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1976-05-13 第77回国会 衆議院 交通安全対策特別委員会 第6号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和五十一年五月十三日(木曜日)    午前十時三分開議  出席委員    委員長 太田 一夫君    理事 瓦   力君 理事 三枝 三郎君    理事 羽田野忠文君 理事 林  大幹君    理事 勝澤 芳雄君 理事 野坂 浩賢君    理事 紺野与次郎君       足立 篤郎君   小此木彦三郎君       加藤 六月君    左藤  恵君       斉藤滋与史君    久保 三郎君       佐野  進君    土橋 一吉君       沖本 泰幸君    小濱 新次君       渡辺 武三君  出席政府委員         内閣総理大臣官         房交通安全対策         室長      室城 庸之君         警察庁交通局長 勝田 俊男君         運輸省鉄道監督         局民営鉄道部長 妹尾 弘人君         運輸省自動車局         整備部長    犬丸 令門君         運輸省航空局次         長       松本  操君         海上保安庁次長 間   孝君         建設省道路局次         長       中村  清君  委員外出席者         防衛施設庁施設         部連絡調整官  広田 徳久君         防衛施設庁施設         部施設対策第二         課長      白根  洋君         環境庁大気保全         局自動車公害課         長       丹羽 一夫君         外務省アメリカ         局安全保障課長 山下新太郎君         大蔵省銀行局保         険部長     山橋敬一郎君         水産庁海洋漁業         部漁船課長   芝田 照夫君         通商産業省機械         情報産業局自動         車課長     中沢 忠義君         運輸省自動車局         参事官     宇津木 巌君         運輸省自動車局         業務部長    真島  健君         労働省労働基準         局監督課長   倉橋 義定君         建設省計画局建         設振興課長   中川 澄人君         自治省財政局調         整室長     中村 瑞夫君         特別委員会調査         室長      綿貫 敏行君     ————————————— 本日の会議に付した案件  交通安全対策に関する件      ————◇—————
  2. 太田一夫

    太田委員長 これより会議を開きます。  交通安全対策に関する件について調査を進めます。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。三枝三郎君。
  3. 三枝三郎

    三枝委員 これから、一時間弱でございますが、交通安全の基本計画関連する諸問題について関係皆さんに御質問をいたしたいと思います。  最初に、私、常々考えているのでございますが、私ども質問をいたしますと政府関係皆さんたくさんおいでになります。きょうも、見ますと、ここに関連部局が十四、五あるようですが、二倍ないし三倍の方が見える。私も経験がございますが、その間行政がストップするのではないか。現に、私、この質問をするに際しまして事前関係部局にお電話をしますと、きょうは参議院の委員会に行っておりまして課長はおりません、じゃ補佐の方はおいでになりますか、いや、みんな一緒に行きました。責任の方がほとんど空っぽになるような状況で、これは国の行政を進める上で大変なロスだと私は思います。そこで、意地の悪い質問とか本当に細かい重箱のすみをつつくような質問ならいざ知らず、衆議院の委員会でございますから、担当の責任課長さん、部長さんあるいは局長さん、常識的に答えられるような問題ではないかと思いますし、細かなことになりますれば、後で文書で資料要求するというようなことがなされてしかるべきだと私は思います。したがいまして、今後は、少なくとも私の質問に関する限りは、こうたくさん、二倍以上おいでになって、その間行政がストップするということのないようにお願いしたいと思います。  そこで最初に、交通安全基本計画はなかなかよくできております。昨日の質問にもございましたので、多少ダブる面があろうかと思いますが、改めて伺います。この五カ年計画は過去五カ年間の実績を踏まえて作成されたと思います。そこで、特に重点を置いた事項は何であるか、過去五カ年の実績を見てどのような点に最も力点を置いてつくられたか、その重点目標についてごく簡単に御説明をお願いしたいと思います。
  4. 室城庸之

    室城政府委員 お答え申し上げます。  第一次五カ年計画におきましては、実は当時交通事故が非常にふえておる、しかも死者の数が一万数千人に及んでおる、何とかしてこの死者を減らすことができないかということがございました。死者実態等を見ますと、その中でも特に交通上弱い立場にあります歩行者の数が非常に多い。昭和四十五年当時の歩行者死者の数は三千五、六百人であったと思いますけれども、これをそのままいまの状態で放置しておきますと、向こう五カ年後には八千人程度にまで歩行者死者がふえてくるのではないかという推計から、何とかして歩行者死者を、いわば八千人の犠牲者が出るこの勢い半減させるようにすることを目標にしたいというのが第一次五カ年計画中心課題であったわけでございます。そのほか、もちろんこれを中核といたしまして交通安全対策全般を進めていくということであったわけでございまして、当時の死傷者数全体で百万人に及ぼうとするこの勢いを何とか食いとめるための緊急の措置をやっていこうということであったわけでございます。  その後、昭和四十六年以降第一次五カ年計画現実に発足いたしまして、財政事情等も非常に悪い時期ではございましたけれども、何ものにもかえがたい人命の問題であるということで、行政の中でも最重点に推し進めてまいり、また先生方その他関係皆様方の大変な御助力を得まして、おおむね歩行者死者半減という目標は達成することができた、これが一番大きな成果であったと考えるわけでございます。  それに伴いまして、当然交通事故全般が過去五年間減少を見、負傷者の数も含めますと三十数万という昭和四十六年当時の数の三分の二くらいのところまで事故を抑えることができたということが大変な成果であったわけでございます。  したがいまして、私どもとしましては、過去五カ年間第一次五カ年計画成果が上がったということではございますが、なお一万を超える死者がある、あるいは六十万を超える負傷者があるということを第一次五カ年計画に引き続きまして事故防止中心課題としてとらえていこう、今回、第二次五カ年計画を立てますについてはいろいろな推計をいたしましたが、少なくとも向こう五カ年間で昭和四十五年のピーク時における死者半減ということをねらいとした計画にしていってはどうかということで、第一次五カ年計画に引き続きまして、諸般の交通安全対策を総合的に推進してまいるということを考えておるわけでございます。
  5. 三枝三郎

    三枝委員 大体の重点事項はわかりましたが、きのうも長官から御説明があり、また基本計画を見てみますと、最初に、ただいまお話がございましたように、人命尊重という理念を基本的にして、車両、船舶、航空機、まあ陸、海、空の交通機関、この三つの要素について、ここにうたってありますように、相互関連を考慮しながら、適切かつ実施可能な方策を総合的に検討し、計画を作成するということになっております。これ全体を見ますと、いまの人命尊重という点で、死者の一番多く出る陸の問題に重点を置いていることは当然だと思いますが、海と空についてもこれを十分に検討して、備えあれば憂えなしということですから、事前に総合的にこれを見ていかなければならない。そこで、私は、これをつくる基本的なあれで総理府対策室が総まとめをしていると思います。いろいろ伺ってみますと、海の方と空の方は、これは予算面におきましてもそれぞれ大蔵の方に要求する、そしてそれの裏づけになる施策はここで総合的にうたい込まれておりますけれども、その執行に必要な予算面の総合的な調整というのが、いま必ずしもこの総理府の方でなされていないのではないかと私は思います。  御承知のように、単なる連絡機関であれば私は何も言うことはありませんけれども、せっかく総理府総合調整機関としての対策室が設けられている。したがって、そこが総まとめということになりますと、海の面も空の面も名実とも計画の中身も、それに必要な予算の面におきましても、一応全体を把握して総合調整をするという権限があるのですから、そういった面で今後五カ年間、これはもうできてしまって、いまそういう制度で進んでおりますけれども、たとえば空港整備の点でも、対策室の方では一応それを相互連絡して検討する、大蔵予算面で全体を見るということもいまの制度では必要ですけれども、そうなされておりますけれども、ここにせっかく総合的に検討するということが全般的に第一部に、計画の構想の中にうたわれておりますから、名実ともに、過去五カ年はそういう総合調整権は発揮されなかったと思いますけれども、これからの五カ年についてはできるだけその方向に持っていくべきではないかと私は思っておりますが、それについてのお考えをお聞きしたいと思います。  なお、それについて、総合調整権を発揮したいと言っても、関係各省が積極的、消極的権限の争いがあって、なかなか思うようにいかないということでありますれば、これは具体的な例がもしあったならば、後で書面でいただければ幸いでございます。
  6. 室城庸之

    室城政府委員 ただいま貴重な御意見をいただきまして、ありがとうございました。私ども、仰せのように陸、海、空を通じての交通安全対策というものの総合調整を担当いたしておるわけでございまして、従来も、形なりには陸、海、空を通じた総合調整をやってまいっておりますけれども、御指摘のように、海、空につきましては、交通安全対策の具体的な事項につきまして比較的多くの関係機関が同じ問題でいろいろ調整をしながら進めていくという分野が、陸に比べて少のうございます。そういった関係で、主として運輸省などの海、空のまとめましたものを大きな枠の中で取り扱っておるというような傾向がありましたことは御指摘のとおりでございます。したがいまして、私どもといたしましては、今後御指摘のような点について十分研究をいたしながら、全体としての交通安全対策というものの中には当然空、海の問題も含むわけでもございますし、また空、海の事故は、一たん発生いたしますと非常に大きな犠牲を生ずるというような内容のものでもございますので、今後総合的な調整についてなお一層検討し、努力をしてまいりたいというふうに考えております。
  7. 三枝三郎

    三枝委員 それでは次に、この五カ年計画を執行するに当たりまして、地方公共団体の担当する面が相当あるわけですが、その場合に、御承知のように、いま地方公共団体財政は大変逼迫した状況でございます。いわゆる超過負担の問題が、地方公共団体が常に取り上げている重点事項でございますが、たとえばこの五十一年度の都道府県警察施設整備費超過負担解消するためにどの程度配慮されたかということを、資料によりますと、総額について二十四億の予算が計上されております。この中に、単価の改定が六億、補助対象拡大が十一億、物価騰貴及びベースアップ分予算が七億、総額二十四億という増額がなされておりますが、しかし、これだけではまだまだ不十分ではないかと私は思います。  そこで、これは主として自治省の方、きょうはおいでになっていると思いますが、今後都道府県単独事業分国庫補助対象拡大を図っていかなければならないと思いますが、それに伴って超過負担解消を進めていかなければならない、それの基本的な考え方はどのようでございましょうか、ごく簡単で結構ですから、お答え願います。
  8. 中村瑞夫

    中村説明員 ただいまの超過負担についてのお尋ねでございますけれども、これにつきましては、御案内のとおり、警察施設のみならず全般的に現在地方財政にとりまして大変重大な問題になっておりますので、特にここ数年来、自治省といたしましては、少なくともそのうち最も典型的な超過負担と目される単価差につきましては完全解消を目指しまして、各関係省庁の御協力も要請をいたしまして、逐年実施をいたしてきておるわけでございまして、特にいま問題になっております交通安全施設関係につきましても、四十九年度事業につきまして、信号機の一部につきまして実態調査を行い、それにつきまして、五十、五十一年、両年度をもちまして解消を図るというふうな具体的な着手もいたしておるわけでございますが、ただ、これまでに行っております実態調査というのはごく一部でございまして、一般的にかなり多数の問題点がまだ残されておるのではないか。  地方団体の側の調査によりますと、いま私ども着手をいたしております額とははるかにかけ離れた大きな数字のものがあるというふうな調査も出ておるわけでございまして、それにつきましては、全部が政府責任を持って解消に当たるべきものかどうか、なお詳細に調査を要する点もあるわけでございますけれども、当面、先生指摘のように、地方財政困窮の時期でもございますので、こうした筋道の問題につきましては、自治省といたしまして特に力を入れまして実態の把握に努められるように関係省庁にお願いをいたしまして、そして私ども自治省なりの立場地方団体等の実情等十分に把握するように努めまして、単価差をまず取り上げて解消を図る。そのほか、交通安全施設等につきましては、やはり補助対象外施設に必要欠くべからざるものがあるというふうな地方団体の訴えもございますので、そうしたものにつきましては、政策上の問題も絡まってくると思いますけれども、実際に適切な事業を行うために必要なものにつきましては、何らかの措置がとられるような方向検討を進めてまいりたいというふうに存じております。
  9. 三枝三郎

