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柴田(睦)
委員 私は、日本共産党・革新共同を代表いたしまして、
建築基準法の一部
改正案及び
遡及適用削除の
修正案、さらに
日照部分の
修正案についての討論を行います。
建築基準法の一部を改正する
法律案は、
昭和四十九年の第七十二
国会から今日まで継続
審議になっております。私たちはそのうちの、防災
関係部分の
法律案に賛成する、そして
日影規制に
関係する
部分に反対するという態度を表明してまいりました。
防災
関係部分につきましては、いままでのデパート火災あるいは雑居ビルの火災、そうした事例を踏まえて、これを
防止するための
対策であるという
見解に基づくものであります。この点につきましては、この
法律案の
提案理由についても、近時の
建築物の高層化とその用途の複合化に伴い、大規模
建築物内で火災が生じた場合重大な事態を引き起こす事例が再三見られるところである、そして、このような事態に対処するために
既存の百貨店等に対して
防火避難施設の整備を義務づけ、あわせて
工事中の
建築物の使用
制限を強化する、こういう
内容でありまして、まことに時宜に適したものであると考えたからであります。
一方、
日影規制の問題につきましては、この
日影規制という問題がいろいろ国民の間で問題になっておりますけれ
ども、この
原案の
内容は全国に
規制を一律化するという
内容であり、その
内容を現実に対比してみますと、従来
日照問題をめぐり、裁判所の判断の傾向、さらに
住民と建築主との間の協議合意に基づく事項あるいは
自治体の現実の指導要綱を中心とする指導、こうしたものとの矛盾が認められたからであります。
そしてまた、参考人の
意見においても、この
日影規制に対して批判が集中しているわけであります。われわれもそのような
見解に立って、
原案の
日影規制に反対するという態度を表明してまいりました。
日影規制につきましては、その後
検討が進められ、今回の
修正案は、一律化を排して
自治体の裁量を認めるという
内容になっており、一方
商業地域の問題だとか、あるいはこれに関連する風害、プライバシーをめぐる問題だとか、そういう問題についての根本的な解決とは言えないと思いますけれ
ども、この
修正案が現状の事態を解決するのに役立ち、現状を改める面があるということで、この
日影規制に関する
修正案については賛成をするものであります。
防災
関係の特に
遡及適用の排除の問題でありますけれ
ども、これは
提案理由にも言われるように現実的に必要なものでありまして、この間百貨店協会あるいは地下街や地下商店会などからのいろいろな
意見が述べられておりますけれ
ども、それは経済的
負担を中心とする
考え方の問題であると考えるわけであります。
遡及適用の
原案の
規定を見てみましても、
政令において
一定規模以上のものという限定があり、さらに
政令で排除するものも決めることができるようになり、さらに代替措置という問題もあるわけでありまして、
人命尊重の
立場というものを最重点に考え、他は
行政の運用によって現実を改善し得る性質のものである、このように考えるわけであります。
こういう
意味で、この
遡及適用の
規定を削除する
修正案には反対であります。今後
防災対策を強化するための真剣な
対策の実現を強く要求するものであります。
以上のとおり、
遡及適用削除の
修正案に反対し、
日影部分に関する
修正案に賛成し、この
修正部分を除く
原案には賛成であるということを申し上げて討論といたします。