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1976-05-20 第77回国会 衆議院 大蔵委員会金融機関の週休二日制に関する小委員会 第1号 公式Web版

  1. 会議録情報

    小委員会昭和五十一年四月二十七日(火曜 日)委員会において、設置することに決した。 四月二十七日  本小委員委員長指名で、次のとおり選任された。       大石 千八君    金子 一平君       小泉純一郎君    塩谷 一夫君       野田  毅君    宮崎 茂一君       毛利 松平君    山下 元利君       佐藤 観樹君    武藤 山治君       山田 耻目君    増本 一彦君       広沢 直樹君    内海  清君 四月二十七日  山下元利君が委員長指名で、小委員長に選任  された。     ————————————— 昭和五十一年五月二十日(木曜日)     午前十時八分開議  出席小委員    小委員長 山下 元利君       瓦   力君    宮崎 茂一君       佐藤 観樹君    武藤 山治君       山田 耻目君    増本 一彦君       広沢 直樹君    竹本 孫一君  出席政府委員         大蔵政務次官  唐沢俊二郎君         大蔵省銀行局長 田辺 博通君  小委員外出席者         大蔵委員長   田中 六助君         大 蔵 委 員 山本 幸雄君         参  考  人         (金融制度調査         会会長)    佐々木 直君         参  考  人         (全国銀行協会         連合会会長)  中村 俊男君         参  考  人         (全国銀行協会         連合会事務局         長)      中林哲太郎君         大蔵委員会調査         室長      末松 経正君     ————————————— 五月二十日  小委員小泉純一郎君、塩谷一夫君及び野田毅君  四月二十八日委員辞任につき、その補欠として  小泉純一郎君、塩谷一夫君及び野田毅君が委員  長の指名で小委員に選任された。 同日  小委員大石千八君及び内海清君同日小委員辞任  につき、その補欠として瓦力君及び竹本孫一君  が委員長指名で小委員に選任された。 同日  小委員瓦力君及び竹本孫一君同日小委員辞任に  つき、その補欠として大石千八君及び内海清君  が委員長指名で小委員に選任された。     ————————————— 本日の会議に付した案件  金融機関週休二日制に関する件      ————◇—————
  2. 山下元利

    山下委員長 これより金融機関週休二日制に関する小委員会を開会いたします。  この際、一言ごあいさつ申し上げます。  先般再び本金融機関週休二日制に関する小委員会の小委員長に就任いたしました。何とぞよろしくお願い申し上げます。  金融機関週休二日制に関する件について調査を進めます。  本日は、参考人として金融制度調査会会長佐々木直君、全国銀行協会連合会会長中村俊男君、全国銀行協会連合会事務局長中林哲太郎君が御出席になっております。  各参考人には御多用中のところ本小委員会に御出席を賜り、まことにありがとうございます。  これより質疑に入ります。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。山田耻目君
  3. 山田耻目

    山田(耻)小委員 週休二日制の小委員会を開くに当たりまして参考人としておいでいただきました佐々木会長さん、中村会長さん、中林事務局長さん、本当にお忙しいところをありがとうございました。  この問題につきましてはかなり実質的には銀行協会を通しまして作業が進められておるようですが、法制上の問題が絡んでまいっておりますので、まず最初に、銀行法改正について手がけておられます佐々木金融制度調査会長の方にお伺いしたいと思います。きょうは最初に御意見を伺ってそれから質疑に入るという形式はとりませんで、問題の焦点がはっきりいたしておるものですから、すぐ質疑の形を通してそれぞれ入り組んだ交互の御質問を続けてまいりたいと思いますので、そのように御承知をいただきたいと思います。  まず、佐々木さんにお伺いいたしますが、昨年の四月二十三日に金融関係週休二日制の問題につきまして大蔵委員会大蔵大臣とかなり時間をかけて実情を詰めてきたわけであります。その中で大蔵大臣は、今日の日本産業の中で週休二日制をとっておる民間企業は非常にふえておることはよく承知をしておる、当然銀行関係の十八条の手直しをするなどして金融関係週休二日についても深く考慮したい、しかし経済事情等のかかわり合いが非常に強い金融機関週休二日については早々に決着をつけることができがたい、それできょうはそういう関係もあって大蔵省だけの判断ではなくて関係省庁とも相談をした結果を述べたいということで次のような表明がなされたわけです。ちょうど五十年四月二十三日の段階でしたので、一両年のうちには、条件の成熟を待つということもあるけれども決着をつけたい、そうして制度改正等については佐々木会長金融制度調査会において十分こなしてもらいたい。いま一点は、一両年ということについてかなり抽象的な表現でございますから、日本労使関係、これは労使合意すれば非常に尊重され、大事にされるものなんですが、当時金融界労使の間で一つの妥協ができておりました。それは五十一年の上期を目途として銀行週休二日に入りたい、こういう結論が出ておりました。だから大蔵大臣の言う週休二日を一両年のうちに解決への努力目標としたい、この一両年というのは労使間でまとまった五十一年上期ということを目安にしなければなるまいという私の主張に対して、そこを目安として努力をする、こういう答弁で五十年四月二十三日の質疑は終わっていったわけです。その間、大蔵大臣態度は非常にまじめでございまして、政府態度を信頼をしてくれ、これは一つ社会の趨勢であるし、この問題を片づけるのに座して片づくとは思わない。だから精力的に本問題に取り組んでいく決意の表明もあわせてなされたわけです。  そういう一連の動向を受けまして私たち政府を信頼してあるいは関係機関を信頼いたしましてその作業が進められているものと判断をいたしました。しかし、なかなか現状はそのような具体的な進捗を見せてくれていないように私は考えますので、きょうはその立場、今日の実態はどうなっているかということをひとつお伺いをするわけです。  金融制度調査会ではこの大臣意向を受けて今日までどのような制度上の改正について会議を重ね、議論を深めてこられたのか、その点についてお伺いいたしたいと思います。
  4. 佐々木直

    佐々木参考人 ただいまの週休二日制の問題につきましては、御紹介のございました大蔵大臣の去年の四月二十三日のお話につきまして、金融制度調査会の第一回の総会、昨年の五月十四日であったと思いますが、その席上銀行局長からこういう推移になっておるという国会におけるいろいろのお話の御紹介がまずございました。したがって、金融制度調査会としてはそういう問題がいま正面に出ているということは第一回の総会で皆委員紹介されたわけでございます。それから、そのときのお話につきましては、政府閣僚懇談会というものが大蔵大臣お話によってできる。ですから、そこの御検討をわれわれとしては注意して見ていくという感じで、銀行局長お話を聞いておったわけです。  それから、金融制度調査会自身審議の状況を申し上げますと、これは御承知のように昭和の初めにできました銀行法改正中心検討していくということに大蔵大臣からの諮問を受けております。したがって、それに対応いたしまして基本的に普通銀行中心としたその性格、機能その他一般の問題について検討していくという趣旨七つ研究項目を取り上げまして、それを逐次いま検討しておる最中でございまして、ただいまのところは第三番目の「銀行資金配分機能あり方について」という問題について小委員会において検討をいたしておるのでございます。この七つの問題の中の第五番目に「銀行取引サービス面における諸問題について」という課題が挙げられておりまして、ただいま御指摘のございました週休二日制の問題などは当然ここで議論をしなければならないことになっておる、そういう段取りで今日進んでおるわけでございます。それからこの金融制度調査会総会並びに小委員会におきましてときどきやはり週休二日制の問題が委員から発言されることはございます。できるだけ早くその問題を取り上げたらどうかということも言われる方もございましたし、それからまた、この問題は非常に関係するところが多いし、特に中小企業との関連を考えてよほど慎重にいろいろ考慮してもらわなければ困るというような発言もございましたし、中には三時の営業時間の切り上げというのは早過ぎる、もう少し延ばしてほしいというような意見も出ておりました。しかしまだみんな個々意見として出ておりまして、この問題を集中審議するという段階にはまだなっておりません。いまのところはただいま申し上げましたような七つ項目につきまして順次検討を続けていくということで進めておるのが現状でございます。
  5. 山田耻目

    山田(耻)小委員 そうすると、銀行法改正の中の一部として十八条改正を含めておると、五月十四日第一回総会大臣からその意向表明されて、内閣の中に設置をしておる閣僚懇談会動向を見ながら、金融制度調査会研究項目の五番目において取引サービスの面を含めながらこの問題を考えていっておる、まだ集中論議段階ではない、こういうお話の御様子です。どの程度佐々木さんが四月二十三日の大蔵委員会の内容を御存じかわかりませんけれども、あの委員会でも大平大臣が、昭和二年にできた銀行法でありますから、非常に古い、だからそういう制度全般について銀行法改正をしなければならぬ、当然そのときに十八条の改正も行いたいという意向は述べられましたが、今日労使関係なり日本経済の中にかなり——一般企業週休二日制が八〇%も八二%にも及んできておる現状にかんがみて、銀行労使間の約束だけが十八条が邪魔になってできないということでははなはだ困る。だから、この銀行法十八条は非常に緊急性があるものとして、全体の速度と同じ速度で進めるのではなく、速度を速めてやり得るということも当然考えなくてはならぬという私の提案に対して、そうだと、見切り発車をさせてこれだけ片づけるということはなかなか直ちに返事はできないにしても、そういうふうな趣旨を踏まえて制度調査会にお願いをしたい、こういうことをおっしゃられていたわけですが、そういうことは佐々木さんの制度調査会には、大蔵大臣意向としては十八条を最も大事にしてできるだけ早く片づけるようにということのお話はなかったわけですか。
  6. 佐々木直

    佐々木参考人 ただいま御披露いたしました五月十四日の金融制度調査の第一回総会における銀行局長の御披露の中では、大臣から十八条を特に先議せよというような御趣旨説明はございませんでした。
  7. 山田耻目

    山田(耻)小委員 銀行局長は、その五月十四日の第一回総会にはお出になりましたか。
  8. 田辺博通

    田辺政府委員 それは前銀行局長の時代でございますが、私個人は存じませんが、いま会長から御答弁があったとおりだと思います。
  9. 山田耻目

    山田(耻)小委員 そういたしますと、四月二十三日の大蔵委員会で非常にまじめな態度で双方がこの問題にしぼって議論をし、約束したことは、大蔵省としてはおやりにならなかったということなんでしょうか。その点は、当時の局長ではなかったのですが、田辺さん、その後の情勢を受けてどうお考えになっておられますか。
  10. 田辺博通

