○中山(正)
委員 私がもし
外務大臣をしていましたら、私は政治的亡命だと見ますから、
日本は難民の救済に関する
条約を批准しておりません。ですから、政治的
立場を持った方がそういう。パスポートで
日本にいようとしたらお引き揚げを願うのが当然じゃないでしょうか。よく外国の船で密航してきてソビエトへ帰りたくないという人を、いつも
日本政府はどこかへわざわざ紹介をして、いやがる人を帰しているのが例でございます。そのときは何も言わずに、今度は金大中という人、私も会った経験があって、私の体験談でございます。そういう方々に対するいまのような配慮は、本当の友好国の
立場を踏みにじる大変なものだと私は思うのです。
まだいっぱいお伺いしたいことがございます。たとえばさっきのアミン
大統領の話。週刊新潮にいいことが書いてあります。「氾濫する「タテマエ論」」と書いてあり、「ハヘブレ」これは特攻隊でございますが、「「ハヘブレ」の奇跡的な大活躍に欧米の世論はわいている。フォード米
大統領とシュミット西独首相は、いちはやく「満足と安堵の意」を示すメッセージをイスラエルに伝え」、これが政治的はっきりした
立場です。同じ核防
条約を批准した西ドイツが、「「満足と安堵」の意を示すメッセージをイスラエルに伝え、英仏両
政府は、同じ趣旨の公式声明を発表した。むろん欧米各国の新聞も最大級の賛辞を送った。「悪いのはアミン、当然のむくい」(デーリー・エクスプレス)「武力というものが、とかく無効だと
考えられている時代に、時には武力による解決も効果を表わすということを示した」(ザ・ファイナンシャル・タイムズ)「アフリカのど真ん中で、わずか三十六分の間にアミンとテロリストのギャングが恥をかかされるのを見た。イスラエルに対する非難は見当違い、アミンとギャングの自業自得である」(ザ・ガーディアン)「イスラエルは、祖国から二千五百マイルも離れた非友好国で武装ゲリラに捕まっていた百人もの人質を助けた。こんなことは、普通、小説の中でしか成功しない。しかし、現実にあった以上、人は〃よくやった〃とイスラエルに敬礼すべきだろう」(ザ・タイムズ) それにひきかえ
日本の世論はどうか。井出官房長官は七月五日、内閣記者会との会見で、「情報が錯綜していて、まだ
判断がつかず、論評はさけますが、ただ、多くの人命を失ったことは遺憾であります」と非公式の
見解を述べたに過ぎなかった。また、民社党を除けば、社会党、共産党、公明党の野党はすべてイスラエルを非難する。「イスラエルの、ああいう、武力で攻撃してコトをすまそうというやり方は、私たち
承認できんなあ。といってゲリラを認めるといってるんじゃないが……」(川崎寛治・社会党国際
局長)」全く矛盾でございます。だから、さっきの共産党の先生の御
質問の中にも金大中を擁護するような
お話がありましたが、私は、彼は私たちと同じ自由主義者でないと見ています。
最後に
委員長にお願いしてやめますが、岩波の出している「世界」の六月号に「一自民党議員の憂い ロッキード事件と日韓
関係」これは塩谷一夫議員でございます。そして、おもしろいことに、さっきの
アメリカの大使館のマークと同じマークがここへ入っています。どういうわけでございますか。この中に「「これが知れたら大変なことになる」。宰相の地位にあった人が、日韓
関係についてちょっと洩らした歎息まじりの言葉であった。「ロッキード事件の解明は、日韓
関係を洗った方が近道だ」」、いまロッキード事件を一生懸命やっておられますが、日韓
関係を洗った方が近道だとお書きになっている文章があります。私は
国会対策副
委員長も塩谷先生と一緒にやりましたし、ふだん大変御指導をいただき、当選以来御指導願って御尊敬を申し上げている塩谷先生のお書きになった文章でございますので、ぜひ御本人の御好意でこの
委員会に出ていただいて、ロッキード事件解明の近道なんといういい近道がありますのでしたら教えていただきたい。ここにラストボロフ事件の供述もありますが、四十三万ドルが動いたと書いてあります。
アメリカからそれだけ金が入っているならあっちこっちから大分金が入っているのでしょう。トラック部隊事件なんてのもある。私はいまラストボロフ事件を見直しておるわけでございますが、それやこれやで
委員長に、塩谷一夫代議士御本人の御好意によってこの
委員会に御出席を願い、私から御
質問を申し上げたい、かように思いますので、何とぞ新参者を御指導いただく
意味をもちまして、この
委員会に御出席を賜らんことをお口添えを願います。特に総理
大臣の同じグループに属される方でございますし、この御
発言は大変重要なものであろうと思われますので、ぜひひとつ御出席を願いたい、かように
考えるわけでございます。
実は、最初に言いましたように、
台湾と
韓国のことを
外務大臣が御心配なさっていてごりっぱだと申し上げましたのは、ある
意味ではフィリピンから西はもう
アメリカがめんどくさくなってきた——めんどくさくなってきたと言うと大ざっぱな言葉でございますが、どういうわけか、
日本の元領土であった南太平洋の島々を五十四番目の州にする
条約にサインをしております。もうこれから防衛は点の防衛でございます。あとは、
アメリカの上院でも報告しておりますが、ドイツと
日本に核防
条約を批准させたからこれで武力の歯どめがきいた、こう言っております。あとは二千四百発のSALT
交渉で、むしろ昔の紳士の決闘方式みたいなやつです。だましたら撃つというのが私は世界の
現状であると思います。その面で、南太平洋の島々を五十四番目の州にする
条約にサインをした
アメリカは一体何を
考えているか。その中に大変大きな
意味が含まれ、
アメリカがいまとっておる
行動というのは、私はある
意味では
日本捨てであると思う。そしてロッキードで内部を撹乱して、
安保条約を切る、自衛隊は要らないという人の方へむしろ
日本を中から変えていく方式がいまとられている、これが
アジアに対する大きな大きなからくりだと私は
考えているのであります。
そんなふうな
考え方から、核防、そしてロッキードで悪い人があばかれる、これは世界が平和になる道だと思って私は落胆をしておりません。歯落胆をしておりませんが、さっき言いましたように、
日本がいいかげんな
態度をとって、この自由主義国のすばらしい頭脳を持った人間と大変な工業力を持った国が政治的体制が変わることになったら世界の
バランスが崩れます。
外務大臣、毎回しきりに
バランスを崩さないようにとおっしゃっていますが、
日本を守ることが世界を守ることだ、
日本の大きな変革を招かないことをひとつ——もう古い人はいいと思います。ナンバーツーに
宮澤大臣あたりがぼつぼつ上がってきておりますことに期待をしておりますので、あえてきょうはよけいなことを言わせていただいたわけでございます。大いに期待を申し上げて
質問を終わりたいと思います。ありがとうございました。