    三枝委員 ただいま自治省考え方がわかったわけですが、いまお答えがあったように、実態を把握しよう、そして関係各省とも積極的に連絡をとってやっていこうということでございますので、自治省ばかりに任せるのでなくて、関係各省皆さん警察庁もそれからたとえば建設省もそれぞれ出先の機関を通じまして縦の列で超過負担実態というものを積極的に把握してこれをまた自治省に持ち込むということで、それこそ総合的に地方自治団体がいま一番困っている問題の一つの超過負担解消という面で関係各省挙げてその解決に努力していただきたいと思います。  そこで次に、この基本計画を拝見しますと、講じようとする踏切道における交通安全施策について、「踏切道立体交差化及び構造改良の促進」という項目で、連続立体交差化についてこれはぜひやっていかなければならない、踏切道の除去を促進する、それから道路新設とか鉄道の新線の建設に当たっても極力立体交差化を進めるということがうたわれております。  先般、当委員会でも、この都内の踏切道状況を、新宿それから小田急、あのかいわいの立体交差化工事状況などを見に行ってその必要を痛感したわけでございますけれども、この立体交差化につきまして、これは運輸省建設省昭和五十一年二月につくられました「昭和五十一年度以降五箇年間における踏切道改良計画(案)」というのが私の手元にありますが、この中で整備目標として、連続立体交差化、これが過去五カ年が百キロメートルでしたが、五十一年度からの五カ年間で三百キロメートル、それから単独立体交差化が、過去五カ年で六百カ所が昭和五十一年度から五十五年度まで五百カ所、百カ所減っているのですね。それから道路新設等に伴う立体交差化が過去五年が四百カ所、これから五カ年間が六百カ所、こういう数字が挙げられております。これは具体的なことは後で資料で提供していただければよろしいのですが、ただ、単独立体交差化が何で百カ所減ったのか、それからこの立体交差化の推進に当たっては、この実施計画が非常に必要度に応じてどこの地区をやるとか何かそういう具体的な個所が全部出て、そしてこの五カ年間のたとえば三百キロメートルを立体交差化するという具体的な個所づけとか何かがなされているのか、今後しようとしているのか、いまここではそういう方向検討しているとか、これは後で資料でいただければいいです。  それから、単独立体交差化、過去の六百カ所が五百カ所になったというこの案ですね、百カ所減ったことだけちょっとお伺いしたいと思うのです。これは多分非常に重点をしぼったのじゃないかと思うのですが、それだけをちょっとお答え願って、あとは資料で提供していただければ結構です。
  10. 中村清

    中村(清)政府委員 単独立体の数が、第一次の五カ年計画目標が六百で、今度が五百になる、百カ所減っておるという御指摘でございますが、これは連続立体が実は百キロメートルが第一次の五カ年計画目標値で、実際は百四十七キロほど実現をしておりますが、これを今度の五カ年では第一次の目標の約三倍に当たります三百キロメートルを目標にしておりますので、連続立体がふえた分だけ単独立体は減ってまいった、こういう実情でございます。
  11. 三枝三郎

    三枝委員 それでは、必要な資料は後でお届け願えれば結構です。  次に、空港整備計画について御質問いたしたいと思いますが、昭和五十一年三月十二日の閣議了解事項空港整備五カ年計画ができております。この計画関連しまして、実はこれはいつも痛感することですが、私は北海道選出ですけれども、しょっちゅう北海道へ帰ります。夏と冬で、千歳格納庫がないために、夏は各航空会社航空機を野天に置いておけるが、冬になりますと零下十度、二十度と非常な寒冷地帯ですから外に置けないというので、最終便向こうへ行ってすぐ戻ってくる、それからこちらから一便が飛んで、朝向こうへ着いてまた来るということで、その間、夏はいいのですけれども、秋とか春先に相当低温になった場合、格納庫があるなしで航空の安全につながると思うのです。それからまた経済活動その他について、冬も夏も同じような運航スケジュールで飛ぶことが必要ではないかと私は思いますが、この空港整備五カ年計画の中には、これは北海道千歳空港ばかりでなく、ローカルの空港について必要な格納庫整備ということが含まれているものなのか、まだそこまでは手が及ばないものなのか、もし、含まれていない場合は、今後これについては十分検討をして実現方向に持っていくものかどうか、その点のお答えを願いたいと思います。
  12. 松本操

    松本(操)政府委員 お答え申し上げます。  まず、第三次の空港整備五カ年計画そのものにつきましては、現在のところまだ内容を詰めるところまで至っておりません。したがいまして、個個の空港について、先生指摘のございました格納庫をどうするかというふうなところまではまだ全く考えが及んでいないわけでございますが、格納庫そのものは実は航空会社の方がそれをつくるという方向で行くということには基本的な考え方は固まっておるわけでございます。ただ、そのためには空港敷地の中に適切な場所がなければならないということが不可欠の要素になってまいります。最近、御案内のように、機材も大型化してきておりますので、従来のような形の格納庫では納まらない、相当大きな面積とかなりの高さの建物をつくらなければならない、こういう問題がございます。そういたしますと、空港の離着陸の安全を確保いたしますために、空港にはILSでございますとかVORでございますとか、こういうふうな無線施設が種々ございます。したがいまして、これらの無線施設から発射されます電波が格納庫に反射して乱れることがないということが確保できませんと格納庫を設けることができない、こういうふうな別の技術上の問題点もございます。  したがいまして、一般論的なお答えで恐縮でございますが、今後の空港整備五カ年計画の中におきます空港整備については、もちろん空港地域社会との調和といったような問題もありますものの、やはり空港自身の機能の強化ということが最も肝要かと思いますので、私どもの言葉で言いますと、ふところの深い空港をつくって、そこに必要ならば格納庫整備できるような、格納庫をつくりますことによって他の施設との間に撞着が起こらないような、そういうような形に持っていくということを念頭に置いて鋭意検討をさせていただきたい、こういうふうに思っております。  なお、御指摘のございました千歳につきましては、現在東亜国内格納庫を有しておりますけれども、全日空及び日本航空については格納庫を持っておりません。したがいまして、冬季の一−二月の厳寒期におきましては、始発便を一時間繰り下げるあるいは終着便を二時間早くするという形でナイトステーを下げておりますが、これは必ずしも格納庫がなければ全くナイトステーができないというわけではありませんけれども技術上、安全上の見地からいけば、もちろんあったにこしたことはない。ただ、冬季一−二月といったような寒気の非常に厳しい折に、八時半始発というふうな早朝便がどれだけ旅客を集め得るかという点もあろうかと思いますが、一方関係会社の方からはやはり格納庫が欲しいという要望の出ていることも事実でございます。  ところが、千歳空港は、現在南の方に民間空港として現在の防衛庁の空港と分離するという壮大な実は計画を持っておるわけでございまして、そのための作業をいま進めておる。その関係の中で、とりあえずの格納庫の位置というものを見つけていかなければならないということは、かなりむずかしい現実の問題になっておるわけでございます。しかし、そうは申しましても、要望のあることも事実でございますので、今後新空港計画を展開していきます過程において、可能な限り、適切な場所が発見されればそこに格納庫を設置するというふうなことについて努力をしていくようにいたしたい、このように考えております。
  13. 三枝三郎

    三枝委員 大体の考え方承知しました。いま千歳の場合は新空港整備に、その着工に踏み切っていることもよく承知しております。北海道は、御承知のように広大な土地を持っているというのがその特色でございまして、いま御心配のような、たとえば航空管制上必要なVORとかILSとか、そういったものの障害にならないようにするとか、あるいは、話が前後しますが、冬期間やっても一旅客が集まるかどうかというような問題これらは全くの机上の心配ではないかと私は思う。私は、春夏秋冬、もうほとんど毎週帰っておりますが、冬期間でももう大変な要望なんです。  御承知のように、北海道は、昔は雪が積もると、春先になれば解けるんだから何億もの費用をかけて除雪なんかする必要がないということで、いわばクマが冬ごもりするように冬眠状況にあったわけですが、いまは小さな地方自治団体でも冬期間の積雪に対して数億の金を投入して除雪をしている。そして冬期間産業活動経済活動が通年活発に行われる方向に持ってきております。その一環として、冬季になりますと飛行機が朝晩まるっきり時間がずれてしまって、飛ばないということが大変な影響を与えております。  それから、北海道は広い土地で、千歳もその例外でございませんので、本州のほかの空港敷地のことを考えましたならば、いませっかく軍民離間工事が始まっておりますので、名実ともに充実した新空港にするためには、私は格納庫は不可欠だと思います。そして、それはまた十分にとれる土地があるわけです。いまの計画では余り重点を置いてないのです。置いてないというより、ありませんですね。格納庫を必ず設置しなければならないということはない。これは民間の航空会社がやるのですが、私は、これはぜひ監督官庁である航空局としましては非常に強い指導をして、これは絶対に必要なんだということで、格納庫の設置についてさらに前向きに進めていただきたいことを要望いたします。御答弁は結構です。  次に、これは格納庫のこととは別でございますが、国鉄の場合あるいは私鉄の場合に、定時に汽車が入らない、発車しないということになりますと私どもは非常に不便を感じますが、航空機の運航のスケジュールというのは一体どういう意味を持っているのだろうか。われわれが乗っていますと、相手が飛行機でございますし、気象条件に左右されるので定時に飛ばない、また定時に着かないということは、常識的に、まあしようがないなというような気持ちでおりますけれども、それが、自然の気象条件といったものに左右されない別の要因で運航のスケジュールが狂ってしまうというようなことが、具体的な例は申し上げませんけれども、間々あります。そこで、運輸省としましては、航空会社の運航の遅延がしばしば見られることについて、運航スケジュール定時制といいますか、これについてどのような指導をしておられるか、それをお聞きしたいと思います。  特に最近は、実はこれは航空問題ばかりではなくて交通安全全般、そしてまた海の場合もそうですが、ハイジャック対策ということで空港では厳重なボデーチェックをしております。このハイジャック対策は、交通安全という点とは少しく趣が変わって、ハイジャックという犯罪防止のためのボデーチェックなりその他のことをやっておりますけれども、利用する側から見ますと、ハイジャックが簡単に行われるということに対しては非常な不安がある。取り締まる方では犯罪防止という観点からいきますけれども、飛行機を利用する者、船を利用する者の立場からいくと、犯罪防止のほかに、やはり安全な航行という観点であのボデーチェックも受けているのです。  ところが、これは航空会社の都合かどこかのあれかわかりませんが、出発の時刻が切迫する、しかしボデーチェックをしなければならないから、ボデーチェックの場所で延々と列をつくってしまう。そうすると、おのずから全く形式的なおざなりのボデーチェックで終わってしまう場合もありますし、また逆に状況によっては本当に綿密な、必要以上のボデーチェックが行われる場合もある。  そういったことで、ハイジャックの問題は、これはこの基本計画はどこにもございません。これは確かに犯罪取り締まりという観点で別のところで取り上げていると思いますが、そういうボデーチェックの面からいっても、定時に飛ぶことが阻害される場合がしばしばあるのではないかと私は思います。そういったものを含めまして、運輸省としましては、定時制確保についてどのような指導を行っているか、また、今後どういうようなことを配慮するか、それをちょっとお聞かせいただきたいと思います。
  14. 松本操

    松本(操)政府委員 まず最初に、定期航空運航に当たりましての定時制の確保の問題について御返答申し上げます。  航空機の運航におきまして、もちろん定時運航でございますから時間割りが出ております。この時間割り、時間表というものは何をもとにして出してあるのかということでございますが、会社によっては多少の、数分の違いはございますが、通常の場合にスポットから出る時間、スポットに入る時間、こういうのを決めてあるわけでございます。そこで、これを決める一番大きな要素になってまいりますのは、飛行機がA空港からB空港まで飛ぶ時間、これが何分かかるかというのに、それから相手の空港に着きまして、地上で整備をしたりあるいはお客を乗せたりするのにどのくらいの時間がかかるかというのを足しまして、この二つを足したものをもとにいたしまして、定時運航を確保できるような形でのダイヤというものが組んであるわけでございます。  ところが、実際には航空機というものは気象の影響を受けますので、たとえば西を向いて飛びます場合と東を向いて飛びます場合とでは風向きが違う、こういうことで、長年の経験によりまして、路線によっては風向きの影響を激しく受けやすいようなところは、先ほど申し上げました第一の要素の飛行時間の方を東行使と西行使で切りかえる、このような作業も現にいたしております。それからステータイムと申しますのは、航空機に燃料を搭載する、あるいは機内の清掃をする、旅客が搭乗する、所要の機体の整備点検をする、こういう時間でございますが、これも基幹空港において行います整備内容と、それからローカル空港において行います内容とは多少違っておりますので、たとえて申しますならば、それが五十分と四十五分、あるいは一時間と五十五分というふうに五分程度の差をつけておるというのが実情でございます。それで私どもの方は、大体毎月または毎四半期程度には、この定時制がどの程度守られておるかというデータを徴しております。  定時制というものをどの辺のところを目安にしてとるかというのも議論がございますが、十五分以内のおくれというのは、航空仲間では一応ディレーの中には入らない。おくれたというおわびはいたしますけれども、大変おくれて申しわけございませんというのは、十五分を超えるあたりのところでごあいさつをする。そういうふうなところをめどにして見てまいりました場合に、やはり便によってはおくれが恒常的に目立つというのがございます。したがって、そういう場合には、私どもの方で各キャリアを呼びまして、ブロックタイムを変える、つまり飛行時間を変えるなりあるいはステータイムを変えるなりというふうなことによって、これを適切な時間に変えさせるというふうなこともしております。それからまた、予備機を適切に持っているかどうかということが非常に大きな理由になります。仮に機材が故障いたしました場合に、予備機がございませんければ直して出なければならないということで大幅なディレーが出ます。そのために一機ないし二機の予備機は必ず保有させるというふうな措置をとっているわけでございます。  次に、ハイジャックの問題でございますが、これにつきましては、確かに犯罪の防止と申しますか、ハイジャックそのものの防止ということで、いろいろ努力をしてまいってきておるわけでございますが、現在、ジェット機の就航しております飛行場が十八ございますが、そのうちの十七の空港に三十四基の検査施設、御承知かと思いますが、エックス線で透視するのとそれから金属探知するのをペアにしたものを置いてございます。たしかにそこにお客がたまりますと問題が出てくるという例がございまして、最も端的な例が東京空港における第三ゲート、ここにワンセットしかないというふうなことから、このためにここが非常な混雑を来しておる。大体一時間に千人の能力しかございませんが、ピーク時には千三、四百人が集まることがございます。そこで、この施設は、半額を国が補助いたしまして、残りの半分は航空会社が負担するという形で設置を進めてまいっておるわけでございますが、東京空港の第三ゲートにつきましては、これは国内線でございますが、これにつきましては、五十一年度の予算にわが方は補助金相当分を計上いたしましたので、これによってこの部分の問題は大幅に改善される、こういうふうに考えております。  それから、千歳におきましても、実は初期の段階で多少問題がございましたが、これは昭和四十九年に増設をいたしましたので、いまは回復しているかと承知しております。
  15. 三枝三郎

