○瀬崎委員
土地の仲人役である仲介人に
開発公社側は全く関知していないと言っている。そんな仲介人のあろうはずがないわけなんであります。そういう点から見て、普通の見方をするならば、これはわれわれがここで指摘したように、日本信託と滋賀物産は合同してこの第一回目の取引の仲介者として登場してきたものである。したがって、合算された金額約二億円は明らかに宅建業法四十六条に違反しておると断定せざるを得ないと思うのです。むしろ逆に、
建設省の言い分は、何とかしてそこへ抵触しないように抵触しないようにと、まあ言えばこの上田の黒い霧の方に立って物を見ているとしか思えない。これがそもそも疑惑を深くする。私がこの手数料問題を突っ込むのは、何もこれだけが疑惑じゃないんです。もっと大きいわけです。とにかく五百億の借金を滋賀県の
土地開発公社にしょわしたのです。滋賀県民一人当たりにしたら、赤ん坊まで含めて五万円の借金になるわけです。これはどうしようもないわけであります。日本信託も飛島建設も筆頭株主は三菱銀行であります。同グループです。日本信託は上田、飛島、公社の
土地転がし全体をあっせんして七千六百万と六千五百万、これで二回手数料を取っているわけでしょう。黒いピーナツの一種ですよ。わずか一カ月余りにこれは一億四千万になりますからね、暴利もいいところです。上田建設あるいは公社の元幹部で逮捕された
井上という自民党の県議、こういう連中が共謀して公社に不当な損害を全体として与えたのではないかという疑惑もこの背景に大きくあるわけなんだけれ
ども、なかなかそこへあなたたちが入っていこうとしないから、違法最も簡単明瞭に指摘できる手数料問題をわれわれは追及しているわけです。
しかも日本信託は、このほかにも問題のびわこニュータウン地域の
土地転がしを公社に取り次ぎまして、六千万円の仲介料を得ているわけであります。ただし公社に金がないから未払いになっておりますけれ
ども、この点どうでしょうね。
大臣もよく聞いてほしいのですが、日本信託銀行というのは単なる不動産屋ではありません。国の手厚い保護を受けておる銀行でもあるわけです。これがみすみす時価の三倍近い高値とわかっているような
土地を公社に押しつけ、かつ莫大な手数料を一件の取引で二回も取る、こういうふうなことをして何の注意も制裁も受けずに済むものだろうか。私はこれは
国民の一人一人を代表して、ここで怒りをもって訴えておきたいと思うのです。結局財界と自民党政治の癒着によって発生した疑惑という点でも、あるいはまた事件の黒幕が病気だと言って入院して出てこないという点でも、また、最も近い身内に自民党の国
会議員もいらっしゃるわけです。また、自民党の県
会議員も逮捕されるところまでいっているわけです、そうしながら与党である政党がその疑惑をみずから晴らそうとしない、こういう点でも、ロッキード疑獄と同じような性格だと私は言わざるを得ません。こういう点では、当然これは政府としてももうすでに今日までにこういう点に問題がありますよということを具体的にわれわれはずいぶん詳しく調べて指摘してあるのです。その点ひとつ不公正取引の疑惑のある問題について、事態の解明と宅建業法等に基づく行政措置を、時間をかけてではなしに可及的速やかに行うように強く政府に要望したいのでありますが、この点はひとつ建設
大臣、仮谷さんとは何遍も渡り合った問題だけれ
ども、はっきりと決意を表明しておいていただきたいと思うのです。