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木村国務大臣 成田の新
空港は御指摘のように四十六年を
開港目途にいたしておりますので、すでに五年近く経過をいたしております。一期工事と二期工事とございまして、一期工事が完成すれば使用ができるということでございまして、現在
努力をいたしております。飛行場内は大体完成に近いわけでございまして、いつでも使える
状況になっております。
問題は、飛行機の使用いたします燃料の
輸送が
確保できるかどうかということが一つございます。これもすでにお聞き及びと思いますが、本格的には千葉からパイプで
輸送する
計画がございますが、それが間に合いませんので、三カ年間を限って暫定といたしまして鹿島と千葉の両地区から
鉄道輸送をいたしまして、
空港に近い土屋というところまで持ってきて、そこから暫定パイプで飛行場内のタンクに
輸送するという
計画を進めてまいっております。
一番問題は鹿島港で、船から、タンクから来ました油を貯蔵して
輸送するという
関係で、地元
関係町の了解がなかなか得られなくてかなり時間を食ったわけでございますが、最近は地元の町におきましてもこれに賛成をしてくれまして、現在具体的ないろいろな詰めをいたしております。したがって、これはもう解決の見通しが立って、最終的にその詰めをやっております。
もう一つの
障害は、飛行線上に妨害鉄塔が二基あるわけでございまして、これを撤去しなければ安全な飛行ができないわけでございます。この鉄塔の除去があるわけでございます。油の
輸送の見通しをきちんとできるだけ早く立てると同時に、鉄塔の除去に取りかかって、この二つがクリアされれば
開港ができるということになっておりますので、ただいまのところ鋭意
空港公団を
指導しながら、地元であります茨城県あるいは地元の
関係町村と協議を進めながら、一日も早い
開港を目指して
努力をいたしておるということが
状況でございます。
なお、これに関連しまして、羽田
空港をもっともっと海側に拡張すれば、あそこで使えるではないかという御意見もときどき出ておりますし、また、かつて
運輸省がコンサルタントに羽田
空港の拡張についてもいろいろ
調査を依頼し、その
調査の結果の資料も手に持っておるわけでございますが、現在の羽田では年間回数十七万回くらいが限度でございまして、いかにこれを拡張いたしましても二十万ちょっと超える程度の能力しかございません。国際、国内と合わせまして三十万回以上の能力がありませんと今後の処理ができないわけでございますので、羽田を少しくらい拡張いたしましてもとてもそれを賄うことはできませんし、なお、仮に羽田の
空港だけはそれだけの能力ができるといたしましても上空の飛行区域の問題で、西にコンビナート地区がありますし、また、西北にかけてずっと家屋の密集地帯がございますので、そういう点から申しましても、羽田を単に拡張しても、国際、国内両方に今後の
輸送需要にこたえるような
設備をやり、また飛行可能にすることは不可能と断定をいたしておるわけでございます。