○本野
説明員 けさ、
報道によりまして、在米の日米貿易協議会の
関係者、それから
日本貿易促進協会の
関係者が米司法省によって提訴されたという
報道につきまして、事実
関係を御報告申し
上げたいと存じます。
このNBKと申します日米貿易協議会は、
昭和三十三年に、やはり日米間の貿易問題、御承知のように
アメリカの中でいろいろ保護的な動きもございますし、
日本に対する認識が非常に不足しているという、誤解も多いということで日米の
関係者の中で、これをもう少し
日本政府の
考え方、
立場を
米国内に広報し、周知徹底させるための活動をやることが時宜に適しているであろうというような
考え方を背景といたしまして、そこで設立された
機関でございます。この
機関は
アメリカ側の企業約八百十社ぐらいが会員になっておりまして、
しかし、会費は払っておるわけでございますけれ
ども、実質的には
日本政府の自由貿易
体制維持強化事務委託費という形で、ニューヨークにございますJTPOという、ニューヨークの
日本人商業
会議所の会頭が
理事長という形になっておりますけれ
ども、その
機関を通じまして、そこに委託費を支払って、そのJTPOからNBKの方にその委託費の
経費を回すというような形で運営しておるわけでございます。
その活動はどういうことをやっているかと申しますと、たとえば
アメリカの議会で
日本との貿易
関係等についていろいろ議論が出てくる。そういうものを簡単なレポートにまとめまして、これを月十数回そういうものを出しておりますし、それから
一般的な
アメリカの経済
状況、それから日米貿易の事情等についてまとめた報告書を随時出しております。それから、やはりいろんな公聴会
日本からの輸入が問題になるようなときに、行って
日本側の
立場をそこで擁護すると申しますか、そういうような議会との間の潤滑油になるような活動をやっているわけでございます。
この活動は、従来
アメリカには外国
機関登録法というのがございまして、その登録法に基づいて、その三十三年に、設立した当時に登録しておるわけでございますけれ
ども、ただいま、けさワシントンから入ってまいりました電報の
内容によりますと、この訴状はまだ受け取っておらないわけでございますけれ
ども、司法省の発表によると、登録はされているけれ
ども、実際その活動の詳細についての報告がどうも不備である。その報告から受ける印象では、会員、いま申し
上げました八百十社というものが運営しているかの印象を与えるけれ
ども、実際はそういう会員は会費を払い、出版物の配付を受けているだけで、実際に協会の運営に積極的に参加しているわけではない。実際これは要するに、
日本の利益を代表している
日本の大使館が背後にあって、それを隠蔽する、
日本政府の実際の活動を隠蔽するような役割りを演じている。そういう点について、はっきりしていない。こういう報告の不備によって誤った印象を与えているというところが問題であるというような発表になっております。
私
どもとしても非常に困惑しているわけでございまして、これは六月の二十八日に、実は司法省の方から注意がNBKの方にございまして、これは外国
機関登録法上いまの報告の仕方は不備であるから、これは問題になるかもしらぬ。場合によったら提訴することもあり得るというような話がございました。そこでNBKの代表でございます。
理事長でございますヘメディンガーという弁護士でございます。これは長年日米貿易のそういう
関係で働いてきた人でございますけれ
ども、それが大使館に接触いたしまして、この点についていろいろ誤解もあるようであるから、司法省との話もややそういう報告を今後整備する。それから出版物について、これはやはり
日本政府の提供したものであるというようなことを出版物にも明記するような形にすれば、司法省の方としては、あえて問題にしないで、いわば示談ということでございましょうか、話し合いでこの問題を穏便に解決ができるかもしれない。しばらく自分たちの方に任しておいてくれということを言ってきておったわけでございまして、私
どももその
状況を見ておったわけでございます。そこへ突如けさ、十三日に司法省が提訴をしたというのが事実
関係でございます。