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竹下国務大臣
中村委員にお答えをいたします。
中村委員の御質問は、まさに私
どもに対する御鞭撻の
意味であります。大変ありがとうございます。
私事にわたって失礼でありますが、
昭和四十九年の十一月に私が
内閣官房長官をいたしておりまして、そのときに、結論は総辞職をいたしましたが、仮にもし田中
内閣で施政方針演説をやるとしたらということで、ここにおります
梶山委員とも
どもに考えました骨子の中に、いわゆるニクソンの新
経済政策あるいは石油ショック、そして高度
経済成長などというのはもう過去の夢であり、新しい減速
経済のもとにこれからの各種長期
計画というものを立てるに当たって、すべての見直し作業を
昭和五十年いっぱいに終了しようじゃないか、そして五十一年度を初年度として各種公共事業等の長期
計画を立てて国会で御
審議をいただき、
国民の皆さん方に五十一年度を初年度とし
昭和六十年度をめどとした一つの暮らしの青写真というものを御審判を仰ぐ、こういうことでもって施政方針演説をやるという前提のもとに検討をいたしたことがあります。
そこで
経済官庁等のいろいろな議論を聞きますと、それはそうおっしゃっても実際問題五十年いっぱいで長期見通しを立てるだけの
経済の見直しはできませんよ、そういう意見に結論は押し切られたと申しますかわれわれも同意をいたしまして、それがゆえに今度御
審議をいただいております
下水道、
都市公園等々は一応は五十一年度を初年度とする五カ年
計画というものを立てるに至りましたものの、道路でありますとか川でありますとかそういう大物と申しますか、それはやはり三全総の結果を待たなければそういうことを
国民の皆さん方に示すわけにはいかぬということで、私
どももそのときそういう施政方針演説案を断念をしたことがあるのであります。
そういう中にも、少なくともいまおっしゃいましたいわゆる福祉社会の実現というものを前提とした各種公共事業については、未熟ながらでも新五カ年
計画というものを立てて御
審議をいただかなければならぬではないかということで立てたのが、まさにこの第四次
下水道整備五カ年
計画なんかはその一つであると思うのであります。したがいましてその中身に至りますと、まさに
中村さん御指摘の
答申についてのいろいろ具体化に努力はしたものの、全体的な中で生煮えのままと申しますか、
計画決定はなされたものの中身が非常に未熟なままで残らざるを得なかったというのは、やはり
経済見通し全体に対する確たる
政府の自信というものが五十年度いっぱいに立てることができなかったことから生じたことである、残念でございますが、御指摘のとおりに私もうなずかざるを得ないのでございます。
したがいまして、十一兆円という
概算要求をして七兆五千億になったということ、これに対するいろいろな問題につきましては、やはり
伸び率でもって評価していただくほかにないじゃないか。その
伸び率についてもいま先生御指摘のとおりでありますが、私が素朴に最初考えましたことは、実は
下水道というのは
昭和四十六年度を初年度とする
計画を立てますときに、まだ
普及率の全くないのが私の島根県と、私の前官房長官でありました保利さんの佐賀県と、その前々官房長官でありました橋本登美三郎さんの茨城県と、低
開発地帯、低
開発地帯といいますか、
下水道普及率ゼロ地帯で、たまたま問題を勉強させられたことがあります。したがいまして、それなりの知識は非常に乏しいわけでございますけれ
ども、この問題は、これは私が参画した
予算編成ではございません。これは仮谷前大臣の時代になされたものでありますけれ
ども、もちろん
政府一体の責任におきまして、これを
決定いたしましたについて、私が後から見てまあまあという感じがいたしましたのは、従来からいわば内務省というものの感覚から来る道路でございますとか、あるいは鉄道省、国有鉄道という文字から来る印象を受ける鉄道でありますとか、あるいはいまで言えば電電公社等から受ける電気通信の
課題でありますとかそういう大物の中で、どうやら俗に言う一般的な大物に近づきつつあるということ、これはまさに百兆円というものの中で、これはまだ概案でございますけれ
ども、その割り振りがそのままシェアにもなるわけでございますから、私もまあ
伸び率の中で評価いただけるとしたらいただけるものではなかろうかというふうに思うわけであります。
したがって、三全総というものが決まりましても、この概案に大きな狂いがあるとは、私も残念ながら思いません。しかし、いまの御趣旨を体していくならば、そういう警鐘を乱打し続けていただいて、われわれもそれに呼応して進めていくならば、私は政治の大きな流れの中にある環境
整備、なかんずく
下水道の
整備というものについて、私はまさに他の先進国に比べれば最もおくれたそれでございますものの、期待できるし、また期待に沿うべき努力をしなければならぬということをつくづくと感じておるわけであります。
したがいまして、今後この問題につきましても一層の御鞭撻を私の方からもむしろお願いをいたしまして、
建設省全体としてもまたそういう御鞭撻の方向に努力をしなければならぬという決意を表明いたしまして、お答えにかえさせていただきます。