    田辺政府委員 私もこの五十年四月二十三日の大蔵委員会議事録を十分読ませていただいております。先ほど来御指摘のように、大平大臣が四つの項目に分けてるる答弁をされておるわけでございますが、その中で、金融界労使の問で追求されてきた共通道標、これは山田議員の五十一年六月を目途に云々というお話に対してのお答えでございますが、その共通道標を十分踏まえた上でこの問題に取り組むという答弁をされております。金融制度調査会審議の方につきましては、「この問題、つまり銀行法全面改正というような問題とこの問題を切り離してやるのか、一つのまとまった形で早急に仕上げていくのか、そういった点も早く、私も金融制度調査会の幹部の皆さんと御相談しなければならぬと思っております。」このように答弁されておりますので、はっきり切り離してやりたいということを答弁されているわけではございませんけれども、先ほど会長からお話がありましたように、この問題はその前に大臣答弁されております第一の項目として、関係閣僚懇談会にこれを早く検討をしていただくように閣議の席上で要請をする、こういう答弁をされておりまして、そのとおり行われているわけでございます。
  11. 山田耻目

    山田(耻)小委員 いまあなたのおっしゃったことは、私と大平さんとが四月二十三日に委員会でやって一応の合意を得たものなんです。確かに古い銀行法ですから、十八条だけを切り離して改正をするということは、全体との絡みがあるのでできがたいが、労使間の合意もあるし、一般経済界週休二日も八十数%と進行してきておるし、無視できない。無視できないので、十分配慮して、閣僚懇談会にも討議を願い、制度調査会にも討議を願って進めていきたい。それは十八条を非常に大事にして措置をするということの意向表明なんですよ。いまの佐々木会長お話では、非常に重要なものとして取り上げられていくとするならば、あるいは大平大臣意向がそうであるとするならば、私は制度調査会では第五番目に置かずに、こういうものを取り上げて集中的に審議なさってしかるべきではないかと思ったわけです。しかし佐々木会長お話では、まだ集中審議もやってないし、五番目の方に置いているのだ、こういうお話は、私は、佐々木さんを責めるというよりか、大蔵省の指導が悪い。そういう四月二十三日の大平大臣と私のやりとりを正しく受けて、あの答弁なさったそのままを私は閣僚懇にも諮られたり、制度調査会にもかけられて議論を願っていない、そういう態度の結果がこういう事態になったのではないか、こういう気がいたしますから、あなたのいまのお話は少しいただきかねるなと、こういう気がいたしておるのですが、どういうときにどういう立場大平大臣の見解が述べられたのでしょうか。それはさっき話のございました五月十四日の第一回総会で述べられた以後どういう手だてを打たれてこられたのですか、それをひとつ聞かしていただきたいと思います。
  12. 田辺博通

    田辺政府委員 五月十四日の第一回の総会のときには、諮問に当たりましての銀行制度についてのさまざまな国会における議論も含め、さまざまな批判といいますか問題とそういう背景を前銀行局長から説明をしました。その中にもちろん週休二日制の問題も重要な問題として指摘されているわけでございます。その後金融制度調査会は諸外国を含めましたわが国の銀行制度についての歴史的な沿革それから外国制度等いろいろな実態面検討、勉強をされまして、そして小委員会を設置されたわけでございます。その小委員会におきまして大まかな今後の議事項目についての整理をされたわけですが、その中に一つ項目として先ほど制度調査会長が述べられました銀行取引サービス面の問題という項目があるわけでございます。  御案内のように、この前は「銀行の役割について」という基本的な銀行機能に関する検討の中間的な取りまとめが行われたわけでございますが、そういった基本的な議論から始まりまして、現在は資金配分の問題というものに取り組まれておるわけでございまして、順次、今度はその取引サービス面の問題のところでは、当然のことながら週休二日制、十八条の問題に入っていく、こういうことになると思いますが、それまでの総会も数回開かれまして、総会の席におきまして、やはり週休二日制の問題が議論になったことがございます。  それは先ほど会長がちょっとお触れになりましたが、その際、私になりましてからも、私から経緯を説明いたしておりまして、関係閣僚懇談会検討をしていただくように——といいますのは、これは銀行のみならず、銀行が休むということは他の種の金融機関郵便局を含めまして、あるいはまた一般民間企業——銀行自体信用取引の媒体でございますから、まさしく他の一般企業取引休み方といいますか、事業のあり方、こういうものに十分関係がございます。したがって、単に銀行法のみならず、手形法小切手法の問題でもあるし、あるいは国税通則法の問題にも関連してくる。それから郵便局休みの問題になりますれば、当然のことながら公務員休みの問題にも絡んでくる。いろいろな問題があるので、関係閣僚懇検討をしてほしい、こういうことになっているわけでございまして、関係閣僚懇では、その下部機構といいますか、関係省庁連絡会議というものでもってその検討をやっておるところでございます。
  13. 山田耻目

    山田(耻)小委員 それは、閣僚懇下部機構も含めてどういう結論をいま公務員週休二日には出しているのですか。
  14. 田辺博通

    田辺政府委員 他の方の部会のことは詳しく存じませんが、この金融機関休みの問題を特にまたやろうということで、新しく第五部会というものをつくりまして、その第五部会におきまして金融機関休み及びそれに関連する諸問題の検討をしているわけでございまして、もちろんこれはいろいろ問題が指摘されておりまして、結論が、あるいは結論めいたものがいま出かかっているという状態ではございません。
  15. 山田耻目

    山田(耻)小委員 私は、いまの銀行取引サービス面の中に週休二日、十八条改正と絡ましているので、その段階が、間もなく審議をされれば、そこで一つの方向づけもされる、それが金融制度調査会一つ審議日程だとお伺いしました。しかしただ、銀行局長のお気持ちの中には、すぐそれから派生する郵便貯金の問題あるいは農協の問題、中小企業のいろいろな意見の問題、それが公務員週休二日に発展をしていって、問題を進展させるのにはかなりの困難さがあるということがすぐ次に出てくるわけですね。そうずばりはおっしゃっていないのですけれども、そういうことが今日までの週休二日のこの問題について歯どめになってきたのではないか、私はそういう気がするわけですよ。  しかしいずれにしても、銀行局長なり佐々木会長の方にはなお重ねて質問を後ほどいたしてまいりますが、その前に中村会長さん、一体銀行労使はこの問題をどう受けとめて今日まで作業なさってきたか、その実態をひとつお話しいただけませんか。
  16. 中村俊男

    中村参考人 先生から御指摘のように、五十一年の前半を一応の目途として完全週休二日制に入りたいという希望全銀協としては表明いたしたのでございます。もちろんそれまでに組合の方からも強い要請がありますので、その希望表明に対してはもちろん組合の方も賛成であるということで、労使約束というほど強いものではなかったのでございますが、希望表明でございました。それに対しまして、金融機関、まあ銀行でございますが、銀行側といたしましては、土曜日が休みになることに対して、あらかじめ非常な混乱の起きないように事務の調整を図っていこうというようなことで、要するに、一口に申せば土曜日の取引をその他の日に移していくように準備をしていこう。具体的に申せば、土曜日の外部訪問等はひとつだんだんやめていこう。あるいはお取引先手形の期日が土曜日になるようなものはよその日にできれば変えていただくようにだんだんお願いしていこうというようなこと。しかしこれは個々銀行個々判断してやることでございまして、これは全銀協ベーシスでやれる性質のものではないのでございます。またやることに多少問題を残す余地もありますので、これは個々銀行がそういうことに努力いたそうということでやってまいっておるのでございますが、私どもの基本的な姿勢といたしましては、もうすでに、御指摘のように各産業も含め、中小企業も含め、また国民大衆各位の日々の暮らしに相当密接な関係を持っておりますので、その十八条の問題以前に、やはりなるほど銀行も休むようになったなという納得と申しますか、社会的なコンセンサスが得られますことを私どもは非常に希望いたしておりまして、そういう情勢で私どもはやってまいりたいという気持ちがまず基本でございます。そういう意味で、全国週休二日制の問題などについてもひとつ、金銀協として希望表明した以上調査を出し、調査報告もやっと三月にでき上がりまして、そういう社会納得コンセンサスを得られるために助けになるというような意味で、それを関係筋にも努めてお配りしているというような段取りでいまやっておるわけでございます。  繰り返すようでございますが、他の金融機関も含め、社会的に、銀行も土曜日休むのもなるほどなというようなコンセンサスを得られることを強く期待しておるわけでございます。
  17. 山田耻目

    山田(耻)小委員 御努力の跡は私もよく承知をしておるのですが、それは全銀協という銀行経営者の団体ともちろん働いておる従業員労働組合との合意によって、労使合意によってその作業は生まれてきたものであると私は理解しているのですよ。それが私の国会での表現では銀行労使約束労使間の合意という立場で申し上げておるのですが、そういう約束ではない、銀行協会側意向表明として述べてきた、こうおっしゃっているわけです。  いつでございましたか、金融制度調査会公聴会で、前の第一勧銀の井上会長からその意向が述べられて、銀行法十八条の改正の要望が出されておりますね。だから、皆さんたちのそうした動きというのは、もちろん国民コンセンサスを得るということで、幅広く金融業の持つメリットを考えて、混乱を防ぐためになされておるという配慮銀行労使間で、他の日本民間産業が八二%も週休二日に入っておる、こういう実態、しかもその中には完全週休二日に入っておるのが四〇%を超えてきた、この実態を踏まえて措置をしていかなくちゃならぬ。そこが、銀行個々判断ではあるけれども、いろいろ勤務ダイヤをつくって、それぞれ操作をして、四週に二日だとか四週に一日だとか週休二日に準ずるような措置をなされておるのも今日の現実ですね。こうしたものは、一つ銀行労使約束に基づいて実施をなさろうとする意思。だから国民コンセンサスを得て混乱を起こさないようにする措置、法的には銀行法十八条の改正を求められた公聴会での意思現実週休二日に近寄っていくような部分的な作業をなさっている今日の銀行労使意思。これは突然わいたような事柄じゃない。計画的に意思を持っておやりになっておる。しかも、混乱を起こさないように、アメリカなりヨーロッパの銀行実態調査をなさって日本参考にしたいという配慮動き。これらをおしなべていきますならば、銀行ではもっと具体的に積極的な意思表明があってしかるべきじゃないか。それは金融制度調査会に対する意思表明ですね。ここらあたりは今日どのような方向でなされておるのか。公聴会井上会長がお述べになった範囲でとどめられておるのか、あるいは前の板倉さんの立場でやられた以外のことはいまだおやりになっていないのか。中村さんが会長になられてから、おれはこういうふうに大蔵省なり金融制度調査会意見表明した、こういう銀行法十八条の改正に手をかけている金融制度調査会ないしは大蔵省ないしは大蔵省を通して関係閣僚懇談会、これに働きかけてこられたという事実はございませんですか。
  18. 中村俊男

