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1976-06-02 第77回国会 衆議院 ロッキード問題に関する調査特別委員会 第4号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和五十一年六月二日(水曜日)     午前十時三十九分開議  出席委員    委員長 田中伊三次君    理事 大橋 武夫君 理事 亀岡 高夫君    理事 谷垣 專一君 理事 中村 弘海君    理事 松永  光君 理事 田中 武夫君    理事 横路 孝弘君 理事 松本 善明君    理事 坂井 弘一君       宇都宮徳馬君    上村千一郎君       内海 英男君    小山 長規君       佐藤 文生君    菅波  茂君       瀬戸山三男君    古屋  亨君       箕輪  登君    渡部 恒三君       稲葉 誠一君    大出  俊君       斉藤 正男君    楢崎弥之助君       松浦 利尚君    庄司 幸助君       増本 一彦君    三浦  久君       北側 義一君    鈴切 康雄君       河村  勝君    永末 英一君  出席国務大臣         運 輸 大 臣 木村 睦男君  委員外出席者         運輸省航空局次         長       松本  操君         証     人 シグ・片山君         通     訳 石井 鎌一君         通     訳 米倉 淑子君         ロッキード問題         に関する調査特         別委員会調査室         長       中里  煥君     ————————————— 委員の異動 五月三十一日  辞任         補欠選任   坂本三十次君     宇都宮徳馬君 六月二日  辞任         補欠選任   三浦  久君     増本 一彦君   鈴切 康雄君     北側 義一君 同日  辞任         補欠選任   増木 一彦君     三浦  久君   北側 義一君     鈴切 康雄君     ————————————— 本日の会議に付した案件  証人出頭要求に関する件  ロッキード問題に関する件      ————◇—————
  2. 田中伊三次

    田中委員長 それでは、開会をいたします。  ちょっとお耳に入れておきますが、きょうは木村運輸大臣は十一時十五分までここにおります。十五分から勲章伝達式が予定されておりますそうで、退席をいたします。御了承をいただきたいと思います。  それから、航空局長を呼んでおりましたが、中村航空局長は本日付で次官に転任をいたしまして、とりあえず松本航空局次長が参っております。山元監理部長も来ております。  それで、高橋君が新任の航空局長になるわけですが、これはきょう来られますか、来られぬか。
  3. 木村睦男

    木村国務大臣 さっき発令したばかりでございますので、参りましてもまだお役に立たぬと思います。
  4. 田中伊三次

    田中委員長 なるほど。  そういうことです。御了解をいただきます。      ————◇—————
  5. 田中伊三次

    田中委員長 この際、証人出頭要求の件についてお諮りをいたします。  ロッキード問題に関する件について、来る六月九日午前十時、三井物産株式会社顧問石黒規一君を証人として本委員会出頭を求めたいと存じますが、この点、異議はございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  6. 田中伊三次

    田中委員長 異議なしと認めます。よって、さように決定をいたしました。  衆議院規則第五十三条の規定によりまして、その手続をとることにいたします。      ————◇—————
  7. 田中伊三次

    田中委員長 この際、委員長より申し上げておきます。  本日出頭を求めております証人児玉譽士夫君の妻児玉睿子君から、去る五月三十一日、前尾議長あてに、病気のため出頭できない旨の申し出があり、さらに六月一日、医師診断書が提出されております。  また、証人福田太郎君からは、去る五月三十一日、医師診断書を添付した書面をもって、前尾議長あてに、病気のため出頭ができない旨の申し出がありました。議長から委員長にそれぞれこの通知がございました。  この際、診断書を朗読いたします。     診断書               児玉譽士夫殿            明治四十四年二月十八日生  一、病名 脳梗塞後遺症     附記    右のため自宅において療養中であり、現症からみて国会への出頭は不可能と考える。  右の通り診断致します   昭和五十一年五月三十一日       東京新宿市谷河田町十番地         東京女子医科大学附属            脳神経センター               医師喜多村孝一 こういう診断書でございます。  それから、    診断書                 福田太郎殿             大正五年六月二十七日生  一、病名 肝硬変症食道静脈瘤    附記    右により入院加療中である。  右の通り診断致します   昭和五十一年五月二十九日      東京新宿市谷河田町十番地        東京女子医科大学附属            消化器病早期癌センター               医師小林誠一郎 右のとおりであります。  児玉証人及び福田証人の不出頭の件につきましては、理事会において協議の上、いかに扱うかを決定したいと存じますが、その点、御異議はございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  8. 田中伊三次

    田中委員長 御異議なしと認めて、さように決定をいたしました。      ————◇—————
  9. 田中伊三次

    田中委員長 ロッキード問題に関する件について調査を進めることといたします。  質疑の申し出がありますので、これを許します。佐藤文生君。
  10. 佐藤文生

    佐藤(文)委員 委員長に御了解を得たいことがございますが、質問に入る前に私の考え方をまず申し上げて、これを議事録にとっておきたいので、質問に入る前にまずお話をさしていただきたいと思います。  チャーチ委員会での事件が太平洋を渡って日本に投げかけられて以来、ちょうど百二十日に近い時間が経過しました。人のうわさも七十五日と言いますけれども、ようやく日米間でもってこの問題について歯車が合ってきたような感じがいたします。したがってこれからが本番である、こういうぐあいに私は了解します。  そこで、この問題が投げかけられてきてから日本国民保守政権に対する見方が根本的に変わってきたということであります。自由民主党がこの客観情勢にどのように対処するか、私は痛切にこれを受けとめて、党自体改革にエネルギッシュな行動を起こさねばならないということを考えます。  先般、椎名副総裁を中心にして党の改革に乗り出していること、高く評価します。私はこれは全党の党幹部党員、全党員の力でこの国民の期待に沿う党改革に乗り出していくということが前提条件にならねばならないと思います。また、この党改革の中で、一月一日から実施された政治資金規正法、これは画期的な法律であります。企業の、あるいは労働組合の上限の政治資金規制の額というものが決められたけれどもアメリカにおいて実施されておるところの、個人の浄財によって政党というものが運営されるというところまで目標を失ってはならない、これが私は日本政党近代化の第一歩であると痛感します。  さらに、ロッキード事件というものは偶然的に単発に起こったものでないという見方であります。私はそういう見方をします。少なくとも戦後三十年間、いろいろな問題が日本政治に起こりました。黒い霧事件がいろいろな場合に起こりました。そういう問題とひっくるめてこの問題を考えようとするのが私は国民考え方だと思います。そういう考え方に立ってやらないと、フランスの第四共和制末期においてフランス政府が味わったような、国民大衆の運動によって政権というものが危うくなるという世界の歴史を見ても、私はこの問題をそういう観点から見るべきであって、単なる刑事事件でこれが終わるということであってはならない、こういうぐあいに考えます。  そこで次の問題は、この問題が起こってから保守党にとって一番大切なことは、日米関係の再構築を始めねばならないというむずかしい仕事が起こりました。終戦直後、いまから三十年前、日本アメリカ法律によってその当時の記録が公開されるようになりました。日本国民も、この問題が起こると同時に、初めて日米間の三十年前の終戦後のあり方がはっきりとわかるようになって、終戦直後、アメリカ日本の非軍事化とそれから民主化を一方で進めながら、保守反動勢力にもてこを入れていたようなことがだんだんと日本国民心眼に映ってくるようになりました。こういう陰と陽の日米外交の姿が日本国民にはっきりしてきた。こういうこともこの機会に十分に考えながら私どもロッキード問題に対処しなければならないということであります。  また、このロッキード問題が起こると同時に、アメリカ企業日本企業相違点がはっきりしてきた。丸紅という商社給料体系そのものをとっても、ロッキードという会社給料体系そのものをとっても、基本的に企業相違点がはっきりしてきた。コーチャンの行動というものがリターン・オン・インベストメント、ROIという表現で言われるように、利益を追求しなければ社長としての立場はあり得ない、株主に対するところ利益還元がなければあり得ないという猛烈社長の姿が露呈されて、そして丸紅企業社長と全然その考え方が違っているという日米企業相違点アメリカ政治形態日本政治形態相違点アメリカ人日本人の物の考え方相違点、こういうものが浮き彫りにされました。ロッキード問題を契機にして、こういった問題もはっきりわれわれは心眼を開いて見きわめながらこの問題を解決していかなくちゃならないということであります。  したがって、ロッキード問題審議するに当たって、ちょうど麻薬常習者自分麻薬を断つための、矯正のための苦しい努力があると同じように、日本保守党内部改革のためには、その苦しさというものを乗り越えながら私どもはこの問題の真相究明に当たっていくという決意、これを私は基盤にしていきたいと思います。どんなに真実が小さくとも、どんなにうそが大きくとも、私ども勇気とそして自由主義者の持つところ自浄能力、セルフ・クリーニング・アビリティーといいますか、そういう勇気を持って私どもはこれに当たりたいと思います。  この百日間に、私は野党諸君もよく真相究明のために努力をしたことを感謝します。特に、田中団長中心にして与野党一緒になってアメリカに行って真相究明行動を起こし、アメリカの政界に、このままでは済まされない、真相究明のためにアメリカも協力したいというアクションを起こしたことに対しては敬意を払います。  しかし、一方、この百日間に野党諸君のそのようなすばらしい行動にもかかわらず、基本的人権を侵すような数々のことがあったことも私は認めざるを得ません。野党のために惜しいと思います。特に赤旗とか社会新報等にいたずらな人の名前を載せてやるということは、新憲法の基本的人権を重んずるという野党にとってはうらはらな行動であると言わざるを得ません。一昨日、社会党の赤松代議士が、大阪会議場で、閣僚の二、三名が取り調べの対象になったという発言をしたらしい。うそであります。そういうデマゴギーを言うということは、せっかくの野党諸君真実追求のための努力がプラス・マイナス・ゼロになっていく、私は惜しいことだと思います。このデマゴギーと戦う勇気、これが一方にわれわれにはなくちゃならぬ。こういうことを考えながら、真実究明のために私どもは懸命な努力を続けるというのが私の考え方であります。こういう基本的な考え方について、運輸大臣松本航空局次長に対して、エアバス導入についての百日間の出発点として、この間に起こった問題を整理しながら質問をいたします。  まず、運輸大臣質問しますが、この数年間予算委員会あるいは公聴会等において行われたエアバス導入についての政治的な疑惑、私は五つあるような気がいたします。  その第一点、昭和四十六年から四十七年にかけてボーイング747SR、これは日商岩井、ロッキード一〇一一、丸紅、DC10、三井物産、この三社が航空機売り込みのための空中戦を展開した。その当時、予算委員会において野党中心にこのような大型エアバスは必要でない、延期すべきである、いま導入するのは反対である、延期すべきであるという根拠のもとにこの問題の追及が始まった。その問題の起こった第一点はそういう政治情勢が起こりました。  第二点、昭和四十七年の予算委員会において楢崎議員が、ロッキード買いのためにニクソンを支援したんだ、ロッキードを買い上げるということによってニクソンを支援したんだという予算委員会での発言があります。また、四十七年に参議院内閣委員会において上田哲議員が、ロッキードを買うことによってニクソンを支援したんだ、それをノーと言える証拠が政府にあるかということを追及しました。これが第二点である。  第三点、四十七年の六月、佐藤・キッシンジャー、四十七年の八月、鶴見・インガソル会談によって、三億二千万ドルの緊急外貨によって四十七年、四十八年に大型エアバスを入れる、航空機十数機を買うということを決めた。続いて田中ニクソン会談によって、四十七年の九月、ハワイ会議によってロッキード一〇一一を買うという密約をしたんだ、それに伴って百万ドル近い政治献金商社を通じて行われたんだということが追及された。こういう問題が第三番目である。  四番目は、四十七年の暮れは日米決戦の年である。ニクソン再選選挙田中総理中心にした総選挙、そういったような問題のさなかに運輸省は小細工をしたんだ。四十九年以後大型エアバスを入れるために十八カ月前の四十七年の暮れにトライスター導入決定した、それによって政治資金を受け取る準備をしたんだと野党は追及した。  五番目、昨年のアメリカ上院外交委員会銀行委において、八月の二十五日です。そして九月十二日です。この二日間において、ロッキードホートン会長は、アメリカ国民には損害を与えていない、日本に売る飛行機代金リベート代を上乗せしているんだ、だからアメリカ国民には何らの損害を与えていない。そうすると、日本飛行機はそのリベート代が含まれておる、飛行機に乗る人はその代金を払っている、航空機の運賃は運輸大臣、あなたの認可である、そういうことに対するところ疑惑。  以上五つあるような気がいたします。こういうことが百日間、政治的な疑惑として提起をされました。  そこで、大臣にお聞きします。このようなロッキード事件発生以来、運輸大臣はこのような五つの政治的な疑惑に対してどのように調査をし、そして解明をし、省内にどのように指示をし、そして国民に対して運輸省としてその疑惑を解く方途を講じたかということを、私はまずお聞きしたいと思います。
  11. 木村睦男

    木村国務大臣 佐藤委員から五項目をお示しになって御説明を承ったわけでございますが、この五項目の中では運輸大臣の職責の上に立ってお答えできない問題もあるわけでございますので、それは御理解をいただきたいと思うのでございますが、こういう事件が報道されて四カ月、その間運輸大臣はこの真相究明のためにどういう努力をしたか、またどういう報告を閣内においてもしたかというふうなことについてお答えを申し上げたいと思うわけでございます。  申し上げるまでもございませんが、運輸大臣航空行政に対します責任の限界といいますものは、航空法並び運輸省設置法によりまして一応の限界が設けられておるわけでございます。したがいまして、今回の事件のように、航空会社自分会社で使います機材購入に絡んでいろいろ疑惑が持たれておる、こういう問題でございますので、運輸大臣がその疑惑そのもの究明に当たるということは、運輸大臣権限外のことであるわけでございますので、こういう問題についてできる限りの調査はいたしておりますけれども、全部を運輸大臣解明をするということは事実不可能であるということを御承知いただきたいと思うわけでございます。  ただ、私といたしましては、国民に対して適切な航空輸送力を提供する、しかもそれは安全でなければならない、また迅速な、そして国民需要に対して適切な供給輸送力でなければならない、この航空行政使命を果たすのが私の仕事でございますが、今回のこういった事件運輸大臣の果たさなければならない使命に停滞を与えなかったか、また、そういう使命を持ってやっております運輸航空行政というものの方向をこういうことによって曲げられておる事実があったかどうか、そういう点に重心を置きまして、昭和四十五年あるいはそれ以前にさかのぼっていろいろと省内におきまして調査をいたしました。それらのことにつきましては、いままで当衆議院予算委員会あるいは運輸委員会参議院の各関係委員会等においても御質問にお答えしながら申し上げておるわけでございます。  そこで、いま御質問の中で一番問題になりましたのは、当時大型ジェット機国内線への導入を、ああいう事件の影響を受けて運輸省が故意におくらしておったのではないかという点で、これが一つ問題点となりていままでも御質問を受けておるわけでございます。  当時の事情を私も一応詳細に調べてみたわけでございますが、昭和四十五年ごろまで、大型ジェット機を使用するということは世界の趨勢でございました。それに備えて三社のアメリカ航空会社がこういった機材製作にも取りかかっておった。取りかかると同時に、これの販売のためにいろいろと販売合戦も行っておったという事実がその背景にあるわけでございます。わが国にこういう話が参りましたのが大体四十五年ごろであるわけでございます。当時、政府といたしましては、ちょうど万博が行われておりました年でございまして、万博という一つの大きな行事を通じて航空需要もかなりふえておったこの段階で、今後の航空輸送力をどういうふうに想定をするかということにつきまして、運輸政策審議会に諮問をいたし、運輸政策審議会答申ももらいました。この答申によりますと、この審議会審議をいたしておりましたころがちょうど万博のころでございましたので、その当時の航空需要というものを一応前提にいろいろ検討をいたしたわけでございます。その結果を受けまして、今後かなり航空需要はふえるであろう、たとえば昭和六十年に至ると一億二千万人のお客になるであろうというようなことで答申をもらったわけでございます。同時に、航空事業の再編成の問題もここで検討をしていただいた。それを受けまして、四十五年の十一月に航空事業の再編成につきまして閣議了解をしたわけでございますが、その中でいま問題になっております国内線大型ジェット機導入するということにつきましては、航空企業基盤の強化あるいは航空安全、そういうことを踏まえて将来国内線におきましても大型化導入するという基本方針を一応政府方針として決めたわけでございます。  そういう時代を踏まえまして、日本航空あるいは全日空が将来に備えて大型ジェット機国内への導入ということを計画いたしておったわけでございます。航空会社はいずれも大体五カ年というロングレンジにおいて一応の計画基本を策定いたしまして、そして毎年毎年それにのっとってその年の計画を決めるわけでございますが、日本航空におきましては、四十七年にジェット機国内導入し、これは在来の機材導入をし、四十八年に大型化を入れるというふうな計画を一応持っておったわけでございます。これは、日本航空は国際線で普通のジェット機を使っておりましたので、そういった機材国内線にも使うということは、機材運用あるいは乗務員回し等から企業的にも合理的な経営になるので、そういう計画を持ったわけでございます。一方、全日空国内線のみでございますので、改めて大型機導入しなければならない。これには相当な金もかかりますし、また安全性の問題もまだ不安定であるということで、四十五年の早々に機種選定委員会を設けて社内で検討に着手をいたした、こういう状況であったわけでございます。  当時、売り込みも相当激しかったようでございますが、万博後、日本航空需要伸び鈍化をしてまいりまして、それから両社計画を見ますと、大型導入すると同時に国内航空旅客の自社の占めるシェアを非常に大きく持っていこうという計画がその根底にあったわけでございまして、そういうことを見ますと、輸送伸び鈍化に対して供給しようとしておるこの計画は非常に過大過ぎる。そうなりますと当然両社の間で過当競争といいますか、ロードファクターもうんと落ちてきて、企業的にも非常に問題である。また、安全性の点から考えましても、空港におきましては当時第二次の空港整備計画に入ろうとしておるころでございますが、東京大阪空港はよろしいとして、他の熊本あるいは鹿児島あるいは千歳、福岡等は、滑走路の長さにおいてはまあまあでございますけれども、その他の点で重量制限その他をしなければまだ十分に使えないというふうな状況でもございました。  ことに、問題となっておりましたダグラスの10あるいはロッキードの一〇一一というものは、ようやく四十五年にそれぞれの航空機製作会社で初飛行をやった程度でございまして、まだ実用には供しておられない状況でございますので、他の航空会社実用に供した実績を調べるということもできない状況であったわけでございます。  また同時に、国内におきましては、日本航空全日空両社が幹線をやるわけでございますので、フェアコンペティションという関係から、片方だけが大型機導入して片方導入できないということであってもいけないので、導入の時期は大体両社が同じ時期であることが好ましいというふうなことが背景にあったわけでございます。  こういう客観的事実があったのでございましょう、国会におきましても、予算委員会あるいは分科会等におきまして、野党委員の方からも、当時の橋本運輸大臣あるいは丹羽運輸大臣等に対しまして、大型機導入の話があるけれども航空の安全から考えて、また日本航空需要その他から考えて、あわててやる必要はないではないか、安全性その他も十分調べて、そして導入すべきである。ことに当時、フェアコンペティション関係から、同一機種が望ましいというのが大体運輸省考え方でございましたが、これにつきましても、何も必ずしも同一機種などということにこだわらなくてもいいではないかというふうな御意見が委員会等で盛んに出たわけでございます。こういう情勢を踏まえまして、当時の運輸大臣も、お説もっともなことで、われわれとしても十分慎重に構えたい、こういう答弁をいたしておったわけでございます。  そういう情勢を踏まえまして、四十六年の春、二月ごろから折に触れて両社の長期の計画等検討をいたしまして、四十七年の導入というのは時期尚早ではないかという考えがございまして、これを少し延期すべきではないかというふうな指導をしてまいったわけでございます。  こういうことにつきましては、航空会社もこれに協力をいたしまして、最終的に四十九年というめどにそういう大型化することに同意をしたわけでございますが、たまたま当時、全日空におきます雫石の事故等もありまして、より一層早期導入ということがむずかしいという条件もさらにあったわけでございます。  そういうことを踏まえまして、四十五年の閣議了解基本原則というものを踏まえまして、四十七年の七月の運輸大臣通達では、いつ大型ジェット機国内導入するかという時期について、いわば自主計画的な基本方針でございますが、決めまして、四十九年に国内線導入をするんだという方針を決めたという経緯を持っておる次第でございます。  それから、四十七年のいわゆるドル減らしに関連いたしまして、三億二千万ドルは航空機材購入によってドル減らしに協力するという当時の方針につきましては、これはこのとおりでございまして、当時ドル減らしのために、量的にといいますか、かなり協力できますのが、たまたま航空機材購入計画を持っておるわけでございますから、これをこのドル減らしに協力をさすということで、両者を呼びまして航空機材購入についていろいろヒヤリングもいたしました。ヒヤリングもいたしまして、まだしかし、当時どの機種購入するかというふうなことは決定いたしておりませんので、いわゆる概算、大づかみに、また中には新機種でなくていわゆる中古的なものをリースの形で購入するようなこともあり得るというような不安定要素もございましたので、大体の見当をつけまして、おおむね三億二千万ドル程度の協力はできるであろうということで、大臣が当時発表いたしました数字がこのことでございます。  それからもう一点、機材の価格の点でございますが、いまの佐藤委員のお話の中にありました、アメリカは損をしていない。それはリベートで航空会社の方からちゃんと含めてあるというふうな話でございます。航空機材購入価格も当時からの一覧表ずっとございますが、それを見ますというと、機材の価格は決してそういう意味で当時の価格としては高くない、普通であるという判断をいたしております。のみならず、全日空等から事情を聞きますというと、むしろ大型機購入するために在来の機材等も、いわば自動車等で言いますと下取り、ああいった必要もあるので、そういうものも含めましてかなり価格は低くたたいた、と言ったら語弊がございますが、買う方で非常に低く交渉をして買っておるということでございまして、これはやはり金額を見ますというと、そういうことが数字の上でも想定をできる価格でございますので、決して法外な余分の物まで入れたような価格にはなっていない、こういうふうな判断をいたしておることでございます。  落ちておる点もあろうかと思いますが、おおむね以上お答えを申し上げます。
  12. 佐藤文生

