○黒柳明君 ところが、私たちの調べによると、この丸紅レポート、これは
捜査当局の強制
捜査では入手されてないと。これは丸紅の言い分ですけどね。押収物件番号の四十三、その中にリポートが二冊あると。そこの中には入ってない。これがリポートの一部ですけどね、ここにあるのが。この中にはそういう報告は入ってないんです。だから、入ってないということは、檜山前会長が
国会で
証言したそういうリポートはないということにも一応なる
わけですね、
捜査当局が押収したものに入ってないんですから。押収物件の四十三の二冊の中にあるはずだと。
——これがそうなんです。これに入ってない
わけです。ところが、いまの丸紅の運行表の改ざんないしはこの証拠隠滅、こういうことから見ますと、私は、
捜査当局が
——あるいは失礼な言葉と思いますよ
——押収できなかったんじゃなかろうか。ということは、これは過去の話になります、
国会の審議におきましても、いわゆる予告
捜査なんということをこれはある部分でやりまして、こんな
捜査をしていいのかと。予告
捜査すればどろぼうだって逃げて、ふんづかまりゃしないじゃないかと、私もやったことがあるんですよ。まあ、これがそうだと、こういうふうには言いませんよ。ですけれ
ども、私はあったんだと。これだけの重要な契約がありましてね、これだけの莫大な工作資金が流れて
——後から
段階を追ってやりますけど。時期的にも、明らかにユニット、ピーシズはP3Cに対する売り込み工作金ではなかろうかと、こういう非常にマスコミでも一応定着した意見がある
わけです、時期的に見まして。それが、これがない、これが押収できなかったということは、私は、
捜査当局がいまの丸紅の会社ぐるみの証拠隠滅の中にやっぱり一歩立ちおくれたんじゃなかろうかと、こういう印象を否めない。
ということは、丸紅についせんだって行きまして、この押収物件の四十三の二冊の中と、こういう向こうから確証も得てるんです。そこに、いま言ったように入ってない。さらに、踏み込まれる前の日は、中堅幹部に、おのおのの部署でのもう書類はみんなおのおの破棄しろと、こういう文章も口頭でも流れたということも一部では言われてるんです。まあ文章がないんで、私はそういううわさがあったと断定はいたしかねますけれ
どもね。そして翌日の強制
捜査あるいは証拠書類の押収になった、こういうような
段階であると、こういう内部の
証言もあるくらいなんです。私は、ですから、まあこれは
捜査当局を信頼するし、私は寸分の疑いを持っていません。しかしながら、何回も言いますように、コーチャン
証言にもありますように、明らかにこういう契約に準じて丸紅が行動をしてきて、コーチャン
証言の裏づけというものの信憑性が強くなって、その
中心の二十五億ですよ、このコンペンセーションの金というのは。その行動表というものがないということは、これは私は、
捜査当局がこの点に関しては一歩、やっぱり丸紅の大きな隠滅の枠の中で、後退ないしは手抜かりがあったんじゃなかろうかという感触を持っているんですけれ
ども、いま、当然重要な関心を持たざるを得ないと、こういう中において、その物件が押収されてないと、こういうことについて、これは私たちの
調査ですけれど、ひとつ刑事局長、どういう見解をお持ちでしょうか。