    中村参考人 私も、先般全銀協会長に就任いたしまして、そのために金融制度調査会委員を拝命いたしたわけでございまして、小委員会委員にも任命されておりますが、第一回の会合に私はちょっと東京を離れるやむを得ない出張のために欠席いたしまして、まだ調査会には出席いたしておりません。しかし、私ども金融制度調査会において週休二日制の問題につきまして前向きにお願いする意見、そういう姿勢で私が臨むということは当然のことでございまして、私の個人の考えといたしましては、週休二日制というのは、ただいま段階的にいろいろと変則的に就業を四週に二回とかそういうようなやり方でやってはおりまするけれども、しかし、これはやってみますと必ずしもうまくばかりはいっておりませんので、組合の方々もそうであると私は理解しておりまするが、やっぱり完全週休二日制に持っていきたいということでございます。そうなりますと、いまのようなやり方は、土曜日は営業いたしておるようなことで内部の従業員の休暇制度でやっておりますけれども、そういうことでなく、完全二日制にしたいということであります。  先ほどの話の繰り返しになりますけれども、もちろん私どもといたしましては法律改正がなければできないことはわかっておりますけれども、しかし、仮に法律改正ができたからということであっても、私個人の感じといたしましては、やはり皆さん納得する段階でこれをやりたい。そうでないと、やはりいろいろ金融機関、特に銀行に対する批判の強い昨今でございますので、その点は社会コンセンサスの醸成ということに私ども非常に気を使って進んでまいりたいというのが率直なただいまの感じでございます。
  19. 山田耻目

    山田(耻)小委員 中村会長さんの苦心のあるところは私はわかります。ただ問題は、あなたのお出しになっておるアメリカなりヨーロッパの調査報告を見ましても、一番最後に銀行週休二日に踏み切りましたイギリス、六九年ですかね、そのイギリスが一番懸念をしたのは、やっぱりコンセンサスあるいは混乱、こういうところにあったようでありますし、アメリカ調査の報告書を読んでもそういうふうなものが出ております。しかし、アメリカではそういう懸念はしたけれども全然心配はなかった、カナダでもそうだ、イギリスは若干この配慮の幅を広げていきましたためしにむしろその方で混乱が起こっていたというふうに書かれておりますので、私は、若干国民とのコンセンサスなり動揺というものは杞憂に過ぎぬのではないだろうか、こういうことをあれを読みながら感ぜさせられたのです。だから、いま中村会長のおっしゃっていることは、やはり内部で週休二日に近づいていくために、あるいは国民コンセンサスを得るために、片側では従業員の期待にこたえるために、一応中途半端な施策をとっておるが、必ずしもそれは成功しておるとは思えない、だからむしろ法制的な措置をして完全週休にした方が混乱が縮まるというふうに私はお聞きしたわけです。私も同感です。  あなたの次に出てくる言葉の中に、やはりいまのやっている措置に不十分さがある、銀行の信頼が今日問われているときになお懸念される。今日の銀行に対する国民の不満というものは週休二日じゃないのですよ。いまの中小企業あたりが強く言っているのは、依然として残っている歩積み両建てに対する不満なんです。だから、不満のよりどころというものを区分けをなさいまして、銀行姿勢を正さなければならぬ事柄といまの一般的な論議の中から出てくる週休二日の問題とは区別をされて、私は、銀行に対する不信感というものはそういうふうに整理をなさって週休二日には踏み切っていただきたい。いまおやりになっている中途半端なやり方では、その専門の担当者がずっとかわっていくものですから、それによって生ずる事務の渋滞による民間の不安、担当が専門でないものですからミスも起こる。そういうミスがふえる、混乱が続く、こういうことがかえって窓口業務を渋滞させておるのですから、私は、あの中途半端なやり方では国民コンセンサスは得られない、やはり国民コンセンサスを得るのなら、この際銀行法十八条を改正して週休二日に入るべきである、こういうふうに結論づけられるわけですよ。その点は中村会長も同意なんでしょう。いかがですか。
  20. 中村俊男

    中村参考人 おっしゃるまでもなく、私ども完全週休二日制をいたしますのには、やはり法律の改正をしていただかなければできないことは明らかでございますけれども、私の申しておりますのは、これはもちろん法律の改正に至るまでには、コンセンサスが得られるから改正されたのだというふうな見方も立ちますけれども、私どもの考え方としては、もちろん法律改正がなければできないことはわかっておりますが、しかし、法律改正されたからすぐどんどんやれというようなところまでに、また繰り返しでございますが、社会皆さん銀行も土曜日休むのはいたし方ないなという、そういうところまでぜひひとつ御納得いただける情勢が熟成されますように、私ども努力いたしますし、そういうことの前提でやりたい。少し杞憂だという御指摘がございますけれども、いろいろといま私どもの置かれております環境、それから私どもがはだで感じておりますのにはやはり万全を期していきたい。とにかく相当影響するところが大きいことは事実でございますから、納得を得てやりたいということで、ただいまやっております従業員の中の月に二回とかいう、そういう週休二日制みたいな制度は、お取引先、外に対しては営業しているわけでございまして、御指摘のとおり、歩積み両建てが不信感なんだとおっしゃいますけれども銀行のミスに対しても相当辛らつな御批判があるので、組合従業員の者も、どうしてもやりくりで、ふなれな者をそこへ回さぬとそういうことができないということがあるものですから、従業員もいやがります。また、もちろん協力しておっても、なれないことでありますからミスが出る、そういうことに対しても私どもは十分注意してまいらなければならないわけでありますので、何とか早く完全週休二日制に踏み切りたいという前向きの気持ちは全然変わっておりません。
  21. 山田耻目

    山田(耻)小委員 四月十日に、まだ当時板倉さんが会長ですね、五十一年の上期に週休二日に大体踏み切る目途としてやりたいというのは私たち承知しておりましたし、それは四月二十三日の大蔵大臣との議論の中にも生きてきておりますし、もちろん前提は銀行労使約束、それを少し、今日の経済状態なりいろいろなコンセンサスの成熟の中で五十一年上期の実現を目途とすることはちょっとむずかしい、だから、ひとつ決議文を出して何とか延期しようじゃないかという動きが出てきたと伺っているわけですよ。しかし、それに対して今度は中村さんが会長になられるので、三菱銀行にその意向を聞いたら、中村さんの意向だと私も承知をするのですが、いけない、五十一年上期実施は必ず変えないという強い決意をお述べになって、その決議案はとうとう日の目を見なかったというふうな事柄を聞いております。  だから、私の判断では、あなたのそういう御決意というのは、今日の銀行内部の混乱あるいはミスの多発、あるいはいろいろなコンセンサスを得るとは逆に銀行の不評判が出る、こういうことをも考慮して、早く法律を改正して週休二日に入る銀行内部の決意を改めて御確認なさる意思でその決議案文を否認されたと私は理解するわけです。  そうして、五月十六日の東京新聞に、あなたが会長に就任なさって、改めてあなたの決意が出ております。不況克服に明かりの出てきたこの時点を逃してはならない、こういう意味の理解のようにも受け取れますし、週休二日についてはこの時期を外してはいけない、実行したい、こういうふうな記事になっております。  私は、四月十日の決議案文の否認なり、あなたが会長に就任なさってからのあなたの決意の表明なりを考えるならば、それはいろいろなよってもつ事情はあったにしても、早急に銀行法十八条を改正して完全週休二日に入る体制を整える、こういう意向が重ねて明らかにされたものだと私は理解しているのですが、そこは一体、私が理解するのが誤りなのか、誤りであるとするならばどこが誤りなのか、ひとつお聞かせをいただきたいと思います。
  22. 中村俊男

    中村参考人 いま山田先生御指摘の、私がそれはいかぬというような、そういう決意の表明にとれるような事実、私自身全然覚えがございませんから、それは何かのお間違いでお耳に入っているんじゃないかと思います。私自身そういうことはございません。この東京新聞、ここでいまあれですが、これも、どうしても五十一年前半に何でもやるのだという強い決意の表明のような記事とおっしゃいますが、いますっと読んで、まあ詳しくもわかりませんが、これもちょっと私も責任の持てるあれではございません。もちろんできればやりたい、五十一年前半、まだ来月いっぱいあるわけでございますけれども、できればそれはやりたいという前向きの姿勢には変わっておりませんが、先ほどのお話のようなわけで、協会長に就任いたしましても、どうもコンセンサスがなかなかむずかしいから、五十一年前半は、これはどうも実際問題としてむずかしいじゃないかということに対して、やはり協会内の意見もまた改めて取りまとめてみなければならないような情勢でございますから、私自身がそういう気持ちを持っておりましても、それを表明したということは、いま先生おっしゃいますけれども、これは私ちょっと存じておりません。しかし、私自身といたしましては、もちろん、従業員も非常によく精励しておりますので、完全週休二日制についてはできる、情勢が許す限りにおいてなるべく早くやりたいという気持ちは変わっておりません。
  23. 山田耻目

