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野津政府委員 ただいま
橋本先生から四点にわたります御質問があったわけでございます。
初めに
自動車いわゆる
移動発生源と
工場、
固定発生源の割合、いわゆる
汚染負荷量賦課金の割合の問題があったわけでございますが、この第一種
地域と申しますのは、むしろ私が申し上げるまでもなく、
全国の
大気汚染物質の排出者を原因者集団という形でとらえまして、その拠出によりましての
全国一本のプール方式という形で費用を調達するということになっているわけでございまして、これにつきまして
全国ベースで推計をいたしますと、いわゆる
固定発生源と
移動発生源が八対二の
比率になっているということにつきましては御
指摘のとおりであるわけでございますが、最近の、特に現在の
指定地域の
拡大、新しい
指定というふうな形を持ってまいりますと、御
指摘のございましたような、いわゆる都市型の問題というのが大きなことになってくるわけでございます。ただ、このような場合に、実際に、その
地域におきましての寄与度というものにつきましては非常にむずかしい面があるわけでございます。各
指定地域におきます。いわゆる
大気汚染の発生源別の寄与度になりますでしょうか、その
データというものは現
段階で把握するということは非常にむずかしい問題がございます。しかし、御
指摘のような、この
法律の出発の際に相当な
割り切りというものをもちまして、できるだけ早く
患者を
救済したいという
考え方で進んできているわけでございますので、その辺が問題があったにいたしましても、この
データの収集というものにできるだけ努めまして、この収集あるいは解明ということによります
実態を明らかにしていくことによって
検討していく必要があるのではないかというふうに
考えているところでございます。
それから第二番目に、いわゆる硫黄酸化物を
中心としました現在の
汚染負荷量賦課金の
制度におきまして、
賦課金について硫黄酸化物を
対象とした
計算でいくならば、もし
企業が努力しておっても結局、
賦課金は高くなっていくということでございますが、これは若干、分析をしてまいりますと、御案内のとおり、この
制度が発足しまして一年半ちょっと、たったわけでございますが、その間いわゆる
地域指定の
拡大という問題がございました。それからまた、過去におきましての
汚染に基づいて潜在しておられました
患者さんのいわゆる顕在化という問題がございまして、現在の
段階では、現在の
補償給付に支払います費用というものが非常に高くなってきている時期でございまして、したがいまして各
企業、特に
固定発生源の
立場から見ますと、一単位当たりの
賦課金というのがふえてくるというふうな
実態が表には出てまいっております。しかし原因は、ただいま申し上げましたような
一つの過渡的な
状況だろうと思っております。特に個々の
企業が、現在、着目しております硫黄酸化物につきまして、もし減らしてまいりますと、単位当たりの、ほかの何も処置をしていない
企業と比べますと、減らしてくる努力によりましては減ってくるわけでございます。ただ、総体の金額がふえてまいりますので、出面としましてふえてくるような
考え方になっているかと思います。しかし、いずれにしましても、この問題が健康
被害というだけに着目した形でまいった場合に、いわゆるチャージというふうな形でこれが生きていくかどうかという問題、非常にむずかしい面があるのじゃないかと思っておりますが、いずれにしましても、これはコンスタントな
状態になった場合には当然、努力は反映してくるべきものであろうというふうに思っておりますし、また、前から
考えがございました
賦課金によっての、いわゆる課徴金
制度のような形でいくことができるかどうかという大きな問題があるわけでございますが、これもどうも健康
被害の
補償だけでは課徴金という形にはいかない。もっと幅の広い形での、いわゆる
環境汚染の防止なり、あるいはその
対策なりのものを含めないといけないのではないかというふうにも
考えているところでございます。
それから
地域によりますアン
バランスは、これは冒頭に先生から御質問がございまして、
大臣もお答え申し上げたところではございます。流れから見てまいりますと、やはり基本的には
全国一本の
制度という形で走ったところでございますが、やはり、このような問題がこれからは大きな
一つの問題であろうと、私
どもも大きな問題意識を持っているわけでございまして、長官からの御指示もございまして、現在どのような形でこれに対応するかということを
考えていかなければならないと思いますし、
地域別に、先ほど申し上げましたように
大気汚染の発生源別の寄与度というものが相当程度に明らかになりまして、これに基づいて
地域出資を均衡させるべきであるというふうな形でのコンセンサスが、もし得られることとなりましたらば、その
方向で
検討すべきであろうというふうに
考えております。
それから
認定基準の問題でございます。私
どもは各
地域におきます認定審査会におきまして、きちんとした認定が行われているというふうに理解をいたしておりますが、ただ、
大気系の疾患でございます慢性気管支炎とか、あるいは気管支ぜんそくというふうな疾病につきましては、一般的にある疾病でございます。したがいまして、これが、もし
一つの因果関係というものがきわめて明確になったような、たとえばいわゆる第二種の
地域というふうなことになりますと、これはきちんとした
認定基準ということも
考えられるかと思いますけれ
ども、御
指摘がございましたような自然有症率等もあるわけでございまして、これは一般的な疾病であるというところで、現在の
段階では、その個々についての
認定基準というものを設けてはいないところでございます。
しかし一番、大事なことは、認定の際に行います医学的な検査の問題であろうというふうに
考えておりまして、その項目につきましては私
どもから各都道府県に対しまして、その中身についての通知をいたしておるところでもございますし、また、認定審査会につきましては、診断書のほかにも医学的な検査を実施する等の、ほかの
資料に基づいての認定を行っているというふうなところでございます。また、これらの認定や検査
方法などにつきましては、定期的に年に一回は全員各
委員、審査会からお集まりいただき、それから年に一回はブロック
会議という形をとりまして、各認定審査会の
意見の交換等を行いまして、この認定が適正に行われるということを前提といたしましての仕事を進めておるところでございまして、ちょっと、この疾患の特異性から見まして
基準をつくるということが若干むずかしい問題がありますから、別の形で認定の適正化ということについての努力を重ねてまいっているところでございます。