○坂井
委員 田中前
総理の
逮捕、これはいわゆる
政治権力の最高の座にあった人が権勢欲をほしいままにしようとした、私はまことに忌むべき、また恥ずべき、金でもって
政治を動かそうという、そういう
事件であろう。ただ、これは
田中氏個人の問題ではなくて、少なくとも戦後の保守
自民党のいわゆる金権
体質そのものが吹き出した
一つの焦点と見るべきではないか、こう思っております。
そこで、
政治に金がかかるということがしばしば言われるわけでありますけれども、しかし、この金については一定の節度を持たなければならぬ。これは常々
総理もそうおっしゃっておる。
〔
委員長退席、
大橋(武)
委員長代理着席〕
この金のかかり方ということは、
一つは、
自民党に限って言うならば、いわゆる
総裁選挙に対して
派閥次元での金が乱れ飛ぶ、いま
一つは、選挙に汚い金が投げられる、こういうことだろうと思う。そこで、
政治資金規正法の問題が問題になるわけですけれども、
総理は、先ほど非常に厳しく規制をしたということを言われたわけでありますけれども、私は決してそうではないと思う。
そこで、具体的に伺いますが、たとえば今回の
田中前首相の場合を見ますと、これはおしなべて
自民党に言えることだろうと思いますけれども、これの腐敗の温床というものはやはり
自民党そのものの
政治団体の金がきわめて乱脈であるということに象徴されているのではないか、こう思うわけであります。
田中前首相の関係の
政治団体、たとえば越山会、
政治経済
調査会、新政経振興会、財政
調査会、こういう四つの団体を見ますと、寄付金の出し入れについて食い違いがあるわけであります。これは
政治資金規正法の届け出の分に限って私は申し上げているわけでありますが、たとえば四十六年の下期から五十年上期までの四年間に越山会においては二十三件七千二百九十万、
政治経済
調査会七件千八百万、新政経振興会二件八百万、財政
調査会七件千五百万、合計三十九件一億一千三百九十万円という金が、一方では出たと言いながら一方では受け入れていない、それが収支の届け出の中で明らかになっておる。一体こういう問題を
総理はどうお
考えになるか。
総理みずからもやはり範をたれて、こうした
政治資金規正法による届け出は適正を期さなければならぬと思いますが、そうした点について一度総点検をされたらいかがですか。