    佐藤(文)委員 以上、三点の答弁をいただきましたが、四十九年に延期をしたという行政指導、それから三億二千万ドルの緊急航空機買い入れの決定航空機購入の価格の問題、以上の運輸大臣の答弁を受けまして、運輸大臣運輸省政府職員に対して疑惑はないということを確信を持って言えますか。
  13. 木村睦男

    木村国務大臣 私も相当当時の事情について調べてみましたが、いま御報告申し上げたとおりでございまして、運輸省政府職員には言われるようなやましいことは一点もないという確信を持っております。
  14. 佐藤文生

    佐藤(文)委員 松本次長、あなたは公聴会のこの原文、持っていますか。
  15. 田中伊三次

    田中委員長 大臣、よろしゅうございますね。
  16. 佐藤文生

    佐藤(文)委員 大臣も時間が来たと思いますから、ちょっと一点だけお待ちになっていただきたい。  原文、持っていますか。二月六日の四十九ページの九行目、ありますか。ちょっとここで読んでみてください、松本次長。
  17. 松本操

    松本説明員 先生のお持ちのとページと合っておるかどうかはちょっとわかりませんが……
  18. 佐藤文生

    佐藤(文)委員 ミスター・コーチャンの証言記録です。
  19. 松本操

    松本説明員 コーチャンの返事のところでございますと、九行目にはコーチャンの証言といたしまして——英文でお読みしますか、日本文、どういたしましょか。
  20. 佐藤文生

    佐藤(文)委員 四十九ページの九行目ですよ。
  21. 松本操

    松本説明員 九行目にコーチャンの証言といたしまして、「アイシンク ア ロット オブ ビジネス イズ ダン イン ジャパン イン ザット ウエー」と言っております。つまり「日本ではそのようなやり方で多くの仕事が行われていると思っておる。」こういうふうに答えております。
  22. 佐藤文生

    佐藤(文)委員 いま読んだところは、コーチャンが秘密代理店を置いたり、それからその前文の方に、航空業界というものは賄賂を使うのが慣習であるかという質問に対して、コーチャンは最初はノーと答えた。しかし、コーチャンのいま読んだ原文を読むと、日本では多くの商売が、特に航空業界はそのような方法で賄賂を使うのが常習であると言っているわけです。そうとられるわけですね。慣習であると言っている。その後にパーシーが質問をして、何をコーチャン言っているんだ、私は日本に工場を建て千五百人を雇い、日本で二十八年間いろいろな関係仕事を持っておるけれども、しかも十二回日本を訪問したけれども、そのような賄賂を使うような業界は見当たらない。パーシー上院議員はそれを打ち消している。しかし、さらにチャーチの質問でコーチャンは、それは他の分野は知らないけれども航空業界ではそういうことがあるんだと次のページで言っている。  運輸大臣、あなたが正しく行政指導をしようとするけれども、そのようなことが慣習であるとコーチャンが証言記録で言っているから、この問題が運輸省疑惑として出てきているわけです。こういう業界が実際であるのかないのか、今後の指導方針、そういうものについて二度とこういうことがあっちゃならぬ、過去あったのかないのか、そういうことについて私は運輸大臣のお考えを聞きたいし、そしてこの問題について三木総理に運輸省の立場を説明し、今後どのように指導するということをお話しになったのか、最後に質問して、私は、運輸大臣の次の会があるそうでございますから、この考え方だけお聞きしたいと思います。
  23. 木村睦男

    木村国務大臣 ただいまのコーチャンの証言、私も承知をいたしておるわけでございますが、そういう証言がありましたからには、そういう点について私も私の力でできる限りの調査はいたさなければならない、かように考えまして、当時から今日まで新機材購入をやっておるわけでございますが、それらの実情について航空会社の事情もよく聞いてみたわけでございますが、そういうふうなことは一切ないということをはっきり申しておるわけでございます。  また、私たちが平素から見ておりまして、新機材購入してそれを国内航空路線上に使用する場合のいろいろな許認可等のときに運輸省関係するわけでございますが、そういうときの事業計画その他を見ましても、どうもこれは解せないといったようなことはいままでなかったと聞いておりますので、私はそういうことはないと思っております。  また、そういうことにつきましては、総理にもその間の事情はよく説明をしておるわけでございます。  いずれにいたしましても、運輸省として、航空会社がそういう場合にそういうことがあったかどうかということを、検察庁ではございませんので、突っ込んで調べるというのには限界がございますから、私の権限と責任でできます範囲内では精いっぱいの調査をいたしましたが、そういうことはないという確信を持っております。
  24. 佐藤文生

    佐藤(文)委員 三木総理にそれを報告しましたか。
  25. 木村睦男

    木村国務大臣 報告いたしました。
  26. 佐藤文生

    佐藤(文)委員 大臣、結構でございます。  それでは、事務的な問題に入ります。  松本次長に証言記録に基づいて五点質問をいたします。  その第一点。この証言記録、持っていますね。第一点は五十一ページ。五十一ページの十七行目。——ありますか。この証言記録の五十一ページの第十七行目にコーチャソが言っているところで、「アガバメントオフィレヤル」これにマネーを配ったということが初めて出てきております。——これ、わかりますか。ここのときに、だれに金を渡したか、一億円の金を丸紅を通じてだれに渡したかというときに、コーチャンが初めてこの公聴会の席上で、ア・ガバメント・オフィシャルに渡したとこう言っている。そのときは単数でございます。「ア」になっていますね。一人ですね。間違いないですね。そしてその次に、再度のパーシーの質問で「ガバメントオフィシャルズ」になっているのです。複数になっている。コーチャンは最初一人のガバメント・オフィシャルに渡したと言っている。ところが、パーシーはそこで、質問でガバメント・オフィシャルズにしてある。複数になっている。それに対して、コーチャンが「イエス」と答えている。ガバメント・オフィシャルということはどういうことですか、松本次長。あなたはよく調べているかどうか知りませんけれども
  27. 松本操

    松本説明員 ガバメント・オフィシャルの正確な訳等につきましては、むしろ外務省の専門家のお答えがしかるべきかと思いますが、一般に通常の訳し方をしますと、政府の職員と申しましょうか、たとえば政府でない場合、ノンガバメント・オフィシャルズというふうな言い方もあるようでございますので、一般的には政府の職員であろうかと思いますが、前後のやりとりその他から的確な訳はどうかという点については、むしろ外務省が明快なお答えをお出しになるべきかと思います。
  28. 佐藤文生

    佐藤(文)委員 私がチャーチ委員長に会ったときに、政府高官というのに渡したかと言ったら、ノー、ノー、ガバメント・オフィシャルとこう言ったのですね。証言記録を見ると、「ア ガバメント オフィシャル」になっている。私は政府高官という訳は外務省に聞かなければよくわかりませんけれども、高官という名前がついた以上、何かハイ・クラス・ガバメント・オフィシャルあるいはハイエスト・ガバメント・オフィシャルがつくのかどうか、それはわかりません。けれども、この原文そのものを見るというと、「ガバメント オフィシャル」になっている。あなたのパスポートはどういうことになっていますか。
  29. 松本操

    松本説明員 私、正確に覚えておりませんが、オフィシャル・ミニストリー・オブ・トランスポートあるいはオフィシャル・オブ・ザ・ミニストリー・オブ・トランスポートあるいはガバメント・オフィシャルというふうに書いてあったのがあるかも存じません。逐一よくは存じておりません。
  30. 佐藤文生

    佐藤(文)委員 私のパスポートはオフィシャルになっています。公務用のパスポートはオフィシャルになっている。そうすると、政府職員というのの中に政府高官も入っている。実際、原文というものは政府職員ということに訳すのが私はあたりまえじゃないかと思う。政府高官というのはだれが訳し出したか知りませんけれども政府職員、その中に当然政府高官も入っている。  そうすると、運輸省はこの疑惑を受けられたときに、ア・ガバメント・オフィシャルあるいはガバメント・オフィシャルズという複数になった——非常にこの公聴会の記録はあいまいでありますが、しかし、これは大切なことでありますので、あえてここで松本次長との討論の中に、この解釈について——委員長、明確にしていただきたいと思います。委員長、ガバメント・オフィシャルについての正式な名前、解釈、これは後日で結構ですけれども委員長の名において、ガバメント・オフィシャルズというのは一体何事であるか。そういう場合にこの解釈の仕方というのは大変大切なことです。私がチャーチ委員長と話したときに、ガバメント・オフィシャルですよ、こう言うのです。私が政府高官にと言ったら、ノー、ノー、ガバメント・オフィシャルですよと言う。そこら辺の討論がありましたので、これを明確にしていただきたいと思います。  それから第二点。公聴会の記録のページ五十三を見てください。五十三ページの十九行目から五十四ページの一行目まで。ここで問題の賄賂を推薦した名前が出てきておるわけです。コーチャンに対して、日本でこういうビジネスをするならば賄賂を使った方がいいですよということを言っている。一体だれが言っているのか。これは問題だと思います。それは運輸省関係全日空飛行機を売るために、こういう人に賄賂を使いなさいということを一体だれが言ったのか、チャーチ委員会質問している。いまの段のところでわかりますか。五十三ページから五十四ページ。五十三ページの二十四行目のところで、児玉が言ったのかと言っているのです。これはセネター・パーシーがチャーチに、児玉にと聞いている。それはわかりますか。最後のところ。それに対して、五十三ページの三行目、ミスター・コーチャン、それから五行目にかけて、児玉からそんなことを言われたことは一回もないと答えている。間違いないですね。——間違いないですね。これは運輸省関係するから明確にしておきますよ。  それから七十二ページと七十四ページを見てください。ここで同じように、コーチャンに対して、それは小佐野が言ったのではないかと言っている。政府の職員に賄賂を使いなさいと小佐野が言ったのではないかと質問している。それに対してコーチャンは、ノー、そんなことは小佐野は言ってないと答えている。  さらに続いてページ七十三と七十四にかけて初めて丸紅の話が出てきて、会長の桧山オア大久保がレコメンドしたとはっきり言っている。これが丸紅疑惑になった公聴会の記録の一番重要なところであります。したがって、運輸省に関する全日空に対するトライスター売り込み疑惑というものは、丸紅の線を通じてレコメンドがあったとコーチャンがはっきり言っている。私が言った説明に、あなた、その原文を見て、間違いがあるかないか、答えてください。
  31. 松本操

    松本説明員 最初の方の児玉かと聞きました点につきましては、私の手持ち資料では五十三ページの末尾のところにそういう質問がございまして、それに対して五十四ページの頭の方で「ノーイット ウォズ ノット」−そうではない、こう答えております。  それから、小佐野につきましては、私の資料では五十四ページでございますが、五十四ページの十三行目に「ウォズ イット ミスター オサノ」それは小佐野氏でしたか、こう聞きまして、コーチャンが「ノーサー」−そうではございません、こう答えております。  それからさらに五十五ページに参りまして、二行目のところでミスター・コーチャンがいろいろごとごと言っておりますが、その中で、私のあれでは「ヒヤマ」でなくて「イアマ」となっておりますが、これは何か彼の間違いでありましょうか。「ミスター・イアマ」これは「プレジデント」と言っておりますから、間違いなく桧山氏のことであろうかと思います。それから「オオクボ」だか「オオクブ」だかよくわかりませんが、これもはっきりと丸紅の人、こういうふうに言っておりますので、この点については、ページ数はやや食い違っておりますが、先生おっしゃったのと同じような記録を私も承知をしております。
  32. 佐藤文生

    佐藤(文)委員 ページ数と行については私は訂正します。いま松本次長が言ったのと合います。この点、明確にしておきます。  こういうことで、運輸省疑惑というのが丸紅の線の推薦者によって行われておるということを明確にしておきます。この線については、立法府の議員としてはここまでしか調査ができません。したがって、これから先の、真実は、一体だれなのか。私が丸紅調査した段階においては、金は受け取っていない、しかし、ロッキードの会計上のっじつまを合わせるためにどうしても領収証が要ると言ってミスター・クラッターが来て、そして丸紅の大久保、伊藤氏はサインをした。金は受け取っていないというのが私の調査であります。丸紅は金はもらっていない。しかし、アメリカのチャーチ委員長に対して、コーチャンはやってあると言っている。この真実、コーチャンは神に誓って宣誓している、丸紅は良心に誓って宣誓している。この真実追求に対しては日米協力なくしてはわからない、協力請うということを言ってあります。したがって、これは捜査当局によらなければわかりませんので、立法府の議員としては以上のことだけは明確にしておきます。  第三点、航空業界の商慣習について、松本次長、運輸大臣がおったときに質問をいたしましたが、これはきわめて大切なことであります。アメリカの、私もよく知っているパーシー上院議員は、私も会ってきたのですけれども、否定しているのですね。日本の業界にはそういう商慣習はないんだ、日本人というのは、賄賂というものは人間社会の最も忌むべき行為であるということをどの国の民族よりも誇らかに持っておる民族である、自分の経験から、そういうようなことは日本民族としては商習慣ではないんだということを公聴会の記録ではっきり述べている。しかし、コーチャンは賄賂を使っている。しかも、記録の後段を見ると、ロッキードという会社アメリカの政界に対して政治献金はやらない、そういう誇りを持っているということが載っているのです。これは公認会計士のフィンドレー氏が公聴会の最後の日に言っている。アメリカの政界に金を流しているんじゃないか、こういうチャーチの質問に対して、フィンドレーは、公認会計士としてロッキードの役員会における記録を読めば、政治献金ということはアメリカではやらない、それをロッキードは誇りに思っているということを答えております。そのロッキード日本飛行機を売るために賄賂を使うというその二重構造、私は不思議でなりません。なぜコーチャンは賄賂を使ったんだ、私がコーチャンに会って聞いたら、十年前ある国で賄賂を使わなかったために、使うようにした。ある国、その国の名誉のためにあえて言いません。  そして、猛烈社長コーチャンが日本にトライスターの売り込みにやってきた。そして疑惑を生んだ。しかし、ロッキードのコーチャンは若狭社長に対してどのように言ったかという証言を私は若狭社長調査の段階で得た。日本のトライスター売り込みに対しては政治家は使いません、行政は使わない、オン・ビジネスであるということを最後まで若狭社長に言ったということを私は全日空調査で調べました。  この調査と現実の疑惑、そのギャップを、司法当局で克明に資料に基づいてやっていただきたい、私はこう思います。立法府の議員として、以上の調査だけは明確にしておきます。  次、四点目ページ四十一と四十二、見てください。——わかりましたか。ここで運輸省に関する重要な公聴会の記録が出ているわけであります。ページ四十一の一行目からページ四十二の二行目までであります。それからページ四十三からページ四十四の五行目までであります。ここで、チャーチがコーチセンに対して、七百万ドル、二十一億円という多額なコンサルタント料その他の契約をするということは、航空機の発注を延期させるためにやったのか、そしてそれが成功したのかという質問をしている。間違いないですか。ちょっと松本次長、その点を明確にしてください。
  33. 松本操

    松本説明員 先生御指摘のページにはそのようなやりとりが頭の方から始まりまして、特に四十三ページの末尾から四十四ページの冒頭にかけまして、セネター・チャーチ、チャーチ上院議員が、決定をおくらせるという目的を獲得するのに成功したのか、こう聞いておりまして、それに対してコーチャン、が——正確な訳については私申し上げる立場にございませんが、「ウエルウイディドゥント」ということは、つまり「ウエル」はう−んとかまあとかいう意味でございましょうが、「ディドゥント」でございますから、成功していない。「ウイディドゥントゲットアディレー」——われわれはおくらせることを得ていない、それからまた「ウエル」が入りまして「ウイゴット イット ディレード」−おくれることにはなった。こういうふうな非常にわかりにくい英文でございますけれども、直截的に、おくらせることに成功したというような言い回しはしていないというふうに私は理解しています。
  34. 佐藤文生

