もしてないんだと、ここの論議がずっと来たわけですね。ところが、あの中において、いま言ったように、要するに職務権限、さらに総理もと、こうなったんで、私も勉強してわからないのできょうは聞かなきゃならないという立場も含んでるんですけれども、いまおっしゃった、私はわからないんですけれどと、ここのところをもうちょっと明確にしていただかないとうまくないんじゃないですか。要するに、全日空、民間飛行機会社、その機種選定について、要するに事業計画の変更の中に入るんですか、それが機種選定も。そういう見解ですか。
  99. 真田秀夫

    説明員(真田秀夫君) はなはだ申しわけないんですが、私がよくわかりませんと申しましたのは、航空法自体からはそれは出てこないんですよ。
  100. 黒柳明

    ○黒柳明君 出てこないでしょう。
  101. 真田秀夫

    説明員(真田秀夫君) はい。航空法からは機種の選定と事業計画の変更とは直接結びつきないんですけれども、これは施行規則か何か見れば書いてあるのだそうなんで、私そこまでちょっときょうは読んできておりませんでしたので、先ほどああいう言い回し方をしたわけなんですが、はっきりしていることは、機種の選定それ自体は、これは航空業者、運送業者がやることなんで、それがひいてはそういう事業計画書の変更になるから事業計画書の変更認可という行政処分にかかってくる、こういうふうに私は理解しておりますということをお答えしたわけで、なお、その事業計画書の記載事項の細かいところまで実は調べてこなかったのははなはだ申しわけない次第でございますが、なお早速に調べまして、また機会があればはっきりお答えしたいと思います。
  102. 黒柳明

    ○黒柳明君 まあ、通告も一週間も前から通告していればよかったと思うんですけれどもね。法制局長官が、内閣の知恵袋が、いまのいま即答ったって、これはできる立場にはあるし、いまも言いましたように、航空法にはそんなことないわけですね、これは当然。それからしさいないろんな内規や何かもないんです。だから、いま言ったように、国会においては、運輸省はそういう立場にない、行政指導もしていませんと。これが五月ごろになって、いや、したことはありますというふうに変わってきたんです。これはもう国会の審議を御存じでしょうね。  だから、いま長官がおっしゃったのは、検察が起訴した、起訴したということを踏まえて、だからその事業計画の変更に入るんだ、入らなければおかしいという立場でおっしゃっているんじゃないんですか、起訴したという立場を踏まえているから。私は、そのことばそのことでいいと冒頭に言ったわけでしょう。検察の立場立場でいいですと。これは刑事局長に、どうしてなんと聞いたって、そんなこと捜査内容を言うわけないんですからね。だから内閣の法制局として——なぜかならば、冒頭言ったように、これがやっぱり公判維持の大きな焦点のわけですよ。それについて内閣としてはどうか。いろいろな手は、また公判において検察当局のいろんなうわさ、コメントが出ていますよ、マスコミに。だけど、それに対して弁護士の方だって相当なやっぱり裏の裏の手を考えているんでしょうな。いま言ったように、果たして職務権限が、まあ運輸大臣はともかく、総理にあるのかというようなことも、ああ二審あたりで無罪だろうなんてなことも出ている、こういうことを踏まえて、どうですか。いま、知らないんで申しわけないと。これは結構ですよ、そのことは。だけど、国会での審議ということも御存じなことはもう当然ですね、これはいままで。  それで、私言うまでもなく、そういうものはなかったんだと、運輸省には。民間航空機の機種選定の権限はないんだ、航空法にはないんだと。以下の内部規程やなんかにもないんだと、こういうことを前提で詰めてきたわけですから。それが運輸大臣ではなくて総理にも職務権限が及ぶと。これは運輸大臣を指揮統轄するからだ、こういうことで私たちも勉強しなきゃならないなと。果たして公判維持できるのかと。果たしてこれでどうなるのか、有罪無罪は、というところで、心配と言ってはあれですけれども、疑問がある。それでいま法制局長官の見解。だから、いまおっしゃった、私はわからないんだ、航空法には出ていない、間違いないんです。ないんです、そんなものは。  だから、もう一回言いますよ。私の質問、うんと言う必要はないんですけれども。起訴されたということは、結局事業計画の変更の中に機種選定が入らなければ起訴ということはおかしいから、だから入るんであろう、私は知らないけれどもそうであろう、こういうことなんですか。それしかないじゃないですか。どうですか。それとも、ほかの観点で、それは絶対入るんだと、こういうことなんですか。ひとつその点。それじゃないと総理の方まではっきりいかないわけですよ。
  103. 真田秀夫

    説明員(真田秀夫君) 東京の地方検察庁がある具体的な事件について起訴をしたから恐らく間違いないんだろうと、そういうことを前提にしまして、そして私がここで法律の解釈のお答えをするということでは毛頭ございませんので、その点は御了承願いたいと思います。  それからもう一つ、ちょっと先ほどから気になっておりますのは、先ほどは法令上どうかということでございましたので、職務権限のかかわりぐあいをお答えしたわけですが、どうもおっしゃっている趣旨は、どうも賄賂罪として成立するのかしないのかということのようでございますので、つまり賄賂罪にいう職務であるかどうかということでございますので、そうなりますと、また法律解釈として多少違うニュアンスが出てくるということも確かなんでございます。つまり、先ほど申しましたのは、法令に基づく、本来的な法令に基づくそのものずばりの職務のことでございまして、ところが賄賂罪にいう場合の「職務ニ関シ」という職務は、それよりはある程度広いというのが判例でございます。一般的な判例としましては、本来の職務行為のほかに、これと密接な関連のあるものが賄賂罪にいう職務に含まれるという判例もございますし、あるいは事実上、もしくは慣習上、平素から所管している職務は、これはやはり賄賂罪の構成要件の一つである「職務ニ関シ」に入るんだというような判例もございますので、それやこれも含めて私はお話を実はしているわけなんで、別に検察庁が起訴したからそれを大前提にしてそれに乗っかっているというようなつもりは毛頭ございません。御了承願いたいと思います。
  104. 黒柳明

    ○黒柳明君 そうすると、もう一回繰り返して申しわけないですな。  事業計画の変更の中に機種選定というものが入ると思う、と。私はわからないんですけど、というのはちょっと余分なんで気にかかるわけですよ。私はわからないですけれども入ると思いますというのじゃ、全くね——思います、だけれどもしさいをもう一回勉強してというなら別ですよ。私はわからないですけれどもということになると、全く法制局長官が国会の場で答弁しているのかなんだかわからないわけでしょう。ですからもう一回。事業計画の変更の中に入るんですな。そうならいままでの国会での論議というものは変わってくるわけですよ。  機種選定について、私は何も賄賂罪ね、賄賂罪というのは——長官、読みました、読んで頭に入れたらいいです。聞いてくださいよ。賄賂罪というのは、これから検察当局が決めることだし、また公判においていろんなやりとりがあるわけですから、そんなことは論じてません。また、法律、判例やなんかによって、それが先行、優先する場合もあるでしょう。完全にいまの田中角榮の、あるいは橋本登美三郎云々を前提にしなくても結構なんです。法律的に、法的にどうかということで結構なんですよ。それをいままでは、そういうものはなかったということで三分の二のロッキード問題の前半の国会の審議というものは進まなかったんです。それをいま、起訴されたということが職務権限につながると、こういうことですから、私はこの次に来る公判でのやりとりということじゃなくして、また検察当局の姿勢は姿勢、あるいは奥の手は奥の手としまして、法律に基づいて、判例、先例は全然別として——賄賂罪はいろんな通例のいろんな業務の範囲、守備範囲もまた違うんだ、これもいいです。法律的に、法制局長官答弁ですから、私は知らないんだということが非常に気にかかるんで、本当は「と思う」ということもなお気にかかるんです、同じに。はっきり言っていただかないと納得できないんですけれどもね。
  105. 真田秀夫

    説明員(真田秀夫君) どうも先ほどややあいまいな表現を用いまして申しわけないんですが、あのときに申し上げました趣旨は、先ほどの繰り返しになりますけれども、実は施行規則を見れば書いてあるんだそうですと、私はまだそれを確認してこなかったので、それでああいう表現を用いたわけでございますが、ただいまメモが入りまして、事業計画の内容につきましては航空法の施行規則の二百十条に使用航空機の型式が含まれるというふうになっているんだそうでございます。これまだ私メモを見ただけで、省令そのものを確認しておりませんが、恐らくこれは省令を読んで書いてくれたメモだろうと思いますので、入るというふうに私は申し上げていいんだろうと思います。
  106. 黒柳明

    ○黒柳明君 それはもう一回。いまメモ——型式、その後何て書いてありますか、いま入れてくれた人がちょっと答弁していただけばいいんですけれども。それは違うですよ。法制局でいままでそういうことお調べになってないんでしょう。いままで国会でさんざん論議したんです。それがないからいま私は言っているんです。法制局がここでいまあわ食って勉強しても、申しわけないが、ないんです。だけれども、その二百十条というのは違いますよ。いまちょっとあれしまして、岡本先生は専門ですから。記載事項だけしか書いてない。選定じゃないんです。だから国会でいままで、そういうものがないないと言われてきたんです、運輸省で。いいですか、法制局長官、通告してあるんだから、ひとつその点勉強して。  そうすると、もう一回あれしますよ。ないわけですよ。だからもう一回。要するに、東亜航空だって、これから全日空だって、そのことがいきますよ、その中に機種選定が入るということがはっきりしますと。
  107. 真田秀夫

    説明員(真田秀夫君) 航空法施行規則の二百十条八号の口に「使用航空機の総数並びに各航空機の型式及び登録記号」というのがございます。
  108. 黒柳明

    ○黒柳明君 だから、それと選定とどう関係があるんですか。
  109. 真田秀夫

    説明員(真田秀夫君) だから、選定の結果、型式の変更を生ずる、つまり事業計画書の内容の変更にわたるということに読めそうに思いますが、なお、それは検討してみたいと思います。
  110. 黒柳明

