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秦豊君 時間がなくなってしまいましたから、たとえば、坂田長官、P2JとP3Cの問題とか、あるいは
日本の防衛構想全体の中で一体このASWとは
日本にとって何なのか、
日本に内在する必然、
日本のさし迫った必要というよりは、
アメリカ極東戦略の要請にあなた方が屈しているためではないかとか、そういうさまざまな基本的な問題。第一、
日本の防衛構想自体は私見によれば完熟していないと思います。きわめてしたがって未熟、きわめて粗漏である、ラフであると思います。しかも、本質的に言えば、P3Cの問題は、トライスターを含めて落ち目の国際企業
ロッキードというものを救済しようとした日米双方の権力の絡んだ、まことにこれこそ共同作戦だと私は思う。私はそう思うんですよ。この問題の中にP3Cがある。しかも
日本の防衛構想自体がはなはだいびつであり粗漏の
段階で、なぜこのように対
潜哨戒機だけがぐいぐいと突出をしていかなければならないのか。
日本の防衛構想とPXLという問題は、これはもう内閣
委員会を初め、予算
委員会だろうが外務
委員会だろうが何だろうが、あらゆる国会の場でチェックをし、掘り下げ、討議をし、国民の皆さんの前に明らかにしていく必要があると思います。しかし、あなた方がどう理解しているのかわからないが、たとえば外務省などは、P3Cがいま岩国から何をどう日常
運用しているのか、おそらく連絡の義務がないから知らないと思うんですよ。第七艦隊が一体どういう対潜能力を持っているのかも、
お答えの
範囲ではない、という答えしか返ってこないだろうと思うから聞きませんけれ
ども、そもそもこのシーレーンとか海域分担といいましても、いまの第七艦隊の戦力の現状からすればもう
アメリカにキャパシティーがない、余力がない。これは分担じゃなくて坂田さんの方だけに重みがかかってくるんですよ、対ソ作戦というものを考えた場合には。共同分担というものはぼくはあり得ない。だから、タスクフォースの直営部隊としてあなた方が機能する、その空の上をP3Cが舞う、飛ぶというふうな役割りをしか私は与えられないのではないかと思う。だから、非常にあなた方の考えている方向というのは危険なんですよ。なぜこれほどまでにさまざまな欠陥のある、問題のあるP3Cが独走を目指しているのか。P3C、P3C、あらしが通り過ぎればP3Cだと、オライオンだと、それで
抵抗が政治的に大きければドンガラとはらわた論というあなた方得意の折衷論に逃げ込む。いろいろな知恵は使っておるようだが、一番国会の外で国会の論議をごらんになっている有権者の皆さんの実感からすれば、なぜこれほどまでにP3Cにこだわるのかという点が一番ぼくはわかりにくいのじゃないかと思うのです。それはさまざまな
委員会でやりましょう。
それで、最後にこれ伺っておきたいんだけれ
ども、一体あなた方
防衛庁は、なぜPXLが必要なのかについて、たとえばP2Jの陳腐化、老朽化、あるいは対象潜水艦の性能向上というふうなことを挙げている。しかしPXLをかくも多量に
導入しようとしている判断をした根拠は一体何かを突き詰めた場合に、あなた方には情報見積もりというのがあるはずです。
つまりウラジオストックに配備されているソビエトの兵力をどう評価するか、それがどういうふうな脅威なのか、何年何月に比べて現在はどういうふうに脅威が高まっているのか、当然そういう情報見積もりによって装備が決まっていくんだと思うが、あのユニホームが持っている対ソ作戦用、海上作戦用、あるいはASW作戦を含めて、坂田長官はユニホームの持っている程度の情報量としての情報見積もり、それは知らされていますか、最後に伺いたい。