    山田(耻)小委員 どうも煮えたか煮えぬかよくわからぬのですがね。四月十日に決議案をおつくりになったのでしょう、全銀協で。そうして、あなたの銀行に問い合わせたところ、待ってくれという意向が出て、態度は早期実現を期すという従来の方針を貫いていきたい、五十一年上期実施という目標を取り下げることはできない、こういうことが、決議案文が否認されていく背景になっていたようですね。だから、これはあと中林事務局長さんにも私はお話を聞きたいと思うのですが、それは決議案文に関してはそういう内容です。  それから、もう一つ、いまの十六日の新聞の話をしましたが、これはあなたの写真入りで出ているわけです。ただ、ここの中では、あなたの発言として全部述べられているとは私も思いませんが、見出しの方では、協会長中村俊男会長は、いわゆる昨秋まとめた欧米諸国の調査報告書をつくって関係各方面に配り、そうして今日では、時は経済情勢の変化等も加えてわが方に利がありと判断をして、あなたはこういう記者会見をなさったと。そうして、中身が出ておるのでありますが、特にそこでは北原全銀協の常務理事さんの言葉をここに載せておりますが、これは銀行側という立場です。銀行側とはあなたが会長をなさっておる銀行傘下を指しておるのですが、「金融制度調査会銀行法全般の見直しを待っていたら、」これはさっき銀行局長なり佐々木制度調査会長お話の中にもございました銀行法改正全般を指しておるのですが、この銀行法制の見直しを待っていたら何年先になるかわからないので、十八条だけ切り離して関連法規と一緒に改正すべきである。関連法規とは手形法小切手法ですね。改正すべきである、それが可能であると割り切っている、こう出ているのですね。だから法改正についてはかなり積極的と見なければいかぬでしょう。ところが、それを問えばのらりくらり後ろへ下がっておられるのだが、それではいまの銀行側が内部の体制をこのように中途半端だけれども始末をされておる。これは何のためですか。最終的には法改正をしなければだめだとおっしゃっているのでしょう。それと、この新聞のいわれておる銀行法改正全般の中から十八条を取り出してきて、これだけを関連法規と絡ませて解決しなければならないと銀行側は割り切って主張している、こういうことになるわけですから、私は会長さんのもっとはっきりした意思を御表明願いたいなという気がいたすわけです。
  24. 中村俊男

    中村参考人 先生の前段の四月十日という話、私は四月二十七日に全銀協会長に就任いたしておりまして、その十日の扱いのことについては、私、正直申しまして承知いたしておらないという形でございますが……。
  25. 山田耻目

    山田(耻)小委員 ちょっとその点だけ触れておきます。  こういうことをするならおれは会長を引き受けないというような情報も流れているのですから、もちろんあなたが会長に就任なさる前のことですが。そこで、この意向をあなたの銀行の三菱に最終的に相談を持ちかけて、そこでストップになって崩れた、こういうふうな情報が伝わっているわけですよ。その点については中林さんの方が少し詳しいと思いますから、中林さんの方から御答弁をお願いしますが、その点について……。
  26. 中村俊男

    中村参考人 私は、その週休二日制の五十一年六月——まあそういうことはあれでございますけれども、私の気持ちは全く前向きでございまして、ただしかし、繰り返すようで恐縮ですけれども、やはり摩擦なくやっていきたいんだという気持ちの方がいま強いものですから、そういうことになりまして、御了承願います。そのことは、そうでなければ私は協会長にならぬとかなるとかいう、そういう問題じゃございませんので、それはちょっと少し間違ってお耳に入っておると思いますから、これはひとつ十分御了承願います。  この記事につきましても北原さんが、常務理事がそう言っておるということでございますが、私もこの間の事情はよくわかりませんので……。しかし、北原常務理事もしょっちゅうこういう問題は話し合っておりますので、私のいま言っていることと違うことが、はっきりこう記事になっておりますけれども、この間の事情はひとつ後で中林さんからお話し願いますが、そういうこともちょっと北原さんも、もしそうだとすれば、いやそうでないと思いますから、これは非常に迷惑な記事じゃないかと思います。
  27. 山田耻目

    山田(耻)小委員 私は言っていることがいかぬと言うんじゃないですよ、いいことを言っているんですから。中林さん、ちょっとその点について……。
  28. 中林哲太郎

    ○中林参考人 お答えいたします。  その四月十日のことでございますが、いま先生がおっしゃいましたように中村会長あるいは三菱銀行さんの方にそういうことをお願いに行ったというような事実はございません。協会といたしましては五十年の二月十六日に決定いたしました文章が理事会として決定していただきました態度でございまして、いまるる中村会長からお話がございましたように、ただその実施をするときの条件といたしまして、社会的な十分なコンセンサスを得て実施したいと、そういう点があるのをひとつ御承知いただきたいと思います。ただ、五十一年度上期をめどにということについての決定を覆したいというようなことはございません。  それから北原常務理事の発言として新聞に出ておりますのも、もしいろいろな社会的なコンセンサスが得られまして実施をいたしますときには、先ほどからお話がございましたように法律改正が必要なことはもちろんのことでございますが、そのときのやり方としてこういう方法もあるのではないかと、そういうようなことを話したというように私は聞いております。
  29. 山田耻目

    山田(耻)小委員 銀行局長佐々木制度会長も、いまの中村さんの、銀行協会の方の考え方はおわかりになったと思うのです。摩擦のないようにできるだけ法改正を早くしていただいて国民コンセンサスを得ながらやっていきたい、それは銀行のメリットもあるんだと、こういうふうに、私は今日、銀行の不信用、ミス、内部混乱、こういうことを早く調整なさりたいという経営者としての感じもわからぬことはありません。  そこで今日ここまで問題は進んできておるので、一体銀行局長佐々木さんも、国民コンセンサスを得るということの一つに、公務員週休二日との関連あるいは郵便貯金なり農協貯金の金融の扱いとの相関、あるいは中小企業の不況下における今日の、まあ合意を得られないという考え方、そこらについて具体的にひとつ、何がどうなるということを当然お考えになっておるはずですから、それを述べていただきたい。これは両者に聞きたいと思います。
  30. 田辺博通

    田辺政府委員 これは先ほど申しました関係省庁連絡会議でも議論になっているわけでございますが、このメンバーーの中に——農協関係の問題として農林省からも話を聞いております。また郵政省の方の考え方、まだ漠然とした、さらっとした段階でございますけれども、いろいろ討議が行われているわけでございますが、国民コンセンサスが得られるということと、たとえば郵便貯金とか農協の問題とはちょっと私は違う面があるのではなかろうかと思います。その点は、銀行あるいは相互銀行、信用金庫等銀行局が所管しております金融機関と競争関係にある他の機関とのバランスの問題になってくるわけでございまして、国民コンセンサスという、理解ということを考えますと、むしろ取引者、顧客といいますか、これは預金者もおりますし、あるいは為替取引を行っている一般の営業体、こういう人の利便といいますか、明らかにシャッターをおろすわけでございますので、その利便が害されることは確かでございます。ただしかし、それが一般に土曜日は休日なんだ、営業体もほとんど休んでいる、こういう状態でありますると、恐らく無理がないだろうと思います。  先ほどからお話がございますけれども完全週休二日制ということで労働省が統計上出しておりますものも、これは何らかの形での、週に日曜日のほかにもう一回従業員が休暇をとるということを許しているものでございまして、これは御案内のように全企業ではまだ四・六%ぐらいの企業体しかやっていない、しかもその中で企業体自体が全部休んでしまっているというものは、これはわかりません、またその中の幾らかの部分にすぎない、こういう状態でございますので、やはり全体にそういった完全週休二日制というものがもう少し普及していくことが望ましいと思っております。  特に金融機関行政の立場から申しますと、金融機関というのは法律でわざわざ休日を法定しているという精神にもありますように、公共的なサービスを提供する立場という意味から率先して金融機関が休むというのはやはり好ましくない、国民の大半が休むというような状態になって、いわば先憂後楽といいますか、そういう立場に置かれているのではないか、こう考えております。
  31. 山田耻目

    山田(耻)小委員 それはね銀行局長、あなたのおっしゃっていることは問題の中心を私は置き違えられているような気がするのですよ。  私、きょう労働省を呼んでいませんでしたから、労働省からのそうだという保証は求められぬのですが、五十年の労働省の労働時間実態調査を見ますと、千名以上の企業で週休二日の適用を実施しているのが八八・四%、完全週休二日をとっているのが四〇・八%、そうして全産業から見ましたら、週休二日制をとっているのが七〇・九%、完全週休を採用しているのが二一・八%です。民間完全週休二日に入って、先憂後楽で後から公務員なり銀行関係は、こういう発想に発展をしていくのですけれども、いま全産業でこれ以上週休二日に入れないという企業は銀行金融機関が邪魔になっているのですよ。金融機関週休二日に入ってくれればうちは全部入りたい、それが銀行が手かせ足かせになっておって休めない、休ませてやりたい。いま求人倍率が〇・六八くらいのときですからまだなんですけれども、この求人倍率でも高まってきますと、そういうところには就職希望がなくなるのですよ。  だから、銀行局長がお考えになっているような先憂後楽とかいう言葉は、これには当てはまらない。やはり障害になっている部分を片づけてあげるというのが行政ですから、そのサイドから見ていくならば、銀行法十八条は改正すべきである。東京都の週休二日のアンケート調査を見てみますと、週休二日はよくないというのが八・四%、どちらとも言えないというのが一七・四%、回答のなかったのが〇・七%、週休二日結構だ、大いにやってくれという集計は七三・四%、これが東京都のアンケート調査ですね。だから、私は一般国民のコンセンスというのはそうだと思うのですよ。それがこれ以上実績が高まっていかないのは、銀行週休二日に入らないからできない。銀行銀行法十八条を改正してくれなければ、銀行だけが独自に入るということはできない。そこになってくると、法の制限を受ける。そうして片側では同じ競合機関である郵便貯金なり、農協がある。こういうことが支障になっておるのですから、公務員週休二日との関連も強い。だから、最近郵政省は土曜日を閉庁する、休む、こういう動きを軸に検討を始めているではないですか。そういう動きをしっかり見定めて、ひとつ大蔵省としても指導するし、そうして佐々木さんの金融制度調査会でも十八条を本当に本格的な討議にのせていただくということでないといかない。それから農協は今日中央市場では土曜日は集荷していないでしょう。だから、そういうところから金融行政面から見るデメリットはない。農協にもない。肥料代のことなんかについてもほとんど振りかえ伝票操作をやっているのでしょう。だから、大きな一つのデメリットがそこにあるということはあり得ないし、コンセンサスを阻害している要件も満たされていない。中小企業の状態を見ましても、私なんかの調べた範囲では、中小企業家同友会というのがございますね、この中小企業家同友会は約三十人から一千名くらいの企業単位で持っておる人たちの集まりですが、六千社全国であります。この中小企業家同友会は週休二日賛成である、やってもらわないと、うちに従業員が居つかなくなる、だから、早く銀行関係の金融全体が週休二日に入ってほしい、心からの願いであるという意見が来ていますよ。  こういうふうに考えていきましたならば、問題を阻害しているのは大蔵省である。そうして金融制度調査会もこういう実態を受けて制度審議をなさっていない。だから、金融のサービスとか、そういう面の中に十八条を入れられて審議なさる。こういうことでは私は今日のこの問題解決のためには余り役立たないのじゃないか、時間かせぎじゃないか、こういう気持ちがしてならないのですよ。そこらあたりについて佐々木会長さんのお考えいかがでございましょう。
  32. 佐々木直