    ○黒柳明君 いままでここで三カ月にわたる国会の審議、なかんづく衆議院で相当それをやっているのです。その問題についても触れているわけですよ。その中に機種選定が入ると、こういうことになりますと、一切全日空、東亜航空、これから機種選定というものはその中に入るんだと、こういうようなことで、これ、大きな問題ですよ。私もまさかそんな答弁があるとは思わないので、ここに議事録も持ってきていません。それもはっきり機種選定の認可あるいは許認可事項はそこにあるなんということじゃないんです。こちらが法制局長官にそんなことを教えてやる。  それで、その後になると、そうするとどうなんですか、通告したので一応聞きましょう。大臣、総理がそうなるとおかしいんです。そうすると、次官、官房長官、さらに自民党の部会長、航空対策の部会長、こういう者の職務権限というのはどうなんですか。これは起訴された者あるいはマスコミじゃ容疑者みたいに出ていますな、実名で出ていますね。何百万、何百万行ったと。これは灰色じゃなくて、クロだと。その中には元官房長官もいるわけです。元運輸大臣もいるわけ。自民党の航空関係の部会長もいるわけ。そういう人たちが、いまマスコミの情報ですと、何かある者は職務権限がないとか、ある者はあっても時効だから起訴できないのだ、逮捕できないのだ、こんなことが書かれています。私たちそういうもので捜査内容のある程度のものを知るよりほかないわけなんですけれども、職務権限がないからとか、あっても時効だから、こんなことを言われているのですけれども、そのことを前提にして、こういうことでも必ずしもないのですが、ひとつ官房長官、この職務権限はどうなりますか。あるいは自民党、与党の部会長——必ずしも航空じゃなくてもいいんですよ、この職務権限というのはどうなんですか。
  111. 真田秀夫

    説明員(真田秀夫君) まず、与党の部会長の方から申しますと、与党の部会長と役員——会長に限りませんが、役員の職務は、これは与党の規則か何かで決まっているのだろうと思いますので、私の方では何とも申し上げられません。のみならず、賄賂罪との関係では、与党の部会長さんなりその他の役員は公務員ではございませんので、その資格において、与党の役員であるという資格において、あっせん収賄は別でございますが、普通の収賄罪の犯罪主体になるということはないのだろうと思います。  それから官房長官職務権限ですが、これは内閣法なり、はっきり書いてございますので、その内閣法に即してお答え申しますと、「内閣官房長官は、内閣官房の事務を統轄し、所部の職員の服務につき、これを統督する。」というふうになっておりまして、内閣官房の事務自体はそれじゃどうかと申しますと、これも内閣法の十二条に規定がございまして、その所掌事務の範囲というのは「閣議事項の整理その他内閣の庶務、閣議に係る重要事項に関する総合調整その他行政各部の施策に関するその統一保持上必要な総合調整及び内閣の重要政策に関する情報の収集調査に関する事務」というふうに列記してございます。したがいまして、内閣官房は、内閣の有する行政の総合調整機能の円滑な行使を助ける総合調整機関としての性格が与えられているというふうに解されるわけでございまして、したがいまして、内閣の首長である内閣総理大臣が内閣の総合調整機能の実現として行う、先ほど申しました行政各部に対する指揮監督権の行使、その行使を補佐するということも内閣官房長官職務の範囲であろうと存じます。
  112. 黒柳明

    ○黒柳明君 だから、要するにトライスター選定ということについてはどうかということです。
  113. 真田秀夫

    説明員(真田秀夫君) それは、先ほど申しましたように、内閣総理大臣が閣議にかけた方針に基づいて行政各部を指揮監督するというのに入れば、それをまた補佐するという官房長官の仕事がかかわり合いがあるというふうに思います。
  114. 黒柳明

    ○黒柳明君 これは非常に重大問題を簡単に何かぽっぽっと——検察当局は半年もかかっているわけですから、職務権限というものについて。要するに、各省庁あるいは運輸大臣の許認可権を指揮監督する、統括する総理大臣が職務権限があると、これで起訴されたわけですな、田中総理が。それを今度は官房長官、これは内閣全体の総体的な調整をすると、こういうことですね。それが今度は総理大臣と当然これは一体のものであって、そうすると、総理大臣の職務権限というものは総合調整するという立場だったら、まず一〇〇%に近く、官房長官もその何割か、何十分の一かの責任を負うという立場にあることは、これはもう間違いないと、こういうことですね。総理大臣が職務権限かあって、そこで何らかの——これは仮定の事実としましても、運輸行政で起訴され、それが職務権限があると、運輸大臣を統括するから。そうすると、内閣官房長官は全体的の各省庁を総合的に調節する立場。そうすると運輸大臣とも関係があるんですが、総理大臣とも関係があるんですが、そうするとこれはもう完全に職務権限はあると、こう見ていいわけですか。具体的に言うと、このトライスター選定についての職務権限はあると、こう見ていいわけですか。
  115. 真田秀夫

    説明員(真田秀夫君) 冒頭に申しましたように、具体的な事案を頭に置いて私はお答えしているんじゃないのでございまして、内閣法のシステムはこうなっているということをお答えしているわけでございます。で、内閣総理大臣、これは総理府の長としての内閣総理大臣じゃございませんで、内閣の首長としての総理大臣が内閣の行政各部を総合調整するという機能があるわけでございまして、その機能に着目する限りは、内閣官房はそういう内閣の総合調整機能を任務として持っている内閣の補助機関でございまして、内閣官房長官はその内閣官房の長でございますから、したがって、そういう総合調整という機能を果たす内閣総理大臣の職務に関してはこれを補佐する、補助するという立場上、やはり内閣官房長官職務にもかかわりがあるというふうに理解しているわけでございます。
  116. 黒柳明

    ○黒柳明君 だから、そういう一般的な純粋な法律解釈を踏まえて私は具体例をいま推定して言って、それに対しての見解を求めたわけなんですよ。だから、前半はやっぱり法律的な解釈、私もそう承った。それを今度は、そうなりますと、この問題について官房長官というのは、当然トライスターの機種選定についてかかわってくると、こういう判断をせざるを得ないんじゃないんですかと、こういう——これはまあそうだと断定できないにしても、これはもう捜査の問題になりますからね。いまおっしゃったことをいまの問題に当てはめてみれば、その可能性はあるんじゃないですか、あるいはその可能性は強いんじゃないですか。個々の事案はまた調べなきゃわからないでしょうな。
  117. 真田秀夫

    説明員(真田秀夫君) たびたび申し上げますけれども、法制上の仕掛けはこうなっているということを申し上げるので実は精いっぱいでございまして、その原則をその具体的な事案におろして当てはめてみてそれはどうだということは、実は私の方でお答えすべき立場ではございませんで、これこそ検察庁なり具体的な事件を処理する部局でいろいろ御検討になってしかるべきことであろうというふうに考えております。
  118. 黒柳明

    ○黒柳明君 また前後して申しわけないのですけれども、先ほど与党、前の部会長職務権限、これは当然法律的に明記されたものがない、まあ自民党内にあればと。だから、これはもう私言うまでもなく、政策決定、これに対して力あることは当然ですね。そういうものが、各党とも組織の中に役職、役目というのが書いてあるわけですよ。これはもう言うまでもなく、政策決定について、航空部会なら航空部会の長が部会長であって、そこでやっぱり与党、運輸省との政策なり予算の折衝をしてと、こういうことになるわけですから、だからその立場を踏まえてやる。これはそう官房長官みたいに、国務大臣みたいに明記はされていませんよ。当然自民党・与党内、わが党にもあるわけです、各局、各部会の役目というものは。それはもう当然ある。その立場というのは常識的にこれはもう御存じのとおりだと思うのです。その常識的なことを踏まえて、これは政策事項に対して影響力がある、これはもう当然でしょうな、まず。
  119. 真田秀夫

    説明員(真田秀夫君) 与党の部会長さんは、先ほど申しましたように、つまり与党の部会長さんの職務行為それ自体はどうだということであれば、これは党の規則なり規約で決まっていることであって、私の方ではうかがい知れない範囲でございます。  それから、現実に各省庁が政策を決定する際に与党の方と十分連絡をとってやっておりますから、これは議院内閣制でございますからそうやっておりますが、それで現実に非常に影響力があるだろうとおっしゃいますけれども、私この現場は知りませんので、推測すればそれはあるだろうということはうかがえるわけでございますけれども、それは推測の範囲を出ないものであって、どの程度まで影響力があるのかないのか、そういうことは私は申し上げる立場ではございません。
  120. 黒柳明

    ○黒柳明君 法務大臣、御存じのように、小佐野さんが病気を理由に出てこない。衆参の証人喚問拒否ですね。児玉譽士夫もまずどうなのか、見込みないんじゃないかという感じがします。すると、先ほど言った、まだ第三の山が険しいと、こういうことで、非常に法務大臣のお言葉というのは、これは意味深長で、私みたいな昭和の生まれはわからないんですよ。よく思索して、あさってあたり、ああそうだったかとわかるわけでありまして、険しい山、その中には当然世田谷方面の二つの山が入っているんでしょうね。一つだけじゃなくてやっぱり二つ険しい山があって、具体的に言えばやっぱり児玉譽士夫、これは当然、たびたびここで発言がありましたように、これはむずかしい、当人が病気だからと、こういう理由は聞いています。捜査が難航しておると。  もう一つはやっぱり小佐野小佐野社主、これが完全に国会証人喚問できない。きのうのお医者さんの話でも全く見通しがつかない。これはもう生命に関する問題ですから何ともしょうがないわけでありまして、この点がやっぱり、コーチャン証言をとるまでもなく、PXLの最大の解明の一つのかぎ。当然児玉ルート、中には現職中曽根幹事長もというようなうわさもちらほらあるわけですけれども、この残された唯一のPXLの問題、児玉ルート、そこに小佐野が絡んでおることは、これはもう常識中の常識なんですが、ここでひとつまた国会の証人喚問は出てこない。これははっきりしたのです。これは国会としてアクションを起こした結果出てきたわけですけれども、捜査当局は捜査当局でまたやっているかと思いますけれども、またこの山を突破するのが非常に困難な時点が一つ出てきたんじゃなかろうか。あるいは小佐野事情聴取必至なんというのが一週間この方、各紙でぼこぼこと出てきたことがありますね。そのぐらい事情聴取されることがあたりまえなんだと、こういう常識的な考えを持っていたのですけれども、病気であると、全く児玉譽士夫と同じケースで険しさがさらに倍加したと、こう私判断するのですが、いかがですか。
  121. 稻葉修

    国務大臣稻葉修君) 当委員会及び衆議院のロッキード問題委員会で証人喚問をやったけれども、診断書を添えて断ってきた。診断書もけさロッキード問題委員長から朗読されましたがね。これ医者のことですから、どうもうまく——ほかの医者をやって診断するとかいろいろな方法があろうかもしれませんけれども、それまた医者同士遠慮して、そっちはうそだとか、おれのが本当だとかなかなか言いなさらぬものですから、非常に険しいことになってきた。ルートといいますから、児玉ルートですから、いろいろな人が入るわけですわな。しかし、いかに山は険しくともこれを突破するというのが検察庁の任務でございますから、ずいぶん時間がたって疲労も見えておりますけれども、その疲労も克服して国民の期待にひとっこたえたい、いま一生懸命にやっているところであります。
  122. 黒柳明

    ○黒柳明君 朝日新聞の記事ですけれども、重大な関心を持たざるを得ない。アメリカの地裁はもうすぐ飛びついて、コーチャン証言の食い違いがあるじゃないかといって、再喚問と、こうなっている報道をお昼に聞きましたけれども、法務大臣自身としては、いままでマスコミについて余りいい感触を持たれていないような発言もありましたけれども、どうですか、捜査当局とは別としましても、あのコーチャンの証言、証言といいますか、あの朝日新聞の会見の記事、あれを読まれて感想どうですか。
  123. 稻葉修