    佐藤(文)委員 ここは重要なポイントであります。アメリカの公聴会の中で一番重要なところはここであるということをパーシーも言っている。なぜかと言うと、航空機発注をおくらせるために七百万ドル使ったのか、こういう質問に対して、いま松本次長が読んだように「ノー」、最初「ノー」と言っている、とんでもないと。しかし、結果はそうなった、こう言っている。最初から航空機発注をおくらせるために七百万ドル使ってどんどんやれといった表現はない。しかし、その証言記録の前の方を読むと、四十六年、四十七年に児玉書士夫氏に多額な金を送金した。しかし、それは売るために、おい、がんばってくれ、ということで移額に送金したのだということはコーチヤンは言でいる。しかし、おくらせることに成功したのか、こう言ったら「ノー」と言っている。こういうところの表現はきわめてあいまいでありますので、いま問題になっている、運輸行政に対してブラックマネーを使っておくらせたという断定をすることは、私の調査では合点がいきません。しかし、結果はロッキードにとってはラッキーであった、こう言っている。  私は、全日空の若狭社長に二回調査をしました。その段階で若狭社長ははっきり私に言った。四十七年の七月までは何といってもDC10が圧倒的だったことは事実である。しかしながら、コーチャン社長が先頭に立ってロッキードの宣伝に羽田にやってき、伊丹にやってくる、ダグラス社は何とか部長というのがやってくる、その最後の二、三カ月の追い込みにおいて、計器飛行を十分にやったロッキード飛行機あるいはそのエンジンの高さ等、伊丹空港の防壁の上に出ていく可能性を秘めているDC10のエンジンの装置等、いろいろなことからして、エンジニアが、これはロッキードの方がよりいいんだということで変わったという調査の証言を私は得ました。しかし、その真実はわかりません。しかしながら、延期のために賄賂を使ったんだと断定する政治的な疑惑は、私は率直にそのとおりとれません。結果はロッキードにラッキーであった、私はこういうような感じを持っていますので、この点、証言記録を照らしながら、この政治的な疑惑について私の調査考え方を述べておきます。  五番目、ページ五十七を見てください。この九行目から十七行目が大変重要なポイントであります。ロッキード一〇一一を全日空は二十一機注文した、ところがこの証言記録の九行目から十七行目に関して、ロッキード社は二十一機より以上にあと八機何としても全日空に売りたいということをここではっきり言っている。二十一機オプションし契約したより以上に八機売りたい。なぜか。ロッキード社は二十九機売ることにおいてより有利な融資の対象になろうと考えたのだろう、これは私の想像である。その八機を売るために猛烈なアクションを起こした、そのときに佐藤という領収証が関係してくる、ここでこう言っているのです。  私は佐藤ですから、大変な疑惑を受けました。野党諸君から佐藤文生じゃないかと言われたようなこともあります。しかし、いつか真実はわかりますよ。そのデマゴギーと私は闘いますけれども佐藤という名前は多いのです。佐藤、後藤犬のくそといいます。佐藤といえば、アメリカでは佐藤榮作さんが有名ですから、私がロスに行ったときに、ロサンゼルス・タイムズには、最後の二行目にどう書いてあるか。佐藤文生佐藤榮作とは関係のない代議士である、こう書いてある。それほどまでに一つの人間関係というものを大切にするアメリカ魂を私は見てきたわけですね。アメリカのロサンゼルスでもあるいはワシントンでも、日本人の疑わしい名前はだれ一人出ない、私の調査では。なぜ出ないのか。ニューヨーク・タイムズのスミス記者に会った。根拠のない名前は出すことはできないのだ、あればきょうのニューヨーク・タイムズの朝刊に名前を出す、日本政府職員の名前を出すとはっきり言いました。ウオーターゲートで最後まで闘った正義の魂を持っているアメリカの新聞記者も、人権尊重ということに対しては、われわれ日本人より以上に考えておる姿を私は見てきました。  ところが、この佐藤という領収証は、ここでだれだ、かれだというのが出る。私は、週刊誌に出たり新聞に出ることは言いません。書くことは自由です。しかし、議会制民主主義を守るという、そのリーダーシップを握ろうとする野党政党の機関紙に人権無視があってはならないということだけは明確にしておきます。  この佐藤という領収証はここで出てきているのです。全日空に宣伝費として、六千万の佐藤と三千万の佐藤の領収証は関係しているように思うとコーチャンは言っているのです。この点を松本次長、行政の立場にあるあなたは全日空でこの問題を調査したかどうか、八機の追加注文に対して運輸省に相談があったのかどうか、これをはっきりさせていただきたいと思います。
  35. 松本操

    松本説明員 私ども全日空に対して厳重調査をさせましたる結果を御報告いたします。  八機を追加発注してもらいたいという趣旨のロッキードからの申し入ればあったようでございます。しかし、これに対しまして、全日空は何らの措置をとっていない、こういうふうに現在までの調査によりまして私どもは承知をいたしております。
  36. 佐藤文生

    佐藤(文)委員 朝日新聞か読売新聞かよく記憶はありませんが、六千万の佐藤の領収証は、ロッキードの自家製であるというスクープが新聞に出ておりました。三千万の領収証は、コーチャンの証言で、全日空の宣伝費として関係があるのではないかという証言記録が載っている。立法府の議員として調査はそこまででございます。司法当局においてこの点を明確にしていただきたい、私はこう思います。  以上五点について松本次長に私の疑義のあるところ質問をいたしまして、これで終わります。ありがとうございました。(拍手)
  37. 田中伊三次

    田中委員長 それでは、午後一時から再開をいたします。暫時休憩をいたします。     午前十一時四十七分休憩      ————◇—————     午後一時一分開議
  38. 田中伊三次

    田中委員長 それでは、休憩前に引き続き会議を開きます。  ロッキード問題に関する件について、ただいまよりシグ・片山君から証言を求めることにいたします。  なお、本日御出席の証人シグ・片山君につきましては、本委員会から石井鎌一君、米倉淑子君の両君を通訳として御依頼申し上げてありますので、よろしくお願い申し上げます。  証言を求める前に証人に一言申し上げておきます。  昭和二十二年法律第二百二十五号、議院における証人の宣誓及び証言等に関する法律によりまして、証人に証言を求める場合には、その前に宣誓をしなければならぬことになっております。宣誓または証言を拒むことのできるのは、まず、証言が、証人または証人の配偶者、四親等内の血族もしくは三親等内の姻族または証人とこれらの親族関係にあった者及び証人の後見人または証人の後見を受ける者の刑事上の訴追または処罰を招くおそれのある事項に関するときに証言を拒むことができます。また、これらの者の恥辱に帰すべき事項に関するときに証言を拒むことができます。また、医師、歯科医師、薬剤師、薬種商、助産婦、弁護士、弁理士、弁護人、公証人、宗教または祷祀の職にある者またはこれらの職にあった者がその職務上知った事実であって黙秘すべきものについて尋問を受けるときにも証言を拒むことができることになっております。そして、証人が正当の理由なくして宣誓または証言を拒んだときは一年以下の禁錮または一万円以下の罰金に処せられ、かつ宣誓した証人が虚偽の陳述をしたときは三月以上十年以下の懲役に処せられることになっております。  一応このことをあらかじめ御承知おきをいただきたいと存じます。
  39. シグ・片山

    ○片山証人(通訳) わかりました。
  40. 田中伊三次

    田中委員長 それでは、法律の定めるところによりまして、証人に宣誓を求めます。全員起立願います。     〔総員起立〕
  41. 田中伊三次

    田中委員長 それでは、シグ・片山君、宣誓書を朗読してください。
  42. シグ・片山

    ○片山証人(通訳)     宣誓書  良心に従って、真実を述べ、何事もかくさず、又、何事もつけ加えないことを誓います   六月二日一九七六年                シグ・片山
  43. 田中伊三次

    田中委員長 それでは、片山君、宣誓書に署名してください。     〔証人、宣誓書に署名〕
  44. 田中伊三次

    田中委員長 諸君、御着席を願います。  これより証言を求めることにいたしますが、証人は、証言を求められた範囲を越えないように御答弁を願います。また、発言の際には、その都度委員長の許可を得てから発言されるようにお願いをいたします。  なお、こちらから質問をしておるときには着席をしたままでよろしゅうございますが、お答えになるときには起立して発言をしてください。  なお、委員各位に一言申し上げますが、本日は、申し合わせの時間内でロッキード問題に関する重要問題について証人より証言を求めることでありますから、申し上げるまでもないことでございますが、不規則発言等のないように、議事の進行を妨げるような言動のないように、何とぞ御協力をお願い申し上げます。  なお、質問は端的に、区切りをつけて、通訳がついておりますので、通訳がやりやすいように特に諸君の御配慮をお願い申し上げたいと存じます。     —————————————
  45. 田中伊三次

    田中委員長 これより証人に対し証言を求めます。  まず、委員長から所要の事項についてお尋ねをしておきます。その後、委員各位より御発言を願うことにいたします。  まず、シグ・片山君、あなたの正式のお名前は。
  46. シグ・片山

    ○片山証人(通訳) シグ・片山であります。
  47. 田中伊三次

    田中委員長 一言お尋ねをしておきますが、シグ・片山というのは正式のお名前ですか。
  48. シグ・片山

    ○片山証人(通訳) 正式の名前はシゲトモ・片山でありますが、旅券の関係また便宜上シグというふうに短くしてあります。
  49. 田中伊三次

    田中委員長 それで生年月日、生まれた年月、それから住所、職業、その三つを答えてください。
  50. シグ・片山

    ○片山証人(通訳) 私の生年月日は八月二十四日、一九二五年であります。私はロサンゼルスに生まれました。  私は二つの住所を持っております。その一つは、三七二二・ウエストブルラバー・ロサンゼルス・カリフォルニアであります。もう一つは、八−七−九、赤坂、港区、東京であります。
  51. 田中伊三次

    田中委員長 二つの住所ね、はい、ありがとう。  次に、発言申し出がありますので、順次これを許します。松永光君。
  52. 松永光

    ○松永委員 あなたは、ID社という会社の代表をしておられますか。
  53. シグ・片山

    ○片山証人(通訳) そのとおりであります。
  54. 松永光

    ○松永委員 ID社という会社は、あなたが設立された会社ですか。あなたが設立された会社であるならば、いつ、どこで設立をされたか、事務所または営業所はどこか、従業員は何名か、その点をお尋ねします。
  55. シグ・片山

    ○片山証人(通訳) 私がこの会社を設立いたしました。  設立した場所は、私の弁護士がこれを一九七三年の七月にケイマンアイランドにおいて設立した会社であります。  社員は一名であります。
  56. 松永光

    ○松永委員 現在のID社の事務所または営業所の所在地、それから事業内容、実際にどんな事業をしておるか、この点をお尋ねいたします。
  57. シグ・片山

    ○片山証人(通訳) 住所から申し上げます。住所は、国際銀行気付ケイマンアイランドであります。  事業内容についてでありますが、現在は非常に限られております。しかしながら、これからは次の地域にも発展する準備、努力をしております。これは中近東、ニューギニア、パプア、ソロモン島並びにインドネシアであります。
  58. 松永光

    ○松永委員 その点重ねて聞きますが、これからのやろうとしておる仕事のことをいまお答えになったようですけれども、いままでにどんな仕事をしてこられましたか。いままでにどんな仕事をしてこられたか。ID社の事業内容、これをお尋ねします。いままでの事業内容。
  59. シグ・片山

    ○片山証人(通訳) 誤解があったようにも思いますが、私が申し上げたのは、すなわち活動についてでありますが、インドネシアにも行ってまいりました。ここでは鉱業、マイニングに関係する事業のために行ってまいりました。そして先ほど私が申し上げたのは、直訳しますと、事業のためのプランテッドシーズ、種を植えつけるために行ってきたのであります。こういう活動であります。そしてまた、パプアにも行ってまいりました。パプアにおいては鉱業並びに船舶関係仕事のためであります。ソロモン島にも行きました。これは漁業並びに船舶、また中近東においては製造業関係、これは船舶を含みます。並びに工場の設立に関する事業であります。これらの活動は、私は過去二年半にわたって行ってきたのであります。
  60. 松永光

    ○松永委員 先ほどID社の従業員は一名である、こう言われましたが、それはあなた一人という意味ですか。あなた以外に、ほかに従業員が一名おるという意味ですか。
  61. シグ・片山

    ○片山証人(通訳) そのとおりであります。
  62. 松永光

    ○松永委員 本人が一人、こういうことですね。
  63. シグ・片山

    ○片山証人(通訳) そのとおりであります。
  64. 松永光

    ○松永委員 ちょっと書類を見せたいのですが、シグ・片山氏がサインしたロッキード・エアクラフトあての八枚の領収証を見せます。——その領収証にあるサインは、あなたのサインに間違いありませんか。
  65. シグ・片山

    ○片山証人(通訳) 最後の領収証を除けば、全部私のサインであります。
  66. 松永光

    ○松永委員 あなたのサインのある領収証ですね。そのサインはあなたのものに間違いない、こういうことですね。最後の領収証にはあなたのサインがないでしょう。
  67. シグ・片山

    ○片山証人(通訳) そのとおりであります。
  68. 松永光

    ○松永委員 その領収証は、いつ、どこで、だれに頼まれてサインをしたのですか。
  69. シグ・片山

    ○片山証人(通訳) 私は、初めは一九七三年の後半あるいは一九七四年の前半かと思っておりましたが、私は日本政府関係者とお話をしましたが、その結果、日本政府の記録によりますと、それは一九七四年の間であったということがわかりましたので、私の記憶よりは日本政府の記録の方が正確だと思いますので、私は一九七四年であるというふうにお答えいたします。  領収証のサインは、香港のマンダリンホテルの一室においてサインされたものであります。  この領収証は、ロッキード社のA・H・エリオット氏の要請でサインしたものであります。そしてエリオット氏は、これはスイス所在のロッキード社の内部の経理上のためにサインしてほしいという理由を言われました。
  70. 松永光

    ○松永委員 あなたはロッキード社とどういう関係にあるのですか。また、あなたとロッキード社との間に関係があるならば、それはいつごろから始まった関係ですか。
  71. シグ・片山

    ○片山証人(通訳) 私とロッキード社の正式の関係は、多分一九七四年に正式の関係が始まったものだと記憶しております。ただし、それ以前から私はロッキードの方々とは個人的にも友達としてつき合った何人かがおります。  私とロッキードとはどういう関係かということでありますが、この始まりは一九六〇年の初半、私はシカゴのハイマン・マイケルズという会社を代表しておりまして、いまでもそうでありますが、そのときにロッキード社がワシントン州のシアトルにおいてもう使っていない造船設備を持っておりましたが、この設備を利用して古い船をスクラップにするため、この事業のために私はロサンゼルス所在のロッキード社に連絡をつけたのであります。したがいまして、私とロッキード社の関係はそのときから始まったものということであります。
  72. 松永光

    ○松永委員 先ほどあなたが八枚の領収証にサインをされたということの証言をされたんですが、あなたは領収証にサインして、領収証に記載されておる金額を受領いたしましたか、金額は受領しないのにサインだけしたのですか。
  73. シグ・片山

    ○片山証人(通訳) 私は、この領収証に書かれてあります金額の一セント、一円も受け取っておりません。
  74. 松永光

    ○松永委員 あなたはこの領収証にサインしたことによって、依頼をしたエリオット氏から報酬を受け取りましたか。
  75. シグ・片山

    ○片山証人(通訳) いただきました。
  76. 松永光

    ○松永委員 いつ、どこで、だれから、幾ら受け取りましたか。
  77. シグ・片山

    ○片山証人(通訳) 私の記憶によりますと、一九七四年であります。これは遅い春あるいは秋の初めごろかと思います。そして場所は香港であります。そしてこの金は私が受け取りました。
  78. 松永光

    ○松永委員 幾ら。
  79. シグ・片山

    ○片山証人(通訳) 私が受け取った金額は、約七万二千百五十ドルと五十セントであります。
  80. 松永光

    ○松永委員 それは一度に受け取ったんですか、二回または三回に分けて受け取ったんですか。それから、受け取った金は米ドルの現金であったか、あるいはその他の金であったか、その点を明らかにしてください。
  81. シグ・片山

    ○片山証人(通訳) 私の記憶によりますと、二回だと思いますが、あるいは一回で受け取ったのかもしれません。そして現金米ドルで受け取りました。
  82. 松永光

    ○松永委員 あなたは前に日本の新聞記者と記者会見をしたときに、領収証にサインをしたその報酬として、一回は二万ドルの現金で、すなわち百ドル札で二万ドル現金で受領し、別の機会に五万ドル、米ドル現金で受領したというふうな記者会見の答えをされたというふうに新聞には載っておりましたが、きょうのとは金額がちょっと違いますね。どうなんですか、どれが本当なんですか。きょう言っていることが本当なんですか。
  83. シグ・片山

    ○片山証人(通訳) 私は、報道記者に会った記憶がありません。また、報道関係発言を過って報道することもありますし、また想像に基づいていたものもありますし、しかしながら、私は、現在宣誓をしているのでありますし、したがいまして、私が先ほど申し上げた金額が正確な金額であります。  なお、私の手元には、ロッキード社の財務担当の副社長のトム・パローの供述書を持っておりますので、もしよろしかったら、これをお見せできます。
  84. 松永光

    ○松永委員 その領収証八枚にサインしたそのことの報酬が七万二千百五十ドル五十セント、これは大変多額な報酬をあなたは受領したことになるわけですが、どういういきさつでわずか八枚の領収証にサインをしただけでそういう多額の報酬がもらえたのか、そのいきさつを説明してください。
  85. シグ・片山

    ○片山証人(通訳) 私は、まず最初は十万ドルを要求したのでありますが、これに対して、エリオット氏は五万ドルという金額を出しました。そしてその妥協として七万五千ドルという金額に意見が一致したのでありますが、この七万五千ドルと、先ほど申し上げた七万二千百五十ドル五十セントの数字の金額の差は、これは銀行の手数料またはその為替レートから生ずる差が出てきましたので、こういう金額になったわけであります。  私は、当時はID社は資本金がありませんでしたので、先ほど申し上げた事業を遂行するための資金をつくりたいがために、この金をそれに向けたいという考えでありました。
  86. 松永光

    ○松永委員 エリオット氏は、ロッキード社の内部の事情で受取が必要なのでサインしてくれという要請である。その要請に対して、あなたはサインするについては十万ドルという多額な金をエリオット氏に要求したことになりますが、そうなると、この領収証にあなたがサインすることによって、エリオット氏に何か弱みがあって、非常に悪いことをしておるということをあなたがつかんでおるとか、何かそのエリオット氏の弱みにつけ込んで十万ドル要求したとしかわれわれには思えないのですが、十万ドルをエリオット氏に請求したその根拠、それを説明してください。
  87. シグ・片山

    ○片山証人(通訳) この領収証を書いてくれという依頼をエリオット氏がする前に、私にこう説明しました。日本においてある金額が使われますので、内部の経理のために領収証が必要だということをおっしゃいました。私はフェーバーとしてこういう領収証を書いて差し上げたのであります。  私は、この金額については別にそれほどめちゃくちゃに多額だというものだとは思いません。私は、この数字をその現時点で知っていたならば、もっと多額なあれを要請したでありましょう。
  88. 松永光

    ○松永委員 あなたは、その領収証にサインした際に、同時にロッキード社との間にコンサルタント契約書に署名をいたしましたか。ID社とロッキード社との間のコンサルタント契約書を見せます。——
  89. シグ・片山