    佐々木参考人 週休二日制について私が個人的に反対の考え方を持っていて審議をとめているというようなことは全くございません。先ほど申し上げましたように、この問題は銀行局長も御説明がありましたように公務員の問題等といろいろ広い関連を持っておりますので、その問題は大蔵大臣がおっしゃったように閣僚懇談会検討する、そしてそのためにはその下部機構どもつくられて検討が進んでおる状態。したがって、私どもはそういう事態の進行を実は見守っておるわけでございます。全体としての事態がそういう週休二日制の問題をもうこの時点で銀行法改正に結びつけるんだという事態になってまいりましたら、もちろん全体の銀行法改正とは切り離して十八条の問題を取り上げるというのは当然のことだ、こう考えております。
  33. 武藤山治

    武藤(山)小委員 ちょっと関連。  いまの銀行局長答弁は全く事実認識が欠けておるし、不満ですよ。去年の四月二十三日に大蔵大臣はこう答えておるのですよ。「一両年の間に鋭意努力して、実現の方向で最大限の努力をいたすわけでございますので、」「誠実にこれにこたえて段取りを考えてまいるつもりでございますので、御信頼をちょうだいいたしたいと思います。」こう答えているんだよ。ところが銀行局長のいまの答弁は、一両年どころではない。日本の企業の半数以上が週休二日になったときが初めてコンセンサスが得られた時点だと思わせる発言。銀行局長制度審議会へ諮問するころに局長でなかったからこういう経過を知らぬと言えばそれまでだが、大蔵省の行政というのはずっと続いておるんだから、この四月二十三日の大臣答弁を無視するような答弁はいただけませんね。あなたはこれを読んでおるのですか。大臣答弁は法律に次ぐ重みのあるものでしょう。銀行局長答弁とこの議事録は全然違いますよ。どう心得ますか。
  34. 田辺博通

    田辺政府委員 ちょっと私の言葉が足りなかったのかもしれませんが、大臣の四月二十三日の議事録は何回か読んでおります。その前向きの姿勢は私としても十分承知をいたしておりますし、私自身もそういうつもりでございますが、社会コンセンサスが得られるということについては、やはり取引の相手方が、休んでも仕方がない、あるいは休まれるのは当然だ、こう思うことだろうと思います。そのための努力コンセンサスを得るような努力を私どもはしたいと思っております。そういう意味関係省庁連絡会議というものも開いて、そして問題がいろいろあり得るというところを一つ一つ討議をしているわけでございます。日本の全体の企業の半分以上が完全に休むようにならなければ銀行は休むべきではない、こう申したつもりではないのでございます。ちょっと余りにもいまは普及率が低いという点、というのはこの一年間何らかの形での週休二日をしている企業の数のふえ方がちょっと鈍ってしまっております。これはやはり不況ということで企業の採算が苦しい、そういう大変なときに、コストという面からもいろいろ障害がある、こういうことが出ているのだろうと思いますが、そういう意味ではいまの時期というものはなかなかコンセンサスの得られにくい時期だなと思っておりますけれども、御指摘のように郵政省も何らかの検討を開始しているということであるようでございますが、ただこれにも郵便業務と貯金業務との関係などについていろいろ内部的に議論があるようでございます。農協の方でも、農林省の方は意見が余りはっきりしませんけれども、生鮮食料を出荷するというときにはどうしても休むというわけにはいかぬ、そういうような議論をしているやに聞いております。なるべくそういった議論一つ一つ先生のおっしゃるように解け合わしていきまして、そして前向きにこの問題を処理していかなければならぬ、かように考えております。
  35. 武藤山治

    武藤(山)小委員 局長、もし大蔵省が歴代の銀行協会会長意見をすなおに受けとめて、よしそれじゃあ十八条を改正すべきかどうかということのコンセンサスを本当に得たいというなら、取引先にアンケート調査ぐらいしたらいいじゃないですか。大蔵省、何をやりましたか。たとえば、銀行が土曜日休みになることは困るか困らぬか、そういうものを五千軒なり一万軒の取引中小企業なり業者にアンケートをとるなんというのは、大蔵省の機構をもってすれば簡単でしょう。何もやらぬでしょう。何かやりましたか。コンセンサスを得るために、反対なのか賛成なのか、アンケートぐらいとりましたか、どうなんですか。大蔵省姿勢が問題なんですよ。
  36. 田辺博通

    田辺政府委員 アンケートの御指摘もまことに一つのいい御意見だと思いますが、いまは問題点がいろいろ考えられるものですから、その問題点を解きほぐすための関係省庁連絡会議というところで、法務省も入れて——これは手形法小切手法等の関係もございます。民法の期間の関係がございますから。そういうことで問題を解きほぐすあるいはどこに問題があるか、われわれの知らない問題があるという指摘もあるようですから、そういうことを十分に勉強をしてかからなければいかぬということでそちらの方をやっているわけでございます。一般の民意を聞くということもやはり必要なことかと思いますけれども……
  37. 武藤山治

    武藤(山)小委員 だから、大蔵省がもっと能動的、積極的であらねばならない客観的な情勢に二日制問題はなっておるわけです。その大蔵省が非常に受け身なんだよ、どこかが決めるなり、どこかがリードしたらばというふうに。たとえば省庁連絡会議だって、しからば大蔵省は、具体的に十八条を改正しないと銀行労使間の話し合いを実現させてやれないのだ、これを大蔵省としては実現させたいのだ、それについては諸君の方はどう思うか、何かネックがあるかと、そういう聞き方をするのと、連絡会議全体が協議して、週休二日制は時期であるのか時期尚早なのかなんという諮り方をすれば、全然違った答えが出ますよ。問題は、大蔵省週休二日制問題に対する取り組みの姿勢、これが全然積極性がない。大臣答弁を実現しようなんという意欲は全然ない。逆に、さっきいみじくもあなたの言葉の中に出てきた、銀行は公共性が強いから、そういうところが真っ先に週休二日制をやることはコンセンサスが得られないだろうとかなんとか、そういう意識が先行しているんだよ。もう銀行は、現実に世界じゅう六十五カ国も全部週休二日制になっている。国際間の取引は、土曜日はないんだよ。しかもOECD加盟国の先進国家の日本が、世界のそういう趨勢から全く置き去りを食っている状態がいまの銀行の問題なんだ。だからわれわれも騒いでいるわけなんです。世界の大勢と同じように、開放体制下なんだから、日本だけがかせぎ過ぎだと言われるように、銀行からまずやろうじゃないか。やってもすぐ採算に響いてつぶれるとか困るようなことのないところからまずやらせよう。それで後はできるところからついてくるというのが順序じゃないか。それを大蔵省がここで、公務員全体と足並みがそろわなくちゃとかそういうことでは、まさに北原さんがおっしゃるように、これは百年河清を待つようなことになってしまう。やはりこれは銀行局長の決意次第だな、これが実現するかどうかは。それをあなたの先ほどの山田さんに対する答弁を聞いていると全く積極姿勢なし、評価できない。議事録もう一回よく読み直して——総理大臣だって私も週休二日制だ、賛成なんだとはっきり言っているのだよ。そういうものを実現するのが行政官の責任なんだから、もうちょっと誠意ある答弁と勉強をしてもらいたいですな。あなたもう間もなく国税庁長官に行ってしまうので、またここで答弁したやつが次の局長になったらいや引き継いでおらぬ、知らぬなんてことにされてしまいますと、これは困るね。政務次官もついているのだからこれはきちっと引き継いでもらって、もうちょっとまじめな積極的な姿勢を示してもらいたいですね。
  38. 山田耻目

    山田(耻)小委員 もう時間が過ぎましたから終わりますが、三月の二十五日ごろ、いまの公務員との関係もありますので、人事院の担当局長を呼びましていろいろ事情を調査したのです。そうしたら四月の初めにいまあなたのおっしゃった各省庁連絡会議を開く、それには官房長に出てもらう、こういう話がございました。そこでなお話を詰めていきますと、週休二日に一番反対の意向の強いのは大蔵省ではないか、それは人事院の担当局長が言ったというのではありません。私の推測で会議結論として受けたわけです。そういうことでいま武藤さんがおっしゃっていたように、どうも大蔵省特に銀行局の態度が不可解である。だからそれは十分ひとつ——そうではないという顔色をなさっておるから、そうでないという答えをいただきたい。抽象的な答えであってはならぬ。だから一体銀行法十八条の改正をやるのかやらぬか、やるとするならばいつやるのか、これをひとつここでめどをつけていただきたい。たまたま金融制度調査会長もいらっしゃっておるし、そうして銀行協会長もいらっしゃっているのですから、一応大蔵省の手順を明らかにしていただきたい。
  39. 田辺博通