    国務大臣稻葉修君) あなた方と私、ずいぶんマスコミに対する信頼度が違うかもしれませんけどもね、信頼度が違うかもしれませんけれども、まあ前に言ったように、捜査も日米協力なら逃げる方も日米協力だと申し上げたことがありますわな。したがって、まあアメリカから渡ってきておるのにどういうふうに書いてあるか、これは捜査当局が一生懸命にいま調べているわけでありますね。ああいうふうにいろんな人の名前を出してやっているのは、多少逃げる方の協力関係から出てきている発言もあるのではないかという感想を持っておりますね。したがって、全面的な信頼もなければ全面的な不信頼もありません。
  124. 黒柳明

    ○黒柳明君 刑事局長、まあ捜査当局がコーチャン証言も入手して捜査しているわけですけれども、それはそれとしまして、アメリカなんかこれ日本とは違うんで、もう反応が早いわけですよ。だからいいことは早くやった方がいいんでありまして、地裁においてコーチャンの尋問と新聞の記事は違うから具体的な名前、金の行き先なんか知らないと言ったのが出てきたとか、まあ御存じのとおりですけれども、何もだからすぐ云々ということじゃないにせよ、実際の捜査当局はあのコーチャンの会見、若干違いますね。私たちは二月六日、四日のあれとは違うわけです、上院の公聴会の発言とは違うわけですが、そういうことについてやっぱり捜査当局も関心は持っているんでしょうな。その点どう感じますか。
  125. 安原美穂

    説明員安原美穂君) 中身の評価は申し上げるわけにまいりませんけれども、まあ検察当局としては新聞の報道などというのは有力な情報源でございますから当然関心を持っております。
  126. 黒柳明

    ○黒柳明君 そうなると、まあいろんな問題が提起されていますけれども、すでに起訴された五百万と二百万、橋本、佐藤、それが七百万と四百万ということが出てまして、だれかが二百万ずつピンはねしちやたのかなと、とんでもねえやつがいるなと、悪人からピンはねするのはなお悪人ですからね。そんな感じもするわけでありまして、私たちが知っている限りでは橋本登美三郎は五百万、あるいは佐藤孝行は二百万、それで収賄容疑で起訴されたと、ところが実際には七百万行っていて、四百万行っていて、二百万がどっかでまた使途不明だと、これはもう非常に具体的な数字になりまして、これこそ刑事局長は関知するところじゃないと思いますけれども、捜査当局はこういう数字の食い違いも含めて当然重大な情報源として関心もあるし、あるいはまた捜査の大きな改めて別の角度からの資料にもなる可能性があるんじゃないかと、こう思うのですが、その点どうですか。
  127. 安原美穂

    説明員安原美穂君) 橋本前運輸大臣、それから佐藤前運輸政務次官の逮捕勾留の被疑事実は、一方は五百万円であり、一方は二百万円でございまするから、朝日新聞の記事とは違うことは事実でございますが、いずれにいたしましても、その真否につきましては、全体を含めて一つの情報として分析検討しているものと思います。
  128. 黒柳明

    ○黒柳明君 法務大臣、最後に証人の問題、これはもう法務大臣何回もおっしゃっているように、政府はこんなこと関知しない、国会でお決めいただくことだと、最終的な答弁はそうだったんです。ただ、できるならば国会において証人を呼んだ場合、捜査内容に触れて捜査当局も困っている場合もあった、だからお控えいただければと、これはもう相当前の時期です、少なくとも一ヵ月前の。それから田中逮捕があり、起訴があり、それからいわゆる丸紅ルートはこれでおしまいじゃなかろうか、あるいはうわさによると全日空ルートも相当行っているけれども、これは盆暮れのつけ届けで額も余り多額じゃないし、これはちょっと強制捜査もできないんじゃなかろうかと、これはわかりませんよ、そういううわさ、信憑性も強いように思えぬです。そうすると、やっぱり変わっているわけですな、この前盛んに証人問題で法務大臣の御意見を聞かれた、その時点ともう全く変わっている、そう言ってもいいぐらいな変わりようがあるわけであります。そのときにおいても、じゃ証人全体を含んでお控えいただきたいというんじゃなくて、個々に検討していい場合もあるじゃないかと、こういう詰めたお話し合いもしたんですが、ひとついまの時点——これは捜査は続いていますよ、いろいろな面もまたありますよ、三山も険しい山もあるわけですけれども、いまの時点において証人喚問について全体的な御感想はいかがですか、法務大臣
  129. 稻葉修

    国務大臣稻葉修君) これは捜査と証人喚問の関係については私は一貫しているつもりであります。今日においても事態の変更はないと思っております。一貫しているつもりでございます。
  130. 黒柳明

    ○黒柳明君 と同時に、今度は具体的にピーナツやピーシズの領収書については捜査を終わっていると、こういうことですね。それに関係しての証人、これがPXLにどう関係しているか、こんなこと私たちわかりようはないですよ。わかりようはないけれども、もう一つずつ終わっていっているわけですから、そうなると全部終わらなきゃ証人は呼べないということにもなるんですね、逆に言いますと。捜査いうものがある限りは、これはもういつまでたっても一証人はどこに絡んでいるかわからないから呼べないという可能性も出てくるわけだ。ただ、一つ、二つ段階が区切りをつけて終わっていることも間違いないんですからね。そういうものについての国会においての本来の政治的道義的な究明、それについては終わったんだからいいという判断も成り立つんじゃないか。それが今度はこちらの残された部分に関係がないのかあるのか、ここまではわかりませんよ。それを言っていたら全部終わらなきゃ、完全に終わりました、きれいになりましたと言わなきゃ証人は呼べないということになるんですから。どうですか。
  131. 稻葉修

    国務大臣稻葉修君) それがそう簡単にいかないと思いますね。起訴した人間との関連においてその証人が呼ばれていろいろなことを聞かれた場合に、公判維持の困難を伴うような結果になる具体的な場合でありますと、やはりこの場合はちょっと遠慮してもらいたいですがなという場合が生じてくると思います。
  132. 黒柳明

    ○黒柳明君 わかりました。そうすると、もうここらあたりで一つのめど——終わっているんですから、一つ一つ。めど。来月で児玉ルートも終わりになるであろうというようなことも出ているわけですから。そうすると、どういうめどが立ったらば証人喚問というのは政府として差し支えなかろうという判断に踏み切れるか、これはどうですか。もうそろそろめどぐらい立つ時期じゃないですか。
  133. 安原美穂

    説明員安原美穂君) いろいろ申し上げたことの御理解にはいろいろ差があるようでございますが、私どもは一貫して具体的な事件の捜査にこの証人は支障があるとかないとかということを申し上げたことは一度もないんでございまして、およそ、これは黒柳委員には釈迦に説法でございますが、国政調査権と捜査権というものは両立しなければならないたてまえになっている以上、片一方を百点満点に実行しようとすれば、ある意味では片一方がへこまざるを得ないという意味で、お互いにその意味では譲り合う制度なんでございまするから、いつも申し上げておるように捜査当局の便宜ということを一〇〇%に実現するといたしますれば、国会が証人として呼ばれる場合に支障の生ずることもあると。たとえば調べようとしている者を先に証人として調べられるとその証言にこだわるおそれがあるとか、あるいは先に調べた者について捜査当局によってどういうことを聞かれたかと言われることは捜査の秘密を保持する上において支障があるというようなことを一般論として申し上げて一〇〇%に捜査当局の利便を代弁するならば、できるだけ証人として呼ばれることを控えてもらう方が便宜な場合が多いということを申し上げたわけでございまして、あくまでもこれは両立する制度を両立させていこうとするならば、これはこちらのお願い以上のものではないんで、あくまでも最終的には国会御当局でお決めいただきたい事柄であるということを終始一貫お願いをしておるわけでございまして、最終的には国会御当局で御判断いただいて何ら差し支えはないものでございます。
  134. 黒柳明

    ○黒柳明君 もう一〇〇%いま言ったことはわかり切った話でありまして、ただ時点がはっきり違うということもこれはもう法務大臣おわかりいただいている。だからやっぱりこれ政治的に法務大臣がお答えいただけるならばお答えいただかなきやならない問題だと思いまして、やっぱり事務当局が、失礼ですけれども、いつめどがつくとか何とかということはこれは言える筋じゃないわけだ。ただ、いま言ったように、一つずつ決着がついていることも間違いないんですから、そうすると、果たして九月に児玉ルートが終わって、全日空の残されたものが終わって全部終わるということになっちゃうんですな。そうなったらということなのか。あるいは全日空のいまのもやもやしたものがひとつめどがつけばとか、あるいは児玉ルートの険しい山の方がもう一段落すればとか、何かやっぱりこの時点でめどがつかないと、そうすると、いつめどがつくのかというと全部捜査が終わってからと、これならこれで私はしょうがないと思いますよ。政府の法務大臣の判断ですから、判断を私は変えようたって無理ですからね。その政治的なやっぱり一つの御意見を示していただく一つのめどはもうついたんではなかろうかと、こういうふうに思ってお伺いしているんですから。
  135. 稻葉修

    国務大臣稻葉修君) これは捜査当局と打ち合わせているわけじゃないんです。私全く個人のね。大体丸紅ルート、全日空ルートは起訴すべきものは起訴しましたということだろうと思うんですね。まあわかりませんけれども。それでございますから、刑事的責任の追及はほぼまあ終わったようであると。したがって、政治的道義的責任の追及については、国会が国政調査権に基づくいろいろな証人の喚問とかいろいろな方法で真相を究明されることは、今度はそっちが主役ですから、これに対しては刑事訴訟法の立法の趣旨を踏まえて最善の努力をすることに、われわれはそういう立場に立つわけですから、御協力申し上げます、どうぞおやりください、結構でございますと、こういうことになりますね。ただ、証人喚問してそういう真相を究明するか、そうでない方法で法務大臣報告するかとか、そういうことはそちらでお決めになって結構でございますと、こういうわけです。
  136. 黒柳明

