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稻葉国務大臣 私は初めから、きのう
参議院の
委員会で申し上げたそういう意図で話しているんです。いま車の両輪と言われましたが、両々相まってという、国会の
調査権と検察庁の
捜査権と両々相まってというふうに私は申し上げて、車の両輪というのは、
質問者がそういう言葉を使われたんで、そのまま私は、車の両輪です。したがってちっとも妨げありません、こういうふうに断言してはいないのですよ、そうは。それは言葉が足らないからそういうふうに聞こえたかもしらないけれ
ども、本来ならば、刑事責任を追及してシロ、クロ、こうなってしまえば、ああ
疑いない。こうなってしまえばクロには政治的道義的責任もついて回るわけですからね。まあ、世上言われているような人が全部クロというならば問題はないんだ。けれ
ども、その中に漏れた者もあるというと道義的政治的責任が残るんじゃないか。こういう
疑いのできたときに、それは
捜査の職務じゃない。
捜査当局の職務じゃない、その責任の追及は。それは国会の国政
調査権に基づく責任の所在の明確化という国会の職務だ、そういうふうになるわけですからね。本来ならば、刑事責任のシロ、クロが明らかになったときに、国会のお出番でございます。こうなるのでございますが、(
発言する者あり)こういうふうに、まあ原則的にはそうでしょうと思います。私は。そう思いますよ。しかし、この間みたいな、いいですか、この間みたいに
大久保の逮捕、これは全く国会の予算
委員会における
証言がうそであったということが、
捜査の結果、いろいろ調べてみたところが金銭の授受がある、しかるに国会ではこう言っている、だから偽証だ、
疑い十分だというので逮捕できたわけでございますから、それは外為法なんかはすでに昨年の十一月、時効になっているから、これで逮捕するわけにいきませんので、そういう逮捕をした。いま目下調べておって、その入りはわかっているけれ
ども、出はどうなっているかということを、いま一生懸命調べているわけでしょう。そういうことがありますから、きばっと
捜査終了の
段階において初めて出番ですというわけにはまいりません、これは。そういう意味で、両々相まって事件の全貌を解明すべきものでございますと。ただ、
捜査進行中はなるべく
証人などを呼んで、そしておまえは警察に調べられましたか、どういうことを聞かれましたか、こういうことを聞かれました、こういうことをやられるのは
捜査に非常に妨げになるような面も出てくるおそれがありますので、やり方はひとつ十分あれしてやってください。それがお互いに両々相まっての態度ではなかろうかということを申し上げたのです。