    三枝委員 時間がございませんので、もう要点だけ御質問しますが、この基本計画の中の海難事故の中で、事故内容で漁船の事故がずいぶん出ておりますが、これは後で資料をいただければ結構ですが、御承知のように、日本の漁船が出かけていく漁場が非常に狭くなって、今後この漁船の活動が非常に重要になってきますけれども、それに伴って事故がふえるということは、これは大変憂慮すべきことでございます。そこで、海上保安庁あるいは水産庁は、これから先こういった情勢を踏まえて、漁船の事故についてどのような対策を講じておられるか、これを後で文書でいただければ結構でございます。  次に、ダンプカーのことでございます。この土砂等を運搬する大型自動車による交通事故の防止等に関する特別措置法、いわゆるダンプ規制法ですか、これの六条で、積載重量の自重計を取り付けなければならないということで、この自重計の取りつけを義務づけておりますが、この自重計につきまして、警察庁といたしましては現在自重計によって取り締まりをしているというぐあいには私、聞いておりませんので、この自重計の取りつけ義務をこの際廃止してもいいのではないか。それにかかわる方法として、たとえば採石業者については山元において重量計をつけて、十分に過積みを防ぐというようなことも講じられると思います。  ちなみに、この自重計をつけたことによって、現在私の手元の資料では約二十万台のダンプカーが国内にあって、この自重計が現在二万円ないし二万五千円かかるし、検査の手数料が四千五百円だというので、二十万台のこの経費が、自重計を取りつけるということによってどの程度の経費が計上されたかといいますと、これは推算ですが、約二十億の金が実際取り締まりの対象になっていない、しかも法律で義務づけられているという余り役に立たないものに投じられている。  そうして私のところに関東地方のダンプカーのダンプ協会の方々が見えまして、協会をつくってその自粛をわれわれは図っているのだ。そして国の方も、昨年に続いて今年度もこの助成をしていただいている。全国でまだ二十足らずですが、協会ができているそうでございますが、このダンプ協会に所属しているダンプカーはいずれもこのようにきちんとしたフラットの積み方をしていて、山積みをしていない。これだけでももうわかるのだ。山積みしていれば過積みになって、オーバーしていて問題だ。みんないずれもきれいにやっていますが、この協会の人たちが、よそからやってきた車とか一匹オオカミのようなアウトサイダーのダンプカーが、このように街路をみんな山積みで、これらが非常に事故発生の大きな原因になっているということで、これを何とかしてくれないか、その反面、自主規制もするけれども、協会の育成にひとつ力をいたしていただきたい、そういう要望がございます。  そして資料によりますと、私はこれは警察庁の方の仕事になりますか、あるいは対策室のことになりますか、あるいは都道府県地方自治団体の仕事になりますか、その辺はつまびらかでありませんが、このダンプカーの事業者の規模が、二十万台ということをさっき言いましたが、業者の数はいまのところ十一万ぐらいだそうですか、そのうちたった一台で仕事をやっているという業者が何と八万幾らあって、二台から四台が二万六千というふうに大部分が零細な連中で、この連中が協会にも入らない、一匹オオカミでいわば雲助のようなやり方を、全部が全部そういうわけでございませんけれども事故発生の原因になるようなことをやっている。これはまた大きな問題だろうと私は思います。  そこで、せっかくこの助成の措置が講じられて、しかもその金額がふえておりますので、これはぜひとも、いまのところ二十県足らずのところが何らかの協会ができておりますので、これを全国各都道府県全部こういう組織を育成していく、それと同時に、この協会にたとえ一台でも持っている者が入っていくような方向に持っていくということで、非常に努力しておられると思いますが、時間がございませんので一つだけ、この自重計の取りつけを法律で義務づけられておりますけれども、これを廃止するという方向でひとつやっていただきたい。事実上それで取り締まってないと聞いておりますので、その辺の御回答をお願いします。
  16. 室城庸之

    室城政府委員 ただいま自重計についてお尋ねがございましたけれども、ダンプカー規制法において自量計取りつけ義務を設けました主たる理由は、やはり運転者の自覚をこれによって促すということにあったように思うわけでございます。したがいまして、自重計をそこにつけており、したがって過積載をしないということのいわば自覚を促す警戒装置というような感じのねらいが込められておることは否めないと思いますので、こういった運転者の自覚というものを何らか別の形で担保することができるというふうな工夫がありますならば、これは前向きに新しい工夫に乗り移るというようなことも可能ではなかろうかということが一つ考えられます。  また、自重計そのものにつきましては、精度等につきましていろいろ関係のところで検討をいただいておりますけれども、なかなか確信が持てるような改良というようなことはむずかしいというふうなことも聞いておりますので、私どもといたしましても、何らかこの自重計そのものについて今後取り扱いをどうすべきかということを検討せざるを得ないというふうな感じで、ただいま関係のところと検討を進めておるわけでございます。  したがいまして、今後できるならば、仰せのように役に立たないということではございましても、何らかの形で運転者の自覚を促していくような他の手段というようなものがより有効に考えられるというような方向での前向きの検討ということを進めてまいりたいというふうに考えております。
  17. 三枝三郎

    三枝委員 それではもう一回お願いしますが、警察庁としましては、自重計では取り締まりを現に行っておりますか、自重計によってそれを行っていないか、それをちょっと聞かせてください。
  18. 勝田俊男

    ○勝田政府委員 現在の自重計でございますが、その精度の問題につきまして、その指示の誤差がプラス二五%、マイナス一五%以内とされているわけでございます。また、最大積載量の一五〇%を超える場合及び最大積載量の八〇%に足りない場合は自重計の指示の誤差の対象とならないということになっているわけでございます。したがって、自重計の指示の許容誤差がプラス・マイナスで四〇%の幅がある、目盛りの範囲についてもそういう限界があるということでございますので、こうした過積載違反の取り締まりにつきましては、判断の目安という面では考えられると思いますが、刑事責任の追及という場合におきましては、これによることが困難でございます。したがって、自重計に基づく検挙というものは行っていないということでございます。
  19. 三枝三郎

    三枝委員 いまのお答えでわかりましたが、自重計による立件は行っていないということになりますから、端的に言って、自重計は取り締まりの点では役に立っていないということですから、先ほど室長さんのおっしゃるとおり、自覚を促すということはほかの方法がございますから、ダンプ協会の助成、それからそれに入らない一台ないし二台という零細な、そして違反を起こしやすい業者の取り扱い指導、それをどうするかということを別個考えて、この事項の改正方はぜひとも前向きでやっていただきたいということを強く要望いたします。  そこで、時間がなくなりましたが、次に、自動車の排ガスの規制の問題にちょっと触れたいと思います。  十日から東京で、わが国とEC、欧州共同体の政府レベルの自動車の貿易協議が行われて、昨日これが終わったわけでございます。そしてこの中で、もう御承知のとおり、いまわが国の輸出産業の花形であります自動車のEC各国に対する輸出入の状況がきわめてアンバランスになっている、七五年のデータでは、輸出が、このEC諸国に対する合計が約三十六万台、欧州の、このEC諸国からわが国に輸入されているのが二万六千という、きわめて大きなアンバランスの状況である、この問題が取り上げられたわけでございますが、この中で御承知のわが国の排ガスの規制について、五十一年規制、NOxが一・二という、アメリカのカリフォルニア州と同じところへ持っていっている。この五十一年の規制はまだよろしいのですが、この五十一年の規制がことしから外車についても適用されるということになると、パスされるものが私は相当少なくなるのではないかと思います。それから五十三年規制になりますとこれはもっと厳しいものでございますが、私は、これを申し上げますのは、交通安全の対策委員会関係がないように思いますけれども、よく考えますと、これだけ高性能のエンジンになりますと、たとえば日産がこの五十三年規制に適合するエンジンの開発に成功したということの中に、二本の点火プラグを使う、この場合に、飛行機と同じように、一本が出火したときの安全対策を考えて、航空機エンジンの常識になっている二本の点火プラグを用いるものはもうあたりまえだということで、日産がこの五十三年度規制に適合するエンジンの開発に成功したということで、これはやはりエンジントラブルにも関係があろうかと思います。非常にデリケートなエンジンの構造になりますから、したがってその面からも見ていかなければならないと思いますけれども、私はそれと同時に、この機会に、きのう閉会を見ました自動車の協議の中で、EC側が五十三年度の排ガス規制が実施されるとEC車の対日輸出はもう絶望的な状態になるという要望があった。  それに対して環境庁はECの自動車メーカーの事情を聞いた上で判断するということを述べるにとどまったと言われております。ところが通産省の方は、こういった情勢に対しまして、健全な経済の発表ということが、自動車のエンジンがもたらす公害ということを十分配慮しなければならないわけですが、これが必要以上の厳しいことになるために経済的な大きな影響があちらこちらに生ずる、雇用の問題も起きますし、自動車工業に伴う関連の企業にも影響を及ぼすということで、新聞によりますと、通産省は五十三年度規制実施による内外への影響は大きいということで、その実態調査して、それがまとまり次第環境庁などに総合的な評価を決めるように働きかけたいという記事が載っております。  そこで、私は、これは環境庁に主としてお伺いしたいのですが、通産省がそういうような方向で非常に全体的な立場で五十三年度規制あるいは五十一年度規制というものをとらえておりますが、これに対して環境庁はどのように今後対応していくか。通産省の方の働きかけに対してある程度前向きにこれは取り組んでいくのかどうか。さらにはこの自動車の排出ガスの規制に関連しまして、自動車排出ガス対策閣僚協議会が設置されておる。また幹事会もありますが、こういったものの中にいま申し上げましたような総合的な立場で自動車の排出ガスの規制を考えていく。それの内外の経済に及ぼす影響まで考えるようなそういう協議会のあり方に私はすべきではないかと思いますけれども、いまのこの中身では検討事項はいずれも排出ガス防止技術の向上とかあるいは低公害車の開発だとかそれから過密都市における自動車交通量の抑制、これは座長はこの幹事会では交通安全対策室長になっていますが、入っております。こういった事項だけでこの健全な経済の発展にどのように響くかというようなことの角度からの検討がなされていない。少なくとも、これから落ちている。そういうことに対してまず環境庁はどのように今後取り組むか、現に、いまECの会議が終わったわけですから、これは外交交渉になりますので、はっきりしたことは言えないかと思いますけれども、通産省がそういう働きかけをした場合に環境庁はどのようにこれに取り組んでいくか、それだけをお聞きしておきます。時間が参りましたので簡単にお答え願えれば結構です。
  20. 丹羽一夫