    田辺政府委員 十八条の改正はやるべきだと思っております。やるべきなんですけれども、その時期がまさに問題なんでございまして、銀行協会会長も言っておられますような社会の人々が金融機関が休むのは当然だと思う、そういうコンセンサスを得られる時期ということが最終のポイントでございまして、それをここでいつ幾日というように約束をしろとおっしゃいましても、私はそれはちょっとむずかしいとお答えをせざるを得ないと思います。前向きにこの問題を処理すべきだと思っております。
  40. 山田耻目

    山田(耻)小委員 そういう答弁国会でいつも言われている答弁なんだ、前向きでとか。しかし、そういうものではこれほどの問題を片づけていくのには少し態度としては不十分なんです。だから私は、国民コンセンサスを得るということをどういう方法で具体的にコンセンサスを得る手段を講じていくのか、このことがなければだめなんです。百年河清を待つようにそのうちにどうかなるだろう、こういうことではできませんから、そのコンセンサスを得ていく具体策、これらを含めてひとつ御検討いただかなくてはならない。そうしてそれが、いまの金融制度調査会でやられておるいろいろな金融面の取り扱いなりサービスの問題、この項について審議をなさる日程がおありのようですから、ここで銀行法十八条の問題を週休二日の問題と絡ませておられるようですから、これは佐々木さん、いつごろからこの問題について審議なさるわけですか。
  41. 佐々木直

    佐々木参考人 いまのところ具体的に何月になりますかはっきり申し上げかねますけれども、先ほども申し上げましたようにいまやっております問題の次の次という順序になっておりますから、大体一つの問題に一月半から二カ月ぐらいかかっておりますから、ただその順序だけを機械的に踏んでいくならば、あとこの二つの問題で四カ月ぐらいかかるとするとあるいは秋口ということになるかもしれません。
  42. 山田耻目

    山田(耻)小委員 いま一つの問題にお入りになっているようですから、これをのけてこれを入れろというわけにいきませんけれども、二つ目の問題にお入りになるときには三番目のこの問題と順序を変えてでもやるという御熱意はありませんか。それは大蔵大臣との一つ約束、そうして大蔵省銀行局も国民コンセンサスを得る具体的な手だてを講じながらやっていくというのですから、それを受けておやりになるというのじゃなくて、ここは一つの時期を双方で判断を確実にしてもらって、特に制度調査会の方では二番目の議題にこのサービスなりあるいは取引の問題を入れてそこで議論をして、可能な限り条件の熟すのを待って決着をつけたい、これが秋というのなら私はわかるのですよ。だからそういう一つの事柄について細かい順序整理を制度調査会もする熱意を示していただかないと、生きておるのか死んでおるのかわからぬような雰囲気の中で問題が処理されていくというのでは私は大変不満なんです。だからこの点については大蔵省制度調査会は緊密な連絡をとられてその問題についてひとつ決着をつけていただくように最大限の配慮をするということの約束ができますか。これは銀行局長の方から聞くのが至当だと思います。
  43. 田辺博通

    田辺政府委員 大蔵大臣もこの前の大蔵委員会答弁で、関係閣僚懇における検討が一両年中に決着がつくように努力をしたい、こう述べられております。一両年と申せばはっきりしませんけれども、でございますから、これはやはり金融制度調査会が独立して先行して審議を進め結論を出すということもなかなかむずかしい問題だと思います。他の一般の問題と絡み合わせてやはり関係閣僚懇でしかるべき金融機関についての結論が出される、そういうある程度の方向というようなものが出てくる、それと並行して金融制度調査会でも審議が尽くされる、こういうことが一番望ましいのだと思います。その時期をなるべく早く持ちたいという気持ちは全く同様でございます。
  44. 山田耻目

    山田(耻)小委員 大平さんとの四月二十三日の議論というのは、一両年というのが最初に出て、それから私が詰めて五十一年六月目途にやるという銀行協会労使間の一応の約束を十分踏まえてやる中身を一両年と私は受け取る、大蔵大臣はそれでよろしい、こういうことになっておりますので、私は五十一年六月を目途——この六月ですからね、もう来月ですから、目途にということが現実におくれていることは認めます。しかしながらこの枠組みから逃れ去ることはできないのですよ。そうして閣僚懇で十分意思を尊重して結論を出したい、政府を信頼してくれ、これが答弁ですからね。だから閣僚懇も、今日どういう進展度合いを示しているか、私承知しませんけれども、十分そこらを受けて審議を深めていただいて、それと並行的に金融制度調査会審議に入っていただく。制度調査会が先に答申を出したっておかしくはないのですから、これはそういう判断も十分佐々木さんもしていただいて、大蔵省銀行局もそれに協力をしていただいて、大臣との約束が空約束にならないように十分ひとつ判断してもらわなくちゃ困ります。それはやはり、一両年というものは若干延びていっておりますけれども、十分生きておるという判断措置をいただきたいということを重ねてお願いしまして私の質問を終わりたいと思います。
  45. 武藤山治

    武藤(山)小委員 では一、二問だけちょっと、関連のあと。  あれは佐々木さん、いまの答弁で、どうしてもこの週休二日制問題を、十八条問題をできるだけ急いで先にやる、そういう手だてというのは絶対とれないものですか。
  46. 佐々木直

    佐々木参考人 先ほどからるるお話がありますように、もう皆さん週休二日制については時期の問題だという感じだと思います。したがって、いまは具体的には閣僚懇談会で問題は取り上げられておりますが、そういうところでもう時期至るというようなお話がありますれば、金融制度調査会では即刻その問題を取り上げて、一般銀行法改正とは別個に審議を進める考え方は十分持っておることでございます。
  47. 武藤山治

    武藤(山)小委員 中村全銀協会長の先ほどからの開陳のとおり、労使間においてはできるだけ早くやりたい、できるだけということですからなかなかむずかしい条件が、またコンセンサスの問題、いろいろあるとは言っておりますが、しかし銀行協会としては労使間で話をいろいろこうしている希望態度ですか、約束ではない。しかしその希望表明においては速やかに、できるだけ早くやりたいというのですから、そういう労使の間でやや合意ができているような問題は速やかに実現をさせることが当然だと思うのです。その場合のいろいろなネックを早く取り除いてやるというのは、ぼくはもう当然のことだと思うのです。ただ、事が大き過ぎて、事銀行労使間だけの問題では処理がつかぬ大きな問題だ。だから閣僚懇やいま言った連絡会議や、いろいろなところの意見を聞かなければならぬ、こう大蔵省が言っておりますが、しかしそれを促進する意味においても制度調査会銀行側の状態というものを十分聞き入れて、早目に作業してやる。そのことがよりスピーディーな行政になるのだし、また当事者聞の希望というものを実現する道なんですから、これはひとつできるだけ早く、郵政省に元いた人も審議委員に入っているのだし、農協系統の人も入っているのだし、そういうものと会長は十分意見の交換をやって、速やかにそういう合意を実現できるようにしてやろう、そういう会長姿勢になってほしいのですが、これは最後に希望を申し上げて質問を終わりますが、御意見をちょっと聞かせてください。
  48. 佐々木直

    佐々木参考人 いまさら申し上げるまでもございませんけれども金融制度調査会大蔵大臣諮問機関なものでございますから、大蔵大臣がこの問題を預かった形で閣僚懇談会でやっておられますものですから、運びについてはやはり時期を相当、そういう懇談会の動きを見ながら運ばなければならないと思います。しかしながらこの問題は、先ほど冒頭に申し上げましたように、金融制度調査会の席上でやはりたびたび問題として出ておりますし、したがってこの問題について積極的に、精力的に検討を進めるということは非常に大事なことだと思っております。
  49. 山田耻目

    山田(耻)小委員 以上で終わります。  ありがとうございました。
  50. 山下元利

  51. 増本一彦

    増本委員 いまいろいろお話を伺っておりまして、問題点もある程度はっきりしてきたと思いますが、結局問題は二つあると思うのです。一つ週休二日制への移行のための経済的なといいますか、実態的条件をどうやって成熟させるか、それからもう一つは、それに見合って法制上の整備をやらなくちゃいけない。これまでの議論で、詰まるところ、結局この二つの側面を統一して進めていかなくちゃならない。そうでないと、佐々木会長がおっしゃった週休二日制は時期の問題だ、時期をいかにして早めて、国民コンセンサスをいかに早くつくり上げるかということにならないだろうというように思うわけです。  そこで、一つ先にあらかじめ申し上げておきますけれども、たとえば法制上の問題でも手形法小切手法あるいは民法の期間の問題というのは、これは経済取引実態がそういうものに即応していけばそれはかなりスムーズにいく問題ですから、何と言っても銀行が土曜日に開店をする、営業をしているというこの関係にまつわるほかのいろいろな問題、そこのところの問題をどうやって国民コンセンサスを早期に得るか、実態的にも移行の条件をどうやって早く成熟させるかというところに一つは尽きてくるのじゃないかというように思うのですが、この辺のまず認識を局長からでも先に伺っておきましょうか。
  52. 田辺博通

    田辺政府委員 先生のおっしゃるとおりだと思います。取引実態が一番問題で、取引実態というものの中に銀行の営業日というものがやはり深く組み込まれていると思います。
  53. 増本一彦

    増本委員 その点は中村会長も同じでございましょうか。
  54. 中村俊男

    中村参考人 全く先生のおっしゃるとおりだと思います。
  55. 増本一彦

    増本委員 そこで、いろいろ実態上の移行の条件をどうやって成熟させるかということのまず前提として、じゃ、いまどこにそういう面での問題点があるのか。各省庁の連絡会議などでもその問題点の解きほぐしをやっていらっしゃるというようにおっしゃいましたけれども、どういう問題があるのか、その辺の政府の認識はどうなんでしょう。
  56. 田辺博通

    田辺政府委員 先ほどもちょっと御答弁申し上げましたように、一つ銀行だけが休むというわけにいかない問題だろうということで、他の競争関係にある同業者といいますかそういうものの意向、これはどうなるであろうかというのが一つの点でございます。  それから当然銀行は休んだけれども手形法や何かはそのままであるということでは手続の大混乱を来しますので、法務省の方の意見も聞かなければならぬ、連携を深めていかなければいかぬ。現在の段階は、あと中小企業の状態、たとえば外国の例で言いますと、どうも商店が土曜日休むというようなことを法律で決めておる例もございますが、民間でかなり休みが普及して、それから官公庁に波及し、そして金融機関が踏み切る、こういうような例が多いようでございますが、それも絡めて一般中小企業を初めとする企業の感覚というものはどうなんだろうかというような点でございます。
  57. 増本一彦

