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上田耕一郎君 われわれは、P3C問題についても、
トライスター問題についても、当時の
田中前
総理がこの
委員会に
出席して、彼の口から彼しか知らない事実をどうしても聞く必要があります。十月九日の三者協議、あるいは
議員懇談会の中身についても、あるいは檜山氏とか若狭氏とかの会談の中身についても、
田中・ニクソン会談についても、コーチャン氏との
関係についても、彼しか知らない事実を、
国民にかわって国政を信託されているわれわれとして、この特別
委員会としてあくまで究明する必要があります。
コーチャン氏は当時八月二十日から十一月三日まで十一週間にわたって
日本に滞在していました。十月九日の
国防会議、あのあれを見て、十月三十日の
トライスター決定、これを見て、十一月一日に丸紅とP3C契約を結んで、十一月三日に帰国しているのであります。わが党の橋本
議員が二月の十八日に
アメリカでコーチャンと会見した際、彼は重要な発言をしております。
田中角榮氏にどこで会ったかと、事務所で会った。だれの紹介で会ったか、丸紅だと。あなたは何回
田中氏に会いましたかという問いに対して、彼はファイブ
——五回と
答えました。で、橋本
議員が驚いて、えっ五回ですかと聞いたところ、大変あわてて、
田中氏のことですか、一回ですと言い直しております。これはコーチャン氏と
田中氏の
関係についてであって、コーチャン氏についてはこういう
疑惑が出ておりますが、このことについてもわれわれは、
田中氏に一体何回会ったのか、どういう話をしたのかということをも
追及したい。で、
田中氏が潔白だと言いながら出てこないとすれば、重要な問題は、議院
証言法に反する偽証の罪を彼は恐れているのではないかという
疑惑が当然生まれてまいります。
安原刑事局長は、
国政調査権と
捜査権との
関係の問題についていろいろ言われましたけれども、これまでの
経過全体を見るならば、大久保氏の逮捕あるいは伊藤氏の逮捕で、偽証の疑いでの逮捕ということが進んでおります。あれは
国会の
調査権がいかに
事件の
解明に役立っているかということを示しております。そしてこの偽証の問題は、議院
証言法の第六条で、三カ月以上十年以下という懲役の強制力をもって本人に言わせるわけですから、本人がここに出てきて議院
証言法に基づいて真実を
証言すれば、これは
捜査にプラスになります。そして、もしうそを言うならば、今度はこの偽証による逮捕という問題が生まれるわけで、これもまた
捜査を進展させるわけであります。ですから、
国政調査権の発動が
捜査権に対して何らかの障害になるのではなくて、強制力を持った
国政調査権を発動すること、
事件の全貌と
政治的
道義的
責任を徹底的に
追及することが、実は
捜査にも役立つのであって、もしうそをつくならば、これは
刑事責任にも転化するという
関係にあるのであります。
この偽証逮捕の問題で、東京
新聞によりますと、
自民党のある
大臣経験者は、目まいが起きるということを言ったそうであります。つまり、告発もしないのに逮捕されると、これは大変だというので目まいが起きるというわけであります。それほど
国政調査権のこの事態の
真相を明らかにする役割りはきわめて大きなものがあると思います。
その点で、私はもう一度首相に、首相が何回も
国民の前に約束している事態の
真相解明のために、
国会の
国政調査権の発動に対して
自民党総裁として
協力するという積極的熱意を表明していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。