    ○片山証人(通訳) そのとおりであります。領収証にサインしたときと同じときにこのコンサルタント契約にサインをいたしました。そして、エリオット氏の説明でありますが、このコンサルタント契約に関して、これは領収証を裏づけるためのものであるという説明がありました。
  90. 松永光

    ○松永委員 そうすると、そのコンサルタント契約書は、実際コンサルタント契約を結んだというのではなくして、さきにあなたがサインをしたにせの領収証、うその領収証を本当らしく見せるためにそのコンサルタント契約書にサインをしたということになるわけですが、それに間違いありませんか。
  91. シグ・片山

    ○片山証人(通訳) そのとおりであります。
  92. 松永光

    ○松永委員 あなたが領収証にサインをしたことによって報酬として受け取った七万二千百五十ドル、この金は、そのままあなたは日本に持ってきたのですか。そのまま日本に持ってきたとするならば、その金はどういうふうに使いましたか。
  93. シグ・片山

    ○片山証人(通訳) この金は、私は日本には持ってきませんでした。
  94. 松永光

    ○松永委員 その金はどういたしましたか。香港で米ドルで受け取った七万二千百五十ドルという金は、あなたはどうしましたか。
  95. シグ・片山

    ○片山証人(通訳) この金は、私はアメリカに送りました。この目的は、私が費用のために出した金を、これを立てかえるためと、またサラリー、給与に使うためにアメリカに持っていきました。そしてこれは——訂正いたします。送りました。持っていったのではなく、アメリカへ送ったのであります。それで、この経理上のあれは、ケイマンアイランドにありますID社の帳簿に記録してあります。
  96. 松永光

    ○松永委員 結局あなたのやっておる事業、アメリカにおけるあなたのやっておる事業のために使った、あるいはあなたがやっておる事業についてあなたが立てかえをしておるので、それの立てかえ金として受け取った。結局は、日本には持ってこないけれども、あなたの方で使ったということには間違いないのですか。その点どうですか。
  97. シグ・片山

    ○片山証人(通訳) そのとおりであります。私の立てかえたのは飛行機の切符の代金またホテルの代金、これは一九七三年、七四年間のものでありますし、並びに報酬、サラリーであります。給与であります。私はまだ給与を受け取っていなかったのでありますし、また、ほかのこれに関するエクスペンスのためでありました。
  98. 松永光

    ○松永委員 重ねて聞きますが、言いにくいことであるかもしれませんけれども、にせの領収証づくりに参画をし、エリオット氏と一緒になってにせの領収証をつくり、さらにまた、そのにせの領収証を真実らしく見せるために、にせのコンサルタント契約書にサインをして、そして七万二千ドルもの報酬を得るということは、これはまあ、アメリカ市民としても違法行為、道徳的にきわめて悪い行為だと思うのですけれども、そういうことをしたいきさつ、本当のことがあると思うのですけれども、そのいきさつを簡単に説明してくれませんか。
  99. シグ・片山

    ○片山証人(通訳) 私は、これは余り自慢できない行為だということに関しては、同意いたします。しかし、私はID社を設立したのでありまして、ID社には資本がありませんでした。またケイマンアイランドは第三国でありまして、アメリカ日本等から見ますと第三国に所在するこの会社でありました。そして、長年私の友人であったエリオット氏からこういうことをやってくれと頼まれましたので、その当時の事情から判断して、またこのケイマンアイランドから日本へ入らないでスイスへ送られるということを考え、またID社のために私はこの資本が必要だったということを総合して考えまして、こういう結論、こういう判断に達したのであります。
  100. 田中伊三次

    田中委員長 箕輪登君。
  101. 箕輪登

    ○箕輪委員 同僚の松永君の質問で大体ID社というものがわかってまいりました。非常に不思議な会社だと思うのであります。  そこで、シグ・片山さんにお尋ねをいたしますが、アメリカチャーチ委員会で二月の二日の日に…
  102. 田中伊三次

    田中委員長 もうちょっと大きな声で。
  103. 箕輪登

    ○箕輪委員 はい。  アーサー・ヤング公認会計事務所というのがあります。これはロッキード社の経理を見ている会社でありますが、そこの会計士でウィリアムG・フィンドレーという人が、ID社という会社はどんな会社だという質問に答えておりまして、私が理解するところでは、ID社の役割りは、ロッキード社の代表が極東で支払いする、支出するものに対して領収証をつくる会社であると心得ておる、こう言っておりますし、また二月六日にはチャーチ委員会でコーチャンがこういうことを言っております。ID社というのは、私の知る限りでは、香港で登記されている会社であって、ロッキード社の仕事をやっている、特殊な活動を隠すための領収証を提供していました、こういうふうに言っております。そこで、パーシー副委員長が、そうするとこれらの領収証は全部にせものである、どんな支払いだったか本当のところを隠すためのにせの領収証である、そう思いませんかという質問をされておりまして、コーチャンはそうだと思いますと言っているのです。答えはイエスですねとチャーチ委員長がまた言っておりますと、今度コーチャンは、はいイエスです。こう言っておる。先ほど来お聞きをいたしておりますというと、何だか、漁業もやっている、鉱山もやっている、あれもこれもやっているようなたくさんな話がありましたが、アメリカの上院委員会の公聴会においては、にせの領収証をつくる会社であるというふうに規定されてしまっているのでありますが、これに対してお考えはいかがですか、お聞かせをいただきたいと思います。
  104. シグ・片山

    ○片山証人(通訳) フィンドレー氏はID社のすべての活動は知っていなかったと私は思うのであります。彼は領収証は見ておりますが、これはわが社の活動のほんの一部であります。またコーチャン氏もこの委員会で証言した際にID社のすべての活躍、活動を知っていなかったのではないかと思うのであります。これ以外に私が先ほど説明申し上げたようないろいろな活動にも携わっておるのであります。
  105. 箕輪登

    ○箕輪委員 私はシグ・片山さんをとがめる気持ちは何にもないのです。ただ、あなたがお書きになった八枚の領収証が大変日本国民に懐疑的な疑いを持たせたことだけは残念ながら事実であります。しかし、あなたは、自分はエリオットさんと長い友だちであった、そのエリオットさんから頼まれて書いたのだ、当然報酬はいただいた、しかし自分は運び屋ではない、金は一銭も受け取っていないのだ、そのとおりだと思うのであります。  そこで、八枚の領収証全部一つ一つやっていきますと、とても時間がありませんし、できませんので、一つだけ明瞭になっているものがありますので、お尋ねをしておきたいと思います。ですから、これ全部通訳しますと大変時間がかかりますから、ここだけを聞いてくださいというものだけ聞いてくれませんか、簡単ですから。それで上手にひとつやってくれませんか。  そこで、お尋ねいたしますが、一九七四年六月十八日に二千七十二万円の領収証にサインをされております。これは御承知でございましょうね。二千七十二万円の領収証にサインをされたのを御存じでございますね。
  106. シグ・片山

    ○片山証人(通訳) その領収証に金額は私は入れておりません。私は金額は入れませんでした。しかしながら、そこに私の署名があるならば、もちろん私が署名した領収証となるのであります。  少し話をそらすようでありますが、私が考えますには、その行動は悪い決定であるといま私は考えるのであります。そして日本国民疑惑を持たせ、またセンセーションを起こし、問題を起こしたという結果を導いたということから、悪い決定だと私は考えるのであります。しかし、その当時の事情から考えますと、この領収証の問題は、会社内部の問題であった、日本関係ない、日本国内関係ない会社内部の問題であった、またはロッキード日本における活動にも何の関係もなかったということであります。
  107. 箕輪登

    ○箕輪委員 どうもありがとうございます。  これは大変重大な領収証であったわけであります。御承知のようでございますからくどいことを申し上げませんけれども、これはアメリカの上院で資料の中から出てまいりました。二千七十二万円をロッキード社が全日空に送ったという送り状が出てきて、領収証が出てまいりました。その領収証が、いま証言いただいたシグ・片山さんが書いた領収証であります。ところが、全日空は一切これを受け取っておりませんし、当時そういう話もなかった。一体何のために全日空ロッキード社が金を送らなければならないのかということを質問されておりますが、その質問に答えておりますけれども、それは当時、かねて注文いただいておった全日空のトライスター第一号ができ上がって、日本に送らなければならないが、ちょうどそのときロッキード社が計画を持っていたのです。それはオーストラリアでそのトライスターの宣伝飛行をやりたい、そこでオーストラリア経由で日本に入るのに四日おくれるけれども、ぜひ御協力を賜りたいということで、全日空が協力をして、金で協力したのではなくて、全日空のパイロットも一緒に乗せてくれることを条件にして、四日おくれて入ることを認めたのであります。  そこで、そのときにロッキード社が全日空に払ったという金、賃借料であります。すでにみな金をもらっておりますから、このトライスター第一号はすでに全日空社の籍に移っております。ですから、当然賃借料を、チャーター料を払うのであります。そのときのチャーター料がこれでありますという答弁をコーチャンがしているのでありますけれども、これは重大な間違いであります。  そこで、全日空は抗議をした。いまシグ・片山さんに聞いてみますと、これは日本が全然関知していないものだと自分は思うと言っている。当然こうなんです。  ロッキードというのはおかしな会社ですね。コーチャンというのは非常におかしなやつだと僕は思うのです。  委員長、きょうはたくさんまだしたいのですよ。しかし、時間がないから、今度一回全部書いて、このコーチャンに照会を当委員会から出していただきたいのです。たくさんあります。コーチャンが来てくれれば一番いいのですけれども、どうも来てくれない。シグ・片山さんはきょう来ていただいた。私はやっぱり日本人の血が通っている人だなあと思うのです。そうして証言してくれておりますよ。嘱託尋問をやってもらおうとすれば、何だかんだ言って、コーチャンにしてもクラッターさんにしてもすべてが何か対抗手段を考えるようなことを考えておる、全くこれはおかしいと思うのであります。  そこで、原点に帰らなければなりません。それは向こう側に疑いがたくさんあるのです。たくさん申し上げますと、その中で申し上げますが、そういうものを全部ひとつアメリカ側に聞いてもらわないことには、コーチャンの証言を一〇〇%信用して、そうして日本におかしなものがある、疑いがあると言っておるけれども、いまの一証言でも、この件に関する限りは、日本関係がないのだということを自分は考えておると言ってくれております。ですから、そういう意味において、私これからいろいろなものを出してひとつ委員長にお諮りいたしますが、アメリカに送っていただいて、アメリカでもう一回調べてもらう。そこから始めないというと、疑いの原点である人が全然うそのことを言っているのですね。一例を挙げれば、これはシグ・片山さんには関係がないかもしれませんけれども、御感想をいただきたいのです。それはお話をいただきたいのでありますが……
  108. 田中伊三次

    田中委員長 箕輪君、ちょっとお聞きを願います。委員長に……(発言する者あり)ちょっと皆さんお静かに。委員長に対する御意見をお述べになることはいいですが、通訳を必要といたしませんね。通訳を必要とすることならば、舌を短くして通訳をやってもらいたい。お話、よくわかりました。
  109. 箕輪登

    ○箕輪委員 どうかそういうことで。これで結構でございます。どうもありがとうございました。  そこで、委員長に最後のお願いは、そのことだけをお願いいたしまして、また理事会等に諮っていただきます。どうもありがとうございます。
  110. 田中伊三次

    田中委員長 それで諸君にこの際ちょっと申し上げますが、証人病気を押して出席をしてくれております。それで薬を飲まなければなりませんので、十分間だけ休憩をいたします。     午後二時十九分休憩      ————◇—————     午後二時三十一分開議
  111. 田中伊三次

    田中委員長 それでは、再開をいたします。  証人に対する発言を続行いたします。横路孝弘君。
  112. 横路孝弘

    ○横路委員 福田太郎氏とはいつからの知り合いですか。
  113. シグ・片山

    ○片山証人(通訳) 私の記憶によりますと、一九六〇年代の半ばごろだと思います。
  114. 横路孝弘

    ○横路委員 だれの紹介ですか。
  115. シグ・片山

    ○片山証人(通訳) エリオット氏の紹介でありました。
  116. 横路孝弘

    ○横路委員 どういうことで紹介を受けましたか。紹介されたのはどういう理由で紹介されたのですか。
  117. シグ・片山

    ○片山証人(通訳) 私がパレスホテルの食堂で食事をしていた際に、私のテーブルの前を通りまして、そのときにエリオットさんが福田太郎氏を紹介してくださいました。自分会社のPRをやっている男だという説明で紹介してくださいました。
  118. 横路孝弘

    ○横路委員 鬼俊良氏はいつからの知り合いですか。
  119. シグ・片山

    ○片山証人(通訳) 鬼さんも同じころから知って  おります。
  120. 横路孝弘

    ○横路委員 だれが紹介をしてくれましたか。
  121. シグ・片山

    ○片山証人(通訳) 覚えておりませんが、エリオットさんかクラッターさんか、いずれかの紹介でありました。
  122. 横路孝弘

    ○横路委員 鬼さんはユナイテッド・スチール社には来られたことがありますか。
  123. シグ・片山

    ○片山証人(通訳) 委員長にお尋ねしたいのでありますが、私、ここの委員会は、ID社のことを説明するために私は来ているのですから、と申し上げますのは、ユナイテッド・スチールはこれと何の関係もありませんので、私は一応委員長にお尋ねをしたいのであります。
  124. 田中伊三次

    田中委員長 関係はないが、お答えができれば、答えてください。会社自体は関係はないかもしれぬが、お尋ねになる意味ではつながりがあるからね。お答えができたら、してください。
  125. シグ・片山

    ○片山証人(通訳) はっきりは覚えておりませんが、一回あるいは二回ぐらいオフィスに来たことがあるかもしれません。  ただし、いまのは私の記憶に基づく発言であります。
  126. 横路孝弘

    ○横路委員 児玉譽士夫あるいは児玉譽士夫の秘書の太刀川恒夫は知っていますか。
  127. シグ・片山

    ○片山証人(通訳) 存じ上げておりません。
  128. 横路孝弘

    ○横路委員 ニチドウシローというバーが銀座にあったのですが、そこに一緒に出入りしたことはございませんか。
  129. シグ・片山

    ○片山証人(通訳) 行ったことはありません。
  130. 横路孝弘

    ○横路委員 あなたは自民党の鈴木善幸代議士に会っているようですが、だれの紹介でお会いになりましたか。
  131. シグ・片山

    ○片山証人(通訳) 一年か一年半前のことでありますが、ソロモン群島のチーフミニスター、ソロモン・ママロニ氏が日本を訪問したのでありますが、私の記憶では、そのときイギリス大使館を通じて三木総理に会見を申し込んだのでありますが、そのとき総理の御都合がつかなくて、当時官房長官をやっておられたと私は記憶しておりますが、井出さんにお会いしました。そして井出さんを通じて、ソロモン群島、諸島近辺の漁業に関する問題を話し合うために、鈴木善幸さんに紹介していただくことになったわけであります。
  132. 横路孝弘

    ○横路委員 それでは、ID社のことについてお尋ねをいたします。  ID社の登記謄本を国会の方に提出をしていただきたいのですが、いかがでしょうか。
  133. シグ・片山

    ○片山証人(通訳) その登記の関係書類はここにございますが、これは登記そのもの、またID社に関する社則ですね、それから覚書などがここにございます。
  134. 横路孝弘

    ○横路委員 それは提出していただけますか。
  135. 田中伊三次

    田中委員長 提出してください。
  136. シグ・片山

    ○片山証人(通訳) 提出いたします。
  137. 横路孝弘

    ○横路委員 ID社と丸紅の伊藤宏の関係なんですが、アメリカにおけるフィンドレーさんの証言によりますと、ID社は丸紅の伊藤宏さんと関係を持っていたという証言がありますけれども、あなたはこの丸紅の伊藤さん御存じですか。
  138. シグ・片山

    ○片山証人(通訳) ID社と伊藤宏さんとの間には何の関係もございません。
  139. 横路孝弘

    ○横路委員 そうすると、これは、フィンドレーさんの証言はうそだということをあなたはここで証言なさいますか。
  140. シグ・片山

    ○片山証人(通訳) フィンドレーさんのステートメントが、発言うそであるかどうかということは私はわかりませんが、申し上げられることは、ID社と伊藤さんとの間には何の関係もないということを、私はいま宣誓しておりますし、現在申し上げているのであります。すなわち、私がID社でありますからして、関係あるかないかは私が知っているわけであります。
  141. 横路孝弘

    ○横路委員 アメリカのやはり同じフィンドレーさんの証言の中に、ID社はロッキード社ばかりじゃなくて、他の会社をも代表しているという証言がありますが、他の会社とは、どこですか。
  142. シグ・片山

    ○片山証人(通訳) 現在はほかの会社の代表はしておりません。それにつけ加えることがあります。つけ加えますが、過去においてもほかの会社を代表したことはありません。
  143. 横路孝弘

    ○横路委員 ID社を利用した企業は、ロッキード社以外にございませんか。
  144. シグ・片山

    ○片山証人(通訳) 私の記憶ですが、セントルイスにボブバレー・コーポレーションという会社がありますが、この会社はバッテリーの再生をやっている会社でありまして、私の記憶では、現在もこのID社を利用しているのはこのボブバレー・コーポレーションだけであります。
  145. 横路孝弘

    ○横路委員 あなたがロッキード社のためにいわば偽りの領収証を発行したわけですけれども日本企業の中に三社、同じようにその三社のためにあなたがにせの領収証を発行したというケースがあるというように私たち聞いておりますけれども、その企業の名前を言っていただきたいと思います。
  146. シグ・片山

    ○片山証人(通訳) その情報をどこから入手したかわかりませんが、もしその名前があれば教えていただきたい。と申し上げまするのは、私はロッキード社以外のためにはにせの領収証を発行したことがありません。
  147. 横路孝弘

    ○横路委員 これは社会党の正式の調査の中であなたの弁護士から聞いたのです。三社発行している、ただ名前は教えてくれませんでしたけれども、私たちいろいろ聞いた中で。
  148. シグ・片山

    ○片山証人(通訳) これは私の弁護士の誤解あるいはあなたの誤解ではないかと私は思うのであります。繰り返して申し上げますが、私が領収証をサインするのでありまして、ロッキード社以外のためには領収証は全然サインしておりません。
  149. 横路孝弘

    ○横路委員 コーチャン氏の証言の中に、ID社はインドネシア政府所有のCm型輸送機の改造をやろうとしていたという証言がありますが、これは事実でしょうか。
  150. シグ・片山

    ○片山証人(通訳) 質問をもう一度繰り返していただきたいのですけれども
  151. 横路孝弘

    ○横路委員 よく聞いていていただきたいのですが、コーチャン氏の証言の中に、ID社はインドネシアにおいてCm型輸送機の改造をやろうとした、改造契約をとることをやろうとしたという証言がございますが、事実ですか。
  152. シグ・片山

    ○片山証人(通訳) ロッキード社は、インドネシアにエージェントを、代表を持っておると思うのであります。ID社はこの飛行機の改造に関する契約交渉に全然タッチしていないのであります。恐らくコーチャン氏は、私がインドネシアにおけ  るロッキードのエージェントだと間違えたのではないかと私は思います。
  153. 横路孝弘

