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渡辺(武)
委員 とかく
公共事業の推進に当たって、一部分ではエゴ的に反対運動がある。しかし、大部分は協力しようという姿勢の中で進められるわけでございますけれども、そのような
計画と実際の実行面とのずれによって逆に協力者をも反対側に回らしめてしまうという現象が、いま
大臣もいろいろ言われましたように、自分の
計画自身が挫折をしてくるというようなことから、それならばいっそやめたという
方向に回っておる現象が実はあらわれてきておるわけです。そうなりますと、さらに
公共事業の推進というのは非常にむずかしくなって、いたずらなトラブルが巻き起こってくる、こういうことが十分考えられますので、特にその辺の配慮は十分に、悩んでおられるだけではなかなか解決できませんので、ひとつ特段の解決策を推進をしていただきたい。特に要望をいたしておきたいと思います。
それから、来年度の
建設省の重点施策の中で、特に
住宅と宅地に重点を置くと
新聞報道はしておるわけでございますが、最近の
住宅の宅地供給というものが非常に難航を来しておるといいますか、ほとんど皆無だ。その原因がいろいろ挙げられておりますけれども、まあ先年来われわれが議員立法として上げた国土利用
計画法
そのものも何かやり玉に上がっているような傾向があるわけでありますけれども、私は、それらの部分はむしろ大きな原因ではなくて、もっと別な観点からながめてみなければならないのではないかと思うわけでございまして、特に
都市計画等による線引き等の問題もあるでございましょうし、さらにはもっと大きな視点から見れば、わが国のいわば居住可能な面積というのは国土の二五%ないし三〇%と言われておるわけでして、そのように、本来的に非居住地域というものあるいは緑地地帯というものが、国土の七〇%に相当するようなものが
本当に必要なのかどうか、また、それでなければ人間の良好な生活環境というものが得られないのかどうか、この辺の根本的な問題から、本来的にはやはり考え直してみなければならぬのではないだろうか。単なる丘陵地帯の開発をも自然破壊というようないろいろな御意見もあるようでございますけれども、むしろ私は、居住地面積を拡大をするという
方向、それにはやはり当然水資源の問題であるとかあるいは砂防の問題であるとか、あるいは
本当のわれわれ人間の生活環境、これを、どのようによりよい良好な環境を保っていくかということは、これは十分なる
調査を行わなければならないわけでございますけれども、しかし、それにしても、他国と比べまして、いわば緑地面積は、国土全体の面積から見れば、これは先進工業国では有数ないわゆる緑地地帯というものをわが国は持っておると思うのです。だから、そういう面からいけば、居住地面積を拡大をするためには、やはり開発ということは当然考えられてもよろしいんではないか。そういうことが、さらに過密化しておる都市の中に緑を持ち込むことにも通じてくるわけでございまして、そういう面で、一体どのように
基本的に考えていくべきなのか。
さらにそういう、主として市街化調整区域の中にいろいろな問題が出てくるわけでございますが、調整区域
そのものが、たとえば民間デベロッパー等が非常に買い占めをしておるから、それの救済策になってはいけないとか、いろいろな問題があります。ありますが、確かにそういう規制
そのものは、いわば乱開発を防止するという点ではある一応の効果をおさめておるわけでございますけれども、地方公共団体等が
都市計画上やっていこうというものも同じような範疇の中に考えられておる気配がなきにしもあらずでございまして、特に農林省
あたりの保安林等の指定解除というような問題も、若干の丘陵地帯を開発するのに、たまたま保安林等があるというような場合にも画一的に解釈をされて、そのために居住可能な面積を拡大をするということに非常に支障を来たしておる、こういうことがあるのではないか。
そういう
意味から、本来的にもっと
基本的にこの狭隘な国土の可住面積を何とか拡大をするという
方向、これは考えられないのかどうか。いま、
自身持っておる山林なり緑地なりというものを、わが国においてはそれだけ確保しておかなければ、われわれ日本民族が生活していく上において
本当に良好な住環境が得られないのかどうか。この辺は根本的にやはり問い直してみなければならないときが来ておるのではないか。こう私は考えるわけですが、この辺の
基本的な
考え方については、
大臣、どのようにお考えでしょうか。