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国務大臣(
三木武夫君) それはもう先進国の中で、
上田君ごらんになっても、こんなに外交の基本姿勢であるとかあるいはまた安全保障政策で与野党の間に
考え方の相違がある政党政治を行っておる国はありません。それだからやりたいんですよ、社会党の間にも。だから社会党の間にもこういう
国会の場も
一つの場ですし、もう少し野党との間に外交問題というのは話し合って、もう少し共通の場を持つような努力をしないと、これはやっぱり外国から見ても
日本の不安定な
一つの原因でしょうね。国の基本的政策というものが与野党の間に共通の認識がないということは、
日本の政党政治を諸外国から見たときに一番不安定に感ずる点でしょうね。
これはしかし、この
国会の論議を通じてなかなか決着がつくと思われませんが、できるだけ私も誠意をもってお答えをしたいと思いますが、どうかこれをただ
国会の場だけでなしに、与野党の間でこの問題に対して、たとえば安全保障でも
国会に
委員会を置くべきですよ。置いて、そしてもうちょっと内閣
委員会とか
予算委員会の場というのじゃなしに、徹底的にこの問題はそういう
委員会を置いて話し合うということが、これは今回の場合は
上田君も限られた時間ですから、やっぱり安全保障の
委員会を置いて、そこでもう徹底的に与野党の間でおやりになるということは、せっかく民社党も公明党もこれは賛成されておるんですから、どうか
上田君も社会党を説かれて、これに賛成されて、そうしてやって、外交
委員会でもこの参議院で外交の懇談会みたいな形式がありましかね、ああいう制度もいいと思います。こう何かテレビが入って言うのでなしに、もう少し
委員同士で外交の懇談会のような場を設けて、どうしてもこれは与野党の責任ですよ。こんなに国の基本的な政策に対しての違いがあるというのでは、そういう政党政治というのは私は不安定だと思います。
だから、これは自民党も努力しますよ。だけど社会党もひとつ、社会党ばかりでなしに、ほかの野党の諸君もこれをやはり御努力を願って、そうしてこの
予算委員会の場だけではなしに、継続的に与野党の話し合いができるようなことをつくろうじゃありませんか。絶対に必要ですよ。これだけの安全保障の
委員会も与野党の話し合いがなかなか一致しないということは、これはちょっと説明がつかないですね。どうかそういう点で、せっかく訪米もされて非常に外交の
考え方、柔軟性をお持ちに
上田君なってこられたわけですから、この影響力を、非常にもったいないと思いますよ。あなたのいまの
考え方というものはわれわれ聞いても非常に柔軟性を帯びた私は外交姿勢だと思う。そういう
考え方をどうか社会党の人々にもよくあなたの影響力を行使して、そうしてそういう易をつくろうじゃないですか。これは実際おかしいですよ。この
国会、こういうふうなことで基本的に
考え方が違って、そうしてそれが保革伯仲と言われたら言われただけ私はおかしいと思いますね、
日本の政党政治は。それだけにわれわれも努力をいたしますが、野党の諸君にもお
考えを願いたいと思う次第でございます。