○
佐々木(良)
委員 どうも
三木さん、この辺はまだ勉強されていないですね。報告も余り聞いておられないと思う。だからひとつ十分勉強されたいと思います。
恐らくいま
政府が予定しておるものは、
アメリカと
日本との取り決めがありますね。取り決めというものも
三木さん、どうかもっと軽く考えなければいかぬと思うのですよ。私、これを見ても——翻訳して
日本語で書いてありますから、これを見ましても「
ロッキード・エアクラフト社問題に関する法執行についての相互援助のための
手続」というのです。これがえらいがんじがらめに、いまのように封印されてしまうようなかっこうに見えている。取り決めというものをえらい重大に考えておりますけれども、取り決めというのは
手続のほんの打ち合わせみたいなものだ、こんなものは。したがって、この問題
自身についても私はいろいろな話し合いが可能だと思うのです。そうして恐らく法務省かどこか知りませんけれども、これの中の三項目、四項目、五項目——むしろ五、六、七、項目を
中心にしてまだ打ち合わせ事項が残っている。私は、恐らくそのことを当面の目的として行かれようとしておるんだと思うのです。
そこで
三木さん、せっかく行かれるならば、むしろ私も行くことを要請しながら、ここで改めてその任務に対して付加していただきたい。それは二点だ。きのうあたり決定したとか決定しないとかという話がありますけれども、先月末でしたか、
アメリカの
上院の外交
委員会で決定したことがございまして、御
承知のとおりに多
国籍企業小委員会が
ロッキード社に対して
資料強制提出要求権を発動して新たに獲得した
資料があるはずです。この新たに獲得した
資料と従来の
資料とをあわせて、言うならば行
政府に
提供すること。二番目には、その
提供された
資料の措置については行
政府とそれから外交
委員会とで話し合おう、こういう決定がなされたやに聞いておる。
私がここに問題にしたいのは、要するにここに行
政府が完全に頭を出してきておる。それをいま
日本と
アメリカとの
交渉の中では、せっかく
アメリカでは行
政府が頭を出してきつつあるのにかかわらず、もう一遍司法府の中に突っ返すようなかっこうでいまお話ができておる、つまり、この
手続によって司法部門とだけにしておる。この
手続と同じかっこうで、やはり
日本がもらうならもらうんだ、こういうふうにされようとしつつあると思うのです。せっかく
アメリカの方でも司法府に行
政府がはっきりと介入しようという
状態になっておるのだから、私は今度の特使が行って、おい、その分は
アメリカでもそうだから、
日本でも正規の外交ルートにも乗せてくれよという話は十分できると思うから、
三木さん、その
努力をするように特使に任務を
一つふやしなさいよ。
それからもう
一つ、けさの新聞でしたか、従来の
証券取引委員会のヒルズ
委員長が、言うならば近く
調査を完了して最終報告書をまとめたい、それには
高官名を載っける、出す
可能性があるという意味の新聞記事がございました。これとの関連で
三木さんぜひ御了解いただきたいと思うことは、従来扱っておられる
証券取引委員会の一件
資料についても、
アメリカでは原則的に情報の自由に関する原則というものがあって、
捜査が終了した後には、
公開申請があればそれに対して裁判所は許可することができるように大体なっておる、ウオーターゲート
事件のときに。御
承知のとおりであります。だから、
日本でも
捜査が終了した段階ではこれを
公開にする、少なくとも
議会に持ってくるということの了解を取りつけることはきわめて簡単だと私は思うのです。やってくださいよ、それを。そうしたら、いまあなたがえらい困っておるような、法律を適用するとかせぬとかという話でなくて済むのです。わけはない。
アメリカでは
捜査が終了したときには
公開申請を受けて、ウオーターゲート
事件でも出しているわけだ。おまえの方も出しているじゃないか。したがって
日本に持ってきている今度の
資料も、
日本では
捜査が終了した段階ではやはり同じように
手続をするぞ、いいだろう。いや、うんと言うに違いない。それを特使の任務につけ加えなさい。
三木さん、あなたは決意表明されるだけじゃなくて、
公開への道を切り開こうと本当に具体的にその道を探されるならば、いま言ったように
可能性はあっちにもこっちにもある。それをいまの、まあ
日本流で言うならば官僚のなわ張りみたいなところできゅっと閉めてしまって、そして聖域を侵すべからずみたいな話の中に持ち込まれてしまっておられる。そしてあなたは知らないから、しようがないから演説ばかり打っておられる。そうすると足元をすくわれてどうにもこうにもならなくなってくる、こういう現象です。逆に幾らでも知恵を出してあげますよ。
それから、
特別委員会をつくられるという話、私は賛成だけれども、
特別委員会でという話は、その
姿勢が出なければ、
三木さん、
特別委員会をやったってあきませんぜ。あなたは先ほどから
特別委員会、
特別委員会というふうに逃げられる。
特別委員会でやろうということは、いま私が特使に対して
二つの任務を新たに与えろと言っているでしょう。そういうようなことを与えようという道があるなら、その道を積極的に切り開こうという
自民党自身の、
政府自身の意思がなければ問題は進まないということだ。そのことを本気で考えなさいよ。そうすればいま余りがたがたせぬでも、必ずあなたの言明、決意表明のとおりにやり得る
可能性はずいぶん残されている。その道を切り開く
努力、われわれの経験やわれわれの研究も十分入れられながら本気に取り組まれて、本気にやろうという
姿勢こそ必要だということを私は繰り返して申し上げる次第であります。
時間が来ましたので、最後の一言だけの
質問にさせていただきますが、それは政局問題です。
空転国会と
政治混迷の行き詰まりの現政局を打開するために、
民社党は勇断をもって対処しようとしておるのです。それば
国民のために、
三木総理、あなたが先ほど言いましたように、このままでは果たせないと嘆かれた
政治責任を果たせるための最後のチャンスを与えようということです。
そのことは、内容は、あなたもおっしゃったように第一は、五十一年度
予算執行とともにやらなければならない緊急不可欠の
不況対策を、実施することです。第二番目には、たびたびのあなたの言明どおりに、
ロッキードの
真相究明を本当にやることです。そして第三番目には、第一、第二の緊急課題をなるべく最短距離で、最短期間でともかくも終了して、政局一新のための解散、総選挙を断行することです。
政局はもううみ過ぎておる。うみ過ぎた
状態になっておることは
総理がよく御存じのはずだ。政局
混迷のいまの最大の原因は、本当は昨年末あなたがやらなければならないときに決断を下さずに総選挙のチャンスを逸したこと、ここにあったと私は思うのです。これへの猛反省こそが現政局の霧を晴らす一番基本にならなければならぬ、こう私は思うのです。
この第一、第二、第三の現下緊急の
政治課題に向かって、
三木内閣のひょっとすると残り少なくなっておるかもしれないエネルギーのすべてをぶつけること、私は、このことこそ
三木総理に残された唯一の
政治責任の果たし方だと思うのです。そしてこのことを行い得ないならば、そのときは潔く
三木内閣の総辞職によって政局の転換を図ることが唯一残された民主的
政治家の道になるかもしれません。
三木総理、私は、みずから言うようで恐縮でありますけれども、建設的
野党として現下至上の使命遂行に取り組むわが
民社党の要請にこたえて、この問題に対して
国民に対して明確に所信の表明をされんことをお願いいたします。(拍手)