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阿部(昭)
委員 成田空港の情勢が、御案内のように非常に緊迫をしてきておるのであります。そこで、前の
委員会の際にも
指摘をいたしましたように、成田空港は九五%完成をしてほんのわずかが残っておるという
段階で
はなしに、まだまだこれからなんであります。前回申し上げましたように、これからの方がむしろ大変なんであります。私の計算では、大体二兆数千億を成田空港及びその関連のことに費用をかけなければ、国際空港として
機能できる状態にはならない。
たとえば、前の航空
局長で現在
日本航空に天下りをして成田担当の常務をやっておりまする手塚良成さんという人、この人は去る二月十八日の東京地裁の証言の中で、いまもし成田空港が開港したならばこれはえらいことになります、お手上げですと、こういう証言をしておるのであります。
同時にこの人は、
日本航空の社内誌の中に、アクセスの問題、つまり成田空港から都心までの公共旅客輸送の
手段であります。この問題が大変な問題だ。したがって、この手塚、前の航空
局長、今日の日航常務はこう言っておるのであります。「とにかく
日本の行政は、いよいよせっぱ詰まらないとやらないんですよ。」これは座談会の記事であります。「成田がオープンして、実際にふん詰まりにならないと……。高位高官の車が動けなくなって、予定時刻に遅れないと」アクセスの問題は「できないんじゃないか(笑)。」とこう言っておるのであります。
そこで
皆さん、確かにこれからが大変なんであります。成田新幹線、ちっとも進んでおりません。私は相当本腰を入れても、十年以上かかってもめどは立ぬだろうと思います。立たないのです。湾岸道路、これは建設省が大体
昭和五十六年度ころまでと、こう言っております。これも現在積算で、三千五億円という積算をしております。私は最近の傾向からいって、四、五千億は間違いなく必要だろうと思います。成田新幹線は、鉄建公団総裁の積算によりますると、現在三千七百六十億
程度の積算、これはしかし、まだ十年ではちょっとめどが立たないでしょう。恐らく七、八千億、もっとかかるかもしれません。成田空港の第二期工事というのは残っておる、いま滑走路一本しかないのでありますから。これは恐らくまだ四、五千億は間違いなくかかる。大阪判決によって、とにかくど真ん中につくった空港でありますから、騒音公害その他、これは大変な金額になります。さらに、いま公団及び運輸省が大変なへまをやりまして、建設省が注意したにかかわらず、滑走路はつくったけれ
ども、航空保安施設用地、
皆さんのお手元にあります略図にございますけれ
ども、滑走路の両わきにはみ出す部分でありますあるいはジェット燃料の輸送パイプラインというものをこれは計算に入れておかなかった。したがって、いま千葉県のあたりではジェット燃料パイプラインを、あるわずかな工区でありますけれ
ども、六千万かけてパイプを埋め込んだと思ったら、五千九百万かけてその掘っくり返しの工事をやっておる。そこで、ジェット燃料を、続きませんからしようがない、鹿島港の方から運ぼう。きのうあたり大体鹿島町のあそこからジェット燃料を暫定三年間運ばすためにどういう条件をつけるか。鹿島開発の積み残しをこの際全部やらせよう、商業港をもう一つつくらせなければだめだなんという議論が起こっております。神栖町におきましては新しい鉄道の新設をやってくれなければこの三年間の暫定輸送を認めないという条件であります。まだまだいろいろな条件があるのであります。これは
一体どのぐらい銭がかかるのか。
したがって、私はこの際、
経済企画庁長官に伺いたい。
この間、その第三期空港整備五カ年
計画というものを認定されたわけであります。この認定をやります場合に、成田空港というのは将来この
程度もっと金をかけなければ国際空港として
機能しないということなんだということを
前提として、第三期空港整備五カ年
計画というものを策定されたのかどうか。それから
大蔵大臣の方も、そういうことをしっかり踏まえておって、いまの成田空港のいろいろな事業費の関係というものを
考えられておるのかどうか。この際に実は経済企画庁、大蔵省、運輸省、三者
事務当局参りましての説明はこうであります。経済企画庁は、私の方は卸であります、大蔵省は小売でございます。そうして運輸省、公団は、これは消費者の方であります。したがって経済企画庁の方は、マクロな
段階でいま
一体こういう事業に五カ年間というこの期限の間にどれだけの銭を突っ込めるかということを
考えたのであって、もっと細目のことは小売の方の大蔵省や消費者である運輸省や公団の方でやってくれるのであって、わが方は卸でありますから先々行ってどのようになるかはあずかり知らざるところであります、こういう
答弁なんであります。五カ年
計画とかそういうものは
一体そういうものなのかどうか。今後われわれは五カ年
計画、そういうふうに理解してよろしいのかどうかということを副
総理に伺いたい。