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木村国務大臣 御承知のように、総合原価主義を従来ずっととってまいっております
関係上、一応旅客と貨物とを一緒にして
運賃値上げの幅ということで今日までまいっております。もっとも、その間には多少の差異はもちろんあるわけでございます。御指摘のように、営業係数等から言いましても確かに貨物が
収支のアンバランスが非常にひどい。したがって、その点から言いますと貨物
運賃をもっともっと思い切って上げて、その分は旅客
運賃の値上げには多少低く
影響さすということも一つの
考え方だと思うのですが、ただ、貨物全体の
運賃収入が非常に少ないという点から、少々貨物で上げましても
収支の
改善にはウエートが非常に低い。それから、いま御指摘のように、
国鉄の
貨物輸送のシェアが三〇%から現在ではもう一四%ぐらいまで下がっておる。それだけ陸上
貨物輸送構造というものが変化しておるのに対して、いままでそれに十分対応できなかったというふうな
状況を踏まえて
考えてみますと、貨物
運賃の値上げにはある非常に限られた限界がやはりあるのではないか。こういうふうに私たちは
考えておるわけでございます。
したがって、貨物、旅客を俄然と分けまして、それぞれ
収支の採算がとれるように上げるとすれば、貨物
運賃を物すごく上げなければならない。そうなりますと、さらでだに
国鉄に対する貨物需要が減っております現在の
輸送のパターンを
考えますときに、壊滅的な打撃を受けてしまい、貨物はもう全廃しなければならぬというふうなところまでいく危険性も多分にあるわけでございまして、そういうふうな現状を勘案しながら旅客、貨物の
運賃改定を今後とも
考えていかなければなりませんので、五十一年度におきましては一応大体両方とも五〇%に近い改定にいたしておりますが、その後におきましては貨物は固定費用を賄うというところがもう精いっぱいである。ここで五〇%上げますとだんだんそれにも近づいてくるであろうというふうに
考えられるわけでありまして、将来の構想としましてはそういう点は十分
考えるわけでございますが、現状では何せ全体の
赤字が非常に多いわけでございますので旅客に頼らざるを得ないということもございまして、両方で五〇%の
運賃改定というふうに
考えたわけでございます。