    ○丹羽説明員 お答えいたします。  環境庁として、自動車公害問題をどういうふうに考えているかというようなことと経済的な問題、技術開発の問題、いろいろ多面的な問題がございますが、自動車による公害というものに対する物の考え方というものは、基本的には環境庁としてはいわゆる公害対策基本法の趣旨にのっとりまして、国民の健康の保護と生活環境を保全するというものを第一義的に考えております。したがって、これまで四十八年、五十年、五十一年規制というようなことで自動車に対する規制を行ってまいったわけでございますが、一昨年から昨年にかけていろいろ論議されましたいわゆる五十一年規制というものに対していろいろな社会的な反響といいますか、国会の中でもいろいろ御議論がございました。そういうことで、現在の五十一年規制が生まれて、それでさらに厳しい今後五十三年を目途として規制というものをどう考えていくかということが今後の課題として残されてきたわけでございます。  そういうことで、そのときに一番問題になりましたのは、やはり技術的に開発できるかどうかということが相当な大きな課題でございまして、先生方の中からもやらせるべきだという御意見と、それからできる範囲で規制をとどめるべきだというようないろいろな議論がございました。そういう議論は、結局中央公害対策審議会の自動車公害専門委員会でいろいろ議論されました結果、五十一年規制というものが生まれてきたわけでございますが、そういうものに対して、今後技術開発状況というようなものを的確にチェックしていく、またそういうものが円滑に低公害に持っていける、低公害車の開発に資していくことができるようにというようなことで排ガス閣僚協というようなものも生まれましたし、それから一方、環境庁においては大学の先生にお願いしまして、窒素酸化物の低減技術検討会というものを設置いたしまして、技術開発状況というようなものを積極的に進め、その評価をするということは、結局、とりもなおさず新しくいいシステムが、しかも経済的に十分対応できるような範囲で、国民にその低公害の車が供給できるというような体制に持っていくべきだ。  したがって、国民的な影響という場合には幾つか多面性がございますが、経済的な側面も必ず出てまいります。しかし技術開発をするということは高い車をつくるということだけではなしに、安くていい車を国民に提供するという観点から、技術開発の促進とそれから量産技術の確立というような問題が第一義的かと考えておりまして、それに対するインパクトというようなものが今後どういうふうに出てくるかということについても配慮はしてまいりますが、それをもって今後どういうふうに対処するかということで、通産省から何かお申し出があればどうするかというようなことについては、まだそういう問題について検討はしていないというような段階でございます。
  21. 三枝三郎

    三枝委員 時間がございませんのでもう簡単に申し上げますが、公害対策はいま大体一回りしたいという表現が当たっているかどうかは別ですが、見直すべき時期に来ているのではないかと思います。公害の及ぼす影響を国民はもっと冷静に客観的に科学的に取り上げていかなければならない。これに対して環境庁は、あるいは世論形成がどのようにして行われているかということはいろいろ問題がありますので、場合によっては勇気を持って五年、十年さらには世界的な事情も考えて、見直しの作業を進めるべきではないかと私は思います。  自動車の排出ガスの規制につきましても、世界的に見て日本が最も厳しい規制をやる。これは公害をぜひ除去しなければならない。私は公害を肯定するものでも何でもございません。これはもちろんでございますけれども、世界的に見て最も厳しい規制、しかもそれが日本と、最も交通の混雑しているアメリカとか何かの状況のデータをもっと十分に集めて、そして比較検討して見直していく。さらには国内の経済的な影響も考え、海外の問題も考えていくというようなことで、ぜひいまのような問題が現に起きておりますから、時間がないので細かいことを申し上げませんが、十分に大きな立場で、高い立場関係各省と協議を進めていただきたい、さように希望いたします。  時間がございませんので、あと幾つか申し上げたいのですが、一つだけ、せっかくおいでになっております大蔵省の方に資料の提供をお願いいたしますが、自賠責の保険金額のことでございます。昨年の七月から、御承知のように千五百万まで引き上げられました。この基本計画の中にもうたっておりますが、基本的な補償として一応の水準に達したけれども、反面、自動車の保有台数が非常にふえてきた。それから関係皆さんの御努力で人身事故もだんだん減ってきたということでございますので、一台当たりの危険負担料とか保険料を引き下げてもいいのではないか、私はそういう考えを持っておりますので、これについての御答弁は、また資料の点は後で資料としてお願いしたいと思います。  以上で私の質問を終わります。どうも皆さん御苦労さまでした。
  22. 太田一夫

    太田委員長 次に、久保三郎君。
  23. 久保三郎

    ○久保(三)委員 私は、この委員会では、特にこれまでも何回か入れかわり立ちかわり問題として取り上げてまいりました自動車の過積載による問題でありますが、きょうは特に中心的には、いまもお話がありましたが、ダンプの問題を中心関係の方々にお尋ねしたいと思っております。  まず第一に、先ほどのお話しの続きを私が取っては恐縮でありますが、いわゆるダンプ規制法によるダンプ協会ができて、もうかなりの時間がたっております。ところが、この組織率というか、それは先ほども指摘があったとおりでありまして、法の目的を十分達成しておらない。これは大体ダンプ規制法をつくるときに、ダンプ協会をつくる目的というのが必ずしも明確でなかったというふうにわれわれはいまでも思っているのです。ダンプ協会というのは、問題はやはりいまでも同じでありますが、過積載と無謀運転というか、そういうものによる社会的な問題がクローズアップされまして、今日でもそう変わりはないのでありますが、これをいかにして防止するかというのが、当時この委員会が発足して間もないころでありましたが議論されまして、そこで出てきたのがいまのダンプ規制法であります。これはたしか議員立法だったと思うのです。非常に徹底を欠いた法律でありまして、これはもはや抜本的に改正というか、見直しをする時期だとも考えているのです。  そこで、ダンプ協会の目的ですね、これは何のためにあるのかということをもう一遍、こんな席でお聞きするのは大変恐縮でありますが、非常にあいまいになっているので、どんなふうに持っていくことが一番いいのか。御連絡もしてないので、別にいじめるとか何かじゃなくて、どんなふうに持っていくことが一番問題解決に役に立つのか。  それからもう一つは、対象になるものが組織されなければ問題を解決するために前進しないのですね。いまも御指摘がありましたように、約二十万台あるうちのごくわずかしか入っていない。あとは、言うならば、入っていないから、いるからというのは直接的ではありませんけれども、大半は言うならば一匹オオカミということであります。この一匹オオカミというのは、言葉の響きからいけばこの場合は余りほめた印象というか、そういうものをもとにして言っていないのですね。極端な言い方をすると、過積載をして乱暴な運転をするやつというふうに世間ではとるわけですね。それから暴走族も同じようにとっている向きが多いのでありますが、なぜそうなっているのかという実態にメスを入れないでは、一匹オオカミということで悪者の代名詞に使うことは問題の本質的な解決にはならぬと思うのですね。  だから、これはさかのぼれば、ダンプに集約して言うならば、今日の建設資材である骨材の流通の問題が一つあるわけですね。それからその流通問題は当然取引の問題があるわけです。それからもう一つは、この一匹オオカミと称されるダンプ屋、これは労働者であるのか取引業者であるのか、いかなる範疇に属するものか。これは大半がいわゆる貨物運送業者ではないのです。それじゃ販売業者かというと、販売業者も中には多少はおりますが、これはごくわずか。それじゃ残ったのは業者じゃなくて労働者かというと、労働法には全然かかってこない。かかってこないというより、そういう法律のもとで庇護しようとする気構えはいままで政府にないのですね。だから、結局一匹オオカミというのはそういう問題からも指摘される。いずれにしても問題の根源をつかないでいたのでは、いつまでたってもこれは問題の解決にならないと思うのです。  最初から総論的な話になって恐縮でありますが、話のついでですから、ひとつその方から話をしましょう。  そういうふうな実態というか問題でありますから、この際、政府関係省庁が寄って実態を正確に把握すること、それからもう一つは、これを正常化させるための方策を根本的に検討をする、そのためには、これはどこが中心か、まあさしあたり総理府かもしれませんけれども、なって、警察庁運輸省建設省、通産省、労働省、少なくともこの省庁全部入って、この際やはり根本的な検討と研究を重ねて、早急に対策を樹立することが一番だろうというふうに思っているので、きょう御列席の関係皆さんの御意見を先にお聞きしたいと思うのです。
  24. 室城庸之

    室城政府委員 ただいま御指摘のございましたような非常に深刻な問題を抱えておるわけでございますが、ダンプカーの対策につきましては、すでに交通対策本部の数次の決定によりまして、それぞれ関係省庁が歩調を合わせてそれぞれの対策を推進するという形をとってまいっております。先ほどお話のございましたいわゆるダンプカー規制法の内在しておる問題につきましても、先生指摘のとおりであろうと私ども考えております。また、現在ダンプカーが登録されております台数で約二十万台、そのうち八万台ばかりが一人一企業というような形で所属しておるわけでございますけれども現実にいわゆる一匹オオカミと称せられるものは、その八万幾らという一人一企業というものの数字とは必ずしも一致しない形でいわゆる砂利載、砂利運搬をやっておるわけでございます。したがいまして実態の正確な把握というようなことにつきましても、御指摘のようにぜひ組織的な調査をやってまいりたいというふうに考えております。  それからまた、現在十九道府県においてダンプカー協会が結成され、総理府からも国の補助金をこれに出しておるわけでございますけれども、これがいわば組織的に拡大することを期待しながら努力をしておりますものの、実際には非常に遅々たる歩みを続けておるということでございまして、私どももできるだけこのダンプ協会というものを、今後、従来以上に育成指導をしてまいりたいというふうに考えておりますが、これにつきましてもいろいろな基本的な課題を一方において解決してまいりませんと、呼びかけましても事実上の結成はむずかしいというようなことになろうかと思います。  また、ダンプ協会を現実に十九道府県で結成し運用しておりますものの、その結成されております県におけるダンプカーのこの協会に対する加入率というものも、平均三六%という程度の低い率でございます。いわば協会がつくられておる県におきましては、当然登録のダンプカーが全部その協会に加入しておるというような姿が好ましいわけでございますし、そういったものをまた全国的に、各都道府県に設け得るようにしたいというのが私どもの希望でございますけれども、これにつきましては、先ほど来申し上げましたような基本的な課題を解決してまいりませんとなかなか促進できないという実情にございますので、こういった、従来の対策本部を中心に進めてまいりましたダンプカー対策というものにつきましても、もう一度各省庁集まって具体的にこの段階でどうすべきかということを、実は最近数次にわたって検討を進めておるわけでございますが、やはりいまの基本問題の解決というためには、御指摘のような、もう一つ飛躍的に強い意気込みで取り組むことが必要であろうかというふうに考えておりますので、この点については各省庁とも連絡をしながら今後十分に進めてまいりたいというふうに考えております。
  25. 勝田俊男

    ○勝田政府委員 過積載の車につきましては、交通安全の面から、さらにはそのために正常な業者が圧迫を受けておるという問題もあるというような点もありまして、交通警察の面でも重点として取り締まりをしてきているわけでございますが、いま先生がおっしゃいましたように、取り締まりの面につきましてもなお工夫をし努力をする余地があるとは思いますが、根本的に解決すべき問題があるのじゃなかろうかという気もするわけでございます。こういった面で、関係省庁が集まってこの問題についていろいろ解決の方策を講じていく、われわれも現場の面から知っている知識をできるだけ申し上げて、そういった面についてお願いするところはお願いをするということで、正常化についてやっていただくということがぜひとも必要であるというふうに考えます。
  26. 真島健

    ○真島説明員 お答えいたします。  過積載の問題は、先生もよく御承知のとおり、基本的には、トラック運送業者の側から見ますと、やはり荷主との力関係という問題がございまして非常にむずかしい問題ではございますけれども、私ども立場から申しますと、交通安全あるいは運賃の適正収受、いろいろな面から、どうしてもこれをなくす方向で強力に仕事を進めていかなければならない、このように思っております。特に石油ショック以来非常な不況が訪れてまいりまして、こういうような問題について、私どもいままでも私どもなりにやってきたつもりではございますけれども、一段と実態究明によってさらにいい案を出せないかということで、私どもだけでございますけれども、実は実態調査に取りかかっております。ただ、私どもの企図がやや細かく、大分複雑なところまで調査をしようと思って調査項目をつくりました関係で、との回収がなかなか思うにまかせない点がございまして、いまその回収にせっかく努力をいたしております。こういうものを参考にいたしまして、総理府の安全対策室の旗振りの中で私どもなりにできるだけの努力を進めてまいりたい、このように思っております。
  27. 倉橋義定

    ○倉橋説明員 ダンプ労働者の労働条件が非常に悪いために、結果において過積みの原因になるというようなことがございます。したがいまして、労働省といたしましては、ダンプ労働者につきまして、賃金制度につきまして、積載量による歩合制をとる場合につきましても、一定の保障部分を置くことを目標として指導いたしておりまして、これが監督指導を毎年行ってきているところでございます。今後ともこれにつきまして努力してまいりたいと思いますが、先ほど先生が御指摘になりましたいわゆる労働基準法の適用のない労働者、いわゆる一人親方といいますか、そういう方方の問題につきましては、現在、これに対しまして具体的な労働法規の適用があるわけではございませんが、われわれといたしましては、これらの方々を含めまして、たとえば林業の中にもこういう方がおられるわけでございます。その他労務の提供を主として収入のもとにしている方がおるわけでございまして、これらの方々につきましても労働者と同じような保護をするように今後とも検討をしてまいりたいと思っております。これにつきまして、各省と十分連絡をとりながら、労働者及びその周辺の人々の保護を十分図るよう対策を検討してまいりたいと思っております。
  28. 中川澄人