    増本委員 そこで、後からもお伺いしますけれども一つ中小企業中心にして週休二日制移行の条件をそれじゃどうやって成熟させていくのか、単にやってもよろしいかよろしくないかというそういうことでのアンケートで賛否を問うということだけでは、問題は解決しません。中身が伴わなければそこへいかない。特に取引先がやむを得ないという、先ほどの答弁ですとそういう気持ちを持ってもらうかどうかということが一つの問題だということですから、では具体的にどういう手だてをとったらよいのか、その辺で検討をされていてお考えになっていることはあるのですか。
  58. 田辺博通

    田辺政府委員 これは大変むずかしい問題でございまして、どのような手だてをとっていったらいいかということを考えているところでございますが、休みが法定されていないというような業種がほかにもたくさんあるわけでございますので、そのような方に普及させていくというためのいろいろな働きかけ、これは役所でございますので役所に対して働きかけをしていくというようなことも非常に効果があるのではなかろうかと思っております。
  59. 増本一彦

    増本委員 労働省などともお話をされていると思いますけれども、たとえばいま労働基準法で週四十八時間労働ということになっていますけれども、こういうものも一つは労働基準法の改正との絡みが出てきますね。土曜日を休日にする、あるいは週五日労働制にするとか、そういう中身に変えていかなければならないという意味での検討も当然出てくると思いますけれども、そういう点は大蔵省としてはどうなんですか、労働省との協議の関係では。
  60. 田辺博通

    田辺政府委員 労働基準法の具体的な時間の問題の討議までは実はいっておりません。
  61. 増本一彦

    増本委員 しかし、ほかの国では休日だという法定をされているところもある。ところが日本はそれがない。いまお話しになったところだと、休日を法定することによって誘導していくというようなことも一つの効果だという趣旨に伺ったのですけれども、だからその辺の検討はどうなのか、こう聞いているのです。
  62. 田辺博通

    田辺政府委員 休日を法定すると申し上げたのではなくて、休日が法定されていない、つまり自由である業種がほかにいっぱいあるわけでございますので、そういった業種の企業というものは法律が要らないわけでございますから、そういう業種に週休二日というのが普及していくということが、銀行週休二日のコンセンサスを得られるために有力な方法ではないか、こう思っているということでございます。
  63. 増本一彦

    増本委員 そうしますと、そういうお話もあるけれども、一方で全産業の労働条件を一つは週五日労働制というような形で制度化をすれば、あるいはそういう方向で進めていくということをすれば全産業に波及します。そういう意味では大きな網を打つことができるわけでしょう。その中でそういう条件を進めていくということが、実は、皆さんがネックだと言われている取引のそういう実態、いま銀行週休二日制についての障害、ネックになっているそういう問題も、全体として解決していく方向で一歩も二歩も前進していく条件を開いていくことができるのじゃないか、そういう意味大蔵省としては、労働省と労働基準法の改正を含めて問題を考え、詰めていくということも必要なんじゃないですか。
  64. 田辺博通

    田辺政府委員 御指摘のようにあるいは必要かもしれないと思います。ただ、いわば銀行現状を申し上げますと、多くの銀行従業員の実質週休二日といいますか、何らかの形による、月に一回であるとか二回であるとか、そういう休みを多くとることはもうすでに行われているわけでございます。問題は土曜日にシャッターをおろして全店が休むということでございますから、労働時間の点は問題になることはなると思いますけれども、そういう意味での、店をあけておるけれども労働者が実質休んでいるという状態から店を閉めるという状態に移るときには、あまり根本的な、基本的な問題ではないのじゃないかという感じがしております。
  65. 増本一彦

    増本委員 しかし週休二日制という場合には、単純に土曜日を閉店して、そこでの経済活動が停止するなり、普通のウイークデーと比べるとスピードが落ちるというような状態をつくろうというそれだけにとどまらずに、やはり一つは労働時間の全体としての短縮の問題と切り離せないわけでしょう。だからそういう意味で、労働基準法そのもので全産業に網をかぶせてそこの方向に持っていくということも、全体の経済的な実態週休二日制の方へ向けていく上では一番有力な条件であるというように思うのです。  それでは週休二日制はなぜ採用するのかという点ではどうなんですか。労働時間の短縮という問題はやはり大きな要素なんでしょう。
  66. 田辺博通

    田辺政府委員 そのとおりだと思います。
  67. 増本一彦

    増本委員 そこでちょっと実態をお伺いしたいのですが、中村会長あるいは中林さんでも結構ですが、土曜日の銀行利用者の状況というのは一体現在どうなっているのでしょうか。それをほかの日に振りかえてサービスをしていく、週休二日制になれば当然そうなりますね。そういうことをしていく上での条件の成熟というのは、一体どういう中身を持ってどういうようにやっていくものなのか、その点をお伺いしたいと思います。
  68. 中村俊男

    中村参考人 銀行のお取引先というのは、企業から個人までまたがっておりまして、大体銀行取引というのは決済、金の面、したがって受け身の取引が相当多いわけでございます。受動的な取引が非常に多いのであります。ですから先ほど申しましたように土曜日の決済を延ばしていただく、別の日に変えていただく、そうやっていただかぬことにはどうにもならないという受動的な面が非常に多いわけでございます。努めてそういうものをやりますけれども、これも全銀行が一体になってある方針を立てて、相当詳細な具体的方針を立ててやるということはちょっと問題がありますので、いろいろな個々人の御事情あると思いますから、さっき申しましたように、個々銀行完全週休二日制を行ったときに、お取引先その他になるべく不便のかからぬように努力していくということでございます。  それからさっきお話ししていましたようなことで受動的でございますので、最近の土曜日の取引というものは非常に多くなっております。店頭のお客というのは土曜日は非常に多くなっておるのが実情でございます。
  69. 増本一彦

    増本委員 土曜日の預金の払い戻し、その他の利用者が多くなっているという実態は、それはそれとしてあると思います。だから前向きに週休二日制の導入について進めていくという先ほど来のお話がありますから、そうすると土曜日の銀行利用者をほかの日に振りかえてもらわなくてはならぬわけですね。その点についての銀行側の体制とかお考えとかいうものはどうなんですか。
  70. 中村俊男

    中村参考人 ただいま申しましたように、いま土曜日に取引が多いというのも、これはやはり他産業である程度週休二日制で、交代制もあるかもしれませんけれども、そういうことで店頭の実態が御家族でおいでになるというような面も多いようでありまするから、その反映かもしれませんけれども、しかし、週休二日制を御納得いただいて完全に施行すれば、あるいは金曜日の取引が非常に多くなるというようなことになるのかもしれません。とにかく必要なものは、お取引先、個人でも何でも、どうしてもやはり銀行に来なければならないということがあるわけでございますから、決済とかなんとかいうようなものをこちらからお願いできるのはほかの日にお願いできるかもしれませんけれども、いまからなるべく金曜日においでくださいというようなことを申してもなかなか実効がその点では上がるかどうか。あくまで銀行は受け身の取引が非常に多いものですから、その点はちょっと確信もないような状態でございますね。
  71. 増本一彦

    増本委員 土曜日の預金の払い戻しや何かについては、キャッシュディスペンサーとかいろいろな制度をそれなりに導入されているところが多くなってきていますね。だから、そういう点である程度のことは一つはできるのかもしれませんけれども、しかし利用者の方にも、週休二日制で銀行に働く人たちもこの日は休みなんだ、自分たちと同じなんだ、そういう気持ち一つは大変重要ですね。その意味で、これは銀行局長にもお尋ねしたことと同じなんですが、全体として土曜日に多くの働く人たちが休んでいる、そういう実態をつくる上でも、労働基準法に基づいて労働時間の短縮を図るというようなことが、そうして全産業にそういうことを及ぼさせるということが非常に重要な問題だというように思うのですが、会長さんのお考えはどうなんでしょうか。
  72. 中村俊男

    中村参考人 社会コンセンサスを前提にして私どもは慎重に進めたいということで、慎重というのは決して前向きでないという意味ではございませんが、そういう意味からも先生のおっしゃるような措置が、社会コンセンサスといいますか、御理解いただく雰囲気を熟成するのに非常に大きな一つの要素であるということは、私も先生のおっしゃるとおりだと思います。
  73. 増本一彦

    増本委員 それからもう一つ。いま、銀行あるいはその他の金融機関の中で非常に競争が厳しくなっている。世間的には過当競争というようなことも言われるわけですが、そうすると、週休二日制に移行していく場合に、大きい金融機関と中小の金融機関との間での競争条件や何かについてはどうなんでしょう。これは全体としてやれば同じ条件で進むんだから競争条件には変わりない、こういうことになるのか、あるいは中小金融機関については特別に考えなければならない問題があるのか、その点は局長、いかがでしょう。
  74. 田辺博通

    田辺政府委員 現実の問題といたしましては、中小金融機関の収益率というのが最近かなり低下してきておるのでございますから、そういう意味で経営者としては、経営の立場からはコストアップに対して敏感であり、かつなるべく避けたいという気持ちがどうしても多くなるだろうと思います。それからやった場合にも、ある程度収益率が低い場合にはやはりその影響が強い。この点は考慮しなければならないのでございますけれども、さればといって、それに対する特別の配慮というのはなかなかむずかしいような感じもいたします。
  75. 増本一彦

    増本委員 いままでは六日という広い土俵だった。それが五日という土俵に縮まるだけで同じ土俵の条件でやるわけだから、その点では、平準化すれば競争条件そのものは変わらないというようにも思うのですがね。それはどうなんですか。
  76. 田辺博通

    田辺政府委員 それは平面的に考えますとまさしく同じことなんでございますが、その受ける影響の度合いというのは、前提である収益力が強いか低いかということでやはりかなり違ってくるんじゃないかというふうに思います。
  77. 増本一彦

