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横山小
委員 気持ちはわかるということなんですけれ
ども、たとえばいまの話の一号、二号を第一
段階として三年にするというならわからぬではないですね。しかしそれが、第一
段階という前提を抜きにいたしますと、
法律で五年と決まっておるものを、四年目からはマイクロがあるなら原本を破ってもいいという理屈はどこに生まれるかというと、それはないのであります。そういうことが許されるなら、二年であろうと一年であろうと同じことだという理論になるわけであります。しかしあなたがおっしゃるように、この問題を漸進的に
考える、流動的に
考える、社会並びに
税務署の中でなじむように
考えるという
意味において漸進的にまず三年、それから二年、一年、ゼロにするという
考え方が前提にあるならば、またそれも
一つの方法と思うにやぶさかではありません。
いずれにしても、私はあえて言うのでありますけれ
ども、いまマイクロ化しておる会社が原本を破棄した場合、
自分のところはこのマイクロについて
手続その他、私が先ほど
指摘したようなやり方、方法、客観的に公正なやり方でつくったのであるから、もう破棄してしまった。あしたから破棄してしまうという場合に、それは
税法の違反になるのかどうか、こういうことなんであります。私は少し問題を隔てて
考えるわけでありますが、最高裁の判決はその点について有利な手がかりを
納税者に与えたと思います。この答えは、あえて私は聞こうとは思いません。そういう判決がもう出ましたよと、あなたが三年と言っているけれ
ども、あしたからマイクロ化して原本を破ってしまったというところが出たらどうしますかという問題提起だけをしておきたいと思います。そこで、
国税庁としては一層ピッチを速めてこの問題に取り組まれるよう特に要請をしておきます。
最後でございますけれ
ども、いまここに源泉徴収に関しまして違憲
訴訟をしております書類がございます。源泉徴収、つまり勤労者が
自分の給料から直接引かれるのは憲法違反だという根拠というものは、いまの納税
制度が申告を基本にしておる、おれに黙って給料から引くというのはけしからぬということにあると思うのであります。しかし、
納税者がそういうことを言うのはどういう
理由か。おれに黙って引きやがったけれ
ども、このやり方なら
税金は安いから、まあまあだと言って文句は言わないでありましょう。問題は、勤労者の
税金が高いからおれに黙って引きやがってけしからぬというところにまで発展をすると思います。勤労者につきましては御存じのように——御存じのようにと言ってはあなた方専門家に失礼でありますが、勤労所得控除という特別な計らいがしてあります。それが、勤労者一般でなくて、いまたとえば生命保険外務員は、報酬の経費率が四四%になっています。それから電建だとか殖産住宅の営業部員の業績給は経費率が四〇%になっています。それから保険会社、簡易保険や郵便貯金等の勧誘員等の報償金は、事業所得で経費率が四〇%になっています。ガス、水道等の集金人、これの経費率が四〇%になっています。私が
指摘をしたいのは、その四〇%になっておる数字の差はさりながら、なぜそういう経費率を採用しておるかといいますと、要するにその分は、請負給的なものは事業所得であるという判断に
国税庁は立っておられるようであります。しかし、その事業所得を受ける勤労者は正規に生命保険会社の労働者であり雇用
関係がある。ガス会社のあるいはNHKのあるいは日本電建の正規の雇用されておる労働者がその歩合給なり業績給なり請負給の一部、その部分はこれは事業所得だ、こういう判断に立っているから四〇%なり四四%というそういう
制度が認められるのだ、こういう理論のようであります。
そこで、この間一歩突っ込んで、そういう
人たちが退職金をもらったときはこれは事業所得か、それとも勤労所得として退職金
課税の
税金が適用されるのかというところへ参りましたら、何かあなた方の御
答弁も八幡のやぶ知らずに入ったようで混迷しておると思われるのであります。
私が言いたいのは、時間の
関係上結論を申し上げますが、こういう普通の労働者の給料の一部を事業所得として見ることに理論上間違いがあるのではないか。その間違いを犯すから、だんだんそれならば、それならばというふうになっていくと、何だか理屈が怪しくなっていくのであるから、この際、一般の労働者の中にも、普通の雇用
関係の中にある労働者の中にも特別に経費の要る労働者がおるのだ。朝九時に行って五時に帰ってくる労働者の中にも、
自分の金を使ってお菓子を持っていかなければならぬ、そして歩合給でもらった金の中から何かバックペイをしてやらなければならぬ、あるいは特別に
自分が車を持たなければならぬ、何をしなければならぬという、特別に経費の必要な労働者がおるのだ。その労働者の経費は所得税の中で見てやるべきだ、こういうふうに発想を正規の路線に変えたらどうか、これが私の第四番目の
意見なんであります。
この
意見についてはずいぶんあなた方も採用するにちゅうちょなさると思うのであります。ちゅうちょなさるかもしれぬけれ
ども、年々歳々この違憲
訴訟の基本にあります物の
考え方を少し素直にながめてみる必要がある。こういう正規の労働者の給与の一部を事業所得だという発想に立てば、それじゃ退職金はどっちだというふうになって、ややこしくなるということになると思いますから、この際、これらの問題について一遍再検討をなさる必要がないかと思いますが、いかがですか。