○
芳賀委員 いまの
大臣の
説明は理解できたわけですが、とにかく
政令というのは、
国会が決める
法律の
目的に合致して、それを忠実に実行するために、
政令に委任しておるわけですから、
法律が考えていないようなことを勝手にやってはうまくないと思うのです。老婆心ですが、その点を十分に踏まえてやってもらいたいと思います。
あと数点ありますけれ
ども、いまのことは
政令事項ですから、特に
政府の責任において善処してもらいたいと思います。
次に、六番目は、四十九年
改正の場合においても、
農業者年金の低額的な——これはどうしてもそうなるわけですけれ
ども、
年金の
実態というものに弾力性を持たせて、たとえば専業農家、第一種兼業農家、これまでが
加入者の対象者ということになると思いますが、したがって、現在も他の
年金においても、
厚生年金制度等にも所得比例方式というのがあるわけですからして、この基礎
年金のほかに——給与所得者でありませんので
家族主義でやっておるわけだから、この専業農家、第一種兼業農家等の単に
農業所得に限定しないで、これらの農家所得の
実態というものを基礎にして、数
段階の簡素な所得比例方式というものを考案して、そうしてそれを
加入者が選択できるようなそういう形の、いわゆる所得比例方式等の創設を考える必要があると思うのですが、この点に対して、
大臣としてどう考えておられるかという点が六番目の
質問であります。
それから次に、七番目は、これも四十九年
改正の際もわざわざ附帯決議を付し、時の倉石
農林大臣からも、十分
検討するという確約があったわけでございますが、
農業者年金の
加入者の条件として、やはり
経営主と同様に
農業に従事する、いわゆる
世帯員である主婦労働に対する配慮というものは当然必要だと思うのです。
世帯主の主婦の場合においては、これは特例がすでに開かれておりますけれ
ども。たとえば一般勤労者の場合は、その勤労者の、まあ
岡安局長の場合を例にとると、
局長が
農林省で公務員として勤務しておる、奥さんが
農林省じゃなくとも、たとえば労働省でもいいが、結婚以来共かせぎで勤務しておるということになれば、これは夫婦そろっていわゆる公務員
年金の資格を確保して、老齢になれば
年金を受けることができるわけですね。給料取りは夫婦で勤め先があれば老齢
年金の
給付が受けられるわけだが、
農業の場合は、もう
経営主と一体になって何十年も働いておっても、その配偶者である主婦に加入権が与えられておらぬ。こういうところにもいまの
年金の
制度上の欠陥があるわけです。
それとあわせて、今回、
後継者の任意加入がだんだん拡大優遇されることになるわけでありますが、同時に、
後継者にはその配遇者がりっぱにおるわけですからして、結局家族
農業の
経営というのは夫婦一体になって協力して初めて
農業経営ができるわけでありますから、その
後継者である
直系卑属のその配遇者である嫁さんに対しても、やはりこの任意加入の道を速やかに開く必要があるというふうにわれわれは当初から考えておるわけですが、これに対して十分実現の努力を講じられておるかどうかという点。
八番目は、いま言った配遇者の
年金加入の問題とあわせて、遺族
年金制度というものが
農業者年金制度にはないわけですね。ところが死亡一時金
制度はある。
年金の受給権を確保する寸前で死亡した場合には、
法律によって死亡一時金が遺族に支給される。ところが、受給権が発生して第一回の
年金の
給付を受けたその直後でたまたま死亡した場合は、これはもう死亡一時金の対象にならぬわけですね。他の
公的年金の場合には、それを十分に最初から配慮して遺族
年金制度というものがあって、そうして遺族が
年金額の二分の一を終身受けることができるということになっておるわけです。だから、どうしてもこの受給権が発生してその直後死亡したというようなこういう事例を救済するためには、最初からもうこれは具備しておくべき遺族
年金制度というものを、この
農業年金制度の中においても速やかに創設する必要があると思うのです。これは
農業者年金制度研究会等においても必要性は認めておるわけでありますし、あるいは
政府の
審議機関等においてもその
検討の
重要性というものは
指摘しておるわけですから、これについても速やかに具体的な実現に取り組んでもらいたいと思うわけです。
次は九番目ですが、現行
制度では、災害によって
農地が流失、埋没し、被災農家が離農しなければならぬような場合に、そこに
年金資格が発生しないことになっているわけですね。こういうような本人の過失に基づかないところの不可抗力の災害等によってやむを得ず離農する者に対しては、当然、特例を設けて
年金受給資格を与えるべきであるというふうに考えるわけであります。これもやはり
政令の
措置でこれはできることでありますから、この点については特に
農林大臣として責任のある答弁をしてもらいたいと思うわけです。
十番目は、
実施時期の問題でありますが、今度の
改正案は、
昭和五十二年一月を
実施時期としておるわけですが、これに最も
関連のある
国民年金、さらに
厚生年金の場合は、
実施時期がことしの九月及び八月に施行するということになるわけですね。そうなると、ここにも
実施時期上の問題があるわけです。どうして
農業者年金というものを
政府が冷遇しておるかということにもなるわけでありますが、やはり
国民年金と
農業者年金というものは重大なかかわりを持っておるわけですね。特に
農業者の当然加入であるところの
農業者年金との
関連における定額
部分であるとか付加
部分というようなものは、これは
加入者が同一でありますから、
実施時期等についても少なくとも
国民年金がことし
改正して九月
実施ということになれば、その時期にこれは
実施するというのが当然だと思うのです。
それから最後になりますが、もう
一つ、この
農業者年金制度においても、
年金スライド方式というものがいよいよ採用されることになっておるわけでありますが、このスライド制の
実施時期についても、ことしは
農業者年金そのものの
改正をやるわけですからことしは無理としても、明年度
厚生年金、
国民年金がそれぞれスライド
実施時期の繰り上げをするというようなことになれば、当然、これは同じ
政府が扱うことになっておるし、特に
農業者年金の場合には、
厚生省と
農林省共管でありますから、意思の疎通がとれぬということはないわけですね。特に、ことしの
改正の
実施時期の問題ももちろんでありますが、今後のスライド制の
実施等については、当然その
実施時期をそろえる、おくれないようにするということが大事であるというふうに考えるわけであります。
以上について重要な点だけを率直、簡明に
お答え願いたいと思います。