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川崎委員 それでは、次に
鹿児島湾の奥の方の水銀汚染の問題について伺いたいと思います。
この
鹿児島湾の奥の水銀汚染の問題は、水俣などとは違う、日本では他に類例のない汚染だと思うのです。そこで、大変むずかしい問題でありますが、どうも次々に違った
調査結果が出てまいりますので、この点について少しお尋ねをしたいと思います。
四十九年に
鹿児島県が
調査をやり、
桜島の海底
噴火を汚染の犯人だ、こういうふうに結論づけたわけでありますが、五十年四月の
発表になります環境庁と
鹿児島県の
報告書を見ますと、「海底
火山活動に伴う水銀の排出によるという自然現象が主たる汚染原因であると疑われる。」ということで、「主たる」そして「疑われる」というふうに、この辺は逃げているというか、慎重に構えておるわけであります。もう
一つ、ことしの四月に、東京工大の小坂教授たちの、文部省の科学
研究費による
調査報告が出されたわけです。今回の
調査では、水銀汚染と海底
火山との結びつきは見つけられなかった、こういうふうに小坂教授たちは結論づけておるわけです。
そこで、三つの
報告の関連をまずお尋ねしたいと思うのですが、県が出したもの、そして県と環境庁が共同でやったもの、これは関連がありますね。その環境庁と県が出しました
報告書の最後に「そのための学問的
研究を期待するものである。」とありますが、この期待するものというのが今度の小坂教授たちの
研究である、こういうふうに関連づけなければならない、私はこういうふうに思います。当然それは総合的な
調整がなされなければならないと思うのですね。ばらばらではないと思うのですが、県のもの、環境庁と県の合同
調査、それから学者のものという三つの
段階を見ますと、だんだんおかしくなってきているわけですね。おかしくなるというのか、違った結論が出てきておる。これは
周辺の住民にとっては、原因が究明されて大変安心されるのじゃなくて、だんだんわからなくなってくるわけですから、この三つの関連をどういうふうに環境庁として考え、そして今後どのようにこの問題を解明しようとしておられるのか、その点を伺いたいと思います。