○野口
政府委員 取りまとめて御
答弁申し上げます。
最初に、
岩城硝子と
中小企業の
理化医ガラスメーカーとの
行政指導に関する問題でございます。
経過につきましては先生が
先ほどお述べになりましたとおりでございまして、特に昨年の四月に
岩城硝子が
自動成形機を入れたことに端を発しまして、中小の
理化医ガラスメーカーと問題が起きたわけでございますが、特に昨年の
不況の状況ということもございまして、
中小企業側の方から、
自動成形機の撤去というような問題を含めまして当省にもいろいろ陳情があったわけでございます。その後、私どもの方では
中小企業庁と協力をいたしまして、両当事者からいろいろ話を聞く等実態の把握に努めまして、その結果、十二月の下旬に双方の当事者と
話し合いがつきまして、それに基づいて両当事者を指導しているわけでございます。
その
内容でございますが、
岩城硝子のとりあえずの
出荷水準抑制の問題でございます。それは先生も
先ほど述べられましたとおりに、当面五十一年の一月から六月まで半年の
岩城硝子の
出荷のレベルを、
昭和四十九年の
出荷実績よりも相当下回る
水準で抑えるということでございましたが、その
内容は具体的にどうなんだという御質問がありましたが、私どもは当面一割程度下回る
水準、こういうふうに考えて、その程度で抑制するように指導をしているわけでございます。
これは当面一月から六ヵ月の
出荷水準でございます。その後は六ヵ月
ごとに、
市場の状況あるいは価格の動向等を勘案いたしまして当省の方から指示をするということになっておりまして、その指示に従って会社の方で
出荷を抑制する、こういうことになっておるわけでございます。
その六ヵ月後の
出荷水準についてどういうふうに決めるのだというのが第二の御質問だったと思うのでありますが、一月から六月の
生産水準を決めるのと同じように、いま申しましたように、そのときの景気の動向あるいは
市場の動向等を十分勘案いたしまして、当然
中小企業の関係の
業界の
考え方なり
意見なりというものを聞きまして、それを指示の上に反映させるようにわれわれの方は努めよう、こういうふうに考えておるわけでございます。
さらに、この
出荷措置を私どもの方は一応二年間程度を考えているわけでございますけれども、さらにその先、五十三年以降におきましても、野放しということではなくて、
経済情勢あるいはそのときの
中小企業の、特に
理化医ガラス業界の二年間の
近代化なり
合理化なりというものの
成果等をにらみ合わせまして、必要があればさらに
岩城硝子に対する指導を継続してまいりたい、こういうふうに考えておるわけでございます。
それから、第三番目の御質問でございました、理化医ガラスに対する助成策あるいは育成策はどういうことを考えているのだ、こういう御質問でございます。これにつきましては、ただいまのところ中小
理化医ガラス業界には実は工業組合の組織がございません。やはり
中小企業の育成あるいは助成ということになりますと、組合というものを手がかりにいたしましていろいろ指導なり育成をしているわけでございますので、やはり工業組合ができることが前提にございます。これの設立について昨年から現在指導しておるわけでございますが、工業組合ができますれば、あとはその工業組合の意欲あるいは準備のぐあいに応ずるわけでございますけれども、
中小企業近代化促進法の指定ということも当然考えられるわけでございまして、その準備なりが整い、かつ
業界からの要請がございますれば、それを受けて立って、
近代化につきまして、あるいは構造改善につきまして、当局といたしましても御協力、御支援をいたしたい、こういうふうに考えておるわけでございます。
先ほど先生、
中小企業の
業界では多額のお金を投入して、たとえば
自動成形機の導入のようなことはむずかしいのではないかというような御
趣旨の御質問があったかと思うわけでございます。やはりそれは大
企業のまねをそのまましようとしてもなかなかむずかしかろうというふうに思うわけでございますが、
中小企業の
業界は
中小企業の
業界なりに、それぞれ固有の
分野、あるいは少量であっても品質のいい物というようないろいろ工夫をいたしますれば、品質なり
分野におきましてりっぱにやっていける、あるいは伸びていける方面もあろうかと思うわけでございます。品質さえよければ、自動成形でなくて手吹きの
方法でもやっていける
分野があろうというふうに考えておるわけでございます。
具体的には、たとえば五十年度、本年度におきまして、
理化医ガラスメーカーの
技術改善のために、若干ではございますけれども、小型炉による電気溶解法につきまして
