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小川(省)
委員 この答申は、私は、余りにも問題が多過ぎるというふうに実は思っているわけであります。
調査会の中でいろいろ御意見も申し上げておりますから、いま多くを申し述べるつもりはありませんけれ
ども、私は、これは言うなれば保守党の単独永久支配を地方の
段階からねらいをつけてきたわなといいますか、そういう戦略の中にどうも自治省
行政局がはまり込んでしまったのではないかというふうにすら実は思っているわけであります。いろいろ言っていますが、
地方自治の日という祝日を一日ふやすということと引きかえに地方議員の半数改選をやろうというのが骨子だというふうに実は思っているわけであります。
問題点は、住民投票であるとかあるいは直接請求の数の問題だとかいろいろあるわけでありますが、三千三百の自治体はそれぞれ固有の歴史を特っているわけであります。きょうはたまたま広島原爆投下の日でありますから、広島やあるいは長崎等にしてみれば、原爆投下で破壊をされた都市が戦災復興をしていったという記念をすべき日もありましょう。あるいはまた、新市が町村合併等によって発足をしたというふうに、
地方自治の日というのは、それぞれの自治体によって固有の記念をすべき日を持っているのが
実態であろうというふうに思っています。これを、自治体独自でそういうような特にその自治体にとって自治を記念すべき日を制定するのではなくて、お仕着せ的に
地方自治の日で取りくくっていこうというような
行政局の発想自体に
地方自治意識の醸成などということは考えられない。中央集権化をするか、いわゆる中央統制を期していくというような発想の芽がその中にあるというふうにすら実は思っているわけであります。私は、
地方自治の日の制定にそういうような裏は見えたりというような
感じが強くするわけであります。もっともらしく外国にも例があるなどということを言っておりますけれ
ども、議員も首長も公選制というような国ではそんな例は実はないわけであります。四年制という任期はあるけれ
ども、長が不信任案を受けて議会を解散するなどという地方議会もあるわけですから、半数改選などというのはとてもなじむしろものではないと思っております。
六月十六日の
調査会の総会に私も
出席をいたしました。
出席人員はちょうど三十人であったわけであります。審議をしている中で、私
どもを含めて九人の
委員が反対あるいはまた消極的な反対、議員の半数改選の項を除いて賛成という意見があったわけであります。賛成などという意見は実は
一つもなかったわけであります。地方議会を代表する全国議長会の都道府県市町村の議会の代表もそれぞれ反対の意見を申し述べているわけであります。学識経験者の中の中立の人たちは、この項を除いて出したらどうだというような意見があったわけであります。そういう
状態で、反対九人賛成二十一というようなことを会長は言っているわけでありますが、これは三好会長が強引に採決に持ち込んだわけなのです。民主的な
会議運営のルールを知らない古い方ですから、ある
意味ではやむを得ない面もあろうかと思いますが、そういう方が地方制度
調査会の会長になっていること自体も実は問題であります。こういうような中で自治体の民主化なんということは生まれてこないと私は思っています。いずれにしても本当の
意味で採決をすれば反対者、そして起草
委員である賛成者、そして保留というのが
調査会の
実態であったというふうに思っています。
これは何か前の
行政局長が置きみやげで残してきた 従来
行政局かかんでいる地方制度
調査会の答申というのはなかなか具体化されない、これだけは自治省限りでできるのだという形で置きみやげをしたけれ
ども、どうも少し先へ足を出し過ぎたものだというふうに思っているわけであります。
行政局長、現在、地方議会の反対の意見書はどのくらい出ていますか。お答えいただきたいのですが、私は、九月、十月の地方議会の定例議会を経れば、地方議会の可半数、いや恐らく圧倒的多数、ほとんど一〇〇%に近いほど反対意見書というのが自治省に上がってくることは明らかだと思うのであります。実は去年推した起草
委員会が、最終的にはいま大臣が御答弁になったように、
関係者の意見を十分に聞いて慎重な配慮の上で対処をするというように修正をして
表現を直したわけなんですが、地方制度
調査会の答申というのは、全会一致で上がってきたものも五年、六年、十年と実は法案化をされなかったという地方事務官の実例な
どもあるわけでありますから、林前
局長が置きみやげにされたといっても、何もこれを尊重していくことはないわけであります。こういう反対の多い答申、内容的にもまさにずさんなもの、こういうものですから、地方議会のほとんど全部が反対というようなものについては、私は現在の
段階で当然はっきりした対処を打ち出すべきであると思っております。こんなのはまさに非民主的な方に移行する最たるものでありますから、特に筋を通されて、そういう面で人一倍理非曲直を明らかにされる福田自治大臣ともあろうものがよもやこんな法案をつくろうというふうには思っておりませんけれ
ども、この際、こういうようなものはかなり問題が多いのでたな上げをするとか、これを
実施するつもりはないとか、ぜひひとつ大臣の見解を明らかにして、全国の地方議会のすべてが反対意見を持ってながめている当面の問題でありますから、大臣の見解を明らかにしていただきたいということを重ねてお願いをいたしたいと思います。