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小此木委員 官房長官が見えたようでございますので、もう
一つ最後に伺いたいのであります。
非常に時間に制約がございますので話も飛躍いたしますけれども、たとえば
国鉄全線が
ストライキでとまりますと、その
減収は四十億円ないし五十億円と言われているのであります。もちろん、
減収そのものが
損害になるわけではないでしょうけれども、恐らくその九〇%が
損害になるでございましょう。今日五十億円という金は巨額であることには違いないけれども、考えてみれば、組合のしっかりした人が一万人も集まればすぐにできる金でもあるわけであります。その証拠には、国労の何とかさんという
書記長が机の中に五十万円置いておいたらどろぼうに取られてしまったとか、あるいは幹部の
人たちが
会員権を持って月にしばしばゴルフに出かけるとか、われわれ庶民には全く気の遠くなるようなうらやましい話であるわけであります。しかし、それはそれとして、問題は、
ストライキによるその
減収や
損害が
国民の税金によって賄われ、補われるということでございます。
ついででございますから、認識を新たにしていただくために私は申し
上げたいのでありますが
国鉄数十万人の
ストライキで一日列車がとまると五十億円の
減収を来たす、あるいはそれに近い
損害を受ける、それでは
わが国の港がとまったらどういうことになるか、主
要港がとまったらどういうことになるかということであります。全国の
港湾労働者はいま約十万人強であると言われているのでありまして、資源の少ない
わが国は原材料の輸入を行うのですが、四十九年度において
金額にして六百五十五億ドル輸入いたしておるのであります。それに見合う
製品として七百億ドルの物を輸出いたしておるわけでございますが、
外貿の
貨物の輸出入の額だけでも合計千三百五十億ドル、これは内貿の
貨物を抜きにして
金額にして千三百五十億ドルであるのであります。したがって、一日
わが国の主
要港が
ストライキによってとまったらどういうことになるかというと、三億ドルから四億ドルの
貨物がそこに停滞してしまう。もちろん、御
承知のように、本船というものは平均して
国鉄のダイヤのように入ってくる性格のものではないわけであります。銀行の帳じりを合わせるために月末に港に集中してくる。とすれば、その月末にねらいをつけて
ストライキをやられた場合にどういうことになるかというと、恐らく十億ドルや二十億ドルの荷物が一日でとまってしまう。すなわち、一日で三千億円から六千億円の荷物がとまってしまうということになるわけであります。これは、
わが国経済への打撃は
国鉄の
ストライキどころではない。にもかかわらず、なぜ港において
ストライキは行われないのかというと、それは、港がとまったら大変なんだという、港に働く人間の心意気によるものであると思うのです。その民間
企業に従事する
人たちの熱意、すなわち、
ストライキなんかやったらうちの
企業がつぶれてしまうんだ、
日本が大変なことになってしまうんだという
考え方、それが
わが国の経済の興隆にどんなに役立っているかわからないと私は思うのです。
鉄労の坂東組合長が中央公論の先月号で、「国労、動労はこの四カ
年間で三十回以上違法
ストライキを打っている。その結果、
国鉄の直接被害額だけでも一二〇〇億円以上に及んでいる。一二〇〇億円、国労が支払ってくれただろうか、動労が支払うといったであろうか。全て
国民のみなさんにツケが回ってくるのである。読者のみなさんに強く訴えたい。国労、動労のイヤガラセの中でも、違法ストの中でもみなさんの足を守っている鉄労の組合員が全国に七万名もいることを!」と言っているのであります。この彼らの
気持ちにこたえるためにも、
大臣、総裁以下みんなでがんばってもらいたい。と同時に、われわれも一生懸命やるから、ひとつ職を賭してやっていただきたい。
早期
臨時国会開会、
法案成立についてぜひみんなで一緒にやりたいと思うのでありますが、
官房長官、
運輸大臣にお答え願いたいと思います。