    ○横路委員 あなたは、ロッキード社とID社との間のコンサルタント契約はもちろん御承知でしようね。
  154. シグ・片山

    ○片山証人(通訳) もちろんです。
  155. 横路孝弘

    ○横路委員 どこの地域のどんな仕事をすることになっていますか。
  156. シグ・片山

    ○片山証人(通訳) この契約の詳しい内容は私は知らないのであります。詳しくは読んでおりません。といいますのは、これは領収一証を裏づけるためにできた契約でありますので、したがいまして、この契約を、正直に申し上げまして、私の弁護士にも詳しく読ませた、検討させたわけでもありませんし、私も詳しくは読んでおりません。
  157. 横路孝弘

    ○横路委員 そうすると、この契約書は、全部印刷ができ上がっているやつにあなたはサインしたわけですか、白紙の紙にサインしたわけですか。
  158. シグ・片山

    ○片山証人(通訳) 契約書は作成されまして、私はタイプされた契約書にサインをしたのであります。
  159. 横路孝弘

    ○横路委員 日付はどうなっていましたか。印刷されていましたか。
  160. シグ・片山

    ○片山証人(通訳) 覚えておりません。
  161. 横路孝弘

    ○横路委員 あなたのサインのすぐ上に日付が書いてあるのですがね。
  162. シグ・片山

    ○片山証人(通訳) 御質問はどういうことなんでしょうか。
  163. 横路孝弘

    ○横路委員 何か特に記憶のあることは、この契約書に関して何もないわけですか。
  164. シグ・片山

    ○片山証人(通訳) エリオット氏が私に説明しましたが、この契約はただの飾り物で、窓飾りで、領収証を裏づけるための飾り物である、窓飾りであるというふうに説明がありましたので、私は何もそれを詳しく読む必要はないと思います。
  165. 横路孝弘

    ○横路委員 その契約書は、もう一度重ねて聞きますが、いつつくったのですか。日にちは思い出せませんか、契約書にサインをした日にち。
  166. シグ・片山

    ○片山証人(通訳) 先ほども申し上げましたように、この契約は領収証をサインしたときと同時に、同じときにサインしたのでありますし、先ほど申し上げましたが、これは一九七四年にサインしたものと私は記憶しております。
  167. 横路孝弘

    ○横路委員 領収証は一回でサインしたのですか、二回でサインしたのですか、三回でサインしたのですか。
  168. シグ・片山

    ○片山証人(通訳) 二回にわたってサインいたしました。
  169. 横路孝弘

    ○横路委員 一回目にサインしたのがどういうサインで、二回目にサインしたのがどういうサインか、記憶がありますか。
  170. シグ・片山

    ○片山証人(通訳) 質問がよくわからないのですが……。
  171. 横路孝弘

    ○横路委員 領収証を見れば、どれが最初にサインしたものか、わかりますか。
  172. シグ・片山

    ○片山証人(通訳) 私はゲス——当ててみることはできますが、はっきり何年何月何日にこの何枚をサインして、何年何月何日にこっちの方をサインしたということは、はっきりと断言はできません。
  173. 横路孝弘

    ○横路委員 最初のサインのときは、何か書かれたものにサインをしたのですか。金額は書いてありましたか。
  174. シグ・片山

    ○片山証人(通訳) 最初サインしたときに、二つか三つの領収証にはすでに金額が記入されてありました。
  175. 横路孝弘

    ○横路委員 ちょっと領収証を提示したいと思います。よろしいですか。——いまお見せした領収証は四十九年九月二日付、印紙の張ってない領収証でありますが、その領収証であなたが書いたのはどの部分ですか。
  176. シグ・片山

    ○片山証人(通訳) ここにあるのは私の署名であります。
  177. 横路孝弘

    ○横路委員 署名以外は全然記憶はありませんか。
  178. シグ・片山

    ○片山証人(通訳) 私がこの領収証に書いたのは、私のこのサインだけであります。
  179. 横路孝弘

    ○横路委員 次に、昭和四十九年六月十八日の領収証をお見せいたします。——その領収証に関してはどうですか。同じ質問です。
  180. シグ・片山

    ○片山証人(通訳) 同様に、ここにありますのは、私の署名だけであります。私がサインしたのは、この署名だけであります。
  181. 横路孝弘

    ○横路委員 そのとき、これは金額は入ってましたか。
  182. シグ・片山

    ○片山証人(通訳) 覚えておりません。
  183. 横路孝弘

    ○横路委員 日付についてはどうですか。
  184. シグ・片山

    ○片山証人(通訳) 覚えておりません。
  185. 横路孝弘

    ○横路委員 それでは次に、四十九年一月二十五日並びに二月十八日の領収証をお見せします。——同じ質問です。
  186. シグ・片山

    ○片山証人(通訳) ここに二つございますが、上の領収証に私の書いた字は、上にロッキード・エアクラフトという字がありますが、これは私が書きました。サインも私のサインであります。  第二の領収証も同様、ロッキード・エアクラフトという字を私が書きました。また私のサインがその下にあります。
  187. 横路孝弘

    ○横路委員 これは金額、日付は書き込んでありましたか。白紙の領収証ですか。
  188. シグ・片山

    ○片山証人(通訳) 覚えておりません。
  189. 横路孝弘

    ○横路委員 少し記憶を戻してもらわなければ困るのですがね。  次に、四十八年八月十四日それから八月七日、二つの領収証をお見せします。——同じ質問です。確認してください。
  190. シグ・片山

    ○片山証人(通訳) 上の領収証に私が書きましたのは、ロッキードという字と私のサインと私のサインの下にありますフォー・サービシーズ・レンダーズ・アンド・アワー・アグリーメント——われわれの契約に基づいて行われたサービスの報酬としてという意味でありますが、これを私が書きました。  第二の領収証も同じく、私の書いた字は、ロッキードという字と私のサインとその下にフォー・サービシーズ・レンダーズ・アンド・アワー・アグリーメントであります。私の字であります。
  191. 横路孝弘

    ○横路委員 これは金額は覚えがありますか。
  192. シグ・片山

    ○片山証人(通訳) 記憶ありません。
  193. 横路孝弘

    ○横路委員 次に、四十八年七月十六日の領収証をお見せします。——同じようにお答えください。
  194. シグ・片山

    ○片山証人(通訳) 私が書きましたのは、ロッキードと私のサインとシグナチュアとそのサインの下にフォー・サービシーズ・レンダーズ・アンド・アワー・アグリーメント、これだけです。
  195. 横路孝弘

    ○横路委員 やはり後は記憶がないのですか。
  196. シグ・片山

    ○片山証人(通訳) そうです。そのとおりです。
  197. 横路孝弘

    ○横路委員 じゃ、四十八年五月二十五日の日付の領収証を提示いたします。——同じようにお答えください。
  198. シグ・片山

    ○片山証人(通訳) この領収証に私が書いたのは、日付と私のサインとロッキードエアクラフト・コーポレーションという字を私が書きました。  ここに二つありますけれども、これは二枚同一のものです。
  199. 横路孝弘

    ○横路委員 同一のものですか、ちょっと確認してください。
  200. シグ・片山

    ○片山証人(通訳) 字も同じですし、ゼロックスのようでありますし、同一のものだと思います。
  201. 横路孝弘

    ○横路委員 その日付は、あなたが書いたのは間違いありませんね。
  202. シグ・片山

    ○片山証人(通訳) そのとおりであります。
  203. 横路孝弘

    ○横路委員 最後にもう一枚、四十七年十二月七日付の領収証をお見せします。——その領収証に覚えがありますか。
  204. シグ・片山

    ○片山証人(通訳) この領収証には私のサインがありません。また、この領収証に関しては私は別に何の記憶もありません。
  205. 横路孝弘

    ○横路委員 いまお見せした領収証、二回に分けてサインをされた、こういうことですね。この二回に分けたというのは日付順ですか。
  206. シグ・片山

    ○片山証人(通訳) 香港でエリオットさんに会いましたときに、そのときに彼は二つか三つの領収証を持っておりましたが、その順序に関しては私は記憶がありません。また、二回目のときは、これは金額が記入されていないブランク・シーツの領収証にサインをしたのであります。  日付に基づくその順序、まただれがその日付を記入したかということについては私は覚えておりません。
  207. 横路孝弘

    ○横路委員 領収証の中でもあなたが日付を書いたのが一つだけあるわけですね、自分で。だから覚えているでしょう、日付を特に書いたのですから。これは一回目の領収証ですか、二回目の領収証ですか、日付を書いたのは。
  208. シグ・片山

    ○片山証人(通訳) 第一回目であります。
  209. 横路孝弘

    ○横路委員 この領収証の日付のときには、あなたもエリオットさんも日本にいるのですよ。日付のときに書いたんじゃないですか、みんな。
  210. シグ・片山

    ○片山証人(通訳) 違います。
  211. 横路孝弘

    ○横路委員 七四年香港で書かれたということですが、七四年のいつごろですか。
  212. シグ・片山

    ○片山証人(通訳) 先ほどの先生の御質問に対して回答いたしましたとおり、私の最初の記憶は一九七三年の後半あるいは一九七四年の前半かというふうに最初は記憶しておりましたが、日本政府の方が香港政府にチェックした結果、また日本の移民局にもチェックした結果、いやこれは一九七四年中にサインしたものであるということが記録で、そういう調べでわかりましたので、先ほども申し上げたように、一九七四年の間にサインしたものだと私は返事を申し上げました。しかし、一九七四年のいつかと申しますと、これは香港で一緒にいたエリオット氏のことを指していると思うのですけれども、一緒にいたとき、三回、四回、五回一緒にいたことがありますが、そのいずれかのときにサインしたものであります。もしそちらの方でそれを覆すようなはっきりした証拠があるのでしたら、これは別として、それがない限り、私は一九七四年中にサインしたものだと私は御返事いたします。はっきり何月の何日にという、そこまで聞かれますと私は記憶しておりませんし、恐らくあなたも一九七四年の何月何日に何をやったかということをお聞きしてもお答えができないのではないかと私は思います。
  213. 横路孝弘

    ○横路委員 これは本人が体験している事実を証言してもらうのが証言なんで、その辺のところちょっと注意をしておってください。
  214. 田中伊三次

    田中委員長 横路君、記憶、ありのままの答えをしておるものと認めます。続けてください。
  215. 横路孝弘

    ○横路委員 香港で一九七四年にエリオット氏と何回会いましたか、あなた。
  216. シグ・片山

    ○片山証人(通訳) どこででしょうか。
  217. 横路孝弘

    ○横路委員 香港で。
  218. シグ・片山

    ○片山証人(通訳) 私、先ほど申し上げましたように、三回ないし五回というふうにお返事いたしました。私の記憶によるものであります。四回であったかもしれませんし、三回であったかもしれません。恐らく日本政府の当局の方の方がもっと正確なファクトを御存じではないかと思います。
  219. 横路孝弘

    ○横路委員 あなた、香港に行っている回数は五回で、エリオット氏と一緒になり得る可能性というのはそんなに、三回もありませんが、結構でございます。  ロッキード社との関係についてお尋ねをしますけれどもロッキード社のコーチャンあるいはハルさん、御存じだと思いますが、いつごろから知り合いでしょうか。
  220. シグ・片山

    ○片山証人(通訳) 一九六〇年代の初めの方であります。
  221. 横路孝弘

    ○横路委員 J・K・ハル氏とのつき合いはかなり古いのじゃないですか、一九五〇年代……。
  222. シグ・片山

    ○片山証人(通訳) 私の記憶に基づきますと、一九六〇年代の初期、初めの方だと記憶しております。
  223. 横路孝弘

    ○横路委員 あなたがロッキード社の極東地区顧問に一九六九年になられたようですけれども、これはどんないきさつからなったのですか。
  224. シグ・片山

    ○片山証人(通訳) これは非公式なアレンジメントでありまして、フォーマルな、正式なものではありませんでした。
  225. 横路孝弘

    ○横路委員 その極東地区顧問というのは、どういう仕事なんですか。
  226. シグ・片山

    ○片山証人(通訳) 日本ほど発展度が進んでいない国々においてビジネスを促進するのが仕事でありました。
  227. 横路孝弘

    ○横路委員 あなたとハルさんとの関係ですが、おたくの社内報によりますと、一九六二年のある晩に、旧友の一人であり、ロッキード社の前社長であったハル氏の晩さん会に招待をされて、それがいまのユナイテッド・スチールの出発であるという紹介がありますけれども、かなり昔からの、しかも親しい友人じゃないのですか。
  228. シグ・片山

    ○片山証人(通訳) 先ほど申し上げましたように、一九六〇年代の初めの方だとお答えいたしましたが、これは一九六〇年であったかもしれませんし、六一年であったかもしれません。とにかく一、二年たてば相当親しくなれるものであります。
  229. 横路孝弘

    ○横路委員 あなたとロッキード社との間の関係をちょっとお伺いするためにお尋ねしたいのですが、ユナイテッド・スチール社にテレックスはいつから置いてありますか。
  230. シグ・片山

    ○片山証人(通訳) これは私が事務所をパレスビルに持ってからであります。はっきりした期日はチェックもできると思いますが、とにかく私はパレスビルに事務所を持ってもう十五年ぐらいになります。
  231. 横路孝弘

    ○横路委員 そのテレックスの管理は社内でだれがやっていますか。
  232. シグ・片山

    ○片山証人(通訳) 大体私の秘書であります。
  233. 横路孝弘

    ○横路委員 ユナイテッド・スチール社の現在までのテレックスを管理している秘書の名前を、お差しさわりがなかったら、言ってください。
  234. シグ・片山

    ○片山証人(通訳) 藤井さんであります。
  235. 横路孝弘

    ○横路委員 藤井さんというのは五代目ぐらいじゃないですか、御歴代の。
  236. シグ・片山

    ○片山証人(通訳) そのくらいだと思います。
  237. 横路孝弘

    ○横路委員 テレックスは、あちこちから入ってくるテレックスは、ファイルして残しておいたと思うのですが、いかがですか。
  238. シグ・片山

    ○片山証人(通訳) はい、そうです。
  239. 横路孝弘

    ○横路委員 そのテレックスの相手は、私たちが聞いているところでは、韓国だとか台湾、インドネシア、アメリカ、たくさんあったようですけれども、どういうところとそういう連絡をなさっていましたか。
  240. シグ・片山

    ○片山証人(通訳) ほとんど世界の各地、全世界とテレックス通信を行っております。
  241. 横路孝弘

    ○横路委員 四十七年から四十八年にかけて、エリオットさんやクラッターさんがユナイテッド・スチール社に何回も来られたというように伺っていますが、いかがでしょうか。
  242. シグ・片山

    ○片山証人(通訳) 回数は数えたことはないのですが、数回来たことは事実であります。
  243. 横路孝弘

    ○横路委員 丸紅の社員の人も出入りしておったようですけれども、いかがですか。
  244. シグ・片山

    ○片山証人(通訳) これはいつごろの話でありますか。
  245. 横路孝弘

    ○横路委員 別にいつごろという限定はいたしません。ユナイテッド・スチール社出発して以来、いかがですか。
  246. シグ・片山

    ○片山証人(通訳) はい、丸紅社の何人かが私のオフィスに来たことがあります。
  247. 横路孝弘

    ○横路委員 どんな方ですか。
  248. シグ・片山

    ○片山証人(通訳) 私に自動コーヒー販売機を売りつけるために来たのであります。
  249. 横路孝弘

    ○横路委員 あなたがその交信をした相手に、ロッキードのエアクラフト・インターナショナルがあったようですけれども、そのファイルはいまございますか。
  250. シグ・片山

    ○片山証人(通訳) はいございます。
  251. 横路孝弘

    ○横路委員 それはいまどこに保管されていますか。
  252. シグ・片山

    ○片山証人(通訳) ロッキード社との交信は一九六〇年代の初めごろでありまして、大分前の話であります。もうそれだけ古くなりますと、ファイルは捨てるものでありまして、大体現在のもの、五年前のものしか保管しておりません。
  253. 横路孝弘

    ○横路委員 五年前までのものはどこに保管されていますか。
  254. シグ・片山

    ○片山証人(通訳) これは私の事務所であります。また倉庫であります。
  255. 横路孝弘

    ○横路委員 そのロッキード社との交信の記録は非常に重要な資料になると思いますので、提出していただけないでしょうか。
  256. シグ・片山

    ○片山証人(通訳) 過去五年間の間はロッキードとは何の交信もありません。これはテレックスの交信もなければ手紙のやりとりもありませんし、これは国際電信電話の方で調べていただいてもわかると思いますが、国際電信電話からは毎月請求書が来ますし、その請求書には交信先の名前が書いてあります。
  257. 横路孝弘

    ○横路委員 いや、倉庫に保管をしてあるやつでいいんですが、出していただくのは。
  258. シグ・片山

    ○片山証人(通訳) この資料は、一万台にも上る自動販売機の伝票の資料がファイルしてあるので、これはもちろんお見せできますが……。
  259. 横路孝弘

    ○横路委員 いや、ロッキードとの間の交信のことを質問しているわけです。  もう一度聞き直します。先ほどのお答えは、六〇年代の古いやつは焼き捨てて、ない、新しいやつは残っているというお話でしたね。違いますか。
  260. シグ・片山

    ○片山証人(通訳) ちょっと誤解があったかと思いますが、私が先ほど申し上げましたように、ロッキードとの関係に関しては、過去五年間は何の交信も通信も手紙のやりとりもありませんということを申し上げたのであります。そしてまたKDD、国際電信電話にチェックしていただけばわかりますように、そこから来る請求書には交信先のあて名、社名が書いてありますので、それを調べますと、過去五年間に関してはとにかくロッキードとは何の交信もなかったということがわかります。したがって、過去五年間に関してはロッキードのファイルというものは存在しないのであります。
  261. 田中伊三次

    田中委員長 現に保存してある物の中にロッキードとの関係の物はないか。
  262. シグ・片山

    ○片山証人(通訳) ありません。
  263. 横路孝弘

    ○横路委員 そうすると、交信があったというのは一九六〇年代の初めということでしたね。一九六〇年代の初めは、ロッキード社との間にあなたは一体何をやりとりしておったのですか。
  264. シグ・片山

    ○片山証人(通訳) 先ほども申し上げましたように、一九六〇年代の初めごろには、アメリカのワシントン州にロッキードがその当時は使っていなかった造船所がありまして、私の方で古い船を購入して解体し、そこでスクラップとして日本に輸出したのであります。その関係ロッキードとの交信はあったわけでありますが、これは一九六〇年から六五年の間ということになるわけであります。
  265. 横路孝弘

    ○横路委員 私たちがあなたの何人かの秘書について調べたところによれば、一九七二年から七三年にかけて毎日、朝夕数本ずつのロッキード関係を含む送受信があった。実際にLAIの方からは事務的な指示、あなたの方からは丸紅の動きだとか、だれがアメリカへ行くなどというような連絡をよくして、それを打った証言者もたくさんいるわけです。そういう事実がありますが、いかがですか。
  266. シグ・片山