技術開発を支援するための補助金を出したというような実例もございます。いろいろな手段
方法を講じまして斯業の
近代化、
合理化を支援してまいりたい、こういうふうに考えております。
それからもう一つ、先生から提起されましたQプリントの問題でございますが、これは先生よく御存じのように、大
日本印刷が一〇〇%の出資でQプリントのショップをつくる、これを
全国で五百店ぐらいのネットワークをつくろう、こういうのが本来当初の考えであったわけでございます。こういうことになりますと、これは軽印刷を
中心とする
中小企業印刷業界に与える
影響は非常に大きいと私どもは考えたわけでございます。そこで四十九年の三月に、当事者、特にQプリント、大
日本印刷等に要請をいたしまして、
行政指導の
方針を決めたわけでございます。
それの大要、中身を簡単に申しますと、とりあえずともかく
二つだけの店舗は認めましょう、大
日本印刷の子会社であるQプリントのいわば直轄店でございますが、これは東京と大阪に一店ずつ認める、ただこれは
経営上、
技術上のノーハウを蓄積するためのいわばパイロットショップでありますということで、本格的にこのQプリントのやり方で仕事をする店は、ちょうどたまたま
中小企業近代化促進法に基づく構造改善の
事業を中小の
印刷業界がやっておるわけでございますので、この
事業の一環として取り上げて、構造改善
事業をやっている
中小企業の方々にこういう
技術なりあるいはやり方をやってもらおうじゃないか、こういうのが基本的な
考え方で
行政指導をいたしてきておるわけでございます。
そこで、そのやり方といたしましては、あくまでも当事者間の
話し合いで円満に進めていくということでございます。その例として、先生が北海道の帯広とそれから千葉の例を申したわけでございますが、この
方針に従いまして、現在
中小企業の
業界でこの方式でやっているのは以上の
二つの店でございます。
それぞれの問題があったではないかというような御質問があったかと思いますが、帯広店におきましては、この構造改善
事業をやっている組合員でない者がQプリントをやろうというものでございまして、いわばアウトサイダーがこの
分野に出ようとしたことがその発端であったわけでございます。私どもの方が定めた基本的な
考え方といたしまして、原則としてこのQプリントのフランチャイジーになる者は、やはり
先ほども言いましたように構造改善
事業をやっている組合員、原則としては組合員に限るのだ、こういうことであったわけでございます。ただ、例外的に組合員でない者もフランチャイジーになる場合もあろう、その場合には大
日本印刷の子会社であるQプリントが
通産省の了解を得るのだ、こういうふうになっておったわけでございますが、このアウトサイダーの帯広店は
通産省への報告を怠ったということがございます。
もちろんそういう手続上だけのミスではなくて、やはりその関連の
中小企業に与える
影響というようなことにつきまして、十分な
話し合いがあるいは欠けておったのではないか、こういう面もあろうかと思いますが、主としてそういう手続上のミスで問題が
発生したわけでございますが、それはその後いろいろ話し合った結果、円満に
解決をいたしました。
それから、もう一つの千葉の例でございますが、この場合は構造改善
事業を実施しておる組合のインサイダーでございましたが、たまたま印刷関係の
団体の中におきますいろいろな感情的なもつれその他がございまして、いわばインサイダーの中における組合の問題であったわけでございますが、これも当省が間に入りまして円満な
話し合いをつけたわけでございます。
今後の
方針でございますが、Qプリントのフランチャイジーは原則として構造改善
事業を実施している組合員であるということでございますけれども、私どもの方といたしましては、構造改善
事業を実施している組合員であっても、アウトサイダーの場合はもちろんでございますけれども、やはり野放しで自由に店をどんどんつくっていっていいというものではないだろう、こういうふうに考えるわけでございます。したがいまして、四十九年三月の、
先ほどの基本的な
考え方に基づきまして、印刷関係の三
団体、これは全
日本印刷工業組合連合会、それから
日本軽印刷工業会及び全
日本青写真工業連合会、この関係の三
団体がございますけれども、この三
団体の円満な
話し合いを進めていく、そしてやはり秩序ある
進出でなければならぬ、こういうふうな考えを持っておるわけでございまして、こういう
方向で私ども今後とも指導してまいりたい、こういうふうに考えております。