    ○黒柳明君 もう一言。だから、それでいままで政府も最終的には国会でお決めいただくんですが、できれば御遠慮願いたいと。これは与野党の方はやりますからこれはいいんです。そうすると、政府の方がやっぱりできればという解釈がまだ続いているわけですよ。そうすると、やっぱり与党と言ったって政府と言ったって一体のものですから、その政府として判断がどうなるかということがやっぱり与野党の証人喚問の折衝の大きな一つのポイントもあるんです。国会でお決めいただく、いただくと言ったって、こんなことはまあこれこそ釈迦に説法ですが、やっぱり政府というものがうんと言わなかったら与党がうんと言うわけないんであって、そこはもう一体のもので、その政府が国会で政治的道義的責任をやる番になった、結構。証人喚問してやるのかやらないのか、これも国会で決めると。だから証人喚問したいわけですよ。従来からも終始一貫変わりないんです。それについて、どういうめどがつく時点においてもう差し支えないと思いますと——ないと断言できるかどうかわかりませんよ。こういう発言がいただければ、それが与野党の接触の大きなやっぱり打開の山なんです。ポイントなんです。国会でお決めいただくと言ったって、これもう正直に言って常識的にそんなものはもう自民党がいいと言うわけないんですから、やっぱり政府と捜査当局と自民党とのやっぱりあうんの呼吸もあります。話し合いもありますしね。ですから、もう一段落、二段落して、そろそろ——いまいいと言えということじゃない、めどをつけられる時期に来ているんじゃなかろうか。そのめどというのが全部捜査が終わってからだと言うならそれでもしょうがないって私は言うんですよ。これは政府のお決めになることですから。だからそこまで私はめどというものが長引く必要がないんじゃなかろうかと、こういう感じもするんですけれども、いかがですかね。
  137. 稻葉修

    国務大臣稻葉修君) 無条件とは言わなくても、二山については結構です。
  138. 黒柳明

    ○黒柳明君 二山については結構……。
  139. 稻葉修

    国務大臣稻葉修君) 結構です。ただし条件があります。刑事訴訟法の立法の趣旨に反しない限り結構です。
  140. 黒柳明

    ○黒柳明君 そうすると、具体的にいま二山について結構だということは、全日空、丸紅ルートとこれは断定——まあいいや。そこんところはいいや。二山について結構。これはまあここを詰めても、もう私も六分までだからあと三十二秒しかないですから、別に詰めません。二山については結構。そうすると、その二山についてまあいろんな憶測——まあここまで言いはしないでしょうから、これについては結構だということですね。
  141. 稻葉修

    国務大臣稻葉修君) ちょっと、二山目はまだ強制捜査があるかないかとか、それから任意捜査だけにもうしぼられました、強制捜査はもうありませんとか、そんな段階ではありませんからね。段階じゃない。その点だけは留保して大体結構です、ただし刑事訴訟法の立法の趣旨に反しない限り結構ですと、こう申し上げた。
  142. 黒柳明

    ○黒柳明君 そうすると、一山目の丸紅ルートについての証人喚問は結構です、政府はこういう判断をしていますと、こういうことで理解してよろしいですね。
  143. 稻葉修

    国務大臣稻葉修君) 私自身は。
  144. 黒柳明

    ○黒柳明君 それじゃ、私自身としてはと、それだけ言ってくださいよ。もう時間が来ちゃったから。
  145. 稻葉修

    国務大臣稻葉修君) 私自身としてはそう判断をいたします。
  146. 神谷信之助

    神谷信之助君 きょうは三木総理それから福田副総理あるいは大平大蔵大臣の、さらに三木総理の出席ができない場合は官房長官の出席を要請しておったんですが、これらの方々が残念ながら出席をされません。そこで特に河本通産大臣に出席をしてもらいました。で、三木総理が最も信頼をされている河本さんですから、そういう意味で副総理も出てこられないし、官房長官もこられないわけですから、ひとつ三木総理にかわって河本通産大臣から答弁をしてもらいたい、こういうことでまずお願いをしたいと思うんです。  御承知のように、国民はいま田中が起訴をされてから一日も早くこのロッキード事件の全貌が解明されることを望んでいます。このことはもう御承知のとおりです。それはこのロッキード事件の全貌の解明なしには、国の政治の民主的刷新もあるいは政界の浄化もあり得ないからであります。ところが今日いまこのロッキード事件の解明を妨害をするといいますか、この解明の幕引きをやろうといういろいろなさまざまな幕引き劇がやられているというように私は考えるわけです。田中の逮捕、それから保釈、それを契機に起こったところのいわゆる人心一新というこういう呼号でいわゆる反三木勢力が三木追い落とし、こういう策動を進めていることはもう御承知のとおりです。国民に真相解明、これを公約をした三木の追い落とし、これをやることによってロッキード隠しあるいは灰色高官隠し、これが進められているという、このことは国民がいま非常に疑念を持ち、このことはまた国民の多くが指摘をしているところだと私は思うんです。そこで、今日まで三木総理はしばしば答弁をされてまいりましたし、先般もわが党の橋本委員の質問に対して、このロッキード事件を徹底的に解明をして、その後に総選挙を行うというのが理想だ、中途半端にはやらない、こういうことを答弁をされているわけですが、この基本方針は今日もなお変わっていないというように理解をしてよろしいか、お答えをいただきたいと思います。
  147. 河本敏夫

    国務大臣(河本敏夫君) 総理にかわりて答弁をする立場にはございませんので、それは御容赦をいただきたいと思いますが、一国務大臣として答弁をさしていただきます。  総理の政局に対する所信は、たびたび表明をされておるわけでございますが、それを今後いかに実現していくかということにつきまして連日関係方面と話し合いが進んでおりますので、私はその話し合いが円満に妥結をいたしまして総理の方針が具体化するということを強く期待をいたしておるものでございます。
  148. 神谷信之助

    神谷信之助君 答弁が質問の趣旨とちょっと違うんですね。私の質問は、いま総理はロッキード事件の解明後に総選挙を行うというのが理想であると、この解明を中途半端にはやらないと、こういうことをしばしば答弁をされて、わが党の質問に対しても答弁をされている。こういう基本方針はいまなお総理は持ち続けておられますかと、こういうことです。
  149. 河本敏夫

    国務大臣(河本敏夫君) 総理が何回か言っておられますことは、ロッキード問題の徹底的な解明をするということと、それに関連して政治の粛正をし、あわせて自由民主党の近代化を図っていく、そういう一連の当面の課題というものを完全に仕上げまして、そして国民に信を問うということ、つまり総選挙をするということ、それがロッキード問題の最終の決着であるということをたびたび言っておられますので、私はその所信は変わらないものと判断をいたします。
  150. 神谷信之助

    神谷信之助君 ところが、昨日は、御承知のように、自民党の両院議員総会が開会をされまして、きょう各新聞社はこの内容を報道をしておりますが、大変な集会であったようであります。特に開会の直前に会場いっぱいに大きな拍手がこだまする、よおとかやあとかのかけ声が飛んで、そして逮捕がうわさされた加藤六月、福永一臣両代議士が相次いで入場する、で二人とも満面に笑みを浮かべて相好を崩し、片っぱしから同僚議員と握手をする、で、がんばれよのかけ声も出る、逮捕されなくてよかったなあと同僚が加藤代議士の肩をたたく一幕もあった、という状況です。これはそういう疑惑を持たれた国会議員。逮捕されなくてよかったなあと言ってその肩をたたく国会議員。いま国民が真相解明を求め、そして一切の疑惑を国民の前にさらけ出すことを望んでいる際に開かれた集会がまさにこういう集会であります。あるいは、そこで船田氏が決意表明をされた。その内容は、七ヵ月もの間この問題で明け暮れている工業先進国はどこにもない、日本人は目先のことにとらわれて大局を見失うおそれがある、ロッキード事件の解明は引き続きやるべきだが政治的考慮のもとに解明しなきゃならぬ、ロッキード問題が政治の全部であるがごとき態度は憂慮にたえない−日本の議会制民主主義の根幹にかかわる重大な事件だということで三木総理はこの問題の重大性を述べています。そして、この徹底的解明こそが今日政治をあずかっているわれわれの任務だということもはっきりしているわけです。ところが、そうやって今日まで国民の期待に少しでもこたえるためにこの真相解明に努力をしているわれわれに対する、まさにけしからぬ発言であると同時に、国民に対する重大な侮辱だと私は思う。こういう点について河本通産大臣の見解を聞きたいと思います。
  151. 河本敏夫

    国務大臣(河本敏夫君) 議会主義、民主主義の基礎というものは政治に対する国民の信頼だと思います。ロッキード問題の処理というものは私はこういう観点から取り上げられなければならぬと思うのでございます。すなわち、やはり外国から賄賂をもらって政治や行政が曲げられるというふうなことが起こったといたしますならば、政治に対する国民の信頼というものは私は根本から期待できないと思います。そういうことがございますので、そういう意味において私はロッキード問題が徹底的に解明をされまして、そして国民が納得する、なるほどよくそこまでやったなあと、そこまでやって新しい政治を再生させよう、スタートさせようというならば将来に対しても期待が持てると、こういうふうな感じを持って初めて私は議会主義というものが基礎が固まるのではないかと、こういうふうに思います。そういう意味で、この問題は決して過小に評価してはいけない、やはり非常に大きな問題である、この問題がほどほどに切り上げられるということは私は日本の将来の政治のためにはよくないと、こういうふうに思います。   〔委員長退席、理事岡本悟君着席〕
  152. 神谷信之助

    神谷信之助君 特に私は最近の動きの中で問題があると思いますのは、副総理の役割りであります。副総理は、当然総理を助けなきゃならぬ重大な任務を持っておると思うのですね。総理自民党の総裁として、すでに御承知のように五党党首会談で合意をして、この事件の徹底的解明に責任を持つ、これ、自民党総裁として合意をなさっている。そうしてまた総理として、それを政府の責任者としてこの解明に協力をする、積極的に進めると、これは当然の三木総理及び三木内閣の私は責任だと思う。当然これは、副総理である福田氏はそういう立場から三木総理を助けなきゃならぬのに、まだまだ解明されなきゃならぬ多くのものを抱えているこのロッキード事件、そのさなかに、この三木引きおろしの先頭に立っているという、こういう役割りは、これは大変なことではないか、重大なことではないかと思う。国民はなかなかこれ、わかりにくい問題だと思う。こういう福田副総理のいまとっている態度、あるいは役割りについてどうお考えですか。
  153. 河本敏夫

    国務大臣(河本敏夫君) 時局についての考え方が私は必ずしも完全に一致しておるとは思いません。そこで、先般来お二人、または大平大蔵大臣を交えて三人の話し合いが精力的に進んでおるんだと思いますが、どうか私は時局収拾についての意見が完全に総理及び副総理の間で一致をいたしまして、そうしてそのことによってロッキード問題が徹底的に解明をされる、そういう政治的な背景というものが生まれることを強く期待をいたすものでございます。
  154. 神谷信之助