    ○中川説明員 建設省といたしましては、実は五十年度の建設投資は約三十兆五千億ばかりと推定されておりますけれども、それに必要とされる砂利、砕石、砂、これらを一括いたしまして骨材と総称いたしますれば、骨材の所要量は約四億六千万立米でございます。軽いもの、重いものいろいろございますので、仮に一立米を一・七トンと換算率を置きますと、重量にいたしまして約七億八千万トンという骨材が土木建築のために消費される、こういう実情でございます。  建設省立場といたしましては、実は多面的なかかわり合いがございまして、三十兆の土木建築の発注が受注に転化し、そして骨材等の資材に転化していく、こういう関係でございまして、直轄工事あるいは都道府県工事の面からは発注者としての立場がございます。それから、建設業監督の面からいきますと、受注者あるいは資材の需要者という面がございます。それからさらに、道路の管理者といたしまして道路管理の面からのかかわり合いもございます。いずれの面からいたしましても、このダンプ問題の正常化は私ども行政の基本となるものでございまして、私どもといたしましては正常化を望むものでございますし、また私どもでできることはしなければならない、こう考えておるわけでございますが、建設省行政の手段から直接にこの問題に切り込むことがなかなかむずかしい立場でございまして、非常に悩んでおるわけでございます。  具体の問題につきましては、また先生のお尋ねにお答えすることといたしまして基本的な考え方だけを申し述べました。
  29. 久保三郎

    ○久保(三)委員 それぞれお話がありましたが、建設省のいまの答弁は、直接この問題に取り組む立場にはないようなお話なんですが、あなたの場合は、言うなら発注者の立場として、しかも骨材の大半をお使いになるし、また建設業法を監督される立場ですし、そういう意味で僕から言っているのでありまして、単に道路をつくるとか住宅を建てるとかいうことの役所ではないのでありますから、しり込みされることは禁物であります。積極的に出ていって流通を正常化してやっていっていただきたいと思います。  続けてお話を聞きますが、いまのこのダンプカーの過積みの原因というのは、言うまでもありませんが、だんだん弱いところにしわ寄せというのが常識的でありまして、一番下の階層であるここにしわ寄せが来て、それで運賃のダンピング、過積みというのはあたりまえのことになっているわけです。それじゃそれほどに車が多過ぎるほどあるのかというと、多過ぎるほどあるわけではないのです。多過ぎるほどないけれども、それぞれ弱い立場がある。さっき真島業務部長も言ったが、荷主に対してはという、弱い立場だというように運輸省そのものが認めているのだから、これは全く弱いのです。そういう弱い立場にいる者の実態というのをお調べになったことは恐らくないと思うのです。これは発注の、いわゆる単価ですね、一立米たとえば五十キロなら幾らの単価で見積もりをするのか、まあ一つの例ですよ、そういう単価に一つは問題がある。それから建設業の実態に問題がある。下請、孫請、ひこ請というのもあるかもしれませんが、ダンプなどはそのはるか下の方の下積みでだんだんピンはね——ピンはねというと語弊がありますが、上前を——上前もピンはねも同じですが、はねていきますから、最後ははねるところがなくなる。  そこで、私が最近聞いた話では、運輸省の認可運賃、たとえば仙台地区陸運局のものをちょっととりまして、十トン車、大体普通に積んで七立米ですが、十トン車で八十キロまで輸送した場合の運賃というのは一万三千三百八十円ぐらいになる。これを立米に直すと幾らになるかというと、約二千円になるのですよ。ところが、いまダンプのいわゆる一匹オオカミと称される者のかせぎは一立米千円なんです。半額ですよ。認可運賃の半額。これで稼働は大体二十日ぐらいしかできない。  これは労働省にも聞いてもらいたい。一匹オオカミというのは、やはりこれは労働者なんです。ただ、このダンプカーをリースしているわけですね。自己償却型リースというのですかな。油も何も全部自分持ち、車はもちろんリースですから払う。最近油が高くなってくる。車もそういうことですね。大体三年ぐらいで車はだめになるそうです。もっとも三倍も積んでいるのでありますから。普通に積めば十年もてるところ、三倍積んでいるのだから、三分の一で三年かもしれませんね。車両の修繕費その他も高くなる。収入はいま言ったように認可運賃の半分なんですね。だから、半分しか取れないのだからどうやっていくかというと、言うならば、リースの場合は親方から借りているのでありますから、払わなければ飯の食い上げになりますから、これはどうしてもピンはねです。運賃というか、もらい分からピンはねしなくちゃならない。後は油屋に借りをつくるということになる。そういうことをやってしのいでいるのが実態なんですね。  これを見た場合に、じゃ労働省の方はこれは労働者として扱っているのかというと、扱っていないのです。それから運輸省はというと、運輸省もこれは運送業者としては扱っていない。何だかわけのわからぬ無籍者になっておる。法の庇護のもとにはない。  そこで、建設省に聞きますが、単価はいまどんな基準でやっているのか、そういう実態をお調べになっているかどうか。いかがでしょう。
  30. 中川澄人

    ○中川説明員 公共工事の発注単価は、従来伝統的に時価追随主義でございますが、その具体的な手段といたしましては、「物価版」「積算資料」等の公表された、公平な団体の資料によってきたわけでございます。ただ、私どもといたしましては、そういう公益法人の調査資料でございますから、もちろん適正なものであるには違いないわけでございますが、その調査プロセスとかあるいは原データのばらつきぐあいだとかそういうことは私どもにとりましてはわからない、手の届かないところでございまして、さらに時価を正確に把握するために、それらの資料によりつつ、昨年の六月から、これは直轄関係だけでございまして、北海道から沖繩まで十機関でございますが、モニター制度というものを発足させております。そしてモニター調査の結果によるということで、すでにこれで約一年の実績を積み重ねてきておるわけでございます。  簡単に申し上げますと、資材の供給側から二十社、これは骨材だけ二十社ということではございません、鋼材とかいろいろございますので、それらの資材供給側から二十社、それから資材のユーザー側といたしまして建設業者、これは大、中、小、ランクごとにとりまして、資材のユーザーから二十社、計四十社から、したがいまして全国的には四百社になるわけでございますが、こういう資料を毎月上旬にいただいて、それを見ながらいま時価の適正な把握に努めておるわけでございます。
  31. 久保三郎

    ○久保(三)委員 質問の方が要領悪いかもしれませんが、答弁の方もよくわからぬのでありまして、私の質問の要旨は、いまぼくがお話し申し上げたような実態を踏まえて発注の単価というものを考えておられるのかどうか、それが聞きたいところなんです。しかし、いまのお話だと、モニターといって資材提供者二十社を入れて、そこで聞いてというお話でありますが、資材提供者というのにもいまのこの一匹オオカミというのも入っているのかどうか。恐らくこれは入っていないでしょう。だから、そういう問題をやはりもう少し掘り下げて検討してほしい。  それからもう一つは、建設業法では、たしか下請代金についてはある程度の規制をしていると思うのですね。それに違反すれば罰則もあると思うのです。しかし私は、建設業者ばかりじゃありませんけれども、すべての原材料、物を使う者は、原材料の原価を割らせて、そこで不当に利益を上げていくということは——付加価値はもちろんこれは当然のごとく取ってもいいと思うのですね、現代の世の中ですから。しかし、他人の取り分の中から上前をはねるというようなことは、ある程度規制する必要があると思うのです。だから、建設業法も一遍そういう問題を含めて検討し直してほしい。骨材の提供者ばかりじゃありませんけれども、まあ言うならばそういうものが下の土台になっていろんなものをつくる。だから、たまたま建築あるいは構築されたものが構造的にうまくないものが出てくる場合があるんですね。だからそういうものも含めて調査をしてほしい、こういうふうに思っています。  それから、時間も余りないようでありますが、警察庁にお尋ねしたいのでありますが、先ほど御指摘のように、自動車に使っている自重計については、これは言うならば取り締まりの対象にはならないというようなことなんですね。結局は警察庁で、公安委員会でつくっておる重量計のところではかる、あるいは移動式の重量計というものではかって、これがオーバーしていれば積載オーバーということで初めて取り締まりの対象になる。なるほどそうしなければ、むやみやたらに推量でいろいろやられたのでは困りますから、そういうふうにするのは当然だと思うのでありますが、しかし、世間ではまことに歯がゆい限りなんですね。見た目にもこれは必ず過積載をしているに間違いないと思っても、目の前を通っていくのを警察官が黙って見ていなければならぬというばかばかしい話になっているのですよ。  そこで、これはいつかもこの席で提案したと思うのでありますが、道交法の改正によって容積で取り締まる方法をとったらどうだろうか。土砂ならば、たとえば荷台いっぱいならば何立米というのがわかるわけです、自動車の構造というのは違うものはたくさんありませんから。簡単な物差しがあれば、何センチ上がっていれば何立米超過、何立米なら何トンと、こうなるはずだと思うのですね。いろいろな問題があって正確なものはなかなか得られないにしても、いまの自重計よりは正確だと私は思うのです。これが一つ。  それから、道交法の改正でもう一つ考えてもらいたい点は、個数による重量ですね。たとえば鉄鋼のコイル、ストリップミル、あれは長さが決まっていますから、一個たしか十二トンかそこらと決まっているのですね。だから、荷台の容績がありますから、十トン車にそれが二つ載るのもあるのですね。しかし、これもわざわざ自重計のところに持ってこなければ取り締まりができないというのもおかしな話なんですね。だから、そういうように特定したものは、何個積んであるということで取り締まりができるようにひとつ考えてみたらどうだろうか。取り締まるばかりが能じゃありませんが、両面からしなければいけませんからね。そういう問題について警察庁としてはどんなふうにお考えでしょうか。
  32. 勝田俊男

    ○勝田政府委員 この前にも先生からそういうお話がございまして、一個の重量が一定のもの、定形、定量のようなものについては、積載違反と認定できるのではないかというお話があったわけでございます。こういった方法につきましては、現場検挙ではなかなかむずかしいということでございますが、荷送り状あるいは受取状、こういった面から事後捜査で検挙をしている事例というものはあるわけでございます。  そこで、こうして一般的に積載物の容積が一定の基準を超えた場合に重量違反ということで道交法で改正したらどうか、こういう御意見でございますが、容積で規定する場合には、やはり容積そのものが交通の障害になるという観点でなければむずかしいのではないか。容積でもって重量をはかるということになると、やはりそこに推定が入ってくるということになりますので、それについては法律上問題があるのではなかろうかというふうに考えているわけでございます。  そこで、われわれとしましては、この問題を解決するために、取り締まりの面からのアプローチとしては、第一線の現場で非常に苦労している。特に北関東は大変問題がございますので、この間も指導課長を出して見せたわけですが、ちょうど夜明け方、ほとんどの車が過積載で走っておる。それで取り締まりを始めますとそれが散り散りばらばらになる、あるいはあちらこちらで待機をするということで、取り締まりの効果もなかなか上がりにくいというような問題もありますので、そういった現場の取り締まりと同時に、事後捜査によって山元なりあるいは買い受け先といったところにさらに徹底をして、いまおっしゃいましたような定形、定量のものについてはそういったものからも推定ができて、これはある程度確定ができるということでありますれば検挙ができる、こういった点に今後さらに力を入れたいと思います。事後捜査につきましては、昨年、積載違反の背後責任追及について雇用者等の義務違反を追及しているのは千五百六十七件ございますが、こういった面にさらに力を入れていって何とかなくしていきたいというふうに考えておるわけでございます。
  33. 久保三郎

    ○久保(三)委員 取り締まりということでありますからそう簡単な理屈だけではなかなかいかないかもしれませんが、常識というものも一つは規範でありますから、これはやはり尊重していくべきだと思うのですね。単にいままでの法体系の観念だけではうまくいかない場合、これは厳しくやる場合も緩和する場合も同様でありますが、私はそういうふうに思っているので、一段と検討をしていただきたい、こういうふうに思います。  次に、建設省の方にお聞きしたいのは、あなたの方でも道路のわきに総重量計とか、それから軸重計というようなものを設置されているわけなんでありますが、これは言うならば指導であって、あるいは道路管理者として道路を守るという消極的な立場だと思うのですね。しかし世間では、警察の重量計も道路管理者の持っている重量計も権威あるものだと思っているわけなんで、なぜそういうもので取り締まりができないのかということですね。  そこで、これは一つの思いつきみたいな提案で警察庁はいやがるかもしれませんが、司法警察官というか、その職務を行う権限を、通称台貫場と言うんですね、そこの所長さんか何かにある程度譲れというか、譲れというより与えることはできないのか。与えてやればもっと機能するのではないかというふうに私は思うのですが、これはいかがですか。たくさんお金をかけてつくって、つくってむだだとは言いませんけれども、強制力がない。たとえば高速道路のゲートの前にあるものは多少拘束力はあります、入っちゃいけませんと言えばそれまでの話ですから。しかし、そうでないものもあるんですね、台貫場は。そういう問題についてどんなふうに思いますか。まあ警察庁はいま直ちにああ、そうですかというわけにはなかなかいかないかもしれませんがね。
  34. 中村清

