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大工原説明員 現在、急傾斜地
関係の
対策といたしまして、
先生御承知のように、四十四年に急傾斜地の法律ができまして、それ以来ずっと法律に基づきます
管理体制の
強化あるいは防止工事の実施という面で促進してきたわけでございます。たまたま本年の二月に、急傾斜地の安全
対策に関する行政監察ということで昨年度一カ年かかりまして行政
管理庁が実施された結果、法律の施行の中身につきまして、
管理の
強化という面で
危険個所の把握ということがまず第一に勧告されております。私
どもとしては、
建設省が
一つの
調査要綱に基づきまして
調査した結果、四十七年度におきまして、約六万カ所の
危険個所の把握をいたしております。その
危険個所の中から順次危険度の高いところ、あるいは
対策を必要とするような
個所から急傾斜地法によりますいわゆる危険区域の指定を実施してきたわけでございます。この勧告でも
指摘されておりますが、十二月末におきまして四千七百七十八カ所が指定済みでございます。六万カ所に対しまして非常におくれておるということでございますが、実態といたしまして、指定を受けますと、その土地が私権の制限を受けるというふうなことで、住民のコンセンサスが一様に得られない。非常に危険度の認識が高いところにつきましては、あるいは災害がありますと非常に指定が促進されるわけでございますが、われわれ予防的に危険だというふうな物理的な判断から
危険個所を想定しておるわけでございます。そういった意味で、住民のコンセンサスが得られないというふうな点から指定の促進がおくれておるというのが実態でございます。
さらに、各
地方財政が厳しいという面から、指定をいたします場合にもいろいろ
調査するための経費がかかるわけでございます。それから、指定いたしました土地の
管理というふうな意味でも経費がかかるわけであります。そういった意味で、法律ができまして以来多少指定の速度が落ちておるというふうな面がございますが、この勧告を受けまして、私
どもといたしましても、都道府県に対しまして、そういった
危険個所の把握の問題も含めまして、実は先月付で河川局長通達を流しまして、
管理の
強化、あるいは
危険個所の把握というふうな点につきまして、今後強力に促進していきたいというふうに考えております。
また、
対策工事等につきましては、
先生御承知のように、四十七年にも大災害がございまして、それを契機に
調査をした結果、六万カ所ということになったわけでございますが、
対策工事につきましても、四十九年、五十年というふうに一般的な公共
事業の伸びがほとんどない時期ではございましたが、約三〇%の伸びで
事業を伸ばしてきたというふうに非常に積極的に取り組んでおるということでございまして、おかげさまで五十一年度の
予算規模も百四十二億というふうに、
予算の増額のスピードからいきますと、他の
事業とは比較にならないように大幅に伸ばしているということでございます。