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中山(正)
委員 外務大臣が
中山にも
考えがあるのだろうということをおっしゃっていただきましたので、私、実は、自分の
考え方をどんなふうに持っているかと申しますと、私は大きな
意味で、これはデタントの裏づけではないだろうかというふうに思っております。なぜかといいますと、
最初共産圏で起こりましたのが中ソ論争という、フルシチョフの、リーベルマン教授の利潤論が出まして、中ソの対立が起こりました。その次には、ユーゴスラビアがコミンフォルムから脱退をして、そして
日本の共産党も独立路線というものを歩み出す。最近では、フランスの共産党との離反、それからイタリアのトリアッチ理論という独立路線、今度の
共産党大会でも、英国の共産党の党首は多数政党論を持ち出しましたり、個人の自由というものを持ち出しまして、
共産党大会の
会議場が大変
混乱をしております。その上に、ソルジェニッインというような、いままでの
ソビエトならば、外へ出すべきでない人物を堂々と
ソビエト自体の手で送り出して、そして
アメリカで
ソビエト批判をやる。私は、
ソビエト側の世界に見せている大変大きな弱みの見せ方ではないか、かなり何か仕組まれているようなものすら感じます。
そして逆に今度は
アメリカはどうしたかというと、
アメリカは、キューバ
事件で
ソビエトと対決をしようとしたケネディを、半ば公然とCIAが消したというような話まで出ております。そしてその次には、ニクソン
大統領が、
ソビエトならば毎日やっているような盗聴
事件を一日やっただけで
大統領をやめさせられた。その後が今度はこの
ロッキード問題で、先ほど言いましたような
アメリカの同盟国をけ落としにかかり、そして今度は、核防
条約の問題のときにもまた
質問さしていただきますが、核は
ソビエトと
アメリカだけが保持をして、ほかの国々は核拡散を防止したい。そしてSALT交渉で、お互いにだまされたときには最後のあいくちは握っていて、米ソがもし相手が信用できないようなときには、その核爆弾のボタンを押すことも辞さないというようなSALTでの裏づけをしながら、お互いに弱みを見せて、デタントの裏づけをしながら歩んでいる姿ではないだろうかと私は思うのです。その
意味で、大きな世界戦争を避けるという
意味では非常に結構でございますが、私は、
日本の外交方針の中でよほど慎重に
考えてみなければならないことが多々あると思う。
たとえば、イスラエルという、二十七年前に
アメリカのユダヤ人
大統領でありますトルーマンという人によって、二千年前に滅びた国が再びこの地球上に出てきた。そのイスラエルで、
日本の岡本公三以下三名のゲリラがアラブ側に入って、イスラエルを敵視した。御
承知のように、
アメリカの
大統領のワシのマークのここには、二千年前に滅びたイスラエルのダビデ王のマークが入っております。建国二百年を迎えた歴史の浅い国、これは実はキッシンジャーもロックフェラーもユダヤ人でございますし、それから財界、官界、言論界、AP、UP、AFPマスコミその他の中で、指導層が七十数%に至ると言われる、ユダヤ人であることを誇りにする方々が指導層に大変いられるわけでございまして、その中で、シルクロード以来、ユダヤ人の商売であった繊維問題でも、
日本は
政府間
協定を結ばずに民間
協定で逃げた。それから今度は石油で、イスラエルを母体にする資本、セブンシスターズと言われておりますテキサコとかガルフとかブリティッシュ・ペトロリアムとかいろいろなユダヤ資本系の石油
会社がありますが、そういうものを敵視するような
関係に入ってき、そうしてその岡本公三がイスラエルでゲリラをやったところあたりから、
日米離間といいますか、そういうものの大きな背景が進行しておる。こういうときの
日本の外交方針というのは、よほど慎重に立てていただきたいというような、実は個人的な
見解を私は持っておるわけでございます。
特に今度、マクナマラ国防長官の立てておりました二カ二分の一方式、
アジアとヨーロッパで戦争が起こり、あと一つ小さな戦争は
アメリカが解決するだけの実力があると言っておりましたものが、レアードの一九七〇年の国防
報告では、一カ二分の一方式という、そのヨーロッパか
アジアかということになりますと、
アジアを捨てるのではないかという実は私は懸念を持っております。沖繩の返還も、さっきの
お話がありましたが、
ソビエトの
北方領土の返還がない限りなぜ沖繩を返したか。それから、韓国の防衛が
アメリカにとって非常に重要な問題であるというならば、なぜ佐世保の基地が撤去されたか。私は、戦略体系の中で非常に大きな米ソ間のやりとりが裏にあるのではないかという感覚を持っております。というのは、スエズ運河でも、ナセルが沈めておりましたたくさんの船を米ソが五年前から引き揚げて、そのスエズ運河があいた。今度は逆に、ベトナムが中ソの側に、共産主義国に転換をしていっているというような、背後に
事情があるわけでございますが、そういうことから
考えてみますと、これからの世界の中で
日本のとるべき
立場が非常に重要な位置を占めてくるのではないかと
考えておりますときのこの
ロッキード事件でございますので、私の私見を申し述べまして、時間がございませんので、これからの
日米関係、特に核拡散防止
条約、特に非核三原則の中で持ち込まずというようなものをわれわれが決めたといたしますと、これは
アメリカとの
日米安保で、いざとなったときに
アメリカが果たして核を、
日本が三原則を堅持する限りは
アメリカは逆に、あなた方の国には三原則があるから私たちは守る必要がありませんというようなことで、私は
日本の防衛問題にも大きな影響を及ぼしてくるのではないかと思っております。
そんなことで、これからの
日本の外交方針を確立するためにも、この
ロッキード問題の扱い方は国の内外で大変大きな政治問題としてよほど注目をしておかないといけない問題だと思っておりますので、
外務大臣のこれからの御努力に大きく期待をいたしまして、私の
質問を終わらしていただきたいと思います。ありがとうございました。