    ○片山証人(通訳) 横路さん、私は宣誓しているのであります。私のどの秘書あるいは元秘書にお話ししたか存じませんが、また、その秘書もそのときは宣誓してなかったと思います。先ほど申し上げましたように、過去五年間においては、ロッキードとの間にテレックスもなければ手紙のやりとりも何にもありません。国際電信電話でチェックしていただけばよくわかることだと思います。テレックスのことに関しては。また手紙のやりとりに関しては、もし手紙があるならば、これはアメリカの証券取引委員会の手元にあるはずでありますし、それがあるとしたならば、アメリカへ行かれた日本の検察局の方がそれを持って帰ってきたはずでありますし、したがいまして、国際電信電話またアメリカの証券取引委員会を通じて日本の検察、この二つのソースがありますので、私が偽りを申し上げているかどうかは、この二つのソースをチェックしていただければわかることだと思います。
  267. 横路孝弘

    ○横路委員 ロッキード日本支社からテレックスがあなたのところに届けられたことはございませんか。
  268. シグ・片山

    ○片山証人(通訳) 私の記憶ではそういう事実はありません。
  269. 横路孝弘

    ○横路委員 ライフル関係の記事について来たことがあるのじゃないですか。
  270. シグ・片山

    ○片山証人(通訳) それは覚えておりません。
  271. 横路孝弘

    ○横路委員 時間ですので、松浦さんに……。
  272. 田中伊三次

    田中委員長 松浦君。
  273. 松浦利尚

    ○松浦(利)委員 時間がありませんから、簡潔に質問をいたします。  その一つは、先ほど松永委員質問に答えて、ID社の領収証にサインをしたことについて、その領収証は、スイス在ロッキード社内の経理のためにサインしてほしいという要請があったからサインをしたのだ、こういう御答弁でしたが、間違いありませんね。
  274. シグ・片山

    ○片山証人(通訳) はい、そのとおりでございます。
  275. 松浦利尚

    ○松浦(利)委員 さらに、松永委員質問に答えまして、あなたは、エリオット氏が日本においてある金が使われるので内部的に領収証が必要になった、だから領収証を書いてくれ、こういうふうに言われたと御証言なさいましたが、これも間違いありませんね。
  276. シグ・片山

    ○片山証人(通訳) はい、そのとおりでございます。  もし、それに関して資料が御入り用ということでございましたら、アーサー・デービッドの方から資料を提出することができます。
  277. 松浦利尚

    ○松浦(利)委員 この二つの証言は、一つは香港で、一つはあなたが日本に証言をするため出席するときにエリオット氏に会って得だ内容ですか、後の方は。
  278. シグ・片山

    ○片山証人(通訳) 一つはというのは、どういう意味ですか。
  279. 松浦利尚

    ○松浦(利)委員 初め領収証にサインをするときに、スイス在のロッキード社の内部経理のために必要だからサインをしてほしいということをエリオット氏が言った、それで私はサインをしたのだ、こういうふうにあなたは証言をなさったわけです。さらに、あなたは後の質問に答えて、日本においてある金が使われるので内部的に領収証が必要になった、だからサインをしたのだ、こういうふうに、同じ質問に対して二つ御答弁をなさっておるのですね。それで、初めの方の証言は香港で聞いたこと、後段のやつは、日本に証言に来るためにアメリカでエリオット氏と打ち合わせてエリオット氏から聞かれたことですか、両方とも香港で聞かれたのですか、そのことについてお答えを願います。
  280. シグ・片山

    ○片山証人(通訳) 先ほどお話しいたしましたサインをしてほしいという要請は、香港でなされたものでございまして、ロサンゼルスでなされたものではありません。また、時期も一九七四年でございまして、一九七六年ではありません。
  281. 松浦利尚

    ○松浦(利)委員 これからぜひあなたに御協力をいただきたいと思うのですが、先ほど横路委員からも質問があったのですが、あなたのユナイテッド・スチール社についていろいろとわが国においてもこの問題に関連して意見が出されております。  そこで、お尋ねしますが、ユナイテッド・スチール社の自動販売機部門、ユニマットをあなたはある会社に売ろうとお考えになったことがありませんか。
  282. シグ・片山

    ○片山証人(通訳) 御指摘のとおりでございます。その会社アメリカにありますキャンティーン・コーポレーションという会社でございまして、自動販売機部門ではアメリカで第二番目に大きい会社でございます。  数年前のことですが、この会社が、ユナイテッド・スチールの自動販売機部門に関しての買い取りをするということで、私にアプローチをしたことがございました。
  283. 松浦利尚

    ○松浦(利)委員 そのときにあなたは、アーサー・アンダーソン会計事務所におたくの会社の会計検査を依頼をして、そのデータをキャンティーン社に提出をいたしましたか。
  284. シグ・片山

    ○片山証人(通訳) 御指摘のアーサー・アンダーソン社は、わが社の会計監査を過去五、六年やっております。そして、果たしてこのときに特別この目的のための監査を行ったかどうかは存じませんけれども、幾つか財務上の諸表をつくりまして、キャンティーン・コーポレーションに、キャンティーン・コーポレーションの考慮に付してもらうべく、提出したことがございます。
  285. 松浦利尚

    ○松浦(利)委員 そのときにキャンティーン社の方はなぜおたくの買収を中止したのか、その理由についてあなたは把握しておられますか。
  286. シグ・片山

    ○片山証人(通訳) 私の方が要求いたしました買い取り価格が余り高過ぎて、私が求めていた価格と向こうの考えとが合わなかったからであります。
  287. 松浦利尚

    ○松浦(利)委員 大体自動販売機というのは、現金で一台幾らぐらいしますか。
  288. シグ・片山

    ○片山証人(通訳) 私の考えでは、コーヒーの自動販売機、これは熱いコーヒーですけれども、それは約三十五万円、それからその冷たいものの場合には八十万円ぐらいだろうと思います。
  289. 松浦利尚

    ○松浦(利)委員 なぜそれをお聞きしたかというと、実は日本にあなたと一緒に事業を始めて、そしてあなたと別れていった二つの会社があります。シグ・片山さん、よく御存じだと思うのですが、これを年間二千台、一挙に資金手当てをするというのは、約十億近くの資金の調達が必要であります。その資金調達がどこからできたかというのは非常に疑問になっておりまして、実は少し長くなりますが、キャンティーン社とおたくの間に入った人たちの間で、どうもユニマット、ユナイテッド・スチール社は、これはうわさでありますが、外為法違反があるんじゃないか。それで買収を控えたという情報が私に入ってきておるんです。そういう点について、あなたはお聞きになったことはありませんか。また、日本の業界のそういう話は聞いたことありませんか。簡単に答えてください。
  290. シグ・片山

    ○片山証人(通訳) 松浦さんお答えいたします。  私どもが自動販売機を購入いたします場合には、手形でもって長期契約で購入いたしまして、支払いは四年から五年にかけてその期間にわたっていたします。ですから、そういう意味では支払いの問題はございません。すなわち、機械のメーカー側が四、五年にわたって支払いするファイナンシング、融資の方をするからでございます。ですから、実際の支払いは一台当たり、月当たり七千円ぐらいになりますので、御指摘の量だけを買うに当たってもそれほど大きな問題ではありません。そして、その資金はわれわれの会社の資金繰りの中から、キャッシュフローの中から支払ってまいります。  それから、外為法に関しての御指摘がございましたが、これは恐らく三菱との関連で言っておられるのではないかと思います。三菱商事との間で少々問題があったことがございました。すなわち、三菱商事は当初キャンティーン・コーポレーションによる買収のパートナーのはずでありましたけれども、彼らもその会社のコントロールを求めまして、それを私は提供するつもりがありませんでした。そのことと、それから私が売るに当たって求めた価格が高過ぎたために、キャンティーン社としては受け入れることができなかったということがあって、売ることが成立しなかったわけでございます。  外為法の違反の事例はありません。これは全くうわさだけであります。
  291. 松浦利尚

    ○松浦(利)委員 最後に一問だけお聞きをしておきますが、それでは私がなぜこれを質問したかと言いますと、実は一九六九年にあなたはロッキード航空機コーポレーションの極東地区顧問に就任をされ、そしておたくの会計が非常に複雑だ。内容的に資金の出どころがはっきりしない。ロッキード関係も含めて非常に不明確だ。  そこで、お願いですが、あなたの疑いを晴らす意味で、アーサー・アンダーソン・コーポレーションが、会計事務所がレポートしておるあなたの事務所の会計内容について、本委員会に、私だけでも結構ですが、いただくわけにはいきませんか。これは会計事務所の方から、あなたの了解を得れば渡せますという手紙が来ておりますので、この際、あなたにお願いをするわけです。
  292. シグ・片山

    ○片山証人(通訳) もし私の弁護士が同意いたしますれば、お渡しすることができます。
  293. 田中伊三次

    田中委員長 証人は八十分ごとに薬を飲みたいと申しており、証人が薬を飲むために、四時十分まで休憩します。     午後三時五十八分休憩      ————◇—————     午後四時十二分開議
  294. 田中伊三次

    田中委員長 それでは、再開します。  証人に対する発言を続行します。増本一彦君。
  295. 増本一彦

    増本委員 私は、まず最初に、片山さんの戦後の日本その他における略歴からお伺いをしていきたいと思います。  あなたは一九四六年から一九四九年まで在日国際連合軍に勤務をしていたと言われていますが、そのとおりですか。
  296. シグ・片山

    ○片山証人(通訳) はい、御指摘の期間アメリカ政府のために仕事をしておりました。
  297. 増本一彦

    増本委員 その期間占領軍の幕僚第二部、通称G2に所属をされて、日本における戦争犯罪人の追及や隠退蔵物資摘発などのCIDというセクションで仕事をされていたというように言われておりますが、そのとおりですか。
  298. シグ・片山

    ○片山証人(通訳) そうではございません。
  299. 増本一彦

    増本委員 それでは、その期間のお仕事を簡単におっしゃってください。
  300. シグ・片山

    ○片山証人(通訳) 私はGHQの経済及び科学部門に所属をしておりました。
  301. 増本一彦

    増本委員 現在、一九六八年以来ロッキード社の極東地域の顧問、そのほかにクウェート、エジプト、パプア・ニューギニアなどの顧問をしていると言われておりますが、そのとおりですか。
  302. シグ・片山

    ○片山証人(通訳) クウェート、エジプト、パプア・ニューギニアとおっしゃいましたのは、ロッキードに関連してでございますか、あるいはロッキードと別のことでおっしゃったのですか。
  303. 増本一彦

    増本委員 別かどうかわかりません。ただ、そういう肩書きをお持ちだということで……
  304. シグ・片山

    ○片山証人(通訳) 御指摘の地域に関しましては、ロッキードと全然つながりはありません。全く別のものでございまして、そのどれをとりましてもロッキードとのつながりはありません。
  305. 増本一彦

    増本委員 あなたは香港にしばしば行っておられるようですが、このロッキード事件で問題になっておりますディーク社極東支店を御存じですか。
  306. シグ・片山

    ○片山証人(通訳) ディーク社に関しましては、新聞で読んだことはございます。しかし、香港のディーク社ないしは世界のどこの場所におきましても、ディーク社を訪れたことはございません。
  307. 増本一彦

    増本委員 あなたのお答えですが、日本の捜査機関等が捜査をしたところによりますと、ディーク社からマニュファクチャラーズ・ハノーバートラスト銀行の東京支店の口座に百億円のお金が持ち込まれていて、この口座からあなたの会社であるID社へ向けて支払い依頼書が出されている。当然あなたは、ID社としてこのお金を受け取られていると思いますが、これはどんな趣旨のお金で、幾らあなたが受け取っておられるのですか。
  308. シグ・片山

    ○片山証人(通訳) その情報をどこで御入手になられたのか存じませんが、ID社としては、ディーク社からもあるいはマニュファクチャラーズ・ハノーバー・トラストからも、一セントたりとも、一円たりとも受け取っておりません。
  309. 増本一彦

    増本委員 あなたについては、これまでアメリカ中央情報局すなわちCIAの要員ではないかというように言われていることもあります。あなたはこのCIAと関係があるのではありませんか。
  310. シグ・片山

    ○片山証人(通訳) いま御指摘の情報源を伺いたいと思います。
  311. 増本一彦

    増本委員 では伺いますが、あなたは児玉譽士夫あるいは福田太郎、鬼俊良という日本でのロッキード疑獄事件に関与をしているというように言われている人たちとはお知り合いですか。そして、どんな関係でしょうか。
  312. シグ・片山

    ○片山証人(通訳) 児玉氏には私は会ったことがございません。鬼氏とは、いままでの十年間、五、六回パレスホテルの食堂で会ったことがございます。福田氏とは、いままでの十年間、やはり五、六回パレスホテルの食堂で会ったことがございます。
  313. 増本一彦

    増本委員 真相の究明が、あなたを含めて、事実を明らかにしていくであろうと思います。  時間の関係がありますので、では次に移ります。  あなたと丸紅との関係についてお伺いしますが、まず、あなたと丸紅の専務をしていた、暗号領収証を書いたと言われている大久保利春とは十五年ぐらい前からのお知り合いだというように報道されていますが、そのとおりですか。
  314. シグ・片山

    ○片山証人(通訳) 私が大久保氏に会いましたのは、大久保氏が朝日物産に入られたころからでございますので、恐らく十五年か二十年ぐらい前のことだろうと思います。はっきりとした期日は記憶しておりません。ただ、知っていたと申しましても、こんにちはとあいさつをするくらいの関係でございます。  その後合併が行われまして、東通になりましてから、大久保氏はやはりそこの専務であったと思います。そして、大久保氏と私の関係はやはりハロー、ハウアーユーぐらいの関係で、この関係を知り合いと呼ぶかどうかはわかりませんけれども、その程度の関係でございます。
  315. 増本一彦

    増本委員 ビル・モリさん、ウィリアムモリさん、このお二人はあなたとどういう御関係ですか。
  316. シグ・片山

    ○片山証人(通訳) ウィリアム・モリ氏と私とはいとこ同士でございまして、ウィリアム・モリ氏の父親と私の母親がきょうだいでございます。
  317. 増本一彦

    増本委員 ビルさんは。
  318. シグ・片山

    ○片山証人(通訳) ビルというのは、ウィリアムの別称というか、ニックネームですから、同じ人です。
  319. 増本一彦

    増本委員 この方が、いまお話をした大久保利春が社長をしていた東京インターナショナル・コマースの副社長をしておられたり、あるいは東通ニューヨーク支社の副社長をしている、こういう密接な関係にあったと思いますが、その点はいかがですか。
  320. シグ・片山

    ○片山証人(通訳) 恐らくそうだろうと思います。事実としてはっきり断言できるわけではありませんけれども、一人が社長で一人が副社長であれば、恐らくかなりお互いによく知り合っていたはずであろうと思います。
  321. 増本一彦

    増本委員 あなたは、現在丸紅の常務取締役をやっておられる上杉さんという方とは古くからのお知り合いではありませんか。
  322. シグ・片山

    ○片山証人(通訳) 上杉さんが浅野物産のマネジャーをしておられたころ、上杉さんにお会いいたしました。そのころ、上杉さんは、スチールとかそれからスクラップを扱っておられました。その後、浅野物産と朝日物産が東通と合併いたしまして、その東通のころ、上杉さんと私はビジネスをしていたことがあります。その後、東通が、何年前か厳密には覚えておりませんが、丸紅と合併いたしました。その後は、三、四カ月前にオーストラリアからのスクラップに関して一回お話をしたことがあります。
  323. 増本一彦

    増本委員 ロサンゼルスには、あなたのごきょうだいだと言われている方が、モリ・カタヤマ法律事務所というものを開設しておられて、ロッキードの顧問弁護士をされているというように伺っておりますが、この点いかがです。
  324. シグ・片山

    ○片山証人(通訳) ただいまの御指摘は正しくありません。彼らはロッキード社とは何の関係も持  っておりません。
  325. 増本一彦

    増本委員 あなたは年来大久保氏とあいさつをされる仲だとおっしゃいました。しかし、この大久保氏がウィリアム・モリ氏とも親しいし、ウィリアム・モリ氏自身はあなたと親族関係におありになるということから、丸紅とあなたとの関係はきわめて密接な関係にあったと思われますが、事実そのとおりではありませんでしたでしょうか。
  326. シグ・片山

    ○片山証人(通訳) ただいまの御想定は正しくありません。私の考えでは、東通が丸紅と合併いたしましたときに、モリ氏は追い出されたと思います。
  327. 増本一彦

    増本委員 この点も、事実のこれからの経過が黒白を決めると思います。  次の質問に移ります。あらかじめ、アメリカの上院多国籍小委員会が公表をしました資料のうち、あなたに関係のあるコンサルタント契約と、それから領収証のコピーがありますので、これをごらんになってください。——いまお渡ししたのは、コンサルタント契約書一通、それから合計六億一千百六万五千円に上る領収証八通のコピーです。この文書以外にロッキード社との間で契約書あるいは領収証やその他の文書はございませんか。
  328. シグ・片山

    ○片山証人(通訳) ここでもやはり私の記憶に頼らざるを得ませんが、ほかの取り決めというか契約書というのはないと思います。これはやはり私が記憶する限りということでございます。  それから署名に関してですが、最初二、三通の受取書、レシートにサインいたしまして、二回目は七、八通、九通であったかもわかりませんが、レシートに署名をいたしました。ですから、十枚ないし十一枚くらいのレシートがあるはずでございます。はっきり厳密な数は覚えておりませんし、またどこにあるかも存じません。
  329. 増本一彦

    増本委員 あなたは、一九七四年以前に領収証あるいは契約書その他の文書をロッキード社との間でやりとりをされたことはございますか。
  330. シグ・片山

    ○片山証人(通訳) いいえ、ありません。
  331. 増本一彦

    増本委員 あなたは先ほど、エリオット氏に頼まれて書かれた領収証はID社がやったもので、ID社自身は日本ともアメリカとも関係ない第三国の会社であって、だからおやりになった、こういうお話でしたが、このレシートを見てみますと、二十円の収入印紙が張ってある領収証には、そのほとんどにあなたのサインのような割り印が押してあります。これはあなたがなされたものですか。たとえば、私の出しましたコピーの百十三というところをごらんになってください。
  332. シグ・片山

    ○片山証人(通訳) どうも見ますところ、私のイニシアルのようでございます。
  333. 増本一彦

    増本委員 そうしますと、あなたがサインをされたときに、この領収証は日本で起こったことのために使われるものだということをあなたとしては認識をされていたと思いますが、どうですか。
  334. シグ・片山

    ○片山証人(通訳) エリオット氏が私に署名をするように要請をいたしましたときに、エリオット氏が私に伝えたところ、アドバイスしたところによりますと、これらの領収証、レシートというのは日本でなされた、ないしはその後なされるであろう出費をカバーするためのものであって、これはスイスにおける帳簿上の目的で必要であるということでありました。私、エリオット氏からの宣誓供述書を持っておりまして、その宣誓供述書によりましても、これらのレシート、領収証は日本でなされるであろう出費に関連したものであるということであります。
  335. 増本一彦

    増本委員 それでは、エリオット氏から宣誓供述書をもらわれるときに、あなたはあなたがお書きになった領収証のもとになっているお金がだれからだれに渡されたどういう性質のお金かということはお聞きになったはずだと思いますが、その点はいかがですか。
  336. シグ・片山

