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田中(美)委員 これは新聞の記事なんですけれども、昨年十二月十八日の朝日新聞に「厳しい老後を商売のタネ」という形で、「ポックリ寺ツアー大当たり」というふうな記事が出ているのですね。これを見てみますと、この業者は、「老人にしてみりゃ安楽往生が夢ですよ。私たちはそれをお手伝いしているわけで、みなさんから喜ばれてます」こういう、旅行社みたいに、奈良にあるポックリ寺へ。ぽっくり死ぬということですね。病気になって
医者にかからないで、金を使わないでぽっくり死ぬというので、業者がお年寄りの
団体をつくって商売をしているということなんですね。こういうことで安楽往生のお手伝いをしているんだ、こう言うのですね。それから、これに対してお寺の方は、ことしになってもう八万人も来ていると言っている。ということは、いかにお年寄りが病気になるのを恐れているか。ということは、決してこのポックリ寺というのは死ぬことを恐れているということではなくて、病気になって寝込むことを恐れているのですね。死ぬことを恐れているんじゃないんですね。いかに病気を恐れているか。おたくの方の
調査で見ても健康の心配というのが一番出ているのとそっくりです。
それからもう
一つ、これは朝日新聞ですけれども、一週間ぐらい前だったと思います。名古屋に興正寺というお寺があるのですね。これは昔安産の仏様というのですか、それがいつの間にかポックリ寺になっているのです。これに対してここのお寺の長老が、この中に書いているわけですけれども、「ポックリ死ぬよう願いに来るというのも時代の不安の現れでしょうか」ということを言っているわけです。いかにいまのお年寄りが病気を恐れているかということです。それは病気で自分が肉体的につらい思いをしたくないという気持ちもあるでしょうが、これは若者にだってあるわけで、す。病気というのはこわいわけですね。しかし、結局お金がかかり、家族に迷惑がかかる。いまのように無料化になっていても実際には差額ベッドがあり、付添料がありということで恐れているわけです。ですから、その上にこれがもし有料化でもされようものならこの不安はますますひどくなって、こういうポックリ寺にお年寄りが参るということがますますふえるという
状態です。それで、ここでは一回参っただけでは御利益がないというので、月に一回、七ヵ月続けると初めてあるんだそうです。それが一回病気しますとパァになりますでしょう。またもとの振り出しに戻って七ヵ月連続して行くというので、最近はもう押すな押すなで、このお寺には露店が二百五十軒も立っているんですね。そうしていろいろな物が売り出されて、もういっぱい来ているわけです。
それで、こういう
状態に対して、日本福祉大学の名誉教授でいま八十一歳ぐらいの、日本に初めて社会事業を持ってこられたという
先生ですけれども、浅賀ふさ
先生という方が、ポックリ寺とは何とひどいことだろう、そしてこれは人間の使い捨ての社会の現象である。こんな現象が出ているというのは外国人に聞かせたら恥ずかしい。これをまた商売に利用していく、これはまあ資本主義だからもうかるものは何でもやるというのでしょうが、こういう
状態が出ているのは恥ずかしい。これはもう
厚生省の責任なんだということを浅賀ふさ
先生ははっきりと言っている。これは、朝日新聞に出ておりましたので、私がきのう電話で伺いましたら、こんな現象が出ているということは自分は外国に対して恥ずかしい。そして、お寺さんというものがその時代の人の心というものをそこに反映していくと言う。安産からいまはポックリ寺にと、お寺も中身が変わってきている。これからあっちこっちにポックリ寺ができていくんじゃないかということを言っているわけですね。
それで、私はこれをどうしてくれと言うわけではありませんけれども、こういう
意味で、お年寄りの
医療の問題については厚生
大臣が全力を挙げてがんばっていただきたいというふうに思います。私は、今度の
予算が、日本の戦争犯罪人である右翼、そういうものと政府・自民党の高官がつながって国の
予算を食い荒らしている、こういう
状態の中で福祉が後退するということは、これは許されないことですよ。(発言する者あり)これはもう
国民がみんな、疑いどころか一〇〇%信じている問題です。こういう
意味で、もし
大臣が本当に、大蔵省のこういうやり方というもの、こういう
考え方が周りからやってきて
厚生省を追い詰めていくというようなことに対して、あなたがおっしゃるように憤りを感ずるというお気持ちなら、
大臣の席をけっていただきたい。
厚生省をこんなふうにするような内閣ではということで、けっていただくというふうな強い姿勢を持ってこそ、初めて厚生
大臣に対する
国民の信頼がわくんだというふうに私は思います。国家
予算にしても、防衛費については防衛庁は一兆三千億円しか要求していないのに二千億円も大蔵省は上乗せしている。こういうことに対してもう少し厚生
大臣が、なぜ福祉を削るんだという形でがんばっていただきたいし、それが通らないときには
大臣をけるぐらいの形でがんばっていただきたいというふうに思います。あなたがピーナツと関係がないならば、それぐらいの闘いはやっていただいてこそ初めていま自民党にかかっている大きな疑いも、自民党の中には多少ましな人もいるんだということを知ってもらうことになれるんじゃないですか。ぜひそれをお願いしたいと思います。(発言する者あり)
次の質問に移りますが、次は電話料金の問題です。今度電話料金が、基本料金が九百円から千三百五十円に、通話が七円から十円というふうに値上げをされるわけです。(発言する者あり)——不規則発言をとめていただきたいと思います。(「演説をするから」と呼ぶ者あり)演説ではないのです。ロッキードの問題というのはただごとではないのですよ、
予算に対して。これほど大事な問題を不規則発言で茶化すということはロッキード問題をもみ消す仲間でしょう。いまの名前はっきりしておきますからね。後からお名前をはっきりお聞きしますからね。これほど
国民は怒っているときなんです。厚生
予算を切っているということは軍備に食われているんじゃないか。軍備だけではない、賄賂で食ったんじゃないかというのが
国民の怒りですよ。いま障害者のことを言っている。(発言する者あり)
委員長、私の質問を妨害しないでください。