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中路委員 在来線については、いま五十年度から、——五十年度といいますと、もうすでに
調査が始められているのじゃないかと思うのですが、五十年、五十一年度と
調査をやって、それから対策を立てるというお話ですが、新幹線鉄道についての勧告は、すでに出されていますし、この中身を見ますと、新幹線鉄道の振動について「70デシベルを超える地域について緊急に振動源及び障害
防止対策等を講ずること。」こういう内容の勧告が
環境庁長官から運輸大臣に出ているわけですから、在来線とは幾らか事情が違うにしても一応、昼間でしょうが鉄道の振動の
一つの
基準と考えてみて、お話を進めたいと思うのですが、ミリに直しますと、七十デシベルを読みかえ換算しますと〇・九ミリになるわけです。
私が、きょう取り上げたいのは、これは社会党の岩垂さんと私と一緒の川崎なんですが、特に私の住んでいるところ
自身が、これで団地の問題になっているところなんで直接お伺いしたいのです。三月一日に開通いたしました国鉄の武蔵野南線、まだ一カ月余りしかたっていませんが、これはいまの場合、貨物線専用線が川崎の新鶴見操車場から東京の府中本町まで約二十五キロ、そのうち十九キロが川崎の市内を住宅地を縦断している。二十五キロのうち四分の三が地下トンネル方式になっていまして、途中のターミナル貨物駅、梶ケ谷というターミナル駅の一部を除いて、ほとんど地下になっているというところなわけです。三月一日に開通しまして、いま上下線で百三十九本が主として夜、通過をしているのですが、開通した途端に、トンネルの上それから周辺の住民から、この列車の振動
公害について川崎市の
公害局や国鉄へ苦情がいま殺到しているわけですね。それで市の
公害局が三月末から四月上旬にかけて、苦情が出ているところを中心に六カ所で振動
調査をやりまして、全体の分析結果は、あと一週間ほどかかるという市の
公害局の話ですが、先日、私、現地を見に行く際に、いま読み取りが終わっている二カ所だけ、事実を市の
公害局からいただきました。
それを見ますと、これは方法として測定機器をトンネルの上の部分にある住宅の敷地の地表面に置いて、通過する列車ごとに振動速度を波形
記録して読み取ったものなわけですが、この二カ所。一カ所は、中原区の住宅地域ですが、上小
田中の大島さんというお宅でとったもの。四月の二日ですが、ここは土かぶりの深さが四・三メートルというところ。大体この地域は平均四メートルぐらいです。そこで夜の八時、二十時二十分から二十二時五十二分まで二十一本ですが、水平度で二・三五ミリというのが出ています。それから上下動で二・二〇と大変な数値が出てきているわけですね。さっきの新幹線の七十デシベル、〇・九、これは昼間で、これ以下に抑えるということですが、それよりもはるかに高い数値が深夜で出ている。もう一カ所の高津区の白幡台の川口さんのお宅。これは土かぶりで四十三メートル。
相当、深さがあるわけですね。ここでも零時五十九分から午前一時三十三分の八本、いわゆる深夜ですが、水平動で〇・四それから、やはり上下動でも〇・四、四月十三日の
調査で出ているというのが市の
公害局の結果なわけです。
これは神奈川県の県条例による深夜の
環境基準から見ますと、いま住宅地区で〇・一ミリということになっていますが、さっき言いました中原区で県条例の二十二倍ですね。それから地上から四十三メートルを通る高津区の白幡台でも、同じ
基準の四倍というのが出てきています。大変驚くような数字が出ていまして、私は十九日の日に、
訴えが出ているところを三カ所ばかり、一日かけまして現地へ出かけて
調査に行ったのです。もう、一軒へ行きましたら周辺の人みんな集まってきちゃうのですね。だから三カ所訪ねただけで六十人の周辺の皆さんから意見を聞きました。きょうは鉄建公団の皆さん、ちょっと手続をあれしなかったので来ていただけないので、私の方から
実情を先に話してしまいますけれ
ども、主なのは、こういう意見が出ているのですね。
列車が通るたびに家が揺れて、みんな夜、目を覚ましたら、それから寝つかれない。中公審の二月二十八日の
報告書というのを読ませていただきまして、この中にも、いろいろ数値が出ていますが、いま起きているこの数値は、この
報告を見ましても「全て覚醒」目を覚ましてしまうという状態の数値ですね。皆さんの
訴えも当然だと思う。私も見ましたけれ
ども、テレビの映像は全部、揺れちゃってはっきり映らない。それからストーブの上に置いてあるやかんが揺れていって落っこっちゃうという状態ですね。家が土台が下がって傾くとかという状態。震度三の地震が来てもわからないというような意見もありました。家で録音をして、私にぜひ、これを持っていってくれということで渡されたテープもあります。大変な状態になってきて、いま国鉄や市の
公害局に文字どおり苦情が殺到しているという状態なんですね。
どうして、こんなことが起きたのか。工事する前にどういう約束があったのか、住民の皆さんと話があったのかということで、これも調べてみましたら、工事の前に市の議会でも、これが問題になりまして、川崎市議会と国鉄それから鉄建公団との間で昭和四十五年の六月二十日に確認書が交わされています。確認書を交わしているのは、国鉄は東京第二工事
局長の宮下さん、日本鉄道建設公団東京支社長の川崎さん、二人の名前で川崎市議会の
公害を担当している第四
委員会との間で確認事項が交わされているわけですが、この中では「騒音、振動については県条例の
基準以下に抑えるように努力する。」なお、県条例の
基準は振動〇・三ということですね。六十デシベルぐらいだと思います。騒音は昼五十五ホン、夜五十ホン、深夜四十五ホン以下と当時、県条例はなっているわけですが、これが確認文書で交わされています。まだ全部、現状が出ていませんけれ
ども、すでに明らかになっている市の
公害局の
調査でも十倍近い振動ですから、これはもう騒ぎになるのは当然なことですね。
きょう鉄建公団はお見えになっていませんけれ
ども、国鉄の方でも
報告を聞いておられるかと思いますので、いま私がお話ししましたように開通して、まだ二カ月足らずですけれ
ども、こういう現状ですね、現地で振動問題で大変な騒ぎになっているということぐらいは、国鉄もすでに御存じじゃないかと思うのですが、国鉄あるいは運輸省で、私がいまお話ししたような、この武蔵野南線をめぐって現地で振動
公害について、いろいろ問題が起きているということについては国鉄の方は御存じですか。どういうように認識されていますか。
報告なり来ていますか。