○高田
委員 ただいまの事
務局長さんのお話で、
指摘された点については反省して、今後そういうようなことのないようにするということでございますから、一応そういうことで私も了承いたしますが、まあどういう理由があるにせよ、事情は当然いま御
説明のようにあったのだろうと思います。けれ
ども、いやしくも官庁が仕事をなさる上で
予算外のことをただ気軽に寄付金でやって、しかもそれをどこへも報告もしていなければ、あらかじめ許可ももちろんとつてませんし、そういうことでは困るわけですから、これはやっぱり悪いことは悪いので、ぴしっと改めてもらうということでなくてはならぬし、
会計検査院の方とされましても、口頭で注意したということでなしに、今後そういうことのないように、やはりぴしっとした監督をしてもらわなければ困るということを申し上げたいのです。
そこで実は去年の十一月に行われました国際環境保全科学
会議、こういうものを去年やられておるわけですが、この
会議では国家
予算は三百五十万円ついておるのですね。ところが、寄付金はその十四倍、四千九百万円の寄付金を集めるということで事業をおやりになった。これはやってしまったわけですけれ
ども、これに至っては実にはなはだしいわけで、ほとんど大部分寄付金に依存して、こういう事業をおやりになったわけでございます。
そこで、これは非常にいろいろな角度から大分問題が大きいわけですが、まず第一点としては、そういう事業が一体あらかじめ閣議の承認か何か得ておかないでやれるものだろうかという疑問をこれは当然持たざるを得ないのですね。
この法律自体を見ましても、この日本学術
会議法の中にも、六条を見ますと「学術に関する国際団体に加入する場合において、政府があらたに義務を負担することとなるときは、あらかじめ内閣総理大臣の承認を経るものとする。」という
規定もありますし、また
会議御自身で出しておられます「日本学術
会議主催による学術
関係国際
会議開催の手引」というものを見ましても、国際
会議を主催するというようなことにつきましては、相当厳密な条件をお決めになっておって、そして必ず事前に
予算を付して閣議の了承を得ない限り決定しないんだということまで非常に詳細にお決めになっておりますね。それほど厳密にやっておるわけです。
特にその中の条件としましては、そういう国際
会議をやる場合は「当該国際学術団体からの協力および
関係国内学協会の共催が得られること。」というのが条件になっておるのですね。だから他の団体があって、国内にも団体があって、そういう団体が共催してくれるということがあれば、事務的にもそういうところにもやってもらえるわけですし、また国際的にもそういう団体がある、この協力が得られるということで初めてやれるのだということにもなっておるわけでございます。そういう条件の上にちゃんと
予算をつけて閣議の了承を得て、そこで初めてやるということが本決まりになる、こう決めてあるのですね。
ところが、今回のこの国際環境保全科学
会議につきましては、そういう団体はないわけですね。国内にもないし、国際的にもない。ですから、共催してもらえる団体はないですから、自分みずからが事務的なことから何から一切合財全部やらなければならぬ。それも国際的にそれを組織して、国内では自分が全部やらなければならぬというような、かつ、恐らくこれをお決めになったとき、予想してないんだろうと思うのです。学術
会議では、そういう種のものはやるということは予想だにもつかないことなんですね。学術
会議でおやりになる国際
会議というのは、おおむねいろいろな団体から要請があって、そうしてその要請された中からピックアップして、これをやってやろう、これはやってあげましょうというふうになる場合しか想定してないんだろうと思うのです、大体。みずからこれをやるというようなことはね。
そういうことであるにもかかわらず、そういうことをおやりになるのに、あらかじめ
予算を付して閣議の承認を得た後にきちっとやるという手続を全然経てないのですね。こういう
基準に基づかないでやる、これは例外だ、例外だから構わないんだ、例外だからどこにも承認を得なくたって構わないんだ、やっちゃっていいんだ、こういう調子でこれをおやりになっているのですよ。これは何としても、われわれは理解に苦しむのです。だから結果的にも、言いましたように、国家
予算の十何倍も寄付金を集めておやりになるというようなことになっている。これは全く私、論外だと思うのですがね。大体こういうことに対して三百五十万円の
予算をつけたということも私にはわからないのです、これは。
これはひとつ主計局にお伺いしたいのですが、どういう事情で三百五十万円の
予算をおつけになったのですか。三百五十万円あればやれるというお
考えで、
検討の結果これを許可されたものかどうか。大体閣議の了承も何も得ずにやっているということは御
承知であったろうと思うのです。そういう事情にあったにもかかわらず、どうしてそういう
予算をおつけになったのですか。