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渡辺証人 その日はちょうど翌日に株主総会を控えておりまして、その株主総会の前日でございましたが、ちょうどその日の
東京新聞の朝刊に
全日空の融資問題の
記事が大きく出ておりまして、私ども
会社へ参りましてからその
記事を見て非常にびっくりしたわけでございます。ちょうど私どもいろいろ
会議がございまして、私は羽田に会合があったりいろいろなことがありまして午後に帰ってまいりまして、何時ごろでございましたか、ちょっと時間は定かに覚えておりませんが、多分五時前後だったと思いますけれども、
大庭社長から私と当時の早崎という総務
部長の二人に呼び出しがございまして、二人で
大庭社長の部屋に入っていったわけです。
そうしましたところが、
大庭社長から私に、実は先刻まで上森さんという総会
関係の方と、あとどなたかお一人見えて、それであしたの株主総会に
大庭さんが出ると非常に紛糾するおそれがある、だから出ない方がいいのじゃないかということをいろいろ話を受けた、ついては
自分はあした総会に出たくないんだがどうだろうかと、こういう
お話でございました。私は
大庭社長に、あなたは
社長なんだから、株主総会に出ないと言ったってそういうわけにいかないと思いますけれどもどういうものでしょうかと言いましたところが、実は
自分はきょう松尾さんにお会いしていろいろ
お話しした結果、株主総会が終わった後の取締役会でやめることに決意をしているんだ、やめることが決まっておる
社長がわざわざ株主総会に出て紛糾させるということは好ましくないと思うので、実は出たくないんだというような
お話でございましたので、非常にこれは重要な
お話である、このことを
若狭副
社長に
お話しになりましたかということを聞きましたところが、いやまだ話してないという
お話でございましたので、それでは早速
若狭副
社長を呼んで
お話しになってよく御
相談になったらいいでしょうということで、
若狭副
社長に来てもらおうと思ったのですが、
若狭副
社長はちょうど外出しておりまして、それから早速外出先を調べまして連絡をいたしまして、帰ってきていただいたわけです。
それで、
若狭さんは
大庭さんが待っておる
社長室へお入りになって、すぐに私にも来いということで私も入りまして、
大庭社長、
若狭副
社長、それから私も同席いたしたわけです。その席で
大庭社長が、実は松尾さんともいろいろ
相談した結果、
全日空を私はやめることにした。ついては、ひとつあしたの総会は、御苦労であるけれども、
若狭君、君かわってやってもらいたいというような
お話がございまして、
若狭さんは非常に突然な
お話なのでびっくりしまして、しかしそう急におやめになるとかそんなことをおっしゃらぬでもいいじゃないですか、もっとお考えになったらどうですかというような
お話でございましたが、いやこれはもう松尾さんとも十分話し合った結果である……(瀬戸山
委員「時間がないからもっと簡単に」と呼ぶ)そういうことで、何か翌日の議長を頼む、それから、きょうは私は非常に頭が混乱している、あしたのことはくれぐれもよろしく頼むということで、お帰りになったわけでございます。