    中村(清)政府委員 御指摘の重量計、軸重計による取り締まりでございますが、現在の状況を申し上げますと、高速自動車国道、それから首都高速、阪神高速、こういったところでは各インターチェンジに原則として軸重計をつくろう、それからその他の幹線道路につきましても逐次整備していこうということでいまやっておりまして、現在の数は、これは五十年度末の数字でございますが、重量計で約百三十二基、軸重計で約二百六十基ございます。  そこで、そういう重量計なり軸重計を使っての取り締まりの実態はどうかという御指摘でございますが、これはちょっと細かい数字になりますけれども、いまのところございますのは地方建設局管内だけの数字でございますが、やはり毎月司法関係の方と連絡をとりまして、それで定例的に御協力を得まして取り締まりを実施しておりまして、四十九年度で申し上げますと、これは全国の数字措置命令を出したのが約八万四千件ほどございまして、告発したのが一件ございます。その内訳としまして、地方建設局で所管いたしました部分が、措置命令を出したのが約千件ございます。それから先ほど全国で告発一件と申しましたのは、これは地方建設局関係の告発の分でございます。  そこでお尋ねの司法警察権云々という問題でございますが、これは非常にむずかしい問題でございますし、私ども現在警察の御当局の御協力を得まして取り締まりを実施しておりますが、特にわれわれの方に司法警察権がないので非常に不自由をするといった声はそう強くはございません。ただ、将来の問題としましてそういう権限を与えたらどうかというお話でございますが、これは警察庁の方ともよく連絡をして御相談をしてまいりたいと考えております。
  35. 久保三郎

    ○久保(三)委員 いまの道路局次長のお話で、余り不便はしていないと言うが、あなたの方は不便しないのですよ。世間が不便しているのです。その点は、どうぞお忘れなくお願いしたいと思うのです。いずれにしても、もう少し機能的に、一元化することはだれが見ても必要だろうと私は思うのですよ。  それから措置命令を出したのが千件とか言いますが、これは荷物をおろさせるとか何かだろうと思うのですね。荷物をおろさせる権限はあるのですか。
  36. 中村清

    中村(清)政府委員 これはそういう権限がございます。道路法上ございます。
  37. 久保三郎

    ○久保(三)委員 おろさなかったらどうなるのですか。告発するのですか。
  38. 中村清

    中村(清)政府委員 お答え申し上げます。  これは具体的に申し上げますと、道路法の四十七条の三というのがございまして、車両の通行の中止とかそういうものを命ずることができるというので、これに違反をしました場合には罰則がかかるという仕掛けになっております。
  39. 久保三郎

    ○久保(三)委員 いずれにしても、もう少し私の方でも検討しますが、一元的にできるように考えていく必要があると思います。それから次に、労働省の方にお願いしたいのですが、監督課長さん、あなたの方では先ほど来話をしました一匹オオカミの実態というのを御調査になったためしが最近ありますか。どういう実態です。もし御調査になっておわかりでありましたらば、どういう実態になっているか、詳細には資料がありましたら後からでいいです、概括的にお話しをいただきたい。
  40. 倉橋義定

    ○倉橋説明員 ダンプの従業者、運転手の方につきましては、いわゆる労働者である方と、先生指摘の一匹オオカミといいますか、われわれは一人親方と言っておりますが、そういう方があるわけでございます。労働省といたしまして権限で調べられますのは、いわゆる事業所に雇用されている、使用されているという者が監督機関権限でございますので、その権限の及ばない一人親方につきましての実態は把握いたしておりません。
  41. 久保三郎

    ○久保(三)委員 一人親方というのは自分である程度事業をしている者という意味ですね。そうですね。そうだとすると、これは運輸省の方になるわけなんです。運輸省では、聞くまでもありませんが、道路運送事業者としては扱っていないのです。実態はどうかというと、労務提供なんですね。労務提供者だと単純に私どもは思っているのですが、それは間違いないでしょう、監督課長さん。
  42. 倉橋義定

    ○倉橋説明員 労働者以外にいわゆる労務提供型の仕事をされる方がいろいろあるわけでございますが、御指摘のいわゆる一人親方の方は、請負契約ないしは運送契約等に基づきまして自己の車で砂利、骨材等を運送する、その主たる提供の内容が労務であるという点では労務提供型の契約であると思われますが、いわゆる労働契約というような範疇に入るかどうかにつきましては、個々具体的のケースで判断せざるを得ないと思います。
  43. 久保三郎

    ○久保(三)委員 これは運輸省真島部長に、時間もないからお尋ねする必要もないと思うのですが、これはいまお聞きのとおりです、総理府の方も、警察庁の方も。どっちの役所でも相手にしないのです。また、相手にしようともしていない。国民は法のもとに全部平等でなくてはいけないのですね。取り締まりの方だけが平等だが、生活権や営業権に対しては平等でないというのは、どこからくる理屈なのか。そういうものを含めて、冒頭提言しましたように、早急にこの問題は詰めてもらいたい、こういうふうに思います。  時間がありませんから、両省、特に運輸省と労働省は、いまのお話を反対なら反対で言ってください、ここで。あなたの話は聞いたが、私は知りませんでしたと言うならば、これはまた別でありますから。お話がなければ承諾をしたというふうにとっていきますが、よろしゅうございますか。お話ありますか。ありますれば御遠慮なく。ない——それじゃいいです。  それじゃ次に参ります、時間もありませんから。  それから差し枠ですね。四十八年かに差し枠を禁止するというので、これは関係省庁でやった。ところが、最近は文字どおりの差し枠をつくって、取り外し自由の差し枠だ。私も素人でありまして、差し枠というのは大体取り外し自由なものが差し枠だと思ったら、いままであったのは固定式差し枠だそうですね。だからこれは自動車の検査のときにも取らせる、あるいは取り締まりのときにもくっついているからすぐわかる、こういうことだそうであります。しかし、取り外し自由であっても何でも、いまの実態からいけば不正をしていることは間違いない。これを禁止させる方法はどういうふうに考えておるのか、これは運輸省から先に聞いた方がいいでしょう、問題があるようだから。
  44. 犬丸令門

    ○犬丸政府委員 差し枠につきましては、四十八年の七月の保安基準改正によりましてその装着を禁止いたしておりますし、車両検査の際にそういったものが装着されていないかどうかを確認し、また街頭検査等によりまして、さらには警察からの通報等によりまして、その差し枠の装着されていないことを確認いたしております。しかしながら、固定されていないものについて保安基準では必ずしも明確に規定していないわけでございます。明確に規定いたしておりませんけれども、そういったものを装着して走るということにつきましては、これは過積載のおそれがあるわけでありまして、そういった面からの問題点は確かにあると考えております。
  45. 久保三郎

    ○久保(三)委員 いまの整備部長のお話だと問題はありますというだけで、どうしたらいいのか聞いているのですが、取り締まりといっても、荷物を積んでいないときにはもちろん要りませんから、差し枠にしないで荷台の中へ載せたままで走っているのでしょう。警察庁交通局長にお尋ねしますが、差し枠をくっつけていたらどうなりますか、空でも。荷物が積んであれば自重計のところに持ってきなければだめですか、いかがです。
  46. 勝田俊男

    ○勝田政府委員 荷物を積んでいない場合については、それだけではその車の状態が道路交通に危険な状態であるとすぐには言えないということでございますので、直ちに違反の対象にはならないということでございます。  それで、現実に積んでいる場合、過積載の場合につきましては、これは過積載として取り締まり、差し枠につきましては陸運の方に通報するという形をとっているわけでございます。  先生指摘のように、一時影をひそめておりましたが、最近、特に北関東の方面にかなりふえているわけでございまして、われわれの方の過積載等の取り締まりの際に、一日平均で、これは昼間を含めてわりに少ないと思うのですが、七%ぐらい、ところが、夜間、未明のころには大体五〇%近くが差し枠をつけているというような実態でありますので、取り締まり面以外にも何らかの対策を考えていく必要があるのじゃないかというふうに考えております。
  47. 久保三郎

    ○久保(三)委員 なるほど荷物を積んでいないとき、あるいは積んでいても差し枠があること自体について処罰の対象にならぬ、なぜならば保安基準にそういうものは書いてないから。何で書いてないかというと、自動車の運行に危険とかそういうものがないから書かないのだということですね。しかし、ある目的を持ったものについて、限定した書き方で、どこに書くか、道交法に書くのかあるいは車両保安基準に挙げるのかは別にして、ダンプカーというか、そういうものに限定して差し枠を使用することを禁ずる、そういう方向をひとつ制度化して取り締まる、こういうことまでやって取り締まらなければならぬというのは、非常にばかばかしい話でありますが、取り締まりというのは、そう簡単に取り締まりできないとするならば、そういう方向でやったらどうか、こういうふうにも思うのですが、一遍これは検討してもらいたい。いまの物の考え方あるいは制度の中ではできませんというだけでは、先ほど申し上げましたとおり、問題の解決になりませんので、これはひとつ考えてもらいたい。特に車両の保安基準というのは安全のための基準でしょうね。だから、運行中や荷物の積載中にこういうものをつけてはいけませんということは言えるはずだと思うのですよ、危険ならば。危険でないならこれは別でありますがね。整備部長、いかがですか。
  48. 犬丸令門

    ○犬丸政府委員 先生の御指摘のとおりでございます。現在のダンプの荷台は、その最大積載量を基準にいたしまして、土砂等の比重がおおむね一定いたしておりますので、それに見合った荷台容積になるように高さが決められておるわけであります。しかしながら、土砂等の散逸、こぼれることを防ぎますために、積載時においては多少山盛りのかっこうになるかもしれませんけれども、差し枠を使うか使わないかは別といたしまして、その定められました正規の荷台より上に相当高く積載するということ自体は、これは積載オーバーであると考えるわけでございます。したがいまして、差し枠があってもなくても、相当に過積載があっているかどうかという状態はある程度判断できるものと考えております。
  49. 久保三郎

    ○久保(三)委員 いや、整備部長、いまのお話、これもよくわからないんだ。差し枠があるなしにかかわらずというふうなお話なんで、それじゃ、何で差し枠禁止なんていうことをやり出したのですかね。自動車の構造だって、買ったものの車に新しくラジオをつけてアンテナを立てたとか、旗を立てたとかいう場合には、保安基準の取り締まりの対象にはならないんでしょう。それと同じように見るのですか。それだとするなら別に——いままでも差し枠を取って、ただ構造上差し枠が入るような構造であっても取り締まったのでしょう。そういう構造になっていれば取り締まった。ところが、いまのお話だというと、何か話が違うんじゃないですか。  ぼくが言うのは、そういうものを装置すること自体が、直接ではないが危険につながるということになって、たとえばダンプならダンプに関してはそういうものを使用してはなりません、使用する意図があればもちろん取り締まりますからと、そういうふうにすれば、使用してはなりませんというだけでも、さっき交通局長が言うように、これは重量計まで持っていかなくとも、差し枠があるのですから、これは取り締まりができるのですよ。そういう方法を考えられないかということなんです。いかがです。
  50. 犬丸令門

    ○犬丸政府委員 保安基準は自動車の構造装置についての規制でございまして、先生のおっしゃるように、差し枠がその時点で装着していなくても、装着できるような装置が事前についておるといったような点につきましては、規制できるわけでございますけれども、何ら検査の時点においてそういったものがなくて、後から容易に差し枠等が使える、使うということについては、検査時点で車両の構造として規制することは非常に困難な問題であると考えております。
  51. 久保三郎

    ○久保(三)委員 保安基準というのは検査のときだけ適用する基準なんですかね。私は、運行中でも使用中でも保安基準は適用される基準だと思っているのですが、間違いならば答弁してください、時間がないから。これは間違いでないと思うのですよ。それが証拠にいろいろなことが書いてあるでしょう。だからその点はもう一遍——整備部長技術屋さんだから、違うのかな。
  52. 犬丸令門

    ○犬丸政府委員 保安基準では構造の基準について規定いたしておるわけでございまして、その自動車そのものについてのその状態について全般的に規定するということは、非常にむずかしいかと考えております。
  53. 久保三郎

