○梅田
委員 具体的に
事故というものは
防止していきませんと、やはり大型船が出てきているわけでありますから大変なことになると思うのです。
そういう点で、水島の場合について、ちょっと二、三具体的に
運輸省におきましても
海上保安庁におきましても
考えていただきたい問題があるのでありますが、
一つは、日本鉱業第二原油桟橋というのがありますが、そこでいろいろ
資料を見ますと、係留中の船と他船との距離が五十メートルしかない。非常に
巨大船化してきておるときに非常に狭いという問題です。それから、入港中の最大喫水が十六・三メートル。これは二十五万二千トンがいままで入ったものの最大であるようでありますけれ
ども、現行の水深は十七メートル。
運輸省が望ましいということで、一割の余裕を見ているということからいきますと十七・九メートルということになりまして、非常に危険な
状態にあるということがわかるわけであります。また、バースが製油所内にあるということですね。そこで一たん
事故が起こるとすぐに波及するという
状態で、これは非常に危険であるし、そういうような桟橋というものは規制をしていく必要があるのではないかという問題です。これが
一つです。
それから、
航路上の問題におきましては、上濃地島付近が非常に危険だというふうに言われている。水島の
事故がありましたときにも私は現地に二、三回行ったのでありますけれ
ども、あそこは干満の差が非常に激しくて水路が狭い。それで座礁しやすいわけです。だから、海流もそういう形で激しいわけでありますから、そういうところの大型船の航行についてはよほど注意する必要がある。
それで、昨年、京都大学工学部の都市防災学研究室というのが、倉敷市の依頼で水島臨海工業地帯の総合的な防災診断というのをいたしております。これによりましても非常に危険であるということが言われております。それによると、「タンカーの衝突する危険が大きい水島
航路の上濃地島東約三百メートルの
海上と、日鉱の原油積み下ろし桟橋のいずれかで原油が流出すると可燃性ガスが
発生。
流出油は円状に広がり、流出後十分で着火すると流出点から半径千六百四十二メートル内、三十分後では半径二千二百六十二メートル内にいる人はやけどをする。」となっている。これはもう大変なことですよね。
さらに、三菱石油水島製油所もありますし、この辺一帯はまあコンビナートですわね。こういう大
規模石油タンクがあるところで
火災が
発生したらどうなるかということにつきましても警告がなされております。ここの場合は、「例えば日本鉱業の四基のうち、一基とそれを囲む防油堤内で同時に
火災が起きれば、タンクからは高さ百五メートルもの火炎があがり、防油堤内でも巨大な炎が無数に立つ。その放射熱で防油堤の南六十—八十メートルの字頭間
地区(百五戸)だけでなく、防油堤から百五十五メートル以内にある木造家屋はすべて燃え上がり、人は二百五十メートル以上離れていなければやけどする。これに対し、現有消防力では六万−八万キロリットルの原油タンク
火災までしか対応できない。」となっているが、これは大変なことですわね。
要するに、一たん
事故が起これば手の施しようがない。何ぼこんなにいい
法律をつくらはりましても役に立たぬのです。だから、一番
考えていただかなければならぬことは、まず、第一に、大型タンカーの航行につきましては総量規制というものが必要である。
ふくそうしているところについては総量規制が必要だ。第二に、大型船の狭水道航行につきましても規制が必要である。第三に、港につきましては、水深でありますとかバースの距離でありますとかいう
関係におきましてはもっと十分な規制
措置が必要である。この三点が絶対必要だと私は思うのだけれ
ども、どうですか。それを
検討していく用意があるかどうか、お伺いしたいと思います。