    ○片山証人(通訳) そのことは私から聞きませんでしたし、知りたくもありません。
  337. 増本一彦

    増本委員 私はそのことが実は、あなたもお金を渡されるなりあるいはロッキード日本への飛行機売り込み等に関与をしていたということの疑惑をもたらす当然の原因であると思いますし、あなたもそのことが疑惑を晴らされる上ではきわめて重要な問題だというように思うから質問をしたのですが、一度もその点についてはエリオット氏に問いただしもなさいませんでしたか。
  338. シグ・片山

    ○片山証人(通訳) その質問は私はエリオット氏にはいたしませんでした。エリオット氏の方から、この領収証は日本においてなされる出費に関連したものであり、また内部の経理上の目的のために必要なものであるということが言われていたからであります。何度これを申し上げなければならないのかわかりませんけれども、エリオット氏の方から、これは全く内部的なものである、内部の経理上の目的のために必要であって、そして日本においてなされた出費に関連するものであるということが言われたわけであり、それ以上にこちらの方からは質問いたしませんでした。
  339. 増本一彦

    増本委員 では続いて、この領収証が一九七四年のうちにつくられたというようにきょうあなたは証言をされましたけれども、これらの領収証のうちには日付がそれ以前のものがあるわけですね。日付の問題が、領収証を作成した日にちの問題、場所の問題がいまとの委員会でも問題になっていますし、これまでにもあなたをめぐる問題としては一つの大きな問題点でありました。その点について、いつどこでつくられたものかという点については、エリオット氏の宣誓供述書には書かれているのでしょうか。
  340. シグ・片山

    ○片山証人(通訳) エリオット氏の宣誓供述書によりますと、その要請は一九七四年になされたということが言及されておりますけれども、どこでということは書かれておりません。
  341. 増本一彦

    増本委員 あなたは、このエリオット氏の宣誓供述書のコピー等を当委員会に提出をしていただけますか。オリジナルでも結構です。
  342. シグ・片山

    ○片山証人(通訳) オリジナルをお渡しするわけにはまいりませんけれども、コピーであればお渡しする気持ちはございます。
  343. 増本一彦

    増本委員 あなたは一九七四にレシートをおつくりになったというように証言をされますけれどもロッキード社がアメリカの上院多国籍小委員会に提出をして二月十三日に公表された資料のコピーのうち、二百二十二番、二百二十三番と番号の打たれている文書を見ますと、ここにありますからごらんになってください——ロッキード・エアクラフト・インターナショナルAG、つまりジュネーブのロッキード社のオテアという人からアメリカロッキード本社にあてた通信文になっています。これには一九七三年五月十一日の日付けというように読めるわけですけれども、この中にすでにカタヤマ・エンタープライズからの六千万円の領収証を添付するという趣旨のことが書かれています。あなたは一九七三年五月十一日以前にすでにロッキード社と関係を持って、そして領収証等を発行されていたのではありませんか。
  344. シグ・片山

    ○片山証人(通訳) ただいまここにお示しになられましたのは、内部のメモのようでございます。そして日付は五月二十一日、一九七三年となっているようですけれども、七三の三のあたりははっきり読み取れません。  それから、それ以前にこちらにお示しになられましたレシートは、五月二十五日、一九七三年となっております。五月二十一日付のメモで、五月二十五日に出されたはずの領収証のことをどうやって言及できるか、私はそれが可能だとは思われません。  それから、カタヤマ・エンタープライズなどというのは、私の知る限りは存在いたしません。私はカタヤマ・エンタープライズなどというものに関しては知りません。  それから、このメモを見ましても、これが何のことやら、これは内部のメモのようでありますし、私にはわかりません。私はロッキード内部のことに関しては存じません。
  345. 増本一彦

    増本委員 あなたは、それではそこに出ているミスター・オテアという人は御存じですか。
  346. シグ・片山

    ○片山証人(通訳) いいえ、存じません。
  347. 増本一彦

    増本委員 これはロッキードのジュネーブで業務上作成された文書です。ですから、それであなたがオテア氏も知らないということになれば、これは業務上の通常の形態で作成された中にあなたのお名前が出てくるということですから、当然七三年の五月以前にもロッキード社との間にあなたが関係があったということを十分に立証できるものと思いますが、いかがですか。
  348. シグ・片山

    ○片山証人(通訳) 私、前に申しましたように、六〇年代の初頭からロッキード関係者とは友人でありました。そして、彼らはそのカタヤマ・エンタープライズという名前をここで使ったようですけれども、それに関しては、私の知る限りカタヤマ・エンタープライズというものはありませんし、これは私がつくったものではありません。そして、ここで私の名前を内部のメモの目的のために使ったのでありましょうが、これは私の想像の域を出ないことで、想像をしたくはないと思います。これ以上は言えません。  それから、その日付に関してですけれども、先ほど申し上げましたように、実際の領収証の日付が書かれる四日前にその領収証に関してのことを内部メモで言及するということなどは可能ではないと思います。そうすれば、この領収証の方の日付が事前に書かれていた、プリデートされていたということか何かでありましょう。その御想像がもしかすれば正しいのかもわかりませんけれども、私に関する限りはそうだとは考えられませんし、正しくないと思います。
  349. 増本一彦

    増本委員 しかし、あなたは先ほどID社というのは一九七三年の七月にケイマン島で設立をされた。ですから、ID社が設立をされる以前は、カタヤマ・エンタープライズというそういう名称でロッキードその他の関係で事業をされていたというように、十分にこれは成り立つと思いますが、そういうことだったのではありませんか。  それからもう一つ、あなた自身は一九七三年に日本の法人であるウエナス・インターナショナル・ジャパン社のラデン・チュチュ・スタルディーさんというインドネシアの方に五千ドルを渡してトライスターの売り込み工作にインドネシアに行ってもらったというようなことを新聞記者等にもお話をなさっているというような事実から見ますと、七三年にも、一九七四年以前にロッキードとの関係できわめて親密なコンサルタントとしての活動をされていたということになると思いますが、どうでしょう。
  350. シグ・片山

    ○片山証人(通訳) まず御質問の前半の部分、第一点についてお答えしたいと思いますが、私はカタヤマ・エンタープライズなどという会社は設立しておりません。これは事実でございまして、私が設立していないというのは事実でございます。もしほかの人がカタヤマ・エンタープライズというのを設立したとすれば、私が知らないところで設立したのでありましょう。  それから、再びここで申し上げたいと思いますが、私は宣誓した上で証言を行っております。ですから、いま申し上げているのは事実であり、カタヤマ・エンタープライズなどというのは私は設立しておりません。もし私が設立したのであれば知っているはずでありましょうし、そのことを私は存じません。
  351. 増本一彦

    増本委員 もう一問残っていますから、それだけ答えていただいて……。
  352. シグ・片山

    ○片山証人(通訳) 私がスタルディー氏に渡しました資金、渡されたのは一九七四年でございまして、七三年ではありません。
  353. 増本一彦

    増本委員 これで終わります。あと一つ。  あなたにとって非常に不思議なことは、日本にしばしばいらっしゃるエリオット氏とあなたがなぜ香港まで行ってにせの領収証をつくったのかという点です。
  354. シグ・片山

    ○片山証人(通訳) 一九七三年六月にケイマン島籍の海外在籍企業を設立いたしましたときに、私の弁護士が何度も何度も次のことを強調いたしました。すなわち、所得税の関係、またその他関連の法律関係で、すべての事柄は第三国で行わなければならない、活動は第三国で行わなければたらないということでした。すなわち日本外、またアメリカ国外ということでした。そのためにすべての交渉、また契約書とか領収証の署名というのも第三国で行われたわけでございます。
  355. 増本一彦

    増本委員 ケイマン島から見たら日本だって第三国じゃないですか。あなたのお答えはお答えにならないんじゃないですか。
  356. シグ・片山

    ○片山証人(通訳) いまの御解釈は正しくないと思います。日本ないしはアメリカ内でビジネスをするという観点から考えますと、第三国、海外、オフショアというのは日本ないしは米国外ということであって、そういう意味での私の解釈の方が正しいと思います。
  357. 増本一彦

    増本委員 それでは、時間ですから、終わります。
  358. 田中伊三次

    田中委員長 それでは、坂井弘一君。
  359. 坂井弘一

    ○坂井委員 八枚の領収証を一九七四年にあなたがサインをして渡されたということでございますが、二回にわたっておりますので、第一回目と二回目、これは相当な期間を置いてお書きになったのか、どれぐらいの期間をあけられたかについて、まずお答えいただきたいと思います。
  360. シグ・片山

    ○片山証人(通訳) 三カ月から六カ月の間であります。
  361. 坂井弘一

    ○坂井委員 それでは、その八枚の領収証に対します報酬金について伺いますが、この報酬金の領収証は、報酬金を受け取った日に領収証を発行されたのでしょうか。
  362. シグ・片山

    ○片山証人(通訳) 第一回目はそうでありませんでしたが、第二回目はそうでありました。同じときです。
  363. 坂井弘一

    ○坂井委員 一回目は別々ですね。二回目は同日。そうしますと、第一回目の領収証は一九七四年の何月ごろでしょうか。及びそれは香港のどこでお書きになり、渡されたのでしょうか。
  364. シグ・片山

    ○片山証人(通訳) 先ほども申し上げましたように、最初のときは一九七四年の前半でありました。そしてその日にちに関しては、日本政府の当局の方がこれをコンファームしていると思います。  場所に関しては、先ほどの先生に申し上げたように、これは香港のマンダリンホテルのエリオット氏の部屋においてサインしたものであります。
  365. 坂井弘一

    ○坂井委員 二回目の報酬金に対する領収は相当時日を置いてお出しになったのでしょうか。
  366. シグ・片山

    ○片山証人(通訳) 私は毎年少なくとも二、三カ月はアメリカに帰るのでありますが、これは大体六、七、八月ごろであります。したがいまして、この期間は私は日本にいたことがないと言っていいのであります。したがいまして、それに基づいて、私は最初の領収証のサインをした時期と二回目の時期とのギャップが相当あったという、その大体三カ月から六カ月ということを申し上げましたが、そこから割り出したのであります。したがいまして、二回目は夏の終わりごろかそれ以後になるというふうに私は記憶するのであります。
  367. 坂井弘一

    ○坂井委員 では、その領収を証明するようなもの、つまり控えのようなものをあなたは保管されていますか。
  368. シグ・片山

    ○片山証人(通訳) 私はコピーも記録も持っておりません。しかし、アメリカにいらっしゃるエリオット氏にお聞きになれば、そちらの方からあるいはそういうものが出るのではないかと思います。
  369. 坂井弘一

    ○坂井委員 それが保管されてあるとすれば、当委員会に提出を願えるでしょうか。
  370. シグ・片山

    ○片山証人(通訳) 提出はどなたがどこから提出されるのですか。
  371. 坂井弘一

    ○坂井委員 あなたのその領収を証する控えと、私は前段お断りをいたしました。つまり、そのようなものがあなたの手元に保管されているかどうかということであります。
  372. シグ・片山

    ○片山証人(通訳) そのコピーは私は持っておりません。
  373. 坂井弘一

    ○坂井委員 では、その報酬金を先ほどアメリカに送ったと、こうお答えになったのでありますが、米ドルのその送金方法、及びアメリカに送ったとするならばアメリカのどこの銀行に送られたのか、銀行名を明らかにしていただきたいと思います。
  374. シグ・片山

    ○片山証人(通訳) いまの御質問に対する返事は、私は弁護士と相談した上で御返事いたしたいと思います。
  375. 坂井弘一

    ○坂井委員 その相談はいつされて、いつお答えいただけるのでしょうか。
  376. シグ・片山

    ○片山証人(通訳) もしその弁護士がここにおれば、いまでも結構です。
  377. 田中伊三次

    田中委員長 通訳に申し上げますが、この証言は答えてもらわなければならぬ。答えてください。むずかしいことはありません。
  378. シグ・片山

    ○片山証人(通訳) ロサンゼルスにありますスミトモバンク・オブ・カリフォルニアに送られました。
  379. 坂井弘一

    ○坂井委員 カリフォルニア住友に送金をされた、それを証するものを当委員会に提出をしていただけないでしょうか。
  380. シグ・片山

    ○片山証人(通訳) この金は香港からカリフォルニアのロサンゼルスに送金されたわけでありまして、したがいまして、アメリカにある以上はアメリカ法律の管轄になるわけであります。したがいまして、いまの御質問に対する返事は、私のアメリカにおります弁護士と相談の上御回答をさせていただきたいのでありますが、もしその弁護士がよろしいと言えば、もちろん御回答いたします。
  381. 坂井弘一

    ○坂井委員 コンサルタント契約……
  382. 田中伊三次

    田中委員長 坂井君、坂井君、ちょっと待って。  アメリカの弁護士に相談をせずにここで答えをしてください。心配することは何もありません。アメリカの弁護士に相談をしないで、ここで決心ができませんか。ここで決心ができないか。
  383. シグ・片山

    ○片山証人(通訳) 委員長に申し上げます。  私は別に異存がありませんが、私のアメリカの弁護士の方から異存があるかもしれません。
  384. 田中伊三次

    田中委員長 それでは、御本人に異論がなければ、提出を約束してください。
  385. 坂井弘一

    ○坂井委員 ロッキード社とID社のコンサルタント契約がございますが、そのコンサルタント契約に基づく日本国内におけるID社の報酬というものは、先ほどから議論のありますこの八枚の空領収とは別に、基本契約に基づく日本国内におけるID社の活動としての報酬はございますか。
  386. シグ・片山

    ○片山証人(通訳) そういうことはございません。もうロッキードはすでに非常に大きな会社である丸紅というコンサルタントを持っておりますし、またミスター児玉という方もおられます。私の日本における影響力というのは非常に微々たるものでありまして、ID社は日本においてロッキードのために何の活躍、活動もいたしておりません。
  387. 坂井弘一

    ○坂井委員 チャーチ委員会におけるコーチャン氏の証言では、ID社はロッキード社のために思いのままに動く会社で、われわれが話している政治的な事柄の一部をやってきた、こう明確に証言されているわけでありますが、一体ID社が行った政治的な事柄とは、具体的にどういう内容を意味するのか、お答えをいただきたいと思います。
  388. シグ・片山

    ○片山証人(通訳) 私はコーチャン氏の証言を一回しか読んでおりませんが、私の記憶では、そういうステートメントは、コーチャン氏はチャーチ上院議員にもパーシー上院議員にもしておりません。私は日本においてロッキードのために政治的あるいは経済的あるいはほかの分野での活動を何にもいたしておりません。しかし、チェックいたします。
  389. 坂井弘一

    ○坂井委員 では、具体的にカタヤマ・エンタープライズのことについてお尋ねをしたいと思いますが、先ほどあなたがお答えになりましたように、カタヤマ・エンタープライズというのは、これは会社名ではありません。関係の資料をごらんになったかと思いますが、カタヤマ・エンタープライズのEは大文字でございまして、これは片山系企業を意味する、つまり片山氏個人、あなた個人を強調する意味でこのようなカタヤマ・エンタープライズのつづりになっておる、こう私は理解しておるのですが、あなた、ごらんになりましたならば——ごらんになっておると思いますが、片山氏個人を指すと、こうあなたも受け取られていますか。
  390. シグ・片山

    ○片山証人(通訳) このエンタープライズのEが小文字であった方が私は適当だと思います。また、社内メモでカタヤマ・エンタープライズという名前が出てくるわけでありますが、ここのメモの中には、社内メモでエンタープライズという言葉を使わないで、呼び捨てで、ただカタヤマだけにしてもよかったのではないかと思います。
  391. 坂井弘一

    ○坂井委員 ここにロッキード社とロッキード・エアクラフト・インターナショナルAGとの交信録の実は一部分がございまして、この中にカタヤマ・エンタープライズと、こう出てくるわけでございますけれども、議論を進めます上から、一応資料を渡して確認していきたいと思います。お許しいただきます。——実は、この内容を見ますと、概略こうなります。要約いたしますと、次の書類を同封する。二つございます。一つ、カタヤマ・エンタープライズからの六千万円の領収証、二つ、われわれの口座から四回にわたり計二十二万六千四百十五ドルが引き出されたことを示す振り出し通知書、これらはいずれもそちらに請求するまで——そちらというのはロッキード社ですね——裏勘定に入れておく、何事もトライスターの市場開拓推進のため、こうあるわけであります。  いま申しましたようなことがナンバー1に記載されておりますが、そのとおりかどうか、まず御確認だけいただきたいと思います。イエスかノーで結構です。
  392. シグ・片山

    ○片山証人(通訳) 基本的にはそのとおりである、正しいと思います。
  393. 坂井弘一

    ○坂井委員 それでは、私が符号を打ちましたナンバー2をごらんください。  これは一九七三年五月二十五日付発行の六千万円の領収証であります。この日付につきましては、あなたが記入をされたものです。なお、収入印紙のこのサインもあなたのサインです。間違っておったら、後で訂正してください。さらにロッキード・エアクラフト・コーポレーション、これもあなたが書かれたものです。  断定的に申し上げましたが、以上間違いございませんか。
  394. シグ・片山

    ○片山証人(通訳) そのとおりであります。
  395. 坂井弘一

    ○坂井委員 さて、最初に申しました、つまり、ナンバー1の一番最初に確認いただきました七三年五月十一日付の交信録、この中の第一項目のカタヤマ・エンタープライズからの六千万円の領収証と、それからいま確認いただきました、あなたがサインされましたところのナンバー2の領収証、日付が食い違っております。しかし、金額は同じであります。この二つの領収証をごらんになりまして、あなた自身どうお感じになりますか。大変おかしいな、これはこういうつながりがあるんじゃなかろうかなというような感じを恐らく持たれると思いますので、率直にひとつお述べいただきたいと思います。
  396. シグ・片山

    ○片山証人(通訳) 私はスペキュレーション、想像はしたくないのでありますが、いまこの書類、コピーの第五ページをごらんになりますと、これれは支払い要求のものでありまして、金額は二十二万六千四百十五ドル、その日付は一九七四年六月二十八日となっております。しかし、そのコピーの第一ページを見ますと、この日付は一九七三年五月三十一日となっております。すなわち、この二つの書類の間に約一年のギャップがあるわけであります。したがいまして、フロントページの七三年のこの手紙に、どうやって約一年後の日付のついた支払い請求を結びつける、一緒にすることができるか、私も不思議に思うのでありますが、これは私の全くのスペキュレーションにすぎないのでありまして、それしかできないのであります。  この支払いの要求は一九七四年六月二十七日となっておりまして、そしてこのチェックは六月二十八日、翌日に必要というふうに書いてありますが、この日付のギャップですね。この書類でありますが、リクエストデート、小切手の要求日付は六月二十七日、金額の必要とする日付は六月二十八日となっております。この二つの文書にこれだけ一年近いギャップがあるということは私も非常に不思議に思いますし、スペキュレーションは行いたくありませんが、先生がそういう御質問をなさるので、一応スペキュレーションとしていまお答え申し上げる次第であります。
  397. 坂井弘一