    ○久保(三)委員 非常にむずかしいですね。そうだとするならば、やはり道交法でどうするとか、あなたの方の保安基準の中でもう少し考えていくとか考えない限りは、常識的におっつかない法律なんていうのは非常識なんですから、これは変えなければなりません。だから、そういう点でひとつ検討してほしいと思います。  時間になりましたから以上で終わりますが、冒頭お願いしたことについてぜひ検討してほしい。この問題は、交通局長も御存じだと思うのですが、初代の交通局長をやった富永さんという人がいまして、この人が交通局長になる直前かと思うのですが、やはり当時ダンプの問題がありまして、この人は警察庁として、労働省も運輸省もどこも調査しないのに実態調査して、われわれの前に実態を明らかにしてくれた人であります。私は、そういう調査能力となると、やはり警察の組織というのは非常に強いんじゃないかと思うので、これはまあそれぞれの省庁もございますけれども、相協力して考えてもらいたい、こういうふうに思います。以上です。
  54. 太田一夫

    太田委員長 次に、土橋一吉君。
  55. 土橋一吉

    ○土橋委員 委員長、大変どうも御苦労さまでございます。私は、当委員会がいろいろな関係で諸先生が大変忙しいので、この特別委員会に御出席が大変困難なようにも思います。しかしながら、余りにも委員の先生方が、野党の先生方は多いのですが、与党である自民党の先生方が非常に少ないので、今後、当委員会におきまして相当定数をきちっとするように御配慮のほどを、ひとつよろしくお願いしたいと思います。  さて、私は三十分間の時間でありますが、まず空の安全と航空輸送の安全、いま一つは航空機の騒音対策について、二つの問題を質問申し上げます。関係方面の各省皆さん、本当に御苦労さまです。  さて、第一の問題でありますが、空の安全と航空機の輸送の安全の問題についてはきわめて重大な諸問題を抱えております。特に昭和四十八年から五十年にかけまして、異常ないわゆるニアミスと申しましょうか、接近報告が二十回、二十二回、二十三回と、少なくない件数に上っております。そのうち特に民間輸送機と米軍の輸送機、それから民間の輸送機と自衛隊機のニアミス報告は大体どの程度になっておるのか、またそれに対してどういう善処方を考えておるのかということについて、簡単にお答えを願いたい。
  56. 松本操

    松本(操)政府委員 昭和四十八年におきますニアミスの全報告件数は二十件でございまして、そのうち民間機対自衛隊機のニアミスとして報告されましたものが三件でございます。うち二件は自衛隊機の方がニアミスされたと言って報告をしております。米軍機と民間機の問題は一件でございました。四十九年におきましては、総報告件数二十二件のうち自衛隊機と民間機の間における報告が三件、うち一件が自衛隊機の側からの報告でございます。米軍機と民間機との間におきましては五件でございまして、うち一件が米軍機からの報告でございます。五十年には総ニアミス件数二十三件が報告されておりますが、うち自衛隊機と民間機との間におけるものが二件報告されました。民間機と米軍機の関係が八件でございますが、うち二件は米軍機の方からニアミスであったという報告が出ております。  これらのニアミスの報告が出ました場合には、私どもは安全監察官というものがもっぱらこれの原因の究明に当たりまして、その原因のいかんによってそれぞれ再発防止のための措置をとるということになっておるわけでございまして、相手が米軍機でありましょうと自衛隊機でありましょうと、その点については何ら違いがあるわけではございませんので、必要により改善方を勧告もいたしますし、さらにその改善勧告がどのように行われているかということについては、随時コンタクトを持ちながらフォローアップをしておる、こういう状態でございます。
  57. 土橋一吉

    ○土橋委員 基本は、要するに空の安全と航空機輸送における安全を中心考えなければいかぬわけです。  次の問題として、民間航空の空の安全と航空輸送における安全を守るために、アメリカ軍機であろうと自衛隊機でありましょうと、どういうような規制が行われるのか、また行われているのか、その結果どういうふうに安全性が保障されておるのか、簡単にお答え願いたい。
  58. 松本操

    松本(操)政府委員 御承知のように、わが国におきます航空の安全の基本をなしておりますものは航空法でございます。航空法の中にはもちろん事業法規的なものも含んでおりますけれども、それは別といたしまして、安全に関する部分については航空法が基本でございまして、その航空法のさらに基本となっておりますものは、国連の下部機構でございますICAO、これが細かに決めておりますものがすべての下敷きになっておるわけでございます。したがいまして、私ども航空法の中で規定をしております分もこれを下敷きにして上乗せをしたという形になっておるわけでございます。民間機でありましてもあるいは軍用機でありましても、わが国の空を飛ぶ場合に、航空交通の流れに関するものにつきましては何らの除外を設けておりません。航空法の条文で申しますならば、九十六条から九十八条にかかる分につきましては、民間機も自衛隊機も米軍機もおしなべて同一の基準によって管制を受け、同一の安全確保手段が講じられておる、こういうふうな仕組みになっておるわけでございます。
  59. 土橋一吉

    ○土橋委員 あなたのただいまの答弁、それは間違いないですか。もう一回念を押しておきます。あなたの答弁、それは間違いないのかどうか。
  60. 松本操

    松本(操)政府委員 九十六条から九十八条につきまして、すべての航空交通に対して適用がされておるということは事実でございます。
  61. 土橋一吉

    ○土橋委員 あなたに端的に申し上げますが、日本は御承知のように日米安全保障条約の地位協定の諸規定によって、空のいわゆる主権と申しましょうか、かようなものが相当侵害をされておる。特にブルー14及び横田エリア並びに岩国の工リアの問題、さらには御承知のように米軍との間におけるそういう協定はもちろんでございますが、民間における日米間の航空協定なりあるいはそれに関する協定によって、具体的に空の安全とかあるいは輸送機のいわゆる輸送上の安全という問題には直接触れなくても、日本の民間機の輸送に当たりまして、あるいは空の安全について非常に脅かされておる、また非常に範囲が狭められておるというこの事実から見るならば、あなたの答弁は違っておるじゃありませんか。あなたは先ほど九十六条を挙げてみたり、あるいはいわゆる航空法の規定とかICAOの規定を説明されましたけれども、わが国が独立国家であるならば、その基本的な問題についてはあなたの答弁は間違っておるのじゃないですか。うそを言っておられるのじゃないですか。もう一回答弁願いましょう。
  62. 松本操

    松本(操)政府委員 私がお答え申し上げました点に関します限り、航空法の九十六条ないし九十八条が、航空交通の流れという点について、わが国の上空を航行いたします航空機のすべてに同様に適用される、これは間違いのない事実でございます。  次に、先生からただいま御指摘ございましたブルー14という航空路を例示的におっしゃいましたが、これは大島から日光まである航空路でございます。かつて、もう二十年以上も昔のことになろうかと思いますが、その時点ではこの航空路を使っております航空機は米軍機がきわめて多かったということは事実でございます。しかし、現在この航空路は大島——日光という非常に中途半端な航空路でございますので、ここを通るという必要性のある航空機はございません。ただ航空路でありましたがゆえに、その地上部分に幾つかの地上の無線施設がございますので、したがって、先ほど先生のお話の中にも出てまいりました横田の空域、ここは米軍が事実上の管制をしております。これ私どもが管制を委任したわけでも何でもございませんで、地位協定の三条と六条に基づきまして、米軍が秩序形成行為としての事実上の管制業務を行っておる空域でございますが、その中に横田基地でございますとかあるいは厚木でございますとかあるいは自衛隊の入間でございますとか、こういうふうな基地がございますので、そういうところに出入いたします航空機がこれらの無線標識等を使用するという意味において、かつてこの航空路でありましたところ、名前は現在も残っておりますが、そこを通っておるという事実はございますが、この航空路の高度も、かつては三万一千フィートまでありましたものを現在は二万八千まで削っております。  こういうふうな次第でございますので、そのほか民間協定の点について外国機に対して特段の優先権あるいは優位権を与えているのではないかという御指摘もございましたが、これはすべての二国間協定において、外国機はわが国の法規を遵守するということが明確にうたわれておりますので、先生が御指摘のようなことはないというふうに私は考えております。
  63. 土橋一吉

    ○土橋委員 委員の先生も聞いてください。いま問題の中心点は、要するにブルー14の地域の問題もありますし、横田エリアの問題もあるしあるいは岩国エリアの問題もあるわけです。そのほかに日米間における航空協定そのものがきわめて対米従属的なものであって、これについては後ほどまたいろいろお話をいたしますが、そういう制限下において日本の航空機がどんなに今日まで損害を受け、あるいは民間航空輸送などは、一言で言えば、いわば日本人民の人命軽視という観点が一貫して流れておったと言わざるを得ないのであります。ですから、あなたがいまのような答弁をなさっても、それは現実にそういう大きな枠の中ではめられた内容の一つについて安全だということを言っておるのであって、この基本的な問題を排除しない限りは、これをやめさせてしまわなければ、本当にいわゆる空の安全と航空輸送の安全というものは保てないのではないかということを私は言っておるのであって、あなたの答弁はそれはそれなりに私は見るべきものがあろうと思いますけれども、基本的な問題はそこにあることを忘れてはいけないし、人命軽視をしてはならないということを指摘しておきたいと思います。  それならば、あなたにお尋ねをしますが、昭和三十九年に横田基地近くで故意にアメリカ軍及び自衛隊機でありましょうか、いわゆる軍の飛行機が、低空飛行でF105D戦闘機が編隊で飛んだわけです。そのために住民が非常に恐怖の底に陥れられると同時に、その衝撃波によってガラスが破損したのが三十四戸、また壁崩れが三戸、銭湯の窓ガラスなどが吹っ飛んでしまいまして、入浴中の婦人がけがをした。民間航空では考えられないような低空飛行を依然としてやっているわけですね。これは横田エリアの中でもあるし、また横田周辺でもあるわけです。しかもその補償はわずか四万三千五百円余であったということであります。  このような飛行機が低空飛行でやっておる、それで空の安全もまた保たれていないという状態において、航空法の規定によって、あなたがいまおっしゃったように、基地の外側へ出た場合には当然米軍機といえども妥当な補償なりあるいはそういうことをやらしてはならないというふうに私は思うのですが、どうでしょうか。
  64. 松本操

    松本(操)政府委員 ただいま先生が例示されました三十九年の事件というのは、実は申しわけございませんが、私、ちょっと承知をいたしておりませんので、あるいはそういうふうなことがその時点においてあったかと思いますが、米軍機でありましても、仮にそれが横田のエリアの中でありましても——横田エリアというものは本来どういうためにあるかと申しますと、横田という基地がございます。かつては厚木もその中にあったわけです。立川もその中にあったわけでございますから、こういうところに出入する航空機の出入をスムーズに行うための空域として設定されているというのが私どもの理解でございまして、この空域の中を別に米軍に全面的に与えたという趣旨のものでは全くございません。したがいまして、米軍にはまた米軍において、先ほど申し上げましたICAをベースにした米軍自身のレギュレーションというものも当然あるはずでございますし、そのような非常識な行為が行われるということはあってはならないことである、こういうふうに考えております。今後またそのようなことが起こりませんように、私どもとしては私どもなりに十分配慮をしてまいりたいと思っておりますが、その事件自身につきましては、あるいは私の方ではなくて防衛庁または防衛施設庁の方がより正確にお答えできるのかもしれません。
  65. 土橋一吉

    ○土橋委員 防衛施設庁来ていますか。答えてください。この問題についてどういう措置をしたのか。
  66. 広田徳久

    ○広田説明員 三十九年の先生の御指摘の事案については、詳細に現在資料を持っておりませんので、後ほど調べまして御報告申し上げたいと思います。
  67. 土橋一吉

    ○土橋委員 大分古い話ですけれども、少なくとも防衛施設庁は当時の価格、物価等から考えましても、わずか四万三千円程度でお茶を濁すなんてもってのほかであって、これは資料を提出してもらいまして、そしてきちっとした補償体制の問題についてどういう体制をとっておったのかということを端的に知らせてもらいたいわけです。  時間がありませんので、次は、米軍と自衛隊のいわゆる軍用機による空の騒音という問題について、今日国民から非常な批判と、また多くの損害を与えてまっておるのであります。御承知かと存じますが、去る四月二十八日、東京にあるいわゆる横田基地周辺の住民が、三十年来にわたる米軍機による騒音からわが身とわが生活を守るため、夜間及び深夜の静穏を害してはならないということで、被害者に対する補償要求をしております。そしてついせんだって、八王子地裁に訴訟を起こしております。これついて防衛施設庁としては、横田の航空機騒音によって地域住民に与えた損害、または今日までのそういういろいろな被害についてどのような善処方を考えておるのか、どのようにしてこの問題を解決していこうとしておるのか、簡単に答えてもらいたい。
  68. 広田徳久