    神谷信之助君 きょうの報道を見ますと、これは群馬県の前橋市の方は、激しい政権争いをしているように見せかけて国民の目をロッキード事件からほかへ移そうとしているんでしょう、こういうように見ています。あるいは東京の品川区の飲食業をなさっている方は、自民党には反省がない、ロッキード事件がばれたのは運が悪かったくらいの気になっているんじゃないか、三木おろしはこれ以上不正があばかれるのがこわいからだ、こういうように見ています。あるいは渋谷駅前の通行人、川崎の方ですが、三木おろしは田中逮捕のあだ討ちのつもりじゃないか、こういう意見も出ています。  そこで、今度は稻葉法務大臣にお伺いしますが、昨日八月の二十四日閣議があって、その後、福田、大平氏が河本通産大臣、稻葉法務大臣、井出官房長官を呼びとめて、両氏からこもごも経過報告といいますか、経過の説明があったらしいのです。これもきょうの新聞の報道ですが、それによりますと、稻葉さんはその説明を受けた後のやりとりの中で、七月二十七日、いわゆる田中逮捕以後ですね、それ以後あなたたち、いわゆる反三木派の態度が変わった、   〔理事岡本悟君退席、委員長着席〕 法務大臣として遺憾にたえない、首相の統治能力を批判するが自分の派すら説得できないじゃないか、という発言をなさって、福田副総理におっしゃったようでありますが、この点はいかがですか。
  155. 稻葉修

    国務大臣稻葉修君) ああいう説明がありましたから、そういうことを申し上げたんです。
  156. 神谷信之助

    神谷信之助君 稻葉法務大臣も指摘をされているように、田中の逮捕以後いわゆる反三木派の勢力の諸君の態度が変わってきている。これはもう法務大臣もいま確認をされたところです。法務大臣もそう認識をされている。これは先ほど町の声を二、三申し上げましたが、まさに国民の方も大多数がそのように感じている。特にこの挙党体制確立協議会ですか、連絡協議会ですか、これの世話人ですか、なさっている二階堂氏、この人は御承知のように例のユニットの五百万円をもらったのではないかという疑いをかけられている人ですが、こういう人が先頭に立って旗を振って、そうしてうわさの人が入って来ると激励をするような集会。まさにきのうのあの集会はロッキード隠しの集会であったとわれわれは言わざるを得ないと、こう思うのですが、この点の御見解、河本さんあるいは稻葉さん、どちらでも結構ですが、いかがですか。
  157. 稻葉修

    国務大臣稻葉修君) この期に及んでロッキード隠しなどというものをできるわけはない。ですから、どんなふうに態度が変わって、どんなふうにやってこようと、厳然として徹底究明を貫かなきゃならぬ、こういう決意を新たにするものですな。
  158. 神谷信之助

    神谷信之助君 したがって、いまやられている政変劇というのは、まさにそういうロッキード隠しができない状況の中で、何とか政変をつくり出すことによって流れを変える、あいまいにする、こういう意図を持ったもの、このことが先ほどから申し上げているように率直な国民の受けとめている感情、理解であります。  そこで、河本さんに今度お尋ねしますが、二十一日に千葉県の船橋市で開かれた市長を励ます集いに河本さんが出席をされました。そこで河本さんは、ロッキード事件の解明は「まだ二、三割しか進んでいない。事件の解明はこれからだ」と、「また犯罪を構成していなくても、灰色高官は国会で道義的問題を究明しなければならない」と語ったと報道されています。この点はいかがですか。
  159. 河本敏夫

    国務大臣(河本敏夫君) そのとおりの趣旨のことを演説で申しました。
  160. 神谷信之助

    神谷信之助君 したがって、三木総理はいままで、真相究明のめどがつかなければ今後の政治日程は立てられないということを、しばしば当委員会でも、また新聞記者会見でも明らかにされています。今日まで田中、それから佐藤孝行、橋本登美三郎、これらが逮捕されましたが、これで山を越したというようにお考えではないと思いますが、この点はいかがですか。
  161. 河本敏夫

    国務大臣(河本敏夫君) 政治日程のことにつきましては私から発言する立場にはございませんので申し上げませんが、私がロッキード問題の解明は二、三割しか進んでないというふうに申しましたのは、いろんな報道を総合いたしますと、ロッキード問題の最大の流れというものを私は児玉ルートであるように報道を見て感じておるわけであります。しかも、この児玉ルートは、いろいろお聞きいたしますと九月にずれ込むと、こういうふうに聞いております。そういうことと、それから灰色高官の処理という非常に大きな問題が今後に残っておりますので、そういうことを考えまして、ロッキード問題全体としては二、三割しかまだ解明が進んでいないのではないかと、これから大きな課題が残っておるのではないかと、こういうことを言ったわけでございます。
  162. 神谷信之助

    神谷信之助君 ロッキード事件の解明といえば、一つば刑事責任の徹底的な追及と、もう一つは政治的道義的責任の追及と、これがあると思いますが、そういう点から見ますと、非常にまだまだ多くの疑惑が残っていると私は思うのです。  そこで、これは法務大臣にお伺いしたいと思いますが、一つは残されている課題です、疑惑ですが、ロッキード社が投入した総金額の面で一体どうかと、丸紅、全日空、児玉の三ルートから総額約二十五億円を超す金が流れ込んでいると。田中逮捕で五億円、これは丸紅ルートの一部であります。それから橋本登美三郎、佐藤孝行の逮捕で一億六千万円の一部、それは全日空ルートの一部がわかる。計六億六千万円の範囲内の解明に着手されただけだ、金の面でいいますと。したがって、まだ七五%以上の金の流れについては国民の前に明らかにされていない、解明をされていない、こういう部分が残っていると思いますが、この点はいかがですか。間違いありませんか。
  163. 稻葉修

    国務大臣稻葉修君) 細かいパーセンテージはともかくとして、そういうふうに思いますね。
  164. 神谷信之助

    神谷信之助君 さらに田中起訴の五億円につきましても、その使途は犯罪にかかわりない、いまのところは、という状況になっておりますが、しかし、これは参議院選挙の前でありますね、この金が選挙に使われる、使われていたということになりますと、まさにそれはアメリカの黒い金で日本の有権者の票を買いあさったという、そういうことになるわけです。まさにこれは、公選法や政治資金規正法の違反にもなるわけですが、この五億円使途の解明というのは、そういう意味からも非常に、犯罪容疑にはならなくても、日本の政治を浄化をする上でも、この解明は必要な課題としてまだ残されている。この点はいかがですか。
  165. 稻葉修

    国務大臣稻葉修君) その五億円の使途についてはもちろん捜査の対象にしたんでしょうが、その捜査の対象となった使途、これを究明した結果犯罪は構成していない、政治資金規正法上の犯罪は構成しないということのようでございますね。しかし、それが政治、道義的にどういうことになるかは、それは国会が調査権に基づいて調査されて結構なことではないかというふうに思います。
  166. 神谷信之助

    神谷信之助君 いまの法務大臣の話はちょっと違うんですがね。この間、前回の、刑事局長でしたか、吉田刑事課長のときでしたか、いまのところは犯罪を構成していないと、それがさらに捜査の結果によって、公選法あるいは政治資金規正法にかかわりが出てくるかもわからぬ、これはまだわからないという趣旨だったと思います。その辺ちょっと刑事局長答弁してください。
  167. 安原美穂

    説明員安原美穂君) そのとおりでございます。要するに、現在のところ、使途の関係において犯罪の容疑を発見するに至っていないということであります。
  168. 神谷信之助

    神谷信之助君 現在のところはそういう状況だということです。したがって、まだ政治的道義的解明の点ではまだ残されている課題であります。  それから全日空ルートの一億六千万円ですね、これはまあ二名の政府高官がいわゆる逮捕された、これで一応捜査を打ち切るという方向が強いように報道されておりますが、しかし、全日空から金が渡った政治家というのは、野党も含めて三十人ぐらいあるんだという報道もされたり、あるいは全日空の献金リストが存在をするという、そういう報道もあります。したがって、これらの問題も当然解明されなければならない問題であるというように思いますが、この点はいかがですか。
  169. 安原美穂

    説明員安原美穂君) ルート別にいたしまして、いわゆる丸紅、一応田中総理に行った五億円というピーナツ、ピーシズのほかに、ユニットと称するものが一億二千万、それの使途の究明の過程におきまして、橋本前運輸大臣と佐藤孝行前運輸政務次官の受託収賄の容疑事実が出たという意味において、あの金はいわゆるユニットの流れから解明したものでございますが、総額一億二千万円の一部でございますので、なおその点については捜査中でございますし、すでに外為法で違反として公判請求をしております全日空ルート一億六千万円につきましては、これまたあわせて捜査中でございますので、いまいろいろ何人とかおっしゃいましたが、これはまだ捜査中でございますので申し上げるわけにもまいりません。
  170. 神谷信之助

    神谷信之助君 したがって、これもまだ未解明の課題であるということであります。  それからさらに、例の朝日新聞で報道されましたコーチャンの回想記ですね。これによりますと、九千万円が全日空へ流され、残る三千万円が、橋本登美三郎、二階堂進両氏へ各七百万、それから佐々木秀世、佐藤孝行、加藤六月各代議士にそれぞれ四百万、これを要求されたと述べています。こういった問題の解明も当然やられなきゃならない。また、捜査当局が特に新聞の談話で、東京地検の豊島検事正ですか、この人が、もう財布の中は札束はないと、銅貨ばっかりだと、逮捕するのには札束でないと、銅貨では逮捕はできぬというような表現をして、三十万とか五十万とかいう、そういう金をもらった者は捜査をしないというかのような報道がなされています。これは私は重大だと思いますが、この点、これらの問題も含めてわれわれは解明しなければならぬと思うんですが、この豊島さんの新聞報道、これについていかがですか。
  171. 安原美穂

    説明員安原美穂君) そういうことを豊島次席が申したという報告も受けておりませんし、本人からも聞いておりません。彼の言いたかったことは、二人のいわゆる元高官の逮捕に引き続き、現在のところ逮捕の予定はないということを言ったのがその本旨ではないかと思います。
  172. 神谷信之助

    神谷信之助君 しかし、それは金額の大小によって賄賂性が左右されるということとは関係がないんでしょう。
  173. 安原美穂

    説明員安原美穂君) これもどっかでお答えいたしましたように、金額の多寡だけで賄賂か賄賂でないか決まるものではないと思います。
  174. 神谷信之助

    神谷信之助君 さらに、渡辺献金メモ、これも存在していると言われております。これらも公表されなきゃならないものだというように考えます。  さらに、児玉ルート、小佐野ルート、これは、御承知のように、まだほとんど、全くといいますか、解明をされていないわけですが、特に児玉ルートの十七億円、捜査が非常に困難だということで事実上たな上げの状態がいまだに続いています。ところが児玉は、御承知のように、一九五八年ごろからロッキード社の秘密代理人になって、そしてコーチャン証言によれば、売り込み戦略を相談をし、大変尽力をしてもらったと、そういう点でもまた児玉ルートの金がロッキード社の黒い資金の圧倒的部分を占めているという点でも、この児玉・小佐野ルートの解明というのはロッキード疑獄の中心の部分をなす。しかも、児玉がCIAの要員であったという指摘もタド・シュルツ論文でなされております。あるいは、児玉が韓国の朴軍事独裁政権と深い結びつきを持っていた。これもまたわが党の小巻議員の質問の中でも指摘をしておりますが、こういう児玉・小佐野ルートの解明、それから児玉、小佐野の果たした役割り、これを解明するということはこのロッキード疑獄の、事件の核心に迫る重大な課題である。しかも、それはまだ未解決の、未解明の状態にある。そういうように考えますが、この点はいかがですか。
  175. 稻葉修

