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有島委員 長期的に
考えていく上でもって高校のオープンシステムといいますか、そういったことを
考えなければならないとおっしゃっていただいたわけですけれども、実はいま長期的に物を
考えなければならないという出発点にいるというような御覚悟であるらしいから、だから特にこれを申し上げたいわけなんです。
それからもう
一つ、後期中等
教育の
学習ということですけれども、たとえばこれは極論を申しますけれども、どこかでアルバイトとして働く、これはいまのところ
学習とは認めないわけです。だけれども、さっきの根があり幹があり枝があり葉がありということ、それでもってある枝には幾ら葉があってもまだ花が咲かなかった、こっちは花が咲いたけれども、実がならなかった、こっちには実がなっているものもある、いろいろあって、それが同時にとにかくじわじわ育っていくというようなモデルでもって物を
考えるということも私は一面に必要だと思っているから、そういった面が欠けておると思うから言うのだけれども、いま定時制と言われて働きながら勉強しておる、この働いている
部分も単位にしてあげてもいいのだというようなシステムもすでに開かれています。
〔河野
委員長代理退席、
委員長着席〕
それは産業側がエゴでもって若年労働者を使って、適当にお茶を濁す程度で高校卒業資格を取らしてやろうというふうに活用されているのだという批判もないわけではないけれども、
子供たちが本当に力をつけていく、ちょうど十六歳から十九歳あたりの持っている能力、
可能性を引き出していく、それがまたさらに次の時代の土台となっていくということから
考えますと、あの後期中等
教育の
段階をまるまる勤労に費やしてしまって、ついにその先の生涯
教育的なこともやらずに終わってしまうという人が出ることは、今後はとても許されないことであると思うのです。だから働きながらというのも、その働くことが
一つの生涯
教育の中に組み込まれた
学習であるという受けとめ方もさせることが、ぼくは後期中等
教育の中で非常に大切なことではないかと思うのです。職業
教育なんということもございますけれども、何かやすりの削り方だ、旋盤のかけ方だということを小手先で教える、こんなことが職場に行って役に立つわけはないのです。それから勤労の重要性ないしはとうといことを教えましょうなんと言っても、そんなことは昔の徒弟制度かなんかでなかったらなかなか体に入ってこないような問題でございまして、いまの職業
教育と言われているものは非常に不徹底なわけですね。ですからもっと広げるならさらに広げていって、特定の資格を授けられた専修
学校における授業ならばわが校の単位の中に入れてあげましょうとかなんとか、そういうようなオープンシステムをいま
大臣もお
考えになっていらっしゃるらしい。それは大学においては、まさにそういったオープンシステムをモデルとして
考えましたし、いまその方向に進んでいらっしゃるようだけれども、後期中等
教育段階においてはもっとそれを幅広く、私は映画監督になりたいからというので毎日映画を見に行っても、それは毎日行かせるのではなくて、高校で生涯
教育を支えていくに足りる本当の基礎になる共通履修は厳格にさせることを前提にして、そういったような
可能性を将来開く。いま語学の問題だけ言いましたけれども、たとえば国語などでも、これはまた別な項目でやりたいのだけれども、国語を語学として学んでいく国語と文学としてのものと、多少いま
混乱があるわけですね。そういうことが言われているようです。それで特に国語の
先生が、本当は小説家になりたかったのだけれども、なれなかったから国語の
先生になりましたというような
先生のところに参りますと、どうも授業の内容が文学的なものになっていくというような傾向が相当あるようです。そういうような場合に本当の
日本語の特質といいますか、そういったものをよくこなせることがいまのどの
段階で、まあ小
学校でも中
学校でも高校でもそれはやっているわけだけれども、いまの
学校ないしは過去の
学校——私なども国語というのはしょっちゅう使っているはずですけれども、いざとなると非常に
言葉の選択に迷いながらこうやって
お話をしているわけで、非常に不自由を感じながらやっているわけです。そういうような問題は、本当の基本ですから高校の中でしっかりやる。だけれども、文学を志すような者は図書館などに行ってもらって、あるいは本屋の立ち読みでもいいから、これは極論でございますけれども、そのくらいの幅を持たせてもいいのではないか。そういうことになりますと、これは、高校の卒業のための単位数を五十時間から六十時間くらいに圧縮してもよろしいのではないかと思うわけです。そういった方向をもっと大胆にお
考えになり、示唆することが現時点で必要なのではないだろうか、そういうふうに御提案申し上げたいわけです。