    ○坂井委員 実は七三年の十二月十七日になりましてから、ロッキード・エアクラフト・インターナショナルAGが二十二万六千四百十五ドルをロッキード社に請求いたしまして、翌年六月になってアメリカ銀行を通じて受け取っておるという推移になっております。つまり、一九七二年一月、ロッキード社の販売部門であるロッキード・カリフォルニア・カンパニーとロッキード・エアクラフト・インターナショナルAGが契約した第一次改定に基づき、一九七三年一月一日から五月三十日の間の技術援助、市場開拓費用として請求する、こうなっておりまして、このことはID社がロッキード側の依頼で書いた領収証の六千万円というこの金がロッキード・エアクラフトーインターナショナルAG、この契約に基づきまして日本で使われていた、こういうことになることを意味しておる、こう判断するわけであります。  以上のことにつきましては、お答えは結構といたしまして、さて、ナンバー2の、あなたがお書きになった、サインされました四十八年五月二十五日付の六千万の領収証、これはいつ、どこでお書きになりましたか。
  398. シグ・片山

    ○片山証人(通訳) 坂井先生、これは一九七四年にサインしたものであります。これは一九七四年の前半であったかもしれませんし、後半であったかも一しれません。  サインした場所は、先ほど申し上げましたように、香港のマンダリンホテルのエリオットさんの部屋でサインしたものであります。
  399. 坂井弘一

    ○坂井委員 この領収証の日付につきましては、エリオット氏が指定した日にちをあなたがお書きになったということですか。
  400. シグ・片山

    ○片山証人(通訳) そうであります。すべての日付に関してそうであります。そして、彼の要請で、そのペンで書いた日付は、彼の要請で彼の指示に従って私が書いたものであります。
  401. 坂井弘一

    ○坂井委員 六千万円の金額につきましては、すでにタイプされておりましたか、いませんでしたか。
  402. シグ・片山

    ○片山証人(通訳) 私の記憶によりますと、入っておりました。
  403. 坂井弘一

    ○坂井委員 いま一つ確認をしておきたいと思いますが、一九七四年六月十八日の領収証を見ますと、ロッキード・インタナショルは、これはタイプになっておりまして、ここにAGと手書きがしてありますが、このAGの手書きは、あなたが記入されたものでしょうか。ちょっと渡して。——
  404. シグ・片山

    ○片山証人(通訳) これは私の字ではありません。私の書いたのではありません。
  405. 坂井弘一

    ○坂井委員 あなたは今回日本においでになる前に、証言要請とあって米国証券取引委員会に出られましたか。その際、出て証言をされたとするならば、いかなる証言をされたかについて、あわせて伺いたいと思います。
  406. シグ・片山

    ○片山証人(通訳) 私は五月二十四日、二十五日にワシントンに向かったのでありますが、私は五月十八日にロスを出発したのでありますが、そしてセントルイス、シカゴ経由でワシントンに行く予定にしておりました。しかし、シカゴに到着したときに、私の弁護士から電話連絡を受けまして、証券取引委員会での私の証言予定がキャンセルされた、延期されたという電話でありました。そして今度は一九七六年七月十二日、この日に証券取引委員会で私は証言することになっておるわけであります。
  407. 坂井弘一

    ○坂井委員 一問だけお許しください。今回来日されてあなたがお会いになりました日本政治家、それから政府役人、名前をひとつ挙げてください。
  408. シグ・片山

    ○片山証人(通訳) 皆さんだけです。
  409. 田中伊三次

    田中委員長 永末英一君。
  410. 永末英一

    ○永末委員 先ほど片山さんはエリオット氏からの宣誓供述書をもらい、それを本委員会に提出されることを約束されました。その宣誓供述書を取りに行かれたときにエリオット氏が、日本へ行ったら大久保利春さんの新しい家を見ていらっしゃいと言われたと伝えられておりますが、真実ですか。
  411. シグ・片山

    ○片山証人(通訳) はい、そのとおりです。
  412. 永末英一

    ○永末委員 それはどういう意味だとお受け取りになりましたか。
  413. シグ・片山

    ○片山証人(通訳) ここでも私、想像をめぐらしたくございません。
  414. 永末英一

    ○永末委員 その意味についてエリオット氏にた、だしましたか。
  415. シグ・片山

    ○片山証人(通訳) はい。
  416. 永末英一

    ○永末委員 エリオットはその意味についてあなたにどう説明をいたしましたか。
  417. シグ・片山

    ○片山証人(通訳) ただ大久保さんの家に行って家を見ろと言っただけです。
  418. 永末英一

    ○永末委員 それ以上のことは何も申さなかったのですか。
  419. シグ・片山

    ○片山証人(通訳) エリオット氏は大久保さんの家に行って家を見ろと二、三回繰り返しただけで、何もそれ以上聞くな、ただ行って見てみろと言っただけでした。
  420. 永末英一

    ○永末委員 それほど、二、三回もエリオット氏が繰り返したのでございますから、今回の事件についてあなたと大久保氏とが共通の立場にあるということをエリオット氏が言っておると私は判断しますが、あなたはどう思われますか。
  421. シグ・片山

    ○片山証人(通訳) いま言われたのはいまの方の御意見であって、個人の御意見をお持ちになることは当然のことでございましょう。私はそれに対してコメントは控えたいと思います。
  422. 永末英一

    ○永末委員 あなたは先ほどトム・パロー氏の宣誓供述書を持ってきたとおっしゃいましたが、お持ちですか。
  423. シグ・片山

    ○片山証人(通訳) はい、持っております。
  424. 永末英一

    ○永末委員 その宣誓供述書の要点は何ですか。
  425. シグ・片山

    ○片山証人(通訳) これはロッキード社からID社に支払われました金額の厳密な金額を確認し、それを繰り返すという意味で書かれたものでありまして、この中で彼はロッキード社からID社に支払われた額は七万二千百五十二ドル五十一セントであるということと、これらの金額はすべて香港で支払われたということを述べております。基本的に申しまして、この宣誓供述書の言っている要点はこういうことでございます。  もし御希望であれば、お渡しすることができますが……。
  426. 永末英一

    ○永末委員 その宣誓供述書を当委員会へ提出されることを望みます。  あなたはトム・パロー氏と初めて会われたのですか、それとも以前からお知り合いでしたか、以前からお知り合いなら、いつからお知り合いですか。
  427. シグ・片山

    ○片山証人(通訳) 私がトム・パロー氏に初めて会いましたのは六〇年代の初頭でございます。これはもともとシアトルにありますロッキードの造船施設を利用して船舶のスクラッピングの仕事をしていたときに端を発した知り合いであります。
  428. 永末英一

    ○永末委員 あなたはトム・パロー氏と一九七二年、三年、会われた御経験がございますか。
  429. シグ・片山

    ○片山証人(通訳) 私、パロー氏とは三、四回会いました。具体的にいっと述べることはできませんが、記憶に頼りましても七二年、七三年に会ったかどうかは覚えておりません。
  430. 永末英一

    ○永末委員 パロー氏はクレジット・スイスが発行いたしました持参人払い小切手をスイスから極東に向けて持参をいたした人でございまして、あなたはパロー氏とお会いしたときにそんな話をされた経験がございますか。
  431. シグ・片山

    ○片山証人(通訳) その件に関しては新聞で読みました。
  432. 永末英一

    ○永末委員 その新聞はいつごろ読まれた新聞ですか。
  433. シグ・片山

    ○片山証人(通訳) ことしの二月以降、二月、三月、四月、五月のいつかであったはずだろうと思います。
  434. 永末英一

    ○永末委員 今度パロー氏と会われたときに、あなたの発行せられました領収証とパロー氏が紛失したと伝えられる持参人払い小切手との関係はあなたは聞かなかったのですか。
  435. シグ・片山

    ○片山証人(通訳) 私はパロー氏とは会っておりません。また、少なくともここ三、四年ぐらいはパロー氏とは会っておりません。先ほど申しました宣誓供述書は、郵便を通じて入手したものでございます。
  436. 永末英一

    ○永末委員 あなたはクラッター氏に宣誓供述書を求めましたか。
  437. シグ・片山

    ○片山証人(通訳) はい。
  438. 永末英一

    ○永末委員 それを持ってきておられますか。
  439. シグ・片山

    ○片山証人(通訳) はい、持っております。
  440. 永末英一

    ○永末委員 その要点は何ですか。
  441. シグ・片山

    ○片山証人(通訳) このクラッター氏の宣誓供述書の中には、クラッター氏ないしはロッキード・エアクラフト・コーポレーションともにID社ないしは私自身、これはシグ・片山でございますが、に要請してロッキード社にかわり日本の中のだれかないしはほかのところにいるだれかに対して資金をチャンネルしたりあるいはトランスファーしたり、移転、手渡したりあるいはターンオーバーしたりすることを要請していないということです。この供述書をお渡しいたします。
  442. 永末英一

    ○永末委員 クラッター氏の宣誓供述書は当委員会へ提出を願います。  コーチャン元社長に対してあなたは宣誓供述書を要求されましたか。
  443. シグ・片山

    ○片山証人(通訳) はい。
  444. 永末英一

    ○永末委員 コーチャン氏はあなたに宣誓供述書を渡しましたか。
  445. シグ・片山

    ○片山証人(通訳) いいえ。
  446. 永末英一

    ○永末委員 なぜ渡さなかったのか、理由を伺いたい。
  447. シグ・片山

    ○片山証人(通訳) コーチャン氏の弁護士から私に電話がかかってまいりまして、その弁護士の言うところによりますと、コーチャン氏がその弁護士にインストラクトして、指令をして、私に次のように言うようにということでございました。  すなわち、コーチャン氏は世界じゅうの非常に多くのいろいろな営業、オペレーションを担当しておりまして、それに対してクラッター氏、エリオット氏、パロー氏が極東の部門を担当する者として宣誓供述書を出すからということでありました。これら三氏はそのいわば現場にかかわった人でありますし、極東地域、具体的には日本に関しての責任を担っていた人であるということでした。この理由のためにこの三人から宣誓供述書が出されるであろうから、それでロッキード問題に関連しての私の立場を裏づけるに十分であろうということでした。
  448. 永末英一

    ○永末委員 コーチャン氏が来日されたときに、あなたはコーチャン氏に会われましたね。
  449. シグ・片山

    ○片山証人(通訳) いつのコーチャン氏の来日のことを言っておられるんでしょうか。
  450. 永末英一

    ○永末委員 七二年ないし七四年。
  451. シグ・片山

    ○片山証人(通訳) はい。
  452. 永末英一

    ○永末委員 今回の事件は、コーチャン氏のアメリカ上院多国籍企業委員会における証言が重要な発端でございました。だとしますと、しかもあなたは、日本でこの事件のためにコーチャン氏が来日したときに会われておるとしますと、コーチャン氏の宣誓供述書はあなたの立場を証明するために重要なものだと私は思います。これがもらえなかったというのは、あなたは残念だと思っておられますか。
  453. シグ・片山

    ○片山証人(通訳) もし入手できていればそれで助けになったであろうとは思いますが、この際、絶対必要なものだとは考えません。いままでに入手できたもので私の立場を支持するのに十分なデータはあると思います。ですから、この際、絶対必要不可欠なものであったとは考えません。
  454. 永末英一

    ○永末委員 領収証のことについて伺いますが、先ほどあなたが消すサインをされました収入印紙は、だれが張ったのですか。すでに張っておったのですか、その場でだれかが張ったのですか。
  455. シグ・片山

    ○片山証人(通訳) 私、その収入印紙、だれが張ったのかは存じませんけれども、明らかにすでに領収証に張ってあったのだと思います。私がその上にイニシアルを書いたからには、そのときには張ってあったのだと思います。
  456. 永末英一

    ○永末委員 領収証に収入印紙が張ってあったものは、必ずあなたはイニシアルを書き入れたと記憶しておられますか。
  457. シグ・片山

    ○片山証人(通訳) はい、そうだと考えます。
  458. 永末英一

    ○永末委員 提出せられておる八枚の領収証の中で、二枚は収入印紙が張ってあるがイニシアルがない、これは後で張ったものだとあなたは思いますか。
  459. シグ・片山

    ○片山証人(通訳) わかりません。しかし、明らかに私がサインをしたときには収入印紙は張ってなかったんじゃないかと思います。張ってあれば、恐らく私はイニシアルを書いたであろうと思います。
  460. 永末英一

    ○永末委員 スタンプと領収証の形式だけでも三形式あるのでありますが、先ほどあなたは、二回に分けてサインをした、そして合計十一、二枚になる。アメリカ外交委員会がわれわれに送付いたしました資料の中では、八枚が領収証として使われておる、したがって、あなたは署名はされたが使っていない領収証もあると了解してよろしいですね。
  461. シグ・片山

    ○片山証人(通訳) 大変あり得ることだと思います。
  462. 永末英一

    ○永末委員 二回に分けて領収証が出たと言われましたが、調べてみますと、五種類の領収証に、この八枚を仕分けると、なるわけでございまして、しかし、あなたが領収証を出されたときには一回には同じ行為をやる。たとえばあて名にロッキードと書けば手書きでロッキードと全部書く、ロッキード・エアクラフトと書けばロッキード・エアクラフトと書く、このように思いますが、一回で違った行為をやられた記憶がございますか、どうですか。
  463. シグ・片山

    ○片山証人(通訳) その領収証の署名に関してですけれども、先ほど申し上げましたように、二回に分けて署名いたしました。そしてそれをレビューしてみますと、見返してみますと、御指摘のように、あるものにはロッキードと書かれ、あるものにはロッキード・エアクラフト・インターナショナルと書かれており、またあるものはそういうものは書かれていない、ブランクであるということであるかもわかりません。私が知る限りは、書かれていることに関しては、私がやった、私が責任を負うことだと思います。
  464. 永末英一

    ○永末委員 ——片山さん、いまあなたにお渡しいたしましたのは、あなたの手で書かれたと先ほど申された領収証の三つの種類でございますが、それは同日に分けて書かれたのか、三回に分けて書かれたのか、いずれでしょう。
  465. シグ・片山

    ○片山証人(通訳) 私が領収証にサインをいたしましたのは二回だけであります。二回に分けてだけでございますので、いずれにしても第一回目にやったか第二回目に署名したかで、第三回目というのはありませんでした。
  466. 永末英一

    ○永末委員 二回でございますと、ある場合にロッキードと書いて終わるもの、それからその次にはロッキード・エアクラフトまで書かれたものというように、人間の行為というのは、心理学的に言いますと、同一のときには同一の行為をするものだと私は承知しておりますが、明らかにそこに三つあるわけですね。これは、あなた、どっちかがどっちかになっておるのか、判断がつきますか。
  467. シグ・片山

    ○片山証人(通訳) 御自身の御意見をお持ちになるのは当然のことでございましょうし、心理学的な御高説も伺います。しかし、私が署名をしたのは二回だけでございます。心理学博士でいらっしゃるかもわかりませんけれども、しかし、事実としては私が署名をしたのは二回だけでございます。また、先ほども申しましたように、私は宣誓してここにいるのでございますし、二回だと申し上げたのは事実です。
  468. 永末英一

    ○永末委員 ——コンサルタント契約をいま片山氏にお見せいたしましたが、その署名者はエリオット氏ですか。
  469. シグ・片山

    ○片山証人(通訳) はい、そうです。
  470. 永末英一

    ○永末委員 あなたの署名された頭に、遊び印、判、スタンプが一つ押してありますね。それはすでに押されておったものですね。
  471. シグ・片山

    ○片山証人(通訳) そうではありません。
  472. 永末英一

    ○永末委員 その判の上にあなたがあなたのイニシャル・サインを行われましたか、どうですか。
  473. シグ・片山

    ○片山証人(通訳) すでに押されていたものではないということです。
  474. 永末英一

    ○永末委員 あなたがサインされた後であなたの知らないうちに押された、こういうことですか。
  475. シグ・片山

    ○片山証人(通訳) 御指摘のスタンプ、遊び印に関してでございますが、朝日新聞社の新聞記者の方が発見なさったところによりますと、この判は一九七四年九月に購入されたということのようであります。これは普通とは違うちょっと変わったスタンプですので、こういうことを探し出されたということです。そういうわけで、この判は契約書に署名がなされた後押されたものと考えます。
  476. 永末英一

    ○永末委員 契約書でございますから、片一方、もう一通あなたがお持ちですね。
  477. シグ・片山

    ○片山証人(通訳) いいえ。
  478. 永末英一

    ○永末委員 ID社のプレジデントとしての御署名をしておられるのですが、ID社にはその契約書は不必要なんでしょうか。
  479. シグ・片山

    ○片山証人(通訳) エリオット氏がオリジナル、それからコピー、両方を所有しておりまして、ID社ないし私もそれは所有しておりません。
  480. 永末英一

    ○永末委員 契約書をおつくりになったのは、ID社が契約に基づいてロッキード社から金を領収するということの証明だと思います。ID社の経理上、これだけの領収証を発行して、それがID社の帳簿に経理として処理されておるのですか。
  481. シグ・片山

    ○片山証人(通訳) 七万二千百五十ドルの収入はID社の帳簿上、ID社への収入といった形で記録されております。
  482. 永末英一

    ○永末委員 この八枚の領収証全体については記入されておりませんか。
  483. シグ・片山

    ○片山証人(通訳) いいえ、記録しておりません。
  484. 永末英一

    ○永末委員 ID社の会計監査というのはおるのですか。
  485. シグ・片山

    ○片山証人(通訳) 現在その監査を受けている最中でありまして、監査に回している最中でありまして、その監査の結果のステートメントが七四年、七五年に関して近く入手できることになっております。
  486. 永末英一

    ○永末委員 それができましたら本委員会に提出願えますね。  それから、近くとはいつですか。
  487. シグ・片山

    ○片山証人(通訳) はい、喜んで本委員会に提出したいと存じます。しかしながら、ケイマン島には二千社ぐらいの、全世界的な銀行とか日本の銀行も含めて二千社ぐらいありますし、また千五百ぐらいの外国系の企業また海運会社どもございます。それに比べて会計監査をする会社は一社しかありません。それで公認会計士、CPAにその監査の依頼の要請をしております。その監査依頼要請は、私の弁護士を通じて三月か四月に出されたと思います。  それで、どのくらい時間がかかるかということは申し上げることはできませんが、私の推測では、三、四カ月ぐらいかかるのではないかと思います。
  488. 永末英一

    ○永末委員 先ほどあなたがこの領収証を書いたことによって得た報酬七万二千百五十二ドル五十一セントは記帳してあると言われた。しかし、現実には七四年の遅くにあなたは米ドル現金でエリオット氏からこの金を入手しているはずであって、そのときにこのきっちりした金をもらわれたのですか。それとも米ドルだけ、コインなしの金をもらわれたのですか。だとしますと、そのときにそれを記帳しなければならぬのではないでしょうか。
  489. シグ・片山

    ○片山証人(通訳) はい、厳密な額、その額を入手いたしました。そして一九七四年の収入として、それを受け取った年に記録されております。レポートされております。
  490. 永末英一

    ○永末委員 終わります。
  491. 田中伊三次

    田中委員長 これにて証人に対する発言はいずれも終了いたしました。  証人シグ・片山君には、きわめて長時間にわたりまして、まことに御苦労様でございました。委員会を代表しまして、厚くお礼を申し上げます。ありがとう。  次回は明三日午前十時理事会、十時三十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会をいたします。     午後六時三十一分散会