    国務大臣稻葉修君) 児玉ルートの解明は捜査が非常に困難しているということを、この間、先週の閣議にも報告しましたが、同時に、あらゆる方法を講じて解明に努力をしますと。そのあらゆる方法については、捜査のやり方ですから手の内を申し上げるわけにいかぬ。もうとにかく、あらゆる方法を講じて解明してお目にかける、こういう意気込みでやっております、こういうことを申し上げておきます。
  176. 神谷信之助

    神谷信之助君 この児玉ルートの全貌の解明、これなしにはロッキード疑獄事件の解明が済んだということにはならないというように思うんですね。この点はそのとおりですね。
  177. 稻葉修

    国務大臣稻葉修君) そのとおり。
  178. 神谷信之助

    神谷信之助君 さらに小佐野についても、この児玉あるいは田中とも非常に黒い関係を結んでいる、しかも重要な役割りを果たした人物ではないかというように考えられる。しかも、しばしば問題になっておりますように、偽証の疑いもきわめて濃厚だ。例のコーチャン回想記によれば、小佐野賢治はロッキード社の対日売り込みに協力し、二階堂氏らを通じて働きかけた、小佐野に渡すための五億円を児玉に支払った、トライスター売り込みの危機に際しては中曽根康弘元通産大臣がロッキード社に有利に逆転をしてくれた、こういうことを述べておりますが、こういう証言でもわかるように、非常に大きな役割りを小佐野氏が果たしている。ところが、この人物がいまだに何の取り調べも受けていない、まあそういう状況であります。しかも、国会の証人としての出頭要請に対しても病気を理由に出頭しない、こういう状況であります。これは非常に重大な問題であります。これもまたこのロッキード疑獄の解明のためには欠くことのできない重要なかぎではないかと思いますが、この辺の認識はいかがですか。
  179. 稻葉修

    国務大臣稻葉修君) 児玉ルートの中にはいろいろな人が入ってくる。その中にいま御指摘の人物が、私の口から入っているとか入っていないとか言いますと、これは捜査をいまやっているときですから、あらゆる方法を講じてやっているわけですから、真相究明に。その言外の意味をおくみ取りいただきたいと思います。
  180. 神谷信之助

    神谷信之助君 さらに、これは衆議院の予算委員会小佐野の証言の中で、小佐野の行っている政治献金のリスト、これが存在するかのような証言がありますし、この小佐野献金リストがいろんなこのロッキード事件の解明を妨害をする役割りを果たしているのではないかという疑惑もある。したがって、国民はこの小佐野献金リストの公表も当然なされ、そして疑惑の一切の解明をやる必要があるという、そういう声が非常に強いわけですが、これも当然一切の解明を行う中にはこの問題の公表もやらなきゃならぬというように考えるのですが、この点はいかがですか。
  181. 稻葉修

    国務大臣稻葉修君) それは将来、その人物の犯罪の成否の帰趨いかんによることでございまして、いまこの段階で献金ルートをすっかり公表するなんという段階じゃないんじゃないでしょうかね。
  182. 神谷信之助

    神谷信之助君 将来。
  183. 稻葉修

    国務大臣稻葉修君) だから、将来その人物のロッキード問題に関する犯罪の成否いかんが決まてからの話ですね。そうして、なお道義的問題が残ったり、そのほかに政治献金といえどもあるいは犯罪性を持つ場合もありますからな。いまはそういうふうに具体的に問われても答えようがありませんね。微妙ですからね。
  184. 神谷信之助

    神谷信之助君 私が言うのはね、このロッキード事件の一切を国民の前に明らかにするということであれば、いま言ったようないろんな疑惑、これらが、いつの時期かは別にしてね、これが全部やっぱり解明されなければ、国民の納得を得た解決、これで終わりましたということにならぬじゃないか、そういう意味ではこういう問題もありますよということなんです。その点はいいでしょう。
  185. 稻葉修

    国務大臣稻葉修君) とにかく、この事件の全貌を国民の前に明らかにして初めて政治に対する国民の信頼の第一歩ができ上がるものと、私はそういうふうに思っております。
  186. 神谷信之助

    神谷信之助君 さらに、われわれはこのロッキード事件の解明、一切を解明するという中身として、いわゆる灰色高官の公表を含む政治的道義的責任の解明の保証、これはまだ完全になっていません。全く出ていないですね。灰色高官の範囲をどうするか、あるいは公表の仕方をどうするか、こういった問題を含めてまだ結論は出てません。これも明らかにしなきゃならぬ。あるいはP3Cの輸入についての疑惑の解明、これはまだ全然表に出てきていません。われわれは指摘をしておりますが、捜査当局のいままでの逮捕の容疑なり、あるいは起訴の内容の中にはまだこの部分は出ていない。あるいは単に今度のトライスター、P3Cにかかわる問題だけでなしに、第一次FX問題以来の事件の全貌、これを明らかにしてその政治的道義的責任のすべてを国民の前に明らかにしなきゃならぬ、これもまだやられていない。あるいはわが党の上田議員が指摘をしましたが、この問題に対するCIAの介入の疑惑があります。これもまだ明らかになっていません。さらに米日韓三国にわたる黒い疑惑、これも橋本議員や小巻議員が指摘をいたしましたが、これの解明も残されています。  こういった、先ほどから申し上げたように多くの問題、これらを本当に国民の前にさらけ出して、そうしてその原因を明らかにし、このような汚職、腐敗あるいは金権の政治、戦犯が介入しているというような戦犯の政治、あるいはアメリカとの関係のこういう売国性、従属性、これらの根源を取り除く、そういうものをわれわれはこのロッキード事件の解明によって明らかにする、これがいまわれわれ政治家に課せられている国民に対する責任ではないかというように考えます。この点は法務大臣いかがですか。
  187. 稻葉修

    国務大臣稻葉修君) とにかく全貌を明らかにしてね、いわゆるPXLなんかについても御質問がございましたが、いずれ黒白が出てくると思います。黒か白かということが出てくると思っています。そういうことが全貌の解明ですね。そうして、それのみならず、いま言われたいろいろな日米韓の関係だとか、そういうようなことについて明らかにすることは、将来のこういう事犯の再犯防止、これはやっぱり検察庁としては重大な関心を持つべきです、法務省としてもですね、再犯防止ということは。ですから、解明だけでは足らない、解決が大事だというふうに副総理が言っておられるのは私も賛成なんですな。そういう意味で、あなたの御質問、傾聴すべき点が多々ある。
  188. 神谷信之助

    神谷信之助君 このように多くの疑惑がまだまだ残されています。ところが、そういう時期なのに、しかもその疑惑の解明は一日も早くなされることを国民が望んでおるし、また、われわれ政治家としても一日も早くやらなければ、いつまで長いことかかっていていいということじゃない、そういう時期にいま政変劇が仕組まれてきている。まさにそれはロッキード隠しであり、灰色高官隠しではないか。妨害をする。きのうのロッキード委員会も開会できなかった、このために。衆議院の商工委員会ですね、これは通産相が出られた。それから参議院の外務委員会ですか、これ開かれているのに、早いことやらなきゃならぬ、おくれているロッキードの解明ですが、これやらなきゃいかぬこの委員会が開かれない。なぜ開かれないか。それは政変劇です。ごたごたしているから。岡本理事さんは、とにかくなりふり構わずにロッキード隠しと言われても知っちゃございませんで、とうとうきのうはできなかった。こういう状況でしょう。まさにロッキード隠し、灰色高官隠しと言わなきゃならぬ。  そこでですね、今度はひとつ河本通産大臣にお伺いいたしますが、そういう反三木派の政変劇というロッキード隠しの芝居ですが、策動ですが、これに対して三木派の方もまた国民へ、国民に対する公約であるこの真相究明、断固としてやるんだという立場から、そういうロッキード隠しのような政変劇を退けるというんじゃなしに、例の財特法案あるいは値上げ法案ですね、これらの成立をやらにゃいかぬという、そういうことで臨時国会の早期の開催を呼びかける。こうなりますと、これ自身も、三木総理がいままでロッキード事件の究明のめどがつかなければ政治日程は立てられないとしばしば言明したことを覆すことになるんじゃないか、こう考えるんですが、この点、通産大臣、国務大臣の一人として、しかも三木さんの信頼の深い立場から、御見解を聞かせてもらいたい。
  189. 河本敏夫

    国務大臣(河本敏夫君) これまで私が承知しております限りにおきましては、ロッキード問題の真相解明を第一義に考えましていろんな政治日程が考えられたというふうに聞いております。現時点におきましてもやはりこのことは変わりないと思います。ただ、現在臨時国会の日程がいろいろ議論されておりますのは、私は現段階ではロッキード問題の妨害にならぬと、こういう判断に基づいて政治日程が議論されておるのではないかと思いますが、あくまで基本方針は変わっておらぬと思います。ロッキード問題の解明優先である、この基本方針は変わってないと思います。
  190. 神谷信之助

    神谷信之助君 ところが、臨時国会をいま開けば必ずこれは大きな波乱を呼ぶでしょう。われわれは財特法の成立あるいは値上げ法案の成立、これは断固反対をします。それから同時に、これはきのうの、先ほどの閣議の後の福田、大平さんと稻葉さん、河本さん、官房長官ね、話の中でも、福田さん自身も、現体制のままでは臨時国会を開いても財特法案などが成立する態勢にない、われわれが協力すれば法案が通るというが衆議院は通っても参議院ではアルファは出ないと言っていると、そんなことはできぬと、こうおっしゃっている。だが、いずれにしても臨時国会をいまの状態の中で開催をしても、事実上ロッキード事件の解明はできない。あるいは解散、総選挙というふうになだれ込まなきゃならぬ、こういう状況になるわけですよ。まさにそういう状況が見え透いているのに臨時国会を早期に召集するという態度は、三木派自身もロッキード隠しの、あるいは巷間言われるような中曽根隠しのそういう考えが腹の中にはあるんじゃないかという、そういう勘ぐりがされているんです。この点についてはいかがですか、河本さん。
  191. 河本敏夫

    国務大臣(河本敏夫君) 私は、いま臨時国会の日程がいろいろ議論されておりますが、それはいまの御質問にございましたようにロッキードを隠すと、そういうことでは絶対ないと思います。やはり政治日程といたしましては、ロッキード問題の解明というものが最優先すべきものと考えておりますが、そこらあたりの判断は総理以下関係者がいろんな事情を十分考慮してされるものと期待をいたしております。
  192. 神谷信之助