    増本委員 そこで、そういうことにもかかわらずこの週休二日制を前向きで進めていこうということになると、それではそういう中小金融機関についてどういう配慮をなさるおつもりですか。
  78. 田辺博通

    田辺政府委員 ただ、週休二日というこの流れといいますか傾向は大きな流れでございまして、またそれが結構なことだと私は思っておるわけです。でございますから、いわゆる労働条件という意味から、外国でもそういう経過になっておりますが、自分のところは週休二日をしないんだということになりますと企業の採用条件が非常に悪くなってしまう。結局優秀な人が集まらないということになりまするから、長い目で見ると、適正な競争を行っていく上においても同様の休日を設けないと成り立っていかない。そういう意味でございまするから、これは特別の配慮というものもむずかしいし、やはり経営者の努力、経営の効率化ということを進めていく以外はないんじゃないかと思います。
  79. 増本一彦

    増本委員 あともう少しです。いま、不完全週休二日制といいますか、交代制でやっておいでになりますね。そこでその実態なんですが、銀行、相互銀行、信用金庫とそれぞれ分けまして、行われている状況は大体どういう実態なんでしょうか。
  80. 田辺博通

    田辺政府委員 これは五十年の十月と五十一年の一月の調べで、銀行の種類によって調べの時期が多少違っておりますけれども、それを一括して申し上げますと、全国銀行段階では、何らかの形で日曜日のほかに休んでいるという割合が九六・五%でございます。それから相互銀行は九七・二%、信用金庫が六九・二%、信用組合は四二・一%、こうなっております。
  81. 増本一彦

    増本委員 そこで、いまの要員の中でこの交代制の週休二日制がとられるということのために否定的な面もいろいろ出ていて、その点は労使間で大体一致をされていて、だから完全週休二日制にしなければならない、そういう御意見でしたね。サービスの低下だとか、あるいは休んでおられる人の補充のために移らなくちゃならないとか、いろいろな問題が起きるわけですね。  それからもう一つは、だからそういう点から見ますと、いまのこういうサービスの低下とかいう問題を考えると、当面増員をして、そこでともかく移るまでの間のサービスの低下もないような、そしてそこで働いている人たちの労働強化につながらないような、そういう臨時といいますか、緊急のつなぎの手だてもとっていかないといかぬというように思いますけれども、その点は中村会長はどういうようにお考えですか。
  82. 中村俊男

    中村参考人 それはおっしゃるとおりでございますけれども、いま私どもも経営上人件費、物件費については非常に鋭敏になっておりまして、決して労働強化ということで抑えるわけじゃありませんけれども、なるべく人員は多くふやさないようにして、いま金融機関としてはとても減らすことはできませんが、ふやさないようにして機械化を進めていく、機械に重点をとっていく。これはもう大変なものでございまして、戦前のようにいまの仕事を人間で、機械を全然除いたら大変なことになる。恐らく金融機関は経営が成り立たないかもしれないくらいな状態であります。そういう方針でやっておりますから、機械を相当使っておるということは、やはり人をふやしただけでは代替できないような大きな面も相当ございます。  それから、どんどん人間をふやしていくことに対しては、ふやせばいいということだけでもございませんで、そういうことも必要とは思いますが、私どもはなるべく早くコンセンサスを得て、すっきりした週休二日制に持っていきたいという気持ちの方が多いのでございまして、それが率直な気持ちでございます。
  83. 増本一彦

    増本委員 しかし、機械化が導入されて、昔になかったいろいろな職業病も出ているわけですね。非常に忙しくなってきているという状態ですから、労働強化につながらないような配慮は十分やらなくちゃいかぬ。それで、完全週休二日制になりましても、イブニングオープニングのように、開店時間を延長して夜にまでまたがるような、夕方にもお店を開いておるというようなことにもなりますと、やはり週休二日制の問題で労働時間の短縮という側面もあるわけですから、それが、一つには六日で消化していた労働時間を五日で消化するというぐあいになって、一日の労働時間が長くなるような結果にならないような配慮も十分必要だと私は思うのです。  もう時間が来ましたので、最後に佐々木会長局長にお伺いしたいのですが、先ほどから議論がありましたけれども銀行法十八条は改正しなければだめだ、しかし実態的な条件がなかなか整わない、そういう意味では慎重にならざるを得ないというような御趣旨答弁でしたね。しかし、一方では、銀行法十八条は改正する、そしてそれはもう具体的に施行していく、そのために必要なできるだけ短い期間で週休二日制になるのだ、将来たとえば一年後にはあるいは二年後には必ず完全にやる、それまでの間に集中的に実態的な移行の条件の成熟を、これは業界でも図るし、そのための国民コンセンサスも集中的にそういう方向に向けて進めていくというようなはっきりとしためどを立てて提起をしていかないと、実はコンセンサスもなかなかぐっと凝縮して固まったものにならないというように思いますけれども、そういう方向で積極的に進められるというお考えはいかがでしょうか。
  84. 田辺博通

    田辺政府委員 それは法律を先につくってしまって、施行の時期をあれする、つまり、がけから飛びおりてしまうということになるわけですが、その間にコンセンサスが必ず得られるかどうかというような見込みもつかない、あるいは経済界の全体の動きがどうなるかというような見込みもなしに、そういうような措置をとることはやはり好ましくないという感じがいたします。できるだけ実態をそちらの方に誘導しながら、コンセンサスを得られるある程度のめどがついて、そしてこの実施に踏み切るというのが最良であろうと思います。
  85. 増本一彦

    増本委員 局長、そうしますと、コンセンサスが得られる時期は、あなたのお考えではいつごろになるのですか。
  86. 田辺博通

    田辺政府委員 そこはちょっと私にも具体的にいつということをお答えする自信がないわけでございますけれども、なるべくそういう全体の理解が早く得られるようにいろいろ努力を続けていきたいと思っております。
  87. 増本一彦

    増本委員 そういうことで、いろいろ問題があるものを、解決を先に先に延ばしていくような印象を全体に与えるわけですよ。だから、具体的に移行の条件を成熟させるために、ではこれから一年間、昭和五十一年度、一体どういうことをおやりになるのか。それもたとえば各省庁連絡会議でいま問題の糸をほぐしているところだ、こういうことだけですから、五十一年度はそれで空費してしまうということだったら、まだ問題は将来かなり先に延ばされるというような感じを与えざるを得ないわけですね。そうじゃないですか。だから一年、二年先にはこれで進む、そのために各省庁とも関連している問題を具体的に、問題もはっきりしているわけですから、それに向かっての解決を図っていく、国民の世論も喚起していくというような積極的な手だてがむしろとられてしかるべきなんじゃないですか。
  88. 田辺博通

    田辺政府委員 そのために、関係省庁連絡会議でもって問題点をほぐしていっているわけでございます。なお、これをしぼっていって、そしてまた関係省庁が同じ気持ちになって、監督下にあるところの機関に対する指導、そういうものを進めていかれないといけないと思いますが、同時に一般的な理解を得るためのキャンペーンといいますか、そういうことも必要であろうと思います。
  89. 増本一彦

    増本委員 局長、それではその連絡会議で糸がほぐれるのは一体いつごろになるのですか。
  90. 田辺博通

    田辺政府委員 それをいまここで期限を言えとおっしゃいましても、私にはちょっと答弁できかねるわけでございます。
  91. 増本一彦

    増本委員 では最後に、佐々木会長金融制度調査会でもこれから御議論なさる。しかしそのときには、やはり各省庁で問題が出されてきた、その方向が見定まったところで、大臣への答申が出されるというような趣旨お話に先ほど伺ったのですが、しかし週休二日制というのは国民経済的な視野から見ても大勢として非常に進んでいるわけで、それをいかに適切にうまくアクセルを踏んで進めていくかということになるのだろうと思うのですね。そういう意味で、金融制度調査会としてもできるだけ早く検討をされて、できるだけ早くその問題点を含めて答申を出されないと、答申を出された上でそれが指針になって法改正とかいろいろな具体的な金融上の手だてもとられてくるということになるわけですから、答申の方が先に延ばされると、またそれから実行に移っていくには先になってしまいますので、その点でも調査会の方の審議と答申を早められるということが必要なのではないかと思いますが、最後にこの点についての御意見を伺って、時間のようですから終わりたいと思います。
  92. 佐々木直

    佐々木参考人 先ほど武藤先生にも申し上げましたように、この問題はすでに数回にわたって制度調査会の席でいろいろ問題にもされておりますし、いま御指摘のようにこれからできるだけ早い機会にこの問題の解決を図らなければならぬという必要性もあるわけでございます。そういう意味で、時期が来ればすぐにでもそういうことに対して調査会意見がまとめられますように、積極的に勉強してまいるつもりでおります。
  93. 増本一彦

    増本委員 ちょっと済みません。  三つ目ですか、三つ目にこの週休二日制も含めた問題が議論されて、秋口だとおっしゃいましたね。そうするとそれは、この問題についても二カ月ぐらいで御意見調査会でまとめられることになるのでしょうか。
  94. 佐々木直

    佐々木参考人 いまの閣僚懇談会、そういう関係で、あるはっきりした方向が公務員その他全部くるんで出てまいりましたら、それはいままでのペースよりももっと頻繁な会の開催によって、できるだけ審議の期間を短くすることは可能でございます。
  95. 増本一彦

    増本委員 それだと、一つは、やはり局長が各省連絡会議にお出になっていらっしゃるわけですね、そうじゃないですか。
  96. 田辺博通

    田辺政府委員 担当の者が……。
  97. 増本一彦

    増本委員 あなたが監督しておられる……。そうすると、早くその問題点をきっちりと整理されて出して、金融制度調査会がそれに乗っかって進められるような、少なくともその辺についてのアクセルはうんと踏んでおやりになる必要があると思いますから、その点を要望しまして、終わります。
  98. 山下元利

    山下委員長 参考人各位には、御多用のところ、御出席の上貴重な御意見をお述べいただきまして、まことにありがとうございました。厚く御礼を申し上げます。  本日は、これにて散会いたします。     午後零時二十三分散会