    ○広田説明員 米軍の航空機によります騒音の問題が付近の住民の方々からいろいろ問題にされていることは、十分私ども承知しております。したがいまして、従来からも米側に対しましては騒音軽減のための協力につきまして再三要請しております。また米側におきましても……(土橋委員「この訴訟問題についてどういうふうに考えておるのか」と呼ぶ)今回の訴訟につきましては、提訴されたということは承知しておりますが、いまだ私どもの方に訴状の送達を受けておりませんので、これを受領次第また関係機関検討いたしたいと思っております。
  69. 土橋一吉

    ○土橋委員 昭和四十九年の三月二日、読売新聞は、ここにも写しがありますが、大阪空港判決に関連をして、防衛施設庁筋が米軍にも民間機並み飛行を求めるとして、午後九時から午前七時までの間、夜間並びに早朝の訓練禁止を折衝しようとしておると報じた。この中にもそう書いておるわけです。その折衝の結果、現在はどういう取り決めができ、どのような実行をしておるのか、あるいは横田の場合も具体的に一体どういうふうにこの問題を考えておるのか、簡単に答えていただきたい。
  70. 広田徳久

    ○広田説明員 先ほども申し上げましたとおり、そういう大阪空港関係の判決、そういったものに対してはもちろん私どもとしては重大な関心は持っております。しかし、米軍基地に関する訴状もまだ送達を受けていないということでございますので、現時点ではいろいろそれに対するコメントあるいは御説明は差し控えさせていただきたいと思っております。
  71. 土橋一吉

    ○土橋委員 それでは四十九年の夏、防衛施設庁は、まあ従来渋々と腰を持ち上げるのが彼らのいままでの慣例でありますが、やっと腰を上げて、横田周辺の騒音調査をやったというのでありますが、これは音響材料協会というのにやらせておいて、しかもそのやり方は非常にずさんなものであったと地元の人が言っております。第一は、測定はわずか九日間であり、第二番目として、午前八時三十分から午後五時三十分という昼間であり、第三番目に、飛行音だけに限り地上のエンジンテスト等をかつてやっていない。しかも四番目には、測定点は固定の二カ所、あとはすべて移動というしろものであるということが報告をされておるわけです。これはきわめて不親切なやり方で、やる気でやってない。もっとまじめにやるべきだと思うのです。特に西ドイツの、いわゆる自治体の代表とか被害者の代表とかを含めたそういうことについて学んでやるべきじゃないかと思うのですよ。これに対して、特にこの線引きが、ここにもありますが大変不都合千万な、いわゆる飛行場の周辺のごく一部分だけお義理にやったという程度であって、しかも横幅は非常に狭い。あの地域は皆さんも御承知のように福生市がずっと直面をしております。こちらには昭島市が直面をしておる。北の外れは瑞穂町がある、こういうことで、かなり人口密集地帯であります。しかも、調査が南側だけしかやっていない。夏は南側のミドルマーカーの方から接近塔の方を通って入ってくるわけだ。冬の寒いときにはどういう関係か、気流の関係か、北側の五日市街道から、瑞穂町の方から入ってくる。その方は全然調べていない、こういうずさんなものであります。これに対して一体防衛施設庁はどう考えているか。
  72. 白根洋

    ○白根説明員 お答えいたします。  いま先生指摘のいわゆる騒音の環境基準に関します地域指定のための調査でございますが、確かに四十九年の夏に、八月三十一日から三日までとそれから六日から九日まで通算八日間の調査を行ったわけでございます。先生質問の一つの問題としては、なぜ八月の時点だけをやったのだという御指摘だと思います。実は環境基準の方で示しておりますいわゆる測定の標準的なものがございますが、測定期間としましては航空機の飛行状況及び風向等の気象条件を考慮して、測定点における航空機騒音を代表すると認められる時期を選定する、こういうふうにあるわけでございますが、横田飛行場につきまして過去の年間平均あるいは週間平均飛行頻度、そういったようなものを調査をいたしてみますと、大体六月から八月前後が年間を平均した飛行状況、騒音状況を代表する期間であるというふうに考えまして、その時期をまず選んだわけでございます。
  73. 土橋一吉

    ○土橋委員 そこまでで結構です。  次には、今後横田基地周辺の住民の願いであるところの環境基準としまして、住宅においては七〇ホン、商業などをやっていらっしゃる方は七五ホンと言われているのですが、このWECPNLのいわゆる基準を具体的に実現をするためにどういう努力をしておるのか。これは昭和五十三年のいわゆる五年以内云々というものではなくて、少なくとも環境基準に関する基本的なWECPNL、これをやるためにどういうふうな努力をしているのかということを、もう時間が五、六分しかございませんから、ごく簡単に答えていただきたい。
  74. 白根洋

    ○白根説明員 お答えします。  いわゆる環境基準の達成につきましては、音源対策、運航対策、それから周辺対策と三つの問題を総合いたしましてその成果を上げなければならないわけでございますが、いわゆる軍用飛行機につきましては、音源対策につきましては鋭意自衛隊あるいは米軍でもいろいろ検討していただくように申し入れをしておるわけでございますが、なかなか民間の航空機のように簡単にはいかない性質を持っておるようでございます。  なお、運航の問題につきましては、合同委員会にございます騒音対策分科委員会等におきまして、しばしば騒音の軽減あるいは被害地に対する飛行を避けるようにとかいろいろな規制措置を米軍に申し入れ、また米軍もその努力を重ねておるところでございます。  なお、次の周辺対策でございますが、従来からいわゆる学校、病院等の公共施設、そういったようなものにつきましては、防音工事という形で施策実施してきたわけでございますが、最近とみに飛行場周辺の生活環境の悪化といいますか騒音による悪化といいますか、そういう問題が顕著になってまいりましたので、横田周辺につきましては昭和五十年度から住宅防音工事あるいは集団移転等の御希望のある場合には移転の助成をするといったように、いわゆる三つの問題を総合いたしまして対策を講じたい、このように考えております。
  75. 土橋一吉

    ○土橋委員 あと五分しかありませんので、これは私のところに寄せられた写しなんですけれども、これは町田市なんです。御承知のように、町田市は横田の基地から南東の方と言いましょうか、この地域の婦人がこういうことを訴えている。昨年の春以来飛行機の騒音は目に余るものがあります。基地からも遠いこの町田市が何ゆえこんな飛行機の騒音に悩まされなければならないのかということも言われております。またジェット機あるいは大型機あり小型あり、ヘリコプター、あらゆるものがときには一時間に十数回も飛び、ときにはヘリコプターなど、木造家屋のわが家は振動で困っておる、早朝や深夜の場合など全く眠ることもできないという訴えが私のところに来ておるわけです。  これはあとでちょっと見てもらえばいいのですが、こういう問題についてアメリカ軍が地位協定とかあるいはブルー14とかいうことを盾にして、先ほど私が申し上げたように、日本の空の安全、これを守っていない、自分たちの勝手にそういうことをやっておる、こういうことについても、私、先ほどあなたにもお話し申し上げたように、これは空の安全から見ても、また航空輸送その他、要するに民間機などの輸送の安全から見ても非常に危険だということを考えておるので、これに対してどういう措置を講ずるのかという点、外務省、防衛施設庁にお聞きをする。  もう一つ、時間が一ぱいですからうまく答弁してください。  東京の国際空港の深夜騒音の問題について、運輸大臣は四十七年三月の緊急対策の中で、東京空港は午後十一時から翌朝六時までの発着を禁止した。ただし国際線については当分の間やむを得ない遅延をするものも認めるとしたが、すでに四年を経過する今日において、違反飛行機は当初の月平均三十機が昨年夏には七十機を超えて、住民の間にいらいらと不満が起こっている。これは東京の羽田飛行場です。今年一月から二月に及んで月平均百二十機を超えるペースとなっておることが判明した。こういうことから見て一体運輸省は、この問題についてどういう処置をするのか、どういう善処方をするのか、明確に時間内においてお二人から答えてもらいたい。
  76. 山下新太郎

    ○山下説明員 お答え申し上げます。  米軍機が日本におりますのは、申し上げるまでもなく安保条約に基づきましてわが国、さらにはそれを含めまして極東の平和と安全ということで日本に駐留しているということでございます。そういう目的で米軍はいるわけでございますが、そういう目的で動く米軍機がたとえば民航との調整の問題、さらにまたそのために必要になります飛行場周辺におきまして騒音等の問題、そういうものが起こる、これをそのまま放置するということはむろんよろしくないことでございまして、私どもといたしましては、地位協定に基づいてつくられております合同委員会あるいは必要とあればさらに私どもから直接にあるいは防衛庁、防衛施設庁から、さらにまた航空局の御関係におきましても米側と折衝して最大限そういった周辺住民の方方に対する悪い影響、そういうものを軽減していくべく努力していくということでございます。それで今後ともそれはやっていくつもりでございます。
  77. 土橋一吉

    ○土橋委員 山下さんはどこですか。
  78. 山下新太郎

    ○山下説明員 外務省安全保障課長でございます。
  79. 土橋一吉

    ○土橋委員 運輸省どうですか、この羽田の問題は。外国機の乗り入れ問題について、四年間もほったらかしているんだ。
  80. 松本操

    松本(操)政府委員 お答えいたします。  先生おっしゃいましたように、四十七年以来その規制を強化してきておるわけでございまして、昨年の例で見ますと八月、風向きの関係で最も事例が出ました場合に約二百九十機、月間違反機がございました。違反機と申しますか、十一時以降の出発がございましたが、そのうちの二百三十機はNOTAMにもAIPにも載ってございますけれども、海から入って海から出るという措置でこれをさばいたわけでございますので、陸上側に多少の御迷惑をおかけしたことは申しわけないと思っておりますが、そう大きな御迷惑はかけずに済んだのではないか。ただし、これを放置していいということでは全然ございませんので、まず私どもといたしましては、昨年の暮れに北へ向かって飛んでまいります航空路を行き帰りの二航空路に分離をいたしました。これによりまして、従来特にアンカレッジへ向いて飛んでいきます航空機が非常に混雑いたしましたのを緩和することができるようになりましたので、その効果がおいおいと出てきております。  次に、この四月二十二日にNOTAMというものを出しまして、羽田空港における航空機の離発着についてのありようについて、従来のNOTAMを一新した抜本的なNOTAMを出しました。したがってこれによりまして、特に陸岸部に御迷惑のかかるようなフライトを可能な限り制限するということを現在着々指導をしております。この成果も恐らく出てくることを私ども期待しております。  それからもう一つ、北側から回り込まざるを得ない気象条件の場合に、どうしても陸岸部に回り込み過ぎる、こういう問題がございました。これにつきましては、多少の施設を伴う必要がございます。したがいまして、どのような施設をどこへ置けばいいのかということを現在フライトシミュレーター等を使って科学的な調査をいたしておりますので、近くその結果が出次第関係航空企業、これは日本、外国を問わずでございますが、一堂に会しまして、十分その趣旨を説明し、しかるべく施設も設けて、そういったようなことがないようにこれからも最大の努力を払っていきたい、こういうふうに思っております。
  81. 土橋一吉

    ○土橋委員 一言、いまあなたはいろいろお話しになっておるのですが、現実に月平均百二十機が、当初は三十機であったものが結局四倍にもふえておるわけですよ。で、いまあなたアンカレッジに行くものがどうだこうだとおっしゃるけれども、あの地域の気流の関係その他から見まして、アンカレッジへ行くのであろうとも入ってくるのであろうとも、私なんかもちょいちょいお邪魔させていただいておるのだけれども、あの騒音は耐えがたいものですよ。問題はいかに騒音をなくするか、いかに航空機の乗り入れを制限するのか。アメリカは無制限じゃありませんか。こういう日米間の航空協定そのものを見ても、人命のことを考えていないということを先ほどから私言っておるように、この羽田の飛行場問題は直ちに善処してください。そして後またどういうふうに現状なっておるのか、私の方へ報告していただきたい。
  82. 松本操

    松本(操)政府委員 米国機の出入につきましては、協定上先生おっしゃるように事後承認主義でございますが、しかし現実承知のとおり、羽田の状態というものはもう目いっぱいでございます。したがいまして、米国の航空機でありましても現実に便数というものを凍結いたしてしまっております。凍結いたしました枠の中で各社がふやしたり減らしたりするのは認めておりますが、特に米国機であるからということで特段の配慮はしておりません。したがいまして、飛行機の数がふえているというふうなことはここ数年来ございません。しかし、そうは申しましても、確かに御指摘のような騒音問題ございますので、航空路の分離等は、つまりそちらの方を飛ばないようにさせようという技術的な手段について御説明申し上げたのはいささか舌足らずでございましたが、そういう方向努力をしていることは御了解いただきたいと思います。
  83. 土橋一吉

    ○土橋委員 終わります。
  84. 太田一夫

    太田委員長 次回は公報でお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。     午後零時四十四分散会