    神谷信之助君 それじゃ真相究明を本当にやっていくと、ロッキード隠しでないというならば、私は何としても早く証人喚問をやらないかぬと思うんです。さっき法務大臣は捜査の方に支障があるとかどうとかおっしゃるのだけれども、しかし刑事局長も言っているように、これは両々相またなきゃならぬ。証人喚問をやったことによって偽証で告発あるいは逮捕もできた、こういうことでしょう。だからこれはやらなきゃいかぬ。ところが、自民党の反対でもうすでに二ヵ月余りこの証人喚問が中断をしているという状況になってきている。この当委員会でもPXLをめぐって、たとえば四十七年の十月九日の国産化ストップ、白紙還元、そして輸入を含めて検討する専門家会議の設置というあの決定も当時の田中総理あるいは相澤、後藤田あるいは二階堂、これらの中で決められたんじゃないかという疑惑はもう一様に明らかになっていない。これを真相を明らかにしようと思えば当の田中、相澤、後藤田氏を喚問しなきゃならぬ。証人として呼んで、そして事実を国民の前に明らかにする必要がある。ところが、これも拒否している。あるいは中曽根氏に対する疑惑もたくさん出てきている。これもストップしている。小佐野は児玉と同じように黒幕病にかかって出てこない、こうなっているわけでしょう。しかも先ほど安原刑事局長は、偽証で告発をしてもらいたいという期待を述べておられるけれども、ところが、この告発を決めるのは衆議院の予算委員会だ。ところが、予算委員長の荒舩さんは、何ぼやかましく言ったってサボって開こうともしない、こういう状態が続いている。真相究明がストップしている状態。ところで、三木さんはこの問題についてどう言っているかといいますと、わが党の橋本議員の質問に対して、証人喚問について反対をしているんじゃない、反対しているんじゃないと。ちょっといま時期をしばらく待ってくれとおっしゃる。二ヵ月待っている。もうわれわれは早う、いつまでもこの真相究明をおくらせるわけにはいかぬわけですから、もう証人喚問をどんどんとやって、そしてこれらのこの当委員会の政府に対する質問を通じて明らかになっている幾つかの多くの疑惑を解明をしなきゃならぬ。これがわれわれ当委員会の責任になってきていると思うんですが、この点ひとつ法務大臣の見解を聞きたいと思うんです。
  193. 稻葉修

    国務大臣稻葉修君) 当委員会の御責任のことを、私はそれは責任でございます、それは責任でございませんと言う立場にはございません。
  194. 神谷信之助

    神谷信之助君 政府としてはこの証人喚問について積極的に協力をする、こういう立場に立たれますか。
  195. 稻葉修

    国務大臣稻葉修君) 積極的に協力すると言えばやってくださいということだし、消極的にあれすれば拒否するということだし、拒否も干渉もしないし、できない立場ではないですか、政府は。
  196. 神谷信之助

    神谷信之助君 五党党首の合意には、政府はこれには協力をする義務を持っています、真相解明に。当然解明のために必要な証人喚問、政府も積極的に協力するのはあたりまえじゃないですか。
  197. 稻葉修

    国務大臣稻葉修君) 五党首会談で承認をいたしました議長裁定には、国会はロッキード問題に関し道義的政治的責任追及の場としてと、こうなっているんですから、道義的政治的責任の追及の場として証人を喚問されることに政府が協力いたしませんなどということはできるわけありませんね。
  198. 神谷信之助

    神谷信之助君 国会が捜査当局にかわって犯人を捜すわけじゃない。国会でやるのは政治的道義的責任の追及です。そのために証人喚問を要求している。それに対してちょっと待ってくれとかどうとかということを言うのは、これは積極的協力じゃないと思う。だから、しかもしばらく待ってくれ、時期をというのが三木総理の当時の答弁です。もうすでに今日の段階で、しかも総選挙の時期というのは、衆議院の任期が決まっているんですから、早く解明をして、そして国民の前に信を問うというのが総理考えでしょう。だとするならば、もう証人喚問どんどんやらなければだめだということになると思う。この点をひとつ強調しておきたいと思います。  それから次に、もう一つ問題は灰色高官の公表の問題、これは朝日新聞の世論調査によりますと、東京と大阪の有権者を対象に実施をされたんですが、東京では灰色高官名はもうみんなが公表せいというのが八五%あるんです。さらに国民はこのロッキード事件に関与したそういう灰色高官というのもすべてひとつ公開を望んでいる。これはほとんど多くの国民がそういう期待を持っているというように思うんですが、ところが、自民党の永野法務部会長が被疑調書をとられた者という範囲、これは試案だそうですが、そういうことを言われています。ロッキード疑獄に関してこの追及がだんだん進むにつれて、自民党内でこの灰色高官の解釈なるものをどんどん狭めていこうと、こういう動きが出てきている。できるだけ隠蔽しようという、そういう動きがあるわけですが、わが党は灰色高官は次のような基準で考えるべきだと、これが国民の皆公開せよという期待にこたえる内容ではないかというように思うんです。  それは、一つは、現行法によって起訴されるいわゆる黒色高官以外で、ロッキード社関係の金品を本人またはその後援会や、本人が主宰する政治団体などが受け取ったすべての政府高官——閣僚、国会議員、次官、局長などですね。その職務権限や請託の有無、金品の名目、あるいは政治献金であるかどうかということです。このいかんを問わない。また政治資金規正法違反などの犯罪成立の有無も問わない。成立すればこれは起訴される、あるいは逮捕の容疑者になるわけですから、そういうものを問わない。一切の者をひとつ公表する。  第二は、ロッキード社関係の金の授受についての証拠は不十分ではあるが嫌疑がある、不十分だが嫌疑はあると。第一次FX選定問題以来、ロッキード社のために運輸省、大蔵省、通産省、防衛庁あるいは全日空、日本航空その他に圧力をかけ、またはロッキード社の航空機の売り込みを容易にするための行為を行った政府高官、これが第二の範疇ですね。  それで第三は、検察当局が事案軽微など諸般の事情で起訴猶予処分とし、または時効、証拠不十分、罪とならずとして不起訴処分にした者を含め、ロッキード事件捜査の過程で前項に該当することが明らかになった者は、その道義的政治的責任を公にするため、氏名及び行為の概要を国民の前に明らかにすべきである。これがわが党の灰色高官の範囲についての見解であります。これはこのロッキード事件のあらゆる面でかかわりを持つ一切の氏名を、政府高官名を公表せよという、この朝日の世論調査によれば八五%の国民の要求にこたえるものだと思うわけです。この点についての法務大臣のひとつ見解を聞きたいと思います。
  199. 稻葉修

    国務大臣稻葉修君) これはしばしば御答弁を申し上げておるとおり、このいわゆる灰色高官というものの範囲といいますか、定義といいますか、それは道義的政治的責任者を灰色高官というのであれば、道義的政治的責任追及の主役たる国会が御決定いただきたい、それにどの程度に協力できるかは刑事訴訟法の立法の趣旨をも踏まえて最善の御協力を申し上げます。これが議長裁定によって決定されておる道義的責任、政治的責任追及の方法であると心得ております。
  200. 神谷信之助

    神谷信之助君 時間を過ぎていますから、これを最後にいたしますが、時間の関係で今度の幕引き劇が、いま言いましたような政変劇ですね、これによってロッキード隠しなり灰色高官隠し、少なくとも結果としてはそうなる、そういう状況を生み出していること、これを明らかにしてまいりましたが、さらにもう一つの問題は、第二の問題はPXLに対する疑惑を隠す、こういうねらいもあるという点も追及をする予定であったわけです。さらに第三には、小佐野、児玉あるいは中曽根隠しの含みもあるんではないか、疑惑もある、そういう幕引きの芝居ではないかという、そういう点についてのわれわれは証明を予定をしておったんですが、時間がまいりましたから、これらは省きますが、最後に特に中曽根氏をめぐる疑惑につきまして、八月六日の朝日の報道でジャパンラインの石油収益に絡み五千万円を受け取った、これに児玉、水谷も介在をしたという報道があります。こういう疑惑がかけられている。さらに児玉との親密な関係、これは児玉の著書の中にも、あるいは太刀川との関係、これらによってもすでに当委員会でもわれわれが指摘をしたところであります。さらには衆議院で八月十一日にわが党の増本議員が質問いたしましたが、日米通商会議でエアバス緊急輸入の検討を約して、そして八月八日の経済閣僚協でエアバス購入の協力を運輸大臣に求め、八月二十六日田中邸を訪ねて、その後エアバス輸入が三億ドルに増加をした、この経緯に絡む疑惑あるいは四十七年の十月九日の国防会議議員懇談会のあの白紙還元の決定、これのときに兵器国産化論者であった中曽根氏の突然の変節、これに絡む四十七年十月五日、六日、児玉工作の問題あるいは殖産住宅事件、これで八月の十八日に内藤質問で明らかにいたしましたように、新株上場に際し上和田秘書名義で金を受け取った疑惑、あるいは四十七年総裁選挙田中から七億円を受け取ったのではないかという疑惑、多くの疑惑があります。すでに中曽根氏が「私の分身」として自民党の総務局長に据えておった佐藤孝行氏が逮捕されています。したがって、本身である中曽根氏に対する疑惑もまたこのように数々あるわけです。したがって、わが党は、私はこの中曽根氏の証人喚問、いろいろ質問したり、問題にすると新聞記者会見をしたりして、一々否定をなされている。そういうこそくな手段じゃなしに、堂々と証人としてこの委員会に来て、真実を国民の前に明らかにする、これが当然政治家としての態度じゃないかと思う。だから、中曽根氏を証人として当委員会に喚問すること。さらに田中角榮氏、それから相澤、後藤田、これらの証人喚問を要求して私の質問を終わりたいと思います。委員長よろしいですか。いまの喚問要求はどうですか。
  201. 剱木亨弘

    委員長剱木亨弘君) これは理事会で相談中です。
  202. 市川房枝

    ○市川房枝君 最初に法務大臣に一、二お伺いしたいと思います。きのう、きょう新聞で伝えられております自民党内の内紛、権力の争奪戦といいますか、それは自民党だけの問題ではなく、自民党が日本の政権を担当していられる政党でございますので、国民としては非常な関心を持ち、いろいろな疑問を持っております。  第一は、三木内閣の閣僚二十一名の中で十五名の方々が反三木の議員総会に御出席になったと。いや、特別に集まって御相談をなすったというのはずいぶんおかしいというふうに映ります。法相は中曽根派でおいででありますので、もちろんこの議員総会には出席してはおいでになりませんが、それだけに三木内閣の閣僚としてこういう事態をどういうふうにお考えになっておりますか、伺いたいと思います。
  203. 稻葉修

