○内藤功君 私は、時間の
関係でたくさん出す必要もな
いから、もうこれはだれが見ても問題になるだろう——太刀川と
児玉の共犯ですね。太刀川の単独犯なんというのはないですよ。共犯だ。訴因の
変更ができるわけですからね。
児玉側を起訴できる。
児玉を起訴できる。
もう一つは、お茶を飲んで帰るだけだという証言に対しては、もっとお茶飲み友だち以上の
関係だという事実はいっぱい出てくる。こういうところを突破口にして、あなたは非常に苦労しておられるかもしれないが、
児玉ルートを突破できるわけです。要するに、やる気があるか、気魂があるか、それだけ調べることができるか。検察側の方方は日夜疲れておられるということも出ているけれ
ども、しかし、ここが大事なところだ、しっかりこれはやってもらわにゃ
いかぬ。ただ、
児玉が病気で難航しておりますというのは、泣き言とは言わぬが、泣き言に近いようなことを言われても困る。実際にやって見せてもらいたいと私は思います。
最後に、この事件は、
中曽根さんが遺憾ながらかかわりのある事件です。まず、この東郷民安にかかわる脱税事件なるもののきっかけがなくちゃならぬ。脱税の事件のきっかけは何か。これは
中曽根氏であると思います。これは、私
どもの党が入手をした、現在進行しておる東郷民安に対する
所得税法違反被告事件の
昭和四十九年九月十七日の被告弁護側の冒頭陳述という文書があるんです、ここにね。これはちょっと参考までに見ていただきたいんですが……。(
資料を示す)どうしてこういう脱税をやるに至ったかという動機ですがね。こう言っています。
昭和四十七年三月九日、
中曽根派所属の代議士である木部経企庁政務次官の赤坂料亭「一条」での激励会で同席したと、
中曽根氏と東郷民安が。隣席に座った
中曽根は、被告人——これは東郷であります。東郷に対して「殖産住宅が近く上場するそうだが、一般に、新規上場に際しては、公開値と寄附値との差額で相当儲けることができるという話を聞いている。
自分が今度の自民党総裁選挙に出るためには」——これは四十七年の例の選挙です。「相当額の資金が必要だが、新株の引受け資金として二五億円程度は
自分の方で調達できるから、何とか協力してもらえな
いか。」という話があったと——まあ、ここまでにしておきましょう。こういう話がある。
現職の
通産大臣から、隣の席に座ってこういう依頼を受けたので、この資金づくりをしたというのが、この公判における一貫した被告弁護側の主張です。これに対して、公判廷で
中曽根さんがお出になって否定をされたということを私は聞かない。出廷されたということも聞かない。否定をされてないんです、これは。ただ、新聞報道で私は頼んだことがないというお言葉が出ておりましたよ。おりましたが、これに対しては、被告弁護側がやっぱり−特に弁護側は職業的生命をかけてこれを言うわけですから、政治家の名前を出すわけですから、これはよほどの覚悟であります。私はやっぱりこれを一つの重要なかかわり合いのある問題として重視をしなきゃならぬ。ただ、私は一足飛びにこの問題から検察にこれを
捜査の対象にしろと言うんじゃない。
中曽根氏と
児玉氏との
関係。
中曽根氏がいろんな問題にかかわっている政治家としての言動の問題、言い分が大きく違う問題、余りにも多過ぎるんですね。これを私はぜひ、こういう問題も含めて、いま
中曽根康弘氏が衆参両院の口特委で証人として喚問が要求されております。
委員長もこれは御
承知のとおり。こういう問題も含めて、はっきりさすべきだと。これは政治家を殺す道ではなくて、生かす道でもあると私は思うんですよ。そういう意味で、私はこの証人喚問を、この殖産住宅事件というものの中の疑惑を解明するためにも要求を強くいたしたいと思うのです。そして特に
児玉と
中曽根との
関係ですね、この
関係。これは私は深く繰り返しませんが、
昭和四十七年のあの十月の
PXLの問題でも
児玉が
中曽根側に働きかけていたのではな
いかと疑われる幾つかの事実も私
どもの党はいま
調査をしております。これは後で同僚の
近藤議員から
質問があると思います。
私は最後に、まとめとして、この殖産住宅事件が
児玉ルート突破の法律的にも政治的にも非常に重大な事件だということを
法務大臣以下当局がしっかり認識されて、そのしかるべき処置をとられることを要求をしまして、私の時間が来ましたので、
近藤議員にかわりたいと思います。