    国務大臣稻葉修君) 一言にしてお答え申し上げれば、はなはだ遺憾であると申さざるを得ません。
  204. 市川房枝

    ○市川房枝君 第二には、きのうの午後の自民党議員総会の模様をきょうの新聞で拝見してびっくりしてしまいました。あんまりひどいんで驚いちゃったわけなんですが、もっともこの新聞記事そのものが正確であるかどうかという問題もありますけれども、しかしその記事によりますと、逮捕されるとうわさのあった議員の方が入場されると、もう拍手喝采だと、大きな写真が出ておりました。あるいは田中を逮捕起訴した三木の首を切るんだと言った声が大声で叫ばれているといったこともありましたし、また先ほど質問のありました船田中氏が演説されましたロッキード問題のことについての内容は納得のできないものがあります。こういう調子ではこれ全く自民党といいますか、こういう出席された方々には反省の色は全くなく、ロッキード隠しであり、派閥による政権争奪だと国民から思われ、私は自民党はずいぶん損をなすったと、こういうふうに感ずるんでございますが、稻葉法務大臣はこの状態をどういうふうにお考えになりますか、御感想を伺いたい。
  205. 稻葉修

    国務大臣稻葉修君) まず第一に、疑惑の議員が登場すると拍手喝采が起こったと。私はあのテレビを見ておりましてね、何という慎みのないことだと、こういう感想です、これに対しては。  それから田中逮捕を許した三木の首を切れ、これはそういうやじが飛んだかどうだか——ないんでしょうと思いますし、そういうことはまさか私は信じられない。それできのう見ていてもそういう場面はなかったものですから、これについては何ともお答えしょうがないし、もし仮に田中逮捕を許したと——田中逮捕を許したのは稻葉法務大臣であって三木総理ではないんですな。私は、田中逮捕を許した事実をあの朝六時三十分に電話で総理報告したわけでございますから、私の責任において——もし田中逮捕を許したやつを首切れと言うんなら、田中逮捕を許した三木ではなくて稻葉を切れと、こういうやじが飛んでしかるべきだと思いますな、これは。しかしそういうことはなかったように私は思います。  それから船田さんの発言ですが、けさも衆議院で御質問がございました。非常に誤解を生じたのではなかろうか。いろいろ長い発言ですから、いまあなたのおっしゃるのは、ロッキード問題の究明はすべきである。だが、こんなことをやっている先進工業国は日本だけである、これだけに明け暮れているのは。それに続いて、究明すべきである、だが政治的配慮があってしかるべきだ、という趣旨の御発言ですわな。これは私その場に出席しておりませんから——派閥の関係で出席してないんじゃないんです。法務大臣はこういう事件を持っておるんですから、厳正中立の立場になけりゃいかぬから、派閥の会合やごたごたの会合なぞに出向くべきでないという判断で出なかったんです。それは別として、だから船田さんが、その発言がそのとおりであるとすれば、そしてそういうことを聞いていれば、副総理がけさ衆議院のロッキード問題委員会において答弁されたように引っかかったであろうなと、こう思いますが、まあ政治的配慮ということはどういうことか。一切の政治介入はしない、それが政治家としての配慮であるべきだ、という意味であってほしかったと、こういう感想を持ちます。  それからこのような派閥抗争、ロッキード隠し——ロッキード隠しというのがあるでしょうか。いかなる派閥でもロッキード隠しなんて言ってやって、あれはロッキード隠しなんて言われたら、これはもう非常に政治的立場が不利になるくらいの常識はみんな持ち合わせておりますから、そんなことをやろうなんという魂胆があるとは私は信じませんな。あなたも端的に、もしやればそんなことは自民党にとって損じゃなかろうかと、まさしくそのとおりですな。徹底的解明によってこそ、そうしてこういう事件をもう再び起こさないような体質にすることこそ、自民党再生の道であるというふうに私は感想を抱きます。
  206. 市川房枝

    ○市川房枝君 私はまあその会合に出ていたわけじゃないんですから、新聞の記事あるいはその記事のあらわしている意味で申し上げたわけですが、そうでなければ大変結構だったと思います。  法務大臣、いま一つお願いしたいんですが、それはこの間、七月の二十一日にアメリカの上院を通過したウオーターゲート改革法案でありますが、これは三木総理も日本でも参考にして検討したいとおっしゃっておりましたが、その特徴は、特別検察官というものを置くと、これはまあ上院の賛成も得て大統領が任命する、そして司法省内での独立機関としてこれを置くということであるようでして、これはまあこういう汚職の問題、賄賂の問題なんかに関連して、私は素人ですけれども、そういう方がいればなお結構でないかと思うんですけれども、日本でそういうことは可能か、法務大臣どうお考えになりますか、伺いたいと思う。
  207. 稻葉修

    国務大臣稻葉修君) アメリカのいろいろな立法や制度について私存じませんで恐縮ですが、日本でもやってやれないことはないし、ロッキード事件解明の後は再発を防止するというにはどういう方法がいいかと研究した上で、そういうことの探究もぜひ必要だというふうに思いますが、専門的になりますから、刑事局長答弁させます。
  208. 安原美穂

    説明員安原美穂君) ウオーターゲート法案の特別検察官制度というものでございますが、私の承知している限り、アメリカの検察官は選挙によって選ばれておるというようなことでございますが、その点がわが国の検察官制度とは違うわけでございますとともに、特別検察官制度のねらいがいわゆるインディペンデンシーというか、独立性を保持するということにねらいがあるといたしますならば、わが国の検察官制度というのは身分保障もございますし、御案内の法務大臣の指揮権というものも検事総長を通じてのみ具体的な事件の指揮ができるということでございまして、本来独任性の、独立性の強いものでございますので、そういう意味ならば、わが国の検察官制度そのものが独立性の強いものとしてございますので、わざわざそれをまねる必要はないんじゃないかと思いまするけれども、詳しいことはわかりませんし、アメリカのねらいなどもよく研究いたしました上で最終的な結論を出したい、かように思います。
  209. 市川房枝

    ○市川房枝君 次は国税庁おいでになっていますか。先週伺い漏らしたことを少し続いて伺いたいと思います。  イギリスでは企業が五十ポンド以上寄付をした場合には、取締役はその政党の名称、金額を明細に報告しなければならない、そういうふうに会社・保険・パートナーシップ及び金融業者に関する法律で三、四年前にこれを改正したんですけれども、それは御存じですね。そのもう少し詳細が知りたいんですが。
  210. 山橋敬一郎

    説明員山橋敬一郎君) お答えいたします。  私不勉強で、実はそういうふうな制度については存じておりません。
  211. 市川房枝

    ○市川房枝君 それはひとつお調べいただいておいて……。  それからこれは日本でも会社が行う証券取引法に基づいて有価証券報告書というのを出しているようですが、その報告書の中に政党、政治資金団体その他政治団体に対して行った金額、寄付先の団体名、年月日等を明らかにされることにしてはどうか。これは法の改正が必要でしょうけれども、それは日本ではいかがですか、そういうことは。
  212. 山橋敬一郎

    説明員山橋敬一郎君) お答えいたします。  有価証券報告書の関係は、実は所管は証券局でございまして、国税庁は実は所管をしておりません。したがいまして、そのような問題について国税庁としてどうこうというふうなお答えはちょっといたしかねるわけでございます。
  213. 市川房枝

    ○市川房枝君 それは大蔵省の中の証券局ですね。じゃ、別な機会にまた伺うことにします。  次には政治家個人に対する政治献金に対しての課税について伺いたいんですが、国税庁政治家個人への政治献金を雑所得として政治活動に使って残りがあったら課税するとしておいでになりますが、これ、雑所得とするというのはどうも納得がいかないのですけれども、これは法的は根拠がございますかどうか、伺いたい。
  214. 山橋敬一郎

    説明員山橋敬一郎君) お答え申し上げます。  いわゆる政治献金等のいわゆる政治資金収入と申しますか、これは一般的には個人あるいは法人あるいは後援団体あるいは政党というふうなところがその支持いたしますところの政治家に負託をいたしました政治活動のための費用を提供すると、こういうふうな趣旨のものであろうかと思います。政治家としての地位にある限り、したがいまして、提供者が異なっても継続をして収入するものでございまして、また反面、政治資金収入を受けた政治家はその資金を負託された政治活動のために費消しているというのが実態であろうかというふうに考えておるわけでございます。したがいまして、いわゆる政治献金等の政治資金収入が贈与税の対象となる贈与であるとか、あるいは所得税法上に規定する一時所得であるというふうに考えるということは必ずしも適当ではないというふうに考えておるわけでございまして、政治資金収入は、所得税法上の他の所得のいずれにも該当しないところの所得でありますところの雑所得の収入金額に該当することになろうかというふうに考えているわけでございます。したがいまして、雑所得の収入金額ということになりますと、雑所得金額の計算ということになるわけでございますが、この雑所得金額の計算ということになりますれば、所得税法の三十七条に必要経費の規定がございますけれども、総収入金額から必要経費を控除をして計算するということになっているわけでございますけれども、その必要経費につきましては、「総収入金額に係る売上原価その他当該総収入金額を得るため直接に要した費用の額及びその年における販売費、一般管理費その他これらの所得を生ずべき業務について生じた費用」、こういうふうに規定がございます。したがいまして、総収入金額からここに規定されておりますところの必要経費を引きましたものがいわゆる雑所得金額になるというふうに考えるわけでございます。すでに御承知のとおり、しばしば国会等でもお答え申し上げておりますけれども、たとえば政治資金に係る雑所得の計算に当たりまして、その必要経費として具体的には、たとえば政治活動のために支出した費用、もっぱら政治活動のために使用するところの事務所等の減価償却費とか、あるいは秘書の給料とか、政見発表の会場費等いろいろなものが考えられるわけでございまして、このような必要経費を引いたものがいわゆる雑所得金額であるというふうなようにわれわれは取り扱っておるわけでございます。
  215. 市川房枝

    ○市川房枝君 いまの説明にまだ納得がいきませんけれども、時間がありませんので別の機会にすることにして、最後に一つ自治省の五十年の政治資金の発表の中で田中派の支出を見ますと、逮捕された田中さんの私設秘書の榎本さんは、人件費のほかに調査、組織活動費として田中派の五団体から合計三千二百三十一万円もらっておられます。これは個人としては竹下さんに次いでの金額、それから同じ私設秘書の早坂さんは千八百十三万円もらっておられます。この金はどういうふうに扱われているか。この人たち政治家じゃないですね。それをちょっと伺いたいと思います。——もしあれでしたら、きょうでなくてまたそれを調べておいてくだすって、この次の機会に伺っても結構です。それじゃ時間がまいりましたから……。
  216. 剱木亨弘

    委員長剱木亨弘君) 以上をもちまして本日の質疑は終了いたしました。  明日は